【ワシントン=長沼亜紀】米労働省が9日発表した2月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数(季節調整済み、速報値)は、前月から53万8000件減の708万7000件となり、2018年3月以来11カ月ぶりの低水準となった。求人が多かった前月からの急減で、厳冬など一時的要因が影響した可能性が高い。
米求人数は2月、11カ月ぶりの低水準に急減した=ロイター
求人率は4.5%で前月から0.3ポイント低下した。求人数の減少が目立ったのは、宿泊・飲食サービス業(10万3000件減)、不動産業(7万2000件減)、建設業(2万7000件減)などで、悪天候や政府閉鎖による消費の一時的落ち込みの影響を受けやすい産業が多かった。
労働省が別途発表した雇用統計でも2月の非農業部門の就業者数は前月比3万3000人増と1年5カ月ぶり低水準に落ち込んでおり、企業は2月に雇用拡大を手控えたことを示した。
しかし、3月の就業者数は19万6000人増と大きく回復しており、雇用市場はやや軟化の兆しがみられるものの堅調さを維持している。また2月の求人数は依然失業者数を85万2000件上回っており、引き続き労働市場は逼迫している。
2月は採用数も569万6000件で前月から13万3000件減った。採用率は3.8%で前月から0.1ポイント低下した。
労働者の雇用市場への自信を示す自発的離職者数は348万人で前月とほぼ変わらず、自発的離職率も2.3%で横ばいだった。一方、解雇者数は174万2000人で4万7000人増え、解雇率は1.2%となり0.1ポイント上昇した。
2019/4/10 5:00
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43555560Q9A410C1000000/