7/18付
みずほ、辛苦の新システム 18年越し、大規模障害も2度
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO47457650X10C19A7EE9000/ …
度重なる障害を起こした過去と決別し、強固な新システムにするためのプロジェクトは巨大だった。
約4500億円。社内で「東京スカイツリー10本分」といわれた投資額は、計画の遅れなどで当初見込んだ3000億円から膨らんだ。
ピーク時いは約8千人が動員され、作業にかかった人手(工数)は数十万人月(1人月は1人の1カ月の作業量)に及ぶ。
システム業界も1社では引き受けられず、富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの4社が請け負った。
「日本中のシステムエンジニア(SE)が拘束されシステムが改修できない」。他行からは悲鳴が出た。
移行作業は18年6月から計9回に分けて実施した。…
初回の移行作業までに50回を超えるリハーサルをした。各作業日には幹部をはじめ、社員やシステム会社の担当者ら
最大1千人以上が参加した。万が一の事態が起きてもすぐ駆けつけられるよう、当初の数回は都内の支店を中心に選定。
トラブルが起きても、旧システムにデータを戻して営業を続けられる「フォールバック」も取り入れた。…
みずほの旧システムや他行のシステムは「第3次オンラインと」と呼ばれる80年代以降のシステム。次世代の新システムを新規に
開発するのはみずほが初めてだ。…
ただ、銀行を取り巻く環境は大きく変わった。個人顧客は対面からネットに移り、みずほの来店客数は10年で3割減った。
小売りや通信、スタートアップなどが次々に決済分野に参入し、お金を巡る顧客との接点は銀行が独占できなくなった。
みずほの新システムはスマートフォンなど新たな手段とも直結しやすい仕組みで、これを生かす新たなサービス作りがこれからの課題だ。…