https://www.bbc.com/japanese/48620599 タンカー2隻で爆発、乗組員は全員無事 中東オマーン湾
中東のオマーン湾で13日、タンカー2隻の爆発があり、乗組員計44人が救助された。日本関係の積み荷を運んでいたとされ、攻撃を受けたとの情報もある。
タンカーは、ノルウェーの会社が所有する「フロント・アルテア(Front Altair)」号と、パナマ国旗を掲げた「コクカ・カレイジャス(Kokuka Courageous)」号。中東メディアは、両方のタンカーで爆発が起き、火災が発生したと伝えている。
イランの国営メディアは、同国が計44人の乗組員を救助したと報じた。
世耕弘成経済産業相は、これらのタンカーには日本関係の荷物が積まれていたと述べた。
アメリカ海軍第5艦隊は、タンカー2隻から相次いで救難信号を受け、救援活動をしたと明らかにした。信号は、午前6時12分と午前7時に受けたという。
乗組員は全員避難
タンカーを運航している会社によると、2隻とも乗組員は避難して無事だという。フロント・アルテア号には23人、コクカ・カレイジャス号には21人が乗船していたとされる。
フロント・アルテア号をチャーターしている台湾の国営精油会社CPCコープは、同船にはナフサ約7万5000トンが積まれていると説明。「魚雷で攻撃された疑いがある」と話した。
ノルウェーの海事当局は、フロント・アルテア号は攻撃を受け、3回の爆発が起きたと説明した。
コクカ・カレイジャス号の運航会社BSMシップ・マネジメントによると、同船はメタノールを運んでいた。沈没の心配はないという。
日本のメディアは、コクカ・カレイジャス号は東京の国華(こくか)産業が運航していたと報じた。
米ブルームバーグは、この影響で原油の取引価格が最高4.5%上昇したと伝えた。
5月にもタンカー4隻が被害
中東のアラブ首長国連邦(UAE)沖では先月、サウジアラビアの石油タンカー4隻が、機雷によって攻撃される事件が発生している。
米当局はイランが関与したとの見方を示しているが、イランはこれを否定している。
イギリスの海軍・海運情報収集センター(UKMTO)は、今回のタンカー2隻が救難信号を出した周辺の海域について、「高度な警戒」が必要だと警報を発していた。