米アップルが債券ファンドだとしたら、競争を制するのはアップルだ。同社が保有する現金2570億ドル(約28兆9716億円)のうち1480億ドルが社債に投資されていることが、3日監督当局へ提出された届け出で明らかになった。
同社の社債投資は、世界最大の債券ミューチュアルファンド「バンガード・トータル・ボンド・マーケット・インデックス・ファンド」の全資産を買い取るのに十分な規模だ。同ファンドの運用資産は約1450億ドルで、社債や国債、モーゲージ債などに投資している。
多くのテクノロジー企業と同様にアップルも国外で得た利益を米国に送還するのをためらってきた。利益を本国へと戻せば法人税が課されるからだ。代わりに同社は社債やマネーマーケットファンドや米国債を含むその他資産に投資している。
アップルは自社株買いや設備投資計画などに必要な資金を調達する一助として、社債も定期的に発行する。同社は4日、1株当たり63セントの配当を支え、自社株買いの規模を拡大するために最大6本の社債を発行する計画を明らかにした。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-05-04/OPFOE1SYF01X01