初期の五輪の中でも特にユニークなのが1900年の第2回パリ大会だ。当時はまだ五輪の存続自体が危ぶまれるような状況で、万国博覧会との同時開催によって難局を乗り切ろうとしていた。大会は5カ月以上にわたって続き、その中で正式競技以外にいろんな競技がお目見えした。
自動車レース、魚釣り、たこ揚げ大会、気球競争……。これらはいずれも賞金付きの競技だったという。五輪競技なのか、万博の余興なのか、分からないような状態だ。
正式種目には「ハト撃ち」なるものがあった。射撃の一種で、英語では「Live pigeon shooting」、つまり生きたハト撃ちだ。その名の通り、生きたハトを飛ばして撃つ種目で、金メダルはベルギーの選手の21羽。射撃はもともと、ハトやシカを撃つもの。当時としては当たり前だったのかもしれないが、この大会限りで姿を消した。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO93107740S5A021C1000000/ 悲しいことだが、スポーツの世界に八百長と汚職はつきものだ。ギリシャには、紀元前776年に建築された古代オリンピックの競技場が現在も残っている。競技場の外にはかつて、神をまつる像や神殿が立ち並んでいたが、それらの建造物は、オリンピックの試合で不正行為や八百長をはたらいた選手やコーチたちから徴収した罰金によって建てられたものだった。
つまり、スポーツ界における汚職の歴史は古く、少なくとも2800年前から存在していたのだ。ただ、八百長のような不正行為は、競技スポーツが存在する限り消えることはないだろう。それは人間の性だと言えるからだ。
https://www.footballchannel.jp/2014/01/02/post19443/