→中国とEUは通貨を操作している−トランプ大統領
→現在の引き締めはこれまでの努力全てを損なう−トランプ氏
トランプ大統領 Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
トランプ米大統領は、中国と欧州連合(EU)が通貨安を誘導していると非難。
またドル上昇と利上げにより米国は競争力が損なわれているとし、金融当局を再び批判した。
このほか大統領は、米国に輸入される中国製品全てに追加関税を課す用意があるとも述べた。
トランプ大統領は20日、「中国や欧州連合(EU)などは自国の通貨と金利を低い水準に操作してきた。
一方で米国はドルが日々強さを増す中で利上げを続けており、われわれの大きな競争上の優位性を奪っている」とツイート。
「米国は非常に好調だからと罰せられるべきではない」と続けた。
中国とEUが通貨を操作しているというトランプ大統領の主張は、
米財務省が4月に公表した半期に一度の為替報告書と矛盾する。
同報告書では為替操作国の認定はなかった。
また金融当局の利上げに言及しているとみられるツイートでは、
「現在の引き締めはこれまでの努力全てを損なう。債務の返済期限はやってくる。なのにわれわれは金利を上げている。本気か?」と述べた。
大統領は20日に放映された米経済専門局CNBCとのインタビューで、
米国に輸入される中国製品5000億ドル(約56兆2000億円)相当に追加関税をかける「用意がある」と発言した。
5000億ドルは米国が昨年輸入した中国製品の総額に近い。
さらに大統領は、「われわれはいいように利用されており、私はそれが気に入らない」と語った。
トランプ大統領は、19日にも米金融当局の利上げを批判していた。
米国の歴代大統領は長年にわたり、ドルの動きや金融政策の道筋に直接コメントするのを避けてきたが、
トランプ大統領はこの伝統を破った。金融政策は米連邦準備制度理事会(FRB)の専管事項であり、
ドルについては米財務長官がスポークスマンと位置づけられている。
米政府は長年、強いドルが米国の利益にかなうとの見解を表明してきた。
ムニューシン財務長官は、週末にブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席する。
会議では米国のドル政策やFRBの独立性についての見解を問う声が各国から聞かれそうだ。
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-20/PC63ST6S973A01