服役中の受刑者が作る伝統工芸品などを、ふるさと納税の返礼品にする自治体が徐々に増えている。法務省矯正局によると、これまでの実績は全国13市町。4月から青森刑務所の津軽塗タンブラーなどを採用した青森市の担当者は「地域に貢献し、人に感謝される経験が社会復帰につながる」と狙いを説明する。
青森刑務所では、刑務作業に当たる受刑者約450人のうち3人ほどがタンブラー、15人ほどがレターケースを製作。刑務所構内などで販売しているほか、青森市に2万円以上寄付した人が返礼品に選べるようになった。
津軽塗は国の伝統的工芸品に指定されており、担当する受刑者は半年間の技術訓練を受ける。タンブラー製作には「塗り」「研ぎ」「磨き」の工程を繰り返す粘り強さが必要。刑務所側は「取り組む姿勢が、社会復帰時に生きる」という。
大分県豊後大野市は昨年10月から、大分市は同12月から、大分刑務所(大分市)で作られたガラス製のペンを共通の返礼品に採用している。これまでに計約50件の応募があったという。
2014年に岐阜県笠松町が伝統工芸品の七宝焼のブローチを採用してから徐々に増えてきたといい、椅子など生活用品から、稲わらで編んだ猫の寝床(山口県美祢市)などユニークな品も。
13市町のうち6市町は在庫がなくなるなどしたため、8日時点で受け付け休止中だが、いずれも条件が整い次第、再開したいとしている。
3月31日まで青森刑務所長だった法務省成人矯正課の櫛引唯一郎警備対策室長は「再犯防止には、社会復帰後の勤労が重要。受刑者が懸命に作った製品を手に取ってもらえたら」と話した。〔共同〕
2020/4/22 10:17
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58341620S0A420C2CE0000/
青森刑務所では、刑務作業に当たる受刑者約450人のうち3人ほどがタンブラー、15人ほどがレターケースを製作。刑務所構内などで販売しているほか、青森市に2万円以上寄付した人が返礼品に選べるようになった。
津軽塗は国の伝統的工芸品に指定されており、担当する受刑者は半年間の技術訓練を受ける。タンブラー製作には「塗り」「研ぎ」「磨き」の工程を繰り返す粘り強さが必要。刑務所側は「取り組む姿勢が、社会復帰時に生きる」という。
大分県豊後大野市は昨年10月から、大分市は同12月から、大分刑務所(大分市)で作られたガラス製のペンを共通の返礼品に採用している。これまでに計約50件の応募があったという。
2014年に岐阜県笠松町が伝統工芸品の七宝焼のブローチを採用してから徐々に増えてきたといい、椅子など生活用品から、稲わらで編んだ猫の寝床(山口県美祢市)などユニークな品も。
13市町のうち6市町は在庫がなくなるなどしたため、8日時点で受け付け休止中だが、いずれも条件が整い次第、再開したいとしている。
3月31日まで青森刑務所長だった法務省成人矯正課の櫛引唯一郎警備対策室長は「再犯防止には、社会復帰後の勤労が重要。受刑者が懸命に作った製品を手に取ってもらえたら」と話した。〔共同〕
2020/4/22 10:17
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58341620S0A420C2CE0000/