DICは14日、2019年12月期(今期)の連結純利益が前期比31%減の220億円になりそうだと発表した。従来予想の300億円から下方修正した。自動車や電気・電子業界向けの高付加価値製品の出荷落ち込みや製品価格の下落が利益を圧迫した。8月に発生した埼玉工場(伊奈町)の火災事故も影響する。
売上高は4%減の7750億円、営業利益は15%減の410億円を見込む。従来予想からそれぞれ、150億、20億円引き下げた。パッケージ用のインキなどは堅調に推移したが、出版用インキの低迷や新興国通貨安も響く。TFT液晶材料は競争激化で販売価格が下落する。
業績の悪化を受け、65円としていた期末配当を25円減の40円とし、年間配当は前期比25円減の100円とした。
同時に発表した19年1〜9月期の連結決算は売上高が前年同期比4%減の5765億円、純利益は18%減の183億円だった。
同日記者会見した斉藤雅之副社長は、「これを底にして、迅速に業績を回復させ、株主還元についても増やしていきたい」と述べた。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
2019/11/14 13:10
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14HEM_U9A111C1000000/