1 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 11:04:22.66 ID:2I150zVu0
2 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 11:05:18.74 ID:2I150zVu0
3 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 11:05:45.45 ID:2I150zVu0
4 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 11:08:25.50 ID:2I150zVu0
5 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 12:54:40.04 ID:m04FluYM0
6 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/22(木) 12:59:27.17 ID:8MkZ9A/F0
7 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/23(金) 01:04:07.28 ID:PZy1XnFe0
>>1乙カレー
安価のせいで
>>6が爆弾食べさせようとしてるみたいだw
8 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/23(金) 20:48:22.54 ID:pWdlsT8r0
杏子スレより転載
/i´Y´`ヽ これなんだと思う?
ハ7'´ ̄`ヽ. これはね、美樹プルーンの苗木!
l ,イl//`ヘヘ! つまり、ベイビー 分かる?このカリフォルニアの農園で
リノ(! ゚ ヮ゚ノリ すくすくとヘルスぃーに育って春になるとね・・・
ノ /)i杏i|、 ヨーグルトと美樹プルーン!
(( Uく__ハj_) '´ ヽ
し'ノ {ノハ从k}i }
リ、゚ー ゚.|l!ノ
9 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/24(土) 06:51:38.84 ID:FAbRsNaa0
10 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/25(日) 23:33:28.34 ID:B6h8P3Xo0
11 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/29(木) 05:55:45.30 ID:LvJnsOHc0
608 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2015/10/22(木) 21:31:45.80 ID:Z287SR540
__
, '´ ヽ
.{ i{ノハ从k}
ヽ!l|, ゚ ヮ゚ノリ
/' );-さリ、 ぷるーん
/ Uノ_i_iゝ
`^〜し'ノ
/i´Y´`ヽ
ハ7'´ ̄`ヽ.
l ,イl//`ヘヘ!
リノ(! ゚ ヮ゚ノリ チッ、育ちすぎたか
ノ /)i平i|、
(( Uく__ハj_)
し'ノ
12 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/31(土) 20:59:20.43 ID:/4Rb8wQxO
杏子「お菓子くれないと悪戯しちゃうぞ」
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/31(土) 21:25:44.11 ID:uglAdNPt0
さやか「お菓子なんて持ってないよ(わくわく...)」
14 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/31(土) 22:07:13.30 ID:97mh2Lml0
さやかの身体が甘いお菓子
15 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/10/31(土) 23:12:52.71 ID:8wF34d050
さやか「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ(はぁと)」
杏子「何だ、お前も食い意地張ってんな。ほら、ロッキー」
さやか「(そうじゃないいいいいい)」
これで
16 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/02(月) 06:48:44.21 ID:zqmEg3g30
さやかが育ちすぎたのは杏子がいたずらしすぎたせいだね
17 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/02(月) 21:11:20.10 ID:PHbAS5rA0
杏子も家族がいたころは無邪気にハロウィンやってたのかな
18 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/02(月) 22:36:19.89 ID:VVn5uBus0
>>17 うわー、想像したらその後の悲劇との落差で目頭熱くなっちゃったよ
でもそこを察したさやかに抱きしめられて…、という話もあり得るか
19 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/02(月) 23:52:11.11 ID:lgtgTf230
えねるぎあさんの本読んでから杏さやふたなりに飢えてる
20 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/03(火) 04:23:51.03 ID:Dy0RcxP/0
わかる わかるあれは名作
21 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/05(木) 21:58:18.71 ID:NtYy26Ub0
えねるぎあさんのはさやか愛がすごすぎてエロもすごいポイントついてくるよね
浴衣からはみでるおっぱいがつぶれてる質感とか、ロッカーの中であんこに膝ぐりぐりされてるリアクションとか
22 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/05(木) 22:29:53.58 ID:rXtttPVS0
逆に杏子愛が深いエロ同人ってある?
叛逆杏さやにはまった人間としてはそういうの見てみたい
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/05(木) 23:52:41.09 ID:NvwMFXpt0
ふじ紫さんの杏さや小説は杏子愛を感じる
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/07(土) 22:21:39.78 ID:ooLMwfUI0
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/08(日) 02:33:01.72 ID:GXRtyMQw0
流石あきまるさん安定のクオリティ
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/11(水) 17:56:00.39 ID:92UnUW1+0
さやさや
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/11(水) 17:58:39.62 ID:92UnUW1+0
さやさや
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/14(土) 23:29:29.59 ID:kxH8fUZt0
リノ ゚ ヮ゚ノリ <杏杏!
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/17(火) 02:32:04.94 ID:O6nWyoi70
杏子ちゃん何喘いでるの?
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/17(火) 19:15:31.89 ID:C+mGJ0qj0
さやかに大きなうんまい棒食べられてる
31 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/20(金) 23:13:11.66 ID:U1nqmihB0
杏子ちゃん絶対でかいよね
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/22(日) 16:04:34.86 ID:jUEJ69tL0
意味が分からない
ふたなりの話?
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/22(日) 16:28:42.28 ID:BTFf4Nhx0
いい夫婦の日だから今日は杏さやの日
つまり夫婦が行う愛の行為のことじゃないかな
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/22(日) 22:49:03.92 ID:xfylMrGl0
いい夫婦な杏さやどっかにあがってないかな
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/22(日) 23:50:03.44 ID:VxuKIoRc0
正義の味方と聖女、正にいい夫婦
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/28(土) 13:30:55.87 ID:Ayo1h1oG0
舞妓杏さやは年末年始二人で寄り道旅行しに行っちゃうんだね
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/28(土) 23:17:57.12 ID:KQiTejqG0
新作で杏さやはまた引き裂かれるのか?もう一度心中?
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/11/29(日) 22:51:12.19 ID:bzBCvr5z0
さやかと杏子は引力で引きつけられるのです
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/04(金) 23:00:50.11 ID:TFZAOIkz0
ふるふる
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/06(日) 23:50:47.06 ID:37FcgVxR0
杏さや一緒な布団でぬくぬく寝てるんだろうな
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/07(月) 22:32:45.30 ID:HWsK2p+O0
杏子がいろいろエロイいたずらしてそう
42 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/10(木) 01:15:08.38 ID:ubJO6svz0
(・∀・)
43 :
静かな夜に
2015/12/11(金) 21:03:00.73 ID:7lHVT5dU0
その少女は束の間、違和感の正体に気付けないでいた。
景色か、音か、風か、彼女は原因を探そうとした。
しかし見つかるハズがない。
当然だ。
この違和感は誰あろう、彼女自身が齎しているからだ。
人との付き合いを避けている癖に歓楽街に出向き、自分のためにと言いながら気が付けば利他的になっている。
佐倉杏子とはそういう人間だ。
だから彼女がイルミネーションの只中にいる理由を自覚するのには、まだもう少しだけ時間がかかる。
「綺麗だな……」
口から出る感想は素直だ。
杏子は遠まわしな表現も、飾ることも苦手だからこういうときには最もストレートに言葉が出る。
「そうだね」
横に並ぶ美樹さやかも同じように光のアーチを仰ぐ。
「今朝は大変だったんだって。強風でアーチが倒れたらしいよ。幸い、誰もケガしなかったみたいだけど」
「へえ、そうなのか……」
「どうよ? 今年のは――」
「綺麗だよ、ほんとに。去年も来たかったな」
さやかの問いに杏子は視線を外さずに答えた。
神戸の夜を鮮やかに染め上げる無数の光は、そのひとつひとつに鎮魂の想いが込められている。
2人は事情があって去年、この町を訪れることができなかった。
代わりに廃教会に赴き、特定の故人へ想いを馳せたが、先ほど答えたように、
杏子はこのイルミネーションを見たがっていた。
「変わったね、あんたも」
たしか一昨年は土壇場で無理やりに連れて行ったっけ、と思い返しながらさやかは言う。
「そんな素直に、”綺麗”って言うなんてさ」
そして微苦笑する。
(ちょっと前のあんたなら、”悪くないかもな”とか言ってただろうね)
杏子の変化を最も間近で感じていたのはさやかだった。
ちょっとした所作にも、言葉にも、その違いは表れる。
よほど注意深くならない限り見逃してしまいそうなほどの些細な変化にも、彼女は敏感だった。
「自分でもそう思うよ」
答える杏子の口調は柔らかだった。
「父さんたちに置いてけぼりにされた時……違うな、信者たちが離れていった時か。
あの頃は自分以外はみんな敵だ、みたいに思ってたよ」
光のないところでは、人は光を探したがる。
しかしそれがどこにも無いと分かると、今度は暗闇を味方につけたがるものだ。
「全部否定された気がしてさ。父さんの考えも、あたしの考えも、あたしがやったことも――。
魔法少女になってまで守る価値のあるもんなんて、この世にはねえんだ、って思ってた」
光の門は斜に構えて生きてきた少女を、少しだけ多弁にした。
この輝きには忌憚すべき本心を無自覚に吐露させる力があるようだった。
44 :
静かな夜に
2015/12/11(金) 21:06:13.65 ID:7lHVT5dU0
「分かる……って言ったら烏滸がましいかな……うん、でも分かるつもり。
自分のやってる事がうまくいかなかったら、周りを恨んじゃうって誰でもすることだよ、きっと」
さやかは彼女を肯定した。
もう表面的にしか互いを捉えられない間柄ではない。
2人は2人の良いところ、悪いところ、美しいところ、醜いところを全て理解し合っている。
もちろん、光に照らされて語る杏子の本心も、さやかはとうに知っていることだった。
「そんなあたしに真っ直ぐにぶつかってきてくれた……さやか、あんたのお陰で今のあたしがあるんだな」
杏子は白い息を吐いた。
「だから……昔のあたしならたんなる電球の集まりでしかなかったこれも、今なら素直に眺めることができる。
実際に見たことはなくても、地震で死んだ人たちを悼むことができるんだ」
「杏子――」
さやかは寂しそうな表情を一瞬だけ浮かべた。
「それが本来のあんたなんだよ。教会の娘だからさ、鎮魂とか慰霊とかそういうの、あたしなんかよりずっと
尊い気持ちを持ってるんだろうね。作法とかいろいろあるじゃん? そういうのも含めてさ」
「ああ、よく聞く話だけど、そんなの関係ねえよ」
「…………?」
「作法とか祈りの言葉とか、そういうのを覚えてキッチリやったからって何も変わらねえ。
たとえばこういう時は、死んじまった人が安らかに眠れますように――ってそう想うのが大事なんだ。
仏教徒がキリスト教徒より気持ちが軽いとか重いとかないだろ? カタチなんてどうでもいいんだよ」
杏子は瞬きを見た。
それがイルミネーションなのか、アーチの隙間から覗く星なのかは、ぼやけた視界の中では明らかではない。
「カタチなんて――」
呟きから。
さやかは杏子が現実にカタチとして存在するもの拘泥っている――宗教的にいえば執着――と悟った。
ここに彼女の父親がいて、母親がいて、妹がいれば。
きっとそれだけで全てが満たされるに違いないと。
後ろめたさを感じながら罪を犯すことも、威圧するような目つきも、乱暴な言葉遣いをすることもなかっただろうと。
「杏子のお父さんはきっと幸せだったと思うよ」
それを分かっているから、さやかはそれを少しだけ否定する手伝いをした。
「あんたの話を聞いてたらさ、よくできた娘じゃんか。あんた、お父さんのことが好きだったんでしょ?」
「………………」
「自分を好きな人を嫌いになるわけないよ。それが娘ならなおさら、ね」
「でも、あたしは……」
「いい! 言わなくて! だいたい分かるから。そうやって否定ばっかするのも違うと思うよ」
さやかは燦然と煌めくルミナリエに感謝した。
これがただの夜なら、圧倒的に多い暗闇がさらに思考を陰鬱にするところだった。
「杏子は何もかも失ったワケじゃない。あんたは今もこうして生きてるし、あんたのたどった道も、
起こした奇跡も、魔法の力もちゃんとある。教会だって今もしっかり残ってるでしょ?」
陳腐な慰めであることは彼女も自覚している。
45 :
静かな夜に
2015/12/11(金) 21:08:40.40 ID:7lHVT5dU0
いくら胸を打つ言葉でも、多くに満たされている者が発したものであれば、そうでない者の心には届かない。
しかしさやかにできることは多くなかった。
だからといって誰にでも言えるような励ましの言葉をかけたくもなかった。
「だけど、あたしの家族は――」
もういない、と言いかけた口が柔らかい感触に塞がれる。
(さや……か…………!?)
わずか呼吸が止まり、杏子は何が起きているのかを理解しようとする。
温かい、何かが触れている。
人が生まれながらにして、誰もが持っている魔法の力だ。
それが悔恨と悲しみに沈みかけた少女の心に安らぎを取り戻させた。
「たしかに杏子の家族はいなくなったよ。でも、”新しい家族”がここにいるだろ?」
口づけを解いたさやかは、真っ直ぐに杏子を見つめた。
いつか、死闘を演じた時と同じように、真っ直ぐ。
「こうやって2人並んでここにいる。家族がいなかったらできないことでしょ?」
そう言い聞かせるさやかは寂しげだった。
杏子はまだ、さやかも彼女の両親も家族として見てくれていない。
それが彼女には悲しかった。
最初はたんなる同情心や庇護心であったかもしれない。
あるいは不良娘を更生させることが自身の掲げる正義に合致したからかもしれない。
だが、もう違う。
佐倉杏子は引き取った娘ではなく、家族だ。
さやかはそう思い込んでいた。
「気兼ねなんてしなくていい。あたしのことも、あたしのお母さんとお父さんのことも家族だって思ってほしい」
杏子がそうしたように、彼女もまた包み隠すことなく本心を述べた。
「っていうかあたしたち、とっくに家族だと思ってたんだけど?」
少しだけ嫌味も混ぜてやる。
理由はもちろん、杏子と対等の立場に立ちたいからだ。
罪悪感も遠慮も何もかもを捨てられるくらいの、対等な立場に立つ。
そうして互いがあらゆる足枷から脱却でき、万全の状態になったとき。
さやかは杏子に戦いを挑む。
姉妹喧嘩という名の真剣勝負を。
水入りに終わり、杏子が優勢のまま、しかし一度として決着のつかなかった戦いを。
どちらが勝ったとしても勝負はそれで終わり。
くたくたに疲れるまで戦った後、母親が作ってくれたご飯で空腹を満たす。
そうして初めて2人は真なる意味で”姉妹”になれる。
不器用なさやからしい考えだった。
だが杏子の性格からして、然るべきタイミングで勝負を挑めば、必ず乗ってくるという確信があった。
「いいのか……あたしで――?」
杏子が伏し目がちに言う。
「あんたでなきゃダメなんだよ」
さやかは答える。
46 :
静かな夜に
2015/12/11(金) 21:12:47.21 ID:7lHVT5dU0
・
・
・
・
・
アーチがこれまでのどの瞬間よりも鮮やかに輝いた。
この光は震災で失われた命のために捧げられている。
さやかはそこに、少しだけ意味を拡大して解釈した。
「これだけたくさん光があるんだ。そのうちのひとつくらい、杏子のお父さんたちのためにあってもいいよね」
杏子は気恥ずかしそうに俯いた。
その所作がとてもいじらしくて。
自分に妹がいたら、きっとこんな感じなのだろうと。
そう遠くない未来、姉妹になる少女へ。
さやかはもう一度、今度はさっきよりも深く永く、口づけをした――。
終
47 :
JEDI_tkms1984
2015/12/11(金) 21:18:51.50 ID:7lHVT5dU0
今年もこの時期が来ました。
毎年、この頃は神戸の街は俄かに華やぎます。
それでは皆様、よいお年を。
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/11(金) 22:16:17.69 ID:ZPquLyyr0
乙乙乙乙
乙
乙
乙 乙
乙乙乙乙
49 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/12(土) 10:44:46.59 ID:Q8R3LmKn0
乙
50 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/13(日) 10:01:43.74 ID:SljDwLTu0
51 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/16(水) 06:38:12.98 ID:eAUEb3A90
>>47 乙です。面白かったー
「新しい家族」という言葉にドキッとしたけど、口づけを交わす姉妹なんだね
52 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/19(土) 21:12:05.36 ID:F7NjYbFs0
ヌスに囲まれてちょっと可哀想
53 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/19(土) 22:18:37.93 ID:SKaBNueF0
やわらぎ瓶さんの杏さやチュー本楽しみ
54 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/19(土) 23:01:08.74 ID:OpwMj5E50
禿同
毎回毎回話も杏さや度も素晴らしい本出してくれる
55 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/21(月) 13:54:35.90 ID:IWfAvv2TO
落とさせはしない
56 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/22(火) 21:22:01.72 ID:Lf2iYKgs0
今回は杏さやエロ本少なそうだな
57 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/24(木) 17:38:12.58 ID:+zBwvsiWO
コンセプトムービーで杏さやな映像有った?
58 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/25(金) 06:08:56.51 ID:XcnTaCcl0
聖夜の杏さやはどんな感じだったかな
59 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/25(金) 23:55:31.89 ID:s3GcpRnd0
フルコース
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/26(土) 00:02:43.91 ID:yf4VYW6w0
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/29(火) 07:43:22.67 ID:WOC9suoz0
今更すぎるけど一応大阪の杏さや語り貼っとく
62 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/29(火) 19:49:49.78 ID:oZeW2oPm0
>>61 素晴らしい
まどまぎからこの二人を選んだ人はわかってるw
63 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/30(水) 00:11:49.44 ID:LTdb/bBy0
64 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/30(水) 19:33:39.06 ID:Qvbu2Q1v0
買った
65 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/30(水) 22:13:51.56 ID:sN+6mgwm0
>>61 ちょうど大阪の展に行く予定で、直前にこれ見たとき大阪でよかったと思った
66 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2015/12/31(木) 21:18:28.15 ID:RtygOhmu0
やわらぎ瓶のチューライフ良かった
67 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/01(金) 23:42:14.37 ID:rhsXRnw+0
あけましておめでとうございます
今年も良い杏さやが沢山見られますように
68 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/13(水) 21:11:20.34 ID:01g7H9sz0
冬休みの宿題はちゃんと終わらせてから学校行ったのかな?
69 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/16(土) 19:01:34.55 ID:G0J/hMtg0
>>63 これ届いたから読んだ
最高の杏さやせっくすだったぞ
70 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/24(日) 22:46:19.05 ID:cY0Es6Ml0
フィギュア
71 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/25(月) 06:16:05.52 ID:fNqib9y90
舞妓杏さや素晴らしい!
正月の間にお迎えできて良かった
72 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/25(月) 23:32:00.02 ID:xZ4EYfIp0
素晴らしい、俺の心に一足早い春が来たぜ
73 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/01/30(土) 09:08:37.67 ID:7rlCuOMW0
雪の中を歩む舞子杏さや
74 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/03(水) 21:25:21.94 ID:vHMEvcsu0
節分イベントで鬼役をやる事になった杏さや
いいかゆま? 今渡した方の豆を『鬼は外』に A A
うん、わかったよキョーコ! AA AA
./´Y´`'i こっちの方を『福は内』に使うんだぞ? ,r:::::ヾWゾ::::ヽ.
i>O"´`⌒O<i , '´ ̄`ハ7. !::::::::,r─ 、::::::)カポッ
.((ノノリ从从| .イl//`ヘヘ,l, | Y { 0O0.}:::ノミ
从リ ゚ ヮ゚ノリつl工l □ とリi.゚ ヮ゚ ノノリ! 杏子〜 もうすぐ出番だよ〜 ヽ:ヾIIIIツノ
人 がお〜 赤鬼だぞ〜
( ) 食い物を粗末にする悪りぃ子゙はいねぇがー!?
┌:‐┐. . A A
`|...| AA AA がお〜 青鬼だぞ〜
/i´Y´`ヽ ,r:::::ヾWゾ::::ヽ. お前たちは私たちのゴハンになるのだ〜!
ハ7'´ ̄`ヽ !::::::::,r─ 、::::::)
l ,イl//`ヘヘ!♪ Y { 0O0.}:::ノ ♪
(( リノ(! ゚ ヮ゚ノリ ヽ:ヾIIIIツノ ))
♪ノ / i⊂ ) )) ♪ (( ( つ´ヽ、 ♪
(( ((く ヽつ」 〉__とノ_ゝ ))
(_)^ヽ__) (__ノ^(_)
うひゃあ、これはたまらん! .) 、 来年もまた来るからおぼえてろー!
( )
えいえい! おにはそとー! ┌:‐┐ A A
8 ∞ `|...|´ AA AA
8. . /i´Y´`ヽ. △ ,r:::::ヾWゾ::::ヽ.
i>O"´`⌒O<i 8 ∞ 8 ∞ ⊂ ハ7'´ ̄`ヽ | ⊂ !::::::::,r─ 、::::::)
.((ノノリ从从| / / ⊂ l ,イl//`ヘヘ! | ⊂ Y { 0O0.}:::ノ
从リ ゚ ヮ゚ノリ∩ ⊂ リノ(!; ゚ ヮ゚ノリ| ⊂ ヽ:ヾIIIIツノ
(つl工l}彡 ノ ⊂)i杏i| つ ⊂);_,大、リつ
く;:i:;:i:;ゝ 三 (( く__ハjノ_」 | 三 / /__ 人_ゝ
∪∪ とつ | `^〜とつ
75 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/03(水) 21:26:55.15 ID:vHMEvcsu0
. A A
AA AA ふぅ、上手くいったね!
,r::::ヾWゾ::::ヽ.
< ふくわうちー! !:::; '´  ̄ ヽ::) …って、何やってんの?
. /i´Y´`ヽ 彡 Yノハ从k}i }.
. ハ7'´ ̄`ヽ r─ 、リ、^ヮ ゚.|l!∩ カパッ
,イl//`ヘヘ! { 0O0.}o ´大`,ノ
リノ(! ゚ ヮ゚ノリ サッサ ヾIIIIツ /_ 人__ゝ
と( U8U彡. ∪ ∪
『鬼は外』の豆を殻付落花生にしておいたんだ!
/i´Y´`ヽ __,, アンタがこの行事の時どうするのか
ハ7'´ ̄`ヽ ドヤッ , '´ ヽ
,イl//`ヘヘ! {ノハ、,从k, } 気にはなってたけど…こうきますか〜
リノ(*゚ ヮ゚ノリつ∞ リ゚ヮ ゚;リiレ'
/i´Y´`ヽ __,, まぁ一人ぼっちで食べてても寂しいだろうし
ハ7'´ ̄`ヽ ポリポリ , '´ ヽポリポリ さやかちゃんも付き合ってあげますよ!
,イl//`ヘヘ! {ノハ、,从k, }
リノ(*^〜^ノリ リ^〜^*リiレ' あんがとなさやか!
76 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/03(水) 23:58:48.10 ID:S4Ibj8XK0
食べ物を大切にする杏さや和んだ
77 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/05(金) 01:11:16.92 ID:U94q83Ha0
>>74-75 かわいいなw
最近は織莉子マギカの面子が出てくるようになってうれしい
78 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/07(日) 17:10:56.10 ID:xekwgMJI0
79 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/14(日) 11:29:03.86 ID:E+sDdJE80
欲しい欲しい!!!
80 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/14(日) 18:40:30.37 ID:wTqkozoWO
杏子「今日、あれだから、ロッキー上げるよ。」
さやか「じゃあ・・・ロッキーゲームで///」
81 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/16(火) 23:12:50.59 ID:zhXIEy3r0
82 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/25(木) 20:03:53.49 ID:GVSISdr+0
ゑ?
83 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/02/28(日) 16:38:14.18 ID:S0brfw1y0
さやかと杏子のチョコはどっちが美味しかったの?
84 :
【大凶】
2016/03/01(火) 23:41:27.18 ID:jxE4iAWA0
偶には杏子に甘えるさやかも良いものだね
85 :
【凶】
2016/03/01(火) 23:43:09.52 ID:jxE4iAWA0
やり直し!
86 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/02(水) 22:00:26.64 ID:hT0ksCc80
87 :
【菖蒲】
2016/03/03(木) 23:59:51.04 ID:snJYvRfR0
杏さや祭り!
88 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/05(土) 19:20:48.22 ID:LZm1jGXZ0
89 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/08(火) 06:27:14.42 ID:snqNT+170
さやの日おめでとう!
今日のさやかちゃんは大吉!
90 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/09(水) 00:19:05.67 ID:Q56y11TE0
引き続き佐倉の日をお楽しみ下さい
91 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/14(月) 13:34:00.45 ID:mSKNGhKqO
杏子「今日は、ホワイトバレンタインデー♪」
92 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/14(月) 23:15:49.22 ID:L1gvCAJS0
杏子ちゃんからチョコのお返しの濃厚キス
93 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/21(月) 15:56:15.29 ID:VWPu8VIQ0
最近杏さやのエロないな
94 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/25(金) 19:26:55.50 ID:01mygXP00
えねるぎあさんの同人思い出した
95 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/03/25(金) 22:30:38.30 ID:5OfF79gU0
自分以外にそれを思い出した人がいたとは流石杏さやスレw
96 :
【だん吉】
2016/04/01(金) 06:15:36.30 ID:AOP4EOSK0
ミリオンアンサヤー
97 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/05(火) 06:04:11.26 ID:eDfg/Fhw0
杏さやはもうお花見したかな
98 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/11(月) 22:33:08.83 ID:eR6qsQdW0
四月は佐倉の季節!
99 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/18(月) 23:56:31.60 ID:amxZDTPn0
桜がさやさやしている季節
100 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/20(水) 20:18:46.46 ID:EjtWHvKe0
さくらさやかちゃん
101 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/25(月) 17:47:42.88 ID:f5IeKB/10
みききょうこちゃん
102 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/30(土) 20:15:04.47 ID:a/SnT9Ih0
103 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/04/30(土) 21:48:24.50 ID:2nBtJSBe0
じゃこれも
104 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/02(月) 11:36:59.14 ID:ni0EJnxj0
105 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/03(火) 23:13:34.78 ID:EknGl81t0
106 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/04(水) 23:09:47.66 ID:VptvYUbf0
107 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/05(木) 05:07:54.63 ID:8wBn2kQu0
108 :
手に入れた幸せ1
2016/05/08(日) 15:26:13.48 ID:Gdn4uIpZ0
この世界には目には見えない、耳にも聞こえないものが数えきれないくらいに存在する。
それらは認識するだけでも困難だが、それ以上に難しいのはそれを正しく表現することだ。
たとえば、味。
舌鼓を打っても、舌が蕩けそうだと言い繕っても、味覚として認識した味はそれを文字通り
味わった者ただひとりだけのものだ。
いかに語彙を蓄え、技法に頼っても、味を正しく万人に伝えることはできはしない。
だからこの少女は困り果てていた。
受けた恩は可視化できない。
それに対する感謝の念もまた可視化できない。
見えない恩にどうして見える謝意を伝えることができるだろうか。
いま、彼女の手にあるのは3輪の花だ。
この時期になると俄かに名を売り出すカーネーション。
実際には年中、市場に出回っているが5月の特定の日にだけやたら脚光を浴びせるあたり、
人間という生き物はとても勝手で傲慢な種のようである。
彼女が父とともに信じてきた神は、そんな人間にさえ慈悲の手を差し伸べるというのだから、
信仰心は決して絶やしてはならないハズだ。
「花には悪いけど、これじゃあな――」
少女は大息する。
世の中のバランスは希望と絶望のやりとりで均衡を保っていると吐いたのは、どの口か。
彼女が受けた大恩に報いるのに、数枚の硬貨で手に入る花ではあまりに不釣り合いだった。
世界中の草花をかき集めても足りない。
朝も、昼も。
一日、一秒を生きているだけでこの少女――佐倉杏子は美樹家から多大なる恩を受けているのだ。
帰る家があるのはありがたいことだ。
それだけでなく、飢えとは無縁の生活が送れることも、周囲に気を張らずに寝る場所があることも、
魔法少女という特殊な状況を除けば人並みの人生を歩めることも。
多くにとっては当たり前だが、杏子には神から下賜されたも同然の慈しみだった。
それに応える術を幼い彼女はまだ持たない。
佐倉杏子は優等生だった。
美樹家の方針には一度として背かなかったし、小さな不平や我儘さえ言わなかった。
それまでの暴食の揺り返しのように、さやかの母が用意してくれる食事を慎ましく有り難がって嚥下し、
それ以外の物は何ひとつ望まなかった。
鉛筆の一本さえも粗末にせず、汚れほつれ傷んだ私服も修繕を繰り返して大切に扱った。
杏子自身は口が裂けても言えないだろうが、魔法少女として戦う際には常にさやかの身を案じ、
自ら先陣を切り、彼女に危険が迫れば身を挺して庇護してきた。
家族を喪い、傍若無人に振る舞ってきたそれまでを悪や罪と認識している彼女は、
それとは正反対の行いが善であり贖罪であるとした。
さやかはその様子を借りてきた猫だと茶化したが、その軽口さえも今の彼女は真摯に受け止めた。
「母さん…………」
この呟きは今やふたつの意味を持つ。
産みの親の記憶は、育ての親の記憶によって塗りつぶされかけていた。
「………………」
脳裏に過ぎるいくつかの想いを振り払うように、彼女は出かかった言葉を呑み込んだ。
109 :
手に入れた幸せ2
2016/05/08(日) 15:27:27.68 ID:Gdn4uIpZ0
寸草春暉。
子の孝心は母の愛には及ばないという。
さやかと、彼女の母の関係もそうであった。
一見すると放任のような子育ては、却ってさやかを伸び伸びと成長させ、
しかし決して自堕落放漫にならない絶妙なバランスで思春期を迎えるに至った。
やや勝気で思慮はそう深くなく、また年頃の女の子にしては淑やかさに欠けているように思えるが、
これは彼女の付き合う友人との対比がそう見せているに過ぎない。
才媛志筑仁美の前では誰だってがさつで向こう見ずな少女に成り下がる。
感情のコントロールが上手くできない点は短所だが、さやかは概ね母が理想とする娘に育っている。
この日、彼女は気持ちというカタチにできないものを、どのように届けるかを思案していた。
定番は花だがワンパターンだし、命である以上はいつかは枯れてしまう。
気持ちを花で表す以上、それが枯れた時に込めた気持ちまでなくなってしまうような気がして、
選択肢からは早々に削られてしまっている。
「どうすっかな〜……」
街をあてどもなく歩きながら、さやかは腕を組んで唸った。
小さい頃は手製の”かたたたきけん”を10枚綴りにして贈ったが、数年経った今まで使われたことはない。
とうに失くしたか、それともキャビネットの奥底に思い出のひとつとしてしまっているか。
母がそれについて言及したことはなかった。
「う〜ん…………」
お金はある。
一時は欲しい時にCDを買えるだけのお小遣いを貰っていたが、杏子を強引に招き入れる際、お小遣い制を辞退している。
人ひとりを養うにどれほどの心配りとお金が必要かを彼女は想像もできなかったから、
せめて僅かと雖も金銭面で贅沢を言うべきではないと考えたのだ。
その結果、頻繁にしていた放課後の買い食いもかなり制限せざるを得なくなったが、少なくとも恭介が復帰したことで
CDを買う機会は実質なくなっている。
衝動買いさえしなければ、母の日にプレゼントを用意する程度の貯金はできるのだ。
「花は枯れたらお終いだし、ケーキも食べちゃったら終わりだよね」
モノというのは、いつもそうだ。
カタチのないところから始まり、カタチができ、最後はカタチがなくなる。
この世では砂の一粒さえ、永遠不変ではない。
「あいつはもう決めたのかな……?」
ショーウィンドウを左手になぞりながら、さやかは何気なしに呟いた。
「あたしかい?」
路地裏からひょっこり顔を出した赤毛の少女は複雑な笑みを浮かべていた。
110 :
手に入れた幸せ3
2016/05/08(日) 15:29:11.14 ID:Gdn4uIpZ0
商店街でリンゴを買ったさやかは、杏子と並んで林道を進む。
母の日は陽の沈む前にここに来ることが決まっていた。
どちらが言いだしたワケでもない。
気が付けば慣例になっていた。
「母さん、ただいま――」
墓前に跪き、杏子は両手を組んだ。
母に感謝するこの日は、彼女にとっては供養の日でもある。
どのような艱難辛苦に見舞われようとも今、この瞬間を生きていられるのは誰あろう、産んでくれた母親のお陰だ。
辛辣な現実の中、生まれたことを憎んだ時もあったが彼女は感謝の気持ちだけは忘れなかった。
「杏子…………」
彼女とは違う作法で手を合わせたさやかは、袋から取り出したリンゴを手渡した。
「母さん、今年もリンゴを持ってきたよ。さやかが買ってくれたんだ」
受け取った真っ赤な果実を墓前に供える。
それから自分が買ったカーネーションを添える。
「………………」
再び祈りを捧げながら、杏子は記憶の中から母の顔を探し出した。
聖職者の伴侶として節制や正道を旨として家族を支えていた彼女は、神よりもむしろ”神を信じている夫”を信じているようだった。
清貧の中でふたりの娘を最期の瞬間まで正しく教え育ててきたこの女性は、聖母と呼ぶに相応しい。
生きていれば。
生きてさえいれば。
佐倉杏子は一度も間違うことなく、正義の魔法少女を貫いていたハズだ。
墓標ではなく、母の姿を拝めたハズだったのだ。
「………………」
さやかは音を立てないように数歩退き、背を向けた。
泣き顔を見られたいと思う者はいない。
今も甘えたい母が、手製の粗末な墓標の下にいて彼女が涙を流さないハズがない。
その様を見たくはないし、見ていると悟られたくもないから。
さやかは天を仰いで緘黙した。
そうしなければ自分も泣いてしまいそうだったのだ。
過去は変えられない。
佐倉家に起こった悲劇を無かったことにはできない。
母の日がやって来る度、父の日が巡ってくる度、杏子はここに跪拝する。
そしてもう、とっくに涸れたハズの涙を流し続ける。
「なあ、母さん……あたし、さ……さやかの家にいるの……知ってるよね……?」
土へと向けられた呟きはそれを発した者と、そのすぐ後ろにいる者にだけ届いた。
「遠慮してた。あたしの母さんは……母さんだけだし、血だって繋がってない――。
それにあたし、悪い事ばっかりしてきたんだ。ひどいことも、いっぱい……」
「………………」
「さやかにも……ひどいことした……! 恨まれても……憎まれてもしかたないことなんだ。
なのに……あたし――さやかの家にいるんだよ……?」
悪事を働き、それに対して罪の意識を持つのは間違いではない。
しかしその罪悪感が強すぎる場合……。
他の全ての人間が許しても、罪を犯した本人がそれを許せなかったときは……。
誰が彼女の罪を許してあげることができるのだろうか。
さやかは思った。
彼女の贖罪に終わりはないのではないか。
彼女にとっては、生きていること自体が罪を重ねていることになるのではないか。
誰もが許している罪を、なぜ彼女だけがいつまでも”許すことを許さない”のか。
「ずっと考えてたんだ……これまでのこと…………」
この独白は聞くべきではないのではないか、とさやかは惑う。
これは杏子から母親へのメッセージだから、部外者が盗み聞きするのは無粋ではないかと。
”さやかにも聴いていてほしいんだ”
その逡巡が伝わったか、杏子がテレパシーを用いてさやかに言う。
111 :
手に入れた幸せ4
2016/05/08(日) 15:30:40.65 ID:Gdn4uIpZ0
「こんな悪い事ばかりしてたあたしが……父さんの教えを守れなかったあたしが、生きてていいのかなって……。
あたしが生きてたって周りを不幸にするだけだから、そんな価値ないんだって――」
「杏子、それは…………!」
「死んじまおうかなって、考えたこともあるんだ。そしたら、またみんなと会えるかもって……思った……」
声の震えは彼女自身の震え。
この独白にはとても少女ひとりでは抱えきれないほどの重みがある。
「だけど、さやかに出会って、変わったんだ。あたしが死んで、どうなるんだ……って。
迷惑ばかりかけてそれで死んで――それじゃただ逃げてるだけだって気付いたんだ」
そう語る彼女は家族が健在の頃の、正義や人助けに躊躇のなかった正義の魔法少女そのものだった。
「あたしは佐倉杏子なんだ、って。母さんと父さんに産んでもらった大事な命なんだ。
父さんの教えが間違いじゃないって証明するためにも、母さんの顔に泥を塗らないためにも……。
あたしはちゃんと生きなくちゃいけないんだ。悪い事をした分だけ善い事をしなくちゃいけないんだ」
この結論に至るまで、杏子は途方もない躊躇と逡巡と懊悩を繰り返してきた。
それら全てが業火の如く耐え難い苦痛を伴うものだった。
しかし彼女はそれに耐え続けた。
ひとりの力ではない。
彼女の傍にはさやかがいた。
帰るべき場所を与えてくれた彼女の両親がいた。
彼女たちがいたから、苦痛は生きていくのに必要な道程となった。
「だから……あたしはまだ母さんたちのところには逝けないんだ。それに……。
目標っていうか――夢も、できた……し……だから、ごめん……ごめん……ね…………!!」
最後のほうは言葉にならなかった。
堪えても堪えても溢れ出てくる涙が、少女から声を奪った。
さやかはそっと近づき、後ろからその小さな体を抱きしめた。
住む場所や食べるものを分け与えることは簡単だ。
しかしこの目にも見えない、耳にも聞こえない罪の意識を取り除くのは何よりも難い。
これについて美樹さやかができることはあまりにも少ない。
陳腐な慰めの言葉では、彼女の心を呪縛する罪悪感はほんの僅かも解けはしない。
「杏子…………」
何もできないから、さやかは何もできない。
彼女はただ、彼女の傍に居てやることしかできない。
こうして彼女が泣き止むまで抱きしめてやることしか――。
112 :
手に入れた幸せ5
2016/05/08(日) 21:43:17.49 ID:Gdn4uIpZ0
見滝原に戻ってきた2人は、『2時間』というキーワードだけを残して別れた。
母の日に想いを伝えるのに相談など要らない。
それぞれがそれぞれに想うカタチ、想う方法で今夜を迎えようという決めたのだ。
2時間とはそれを準備するための時間だ。
たとえばパーティーの用意をする。大きなケーキを買う。母のために夕食を作る。プレゼントを買う。
どのような方法であれ、気持ちを伝えるのが今日という日の目的だ。
だからさやかも杏子も時間いっぱいまで街を走り回り、そのための準備をした。
陽が沈み、空の茜色が深い青に染まり始めた頃。
美樹家ではささやかながらも盛大な宴が催された。
「そんなに気を遣わなくてもいいのに……」
と母は苦笑したが、彼女にとっては2人の娘が健在なだけで充分な恩返しだった。
「いいじゃんいいじゃん。あたしも杏子もこういう時くらいじゃないと料理しないしさ」
言いながら女子としてそれでいいのか、とさやかは疑問に思った。
こういう特別な日でなくても、ちょっとした食事を用意できるようになったほうがいいかもしれない。
さやかがそう考えていると、
「安心してよ、母さん。料理なら得意だからあたしがさやかに教えてあげるよ」
杏子が満面の笑みで言った。
彼女を”母さん”と呼ぶことに、もう抵抗はなくなっていた。
「あんたもそんなに変わらないでしょ!」
と、さやかも軽口で返してやるが、このやりとりが自然にできるようになったことに彼女は感謝していた。
杏子と美樹家の距離が一気に縮まったのは、昨年の母の日だ。
その時の彼女の勇気ある一歩が、今の関係性を築き上げたと言ってもよい。
「ほらほら、ケンカしないの。さあ、せっかく用意してくれたんだから頂きましょう」
テーブルを囲み4人、多くにとっては当然の、ひとりにとっては夢に見た団欒だ。
母が一口食べ終えるまで料理に手を付けなかった杏子を見て、彼女も変わったなとさやかは思う。
「父さんは来月だから楽しみにしててね」
こうしたさりげない一言が出るのも、一度は家族を喪ったからこそだろう。
「ああ、楽しみにしているよ。でも、無理はしなくていいからね」
そう答える父も、もはや杏子を預かっている子とは見ていない。
”佐倉”の姓は捨ててはいないが、彼女は間違いなく美樹家の娘だった。
「さて! じゃあお楽しみのプレゼントといきますか!」
まずはあたしから、と言うが早いかさやかは小さな箱を取り出した。
113 :
手に入れた幸せ6
2016/05/08(日) 21:44:36.37 ID:Gdn4uIpZ0
叮嚀なラッピングと結び目に添えられた、”いつもありがとう”のメッセージカードは、
ともすれば誕生日プレゼントと見間違えそうなカラフルな色合いで仕上げられている。
「ありがとう、さやか。開けるわね?」
やや重いその箱に娘の想いを感じ取りながら、母はラッピングを解いていく。
「あら、かわいい!」
緩衝材に包まれたそれを取り出した母は、うっとりとした表情で眺めた。
手鏡だった。
薄水色のフレームに水玉模様の柄は、見た目にも涼しさが伝わってくる。
色もさやかが好むものだっただけに、いかにも彼女らしい贈り物だと母は思った。
円形の鏡面に”家族円満”の意味を込めたのは、さやかにしては高尚な思い付きだった。
枯れてしまう花や食べればなくなってしまう食べ物と違い、カタチの変わらない手鏡には美しさもあるが、
衰えや(悪い意味での)変化を連想させる要素がない。
大切に扱えば末永く活かせるもの……と考え、さやかはこれを選んだ。
「お母さん、そういうの持ってなかったな〜、と思ってさ」
「ふふ、これでお化粧が楽しくなるわね。ありがとう、さやか。大切に使うわね」
それを見ていた杏子はばつ悪そうに俯いた。
「ん、杏子? どうしたの……?」
その変化にいち早く気づいたさやかは怪訝な顔で訊いた。
「いや、あの……」
口ごもりながら彼女も包みを差し出す。
「これ、あたしから――母さんに……」
「杏子もありがとう。開けていいかしら?」
「う、うん……」
114 :
手に入れた幸せ7
2016/05/08(日) 21:46:19.55 ID:Gdn4uIpZ0
こちらのラッピングもなかなか凝っている。
メッセージカードの類はないがリボンの巻き方に特徴があり、よりファンシーな印象を与える。
「やっぱり相談すりゃよかったな……」
そう杏子が呟く頃には包みは解かれ、そこから彼女が選びに選び抜いたプレゼントが姿を見せていた。
「あら…………?」
手鏡よりも重く、二回りほど大きいそれはスタンドミラーだった。
深紅を基調にしたスタンドフレームには重厚感と高級感がある。
細部に施された装飾と光沢がいっそうの存在感を放つが、不思議とこの家にあるものと調和していた。
「鏡台もあるけど、これくらいの大きさのものがあってもいいかな、って……」
この贈り物には彼女の”映すもの”への強いこだわりが表れている。
今ある幸せ、ここにたしかに存在する人、あるいはモノ。
それを克明に映し出す鏡は、人の視覚や記憶とつながっている。
小さな鏡にさえ、少し離れれば家族4人がすっぽりと収まってしまう。
自分を映し、自分以外を映すもの。
自分たちを繋ぎとめるそれを、欲しがっていたのは実は杏子自身だったのかもしれなかった。
「なあんだ、あたしも杏子も似たようなモノになっちゃったね」
贈り物が類似したからといって、想いや価値が変動することはない。
鏡という共通点を通して、2人はそれぞれに想いを馳せ、それを選んだのだ。
「母さん、ごめんね。同じようなプレゼントになっちゃって……」
杏子は母をガッカリさせたのではないかと思った。
「なに言ってるの。2人の気持ち、とても嬉しいわ。ありがとう……」
母は微笑み、さやかと杏子の頭を等しく撫でた。
「こうしましょう。さやかから貰った手鏡は外で使い、杏子に貰ったスタンドミラーはこの部屋に置いておくの。
そうすれば2人といつまでも繋がっていられるでしょう?」
「………………!!」
「………………!!」
彼女はおそらく無意識にそう言ったのであろうが、さやかに杏子、それぞれが贈り物に込めた想いをそのとおりに
受け止めた発言に2人は互いに顔を見合わせた。
そしてその仕草から彼女たちもまた、互いに込めていた想いを悟る。
「なんだ、そういうことだったんだ……」
「ああ、みたいだね」
奇跡か偶然か、こうなった事がおかしくて気付けば2人とも笑っていた。
115 :
手に入れた幸せ8
2016/05/08(日) 21:48:06.62 ID:Gdn4uIpZ0
「ちょっと、どうしたのよ? 私、なにかヘンなこと言ったかしら?」
「ううん、別に。お母さんは普通のことを言っただけだよ。ねえ、杏子?」
「ああ……ちょっと驚いたけどね。母さんも実はテレパシーとか使えるんじゃないの?」
「………………?」
母はひとり、分からない顔をした。
「それよりさ、お母さん。あたしたち、まだちゃんと言ってないよね?」
さやかは杏子の手を取って一緒に立ち上がった。
そして満面の笑みで、2人はこう言うのだ。
「お母さん――」
「母さん――」
「「 いつも ありがとう !! 」」
終
116 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/08(日) 21:51:08.67 ID:Gdn4uIpZ0
昼間、規制にかかりましたがその理由が分からずこのような時間になりました。
今年もささやかな品を母に贈りました。
それでは、また。
117 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/08(日) 23:43:51.54 ID:WRs9/yyl0
乙の日
118 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/09(月) 00:00:01.00 ID:XxanImpG0
乙です
お互いと家族を大切にする二人の繊細な心理描写はいつも素敵です
さやかのかたたたきけんの行方は気になりますね
使用したら回収されると思われてしまったのでしょうか
大切に保管してあるのは間違いないと思うので今後突然の活躍の機会があるかもしれませんね
119 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/09(月) 21:14:02.11 ID:rINMyjzX0
ありがとうございます。
僕も幼い頃、かたたたきけんを作りましたが使われた記憶がありません。
どこかで眠っているのでしょうか。
>大切に保管してあるのは間違いないと思うので今後突然の活躍の機会があるかもしれませんね
来年の母の日SSのネタをいただきました!
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/16(月) 09:40:52.01 ID:otj+EdJ1O
まどほむ以外は汚物
121 :
名無しさん@お腹いっぱい。
2016/05/17(火) 15:30:02.44 ID:DDoFfIPZ0
まどほむの次に人気がある
が、まどほむより上になることは万が一にも無い