米ライドシェア最大手ウーバーテクノロジーズの取締役会は3日、日本のソフトバンクグループからの出資を受け入れる手続きを始めた。ウーバーは取締役数を大幅に増やし、新たな出資者、同社から独立した人物などを新たに任命する。関係者によればソフトバンクが増える取締役ポストを獲得する方向で調整が進んでいるという。
取締役の増加により、対立する創業者と主要株主の影響力を弱め、経営を安定させる狙いがある。
海外メディアの報道などによると、ソフトバンクを含む投資家グループは、ウーバーの新株を10億ドル(約1100億円)以上購入し、既存株主からも最大90億ドル(約1兆円)の株式を取得することが認められる見通し。ソフトバンクが出資をまとめるには14〜17%の株を買い集める必要がある。
ウーバーの取締役ポスト数は11だが、このうち創業者トラビス・カラニック氏が新設した3つのポストについては、その有効性をめぐり同氏と大株主のベンチャーキャピタル(VC)ベンチマークキャピタルが裁判で激しく争っている。ウーバーは全体のポストを大幅に増やすことで裁判の意味を薄れさせ、両者の対立を緩和させようとしている。
また創業者やVCなど初期の投資家が保有する優先株によって高い比率で議決権を維持する統治構造も変えた。上場までは最高経営責任者(CEO)の交代要件を取締役会の3分の2の賛成とし、厳しくしたもよう。カラニック氏がCEOに復帰する道を当面は封じた形。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21870400U7A001C1EAF000/