株式会社ジャストシステムは、クラウド型通信教育サービス「スマイルゼミ 小学生コース」で、新学生指導要領対応の「プログラミング講座」を2018年3月より全会員に提供すると発表した。
スマイルゼミは、タブレット端末のみで学習が完結するというクラウド型の通信教育。月額費用は2,980円からで、別途、専用タブレット代の9,980円が必要となる。なお、タブレットはサービス利用終了後もAndroidタブレットとして利用できる。
都内で開催された記者発表会には、株式会社ジャストシステム ILS事業部 マーケティング部の寺尾房代氏、同社ILS事業部 開発部の廣庭雅一氏が登壇。
寺尾氏は、まず学校教育の変化について説明。小学校では英語教育が3〜4年生で必修化となり、5〜6年生では教科となるほか、プログラミング教育の必修化が迫っていると述べ、大学入試でも、センター試験から新たな大学入学共通テストが導入され、TOEICなど英語民間試験の利用が始まるとした。
小学校では2020年度から小学校の新学習指導要領の全面実施と大学入学共通テストの導入、2021年度から中学校で指導要領の全面実施が行なわれるため、今後5年で教育に大きな変化が起こると説明。加えて、来年春(2018年度)から移行措置期間が開始されることも強調した。
ジャストシステムでは、学校で教師による授業をサポートする「ジャストスマイル」、家庭用に子供1人で取り組める「スマイルゼミ」を用意し、学校と家庭の両面でサポートを行なうという。
プログラミング講座について説明を行なった廣庭氏は、まず「プログラミング教育に対して、コーディングを覚えることが目的であるという誤解が広がっている」という指摘が有識者会議でされたことを挙げ、実際にそういった声があることを同社でも懸念していると述べた。
同氏によれば、コーディングを覚えさせることで、職業選択の幅を広げさせたいという親と、今からコーディングをやらせても、子供が大人になるころには無意味になっているという親とで、数多くなったIT業界関係の保護者の中でも真っ二つに意見が割れているのだという。
情報技術は、おおよその流れとして、1970年台に愛好家がアセンブラで機械制御を行なっていたのが、日本での一般(パーソナルコンピューティング)におけるプログラミングの始まりで、1980年台に入ってパーソナルコンピュータが登場し、1990〜2000年台ではOS/ネットワークの制御が主で、ハードウェアの知識が不要となり、2010年にはデータハンドリングが主なプログラミングの場で、Webブラウザを通じたクラウドへとプログラミングが変遷していったと述べ、同氏は、「2030年台に今の子どもたちが必要とされる力」は何かというのは予想できないが、今の情報技術は過去のものとなっているだろうと語った。
そのため、コーディングではなく、その時代の情報技術を効果的に活用できるよう、普遍的に求められる力がプログラミング教育において重要であるとした。
同氏は、文部科学省の「小学校学習教育指導要領解説 総則編」では、「時代を越えて普遍的に求められる『プログラミング的思考』の育成が重要」であるとしていることに触れ、このプログラミング的思考というのは、課題を解決するための手段を考え、試行錯誤しながらより良い解決方法を探すといったことを論理的に考えていく力であると説明した。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1092824.html