・EU指導者が移民問題で合意−首脳会議での危機回避
・ドル・円は一時110円79銭まで上昇、ユーロ・円は一時129円台
東京外国為替市場ではドル・円相場が2週間ぶりの水準へ上昇。
欧州連合(EU)指導者が移民問題で合意したとの報道を好感し、リスク選好に伴う円売りが強まった。
ユーロは主要通貨全てに対して上昇している。
29日午後0時27分現在のドル・円は前日比0.2%高の1ドル=110円76銭。
朝方は110円38銭まで弱含む場面も見られたが、正午にかけて一時110円79銭と
今月15日以来の水準までドル高・円安が進んだ。
外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、
「きょうもEU首脳会議があるが、ドイツの政権崩壊はそれほど心配しなくてよさそうな雰囲気になっている。
米財務省の中国に対する投資制限の報告書もある程度内容が出てきており、
それほど強めのものにはならなさそうというムードになっている。
そう考えるとリスクオフにはなりにくいムードになってきた」と話す。
ブリュッセルでのEU首脳会議は29日午前4時半(日本時間同日午前11時半)に終了。
各国は国境管理の強化や亡命希望者に対応するセンターの設立、
亡命の権利がある人を決定するプロセスの加速化などで合意した。
ユーロ・円相場は1ユーロ=127円台後半から一時129円05銭と今月14日以来の水準まで上昇し、
同時刻現在は0.8%高の128円86銭。
ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.15ドル台後半から一時0.7%高の1.1650ドルまで上昇している。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、
「今朝方までは声明が出ない可能性が指摘されていた状況だったことから、
EU首脳による合意の報道でユーロショートのポジションの解消が出た形になっている」と指摘した。
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-06-29/PB2C6C6KLVR501