トヨタ自動車は12日、2021年3月期の連結業績について、本業のもうけを示す営業利益が前期比8割減の5000億円になりそうだと発表した。減益は2年連続。新型コロナウイルスの感染拡大で世界の自動車市場が冷え込み、世界販売は155万台減の890万台を見込む。
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トヨタの営業損益はリーマン・ショック直後の09年3月期に赤字に転落し、東日本大震災後の12年3月期は3556億円の黒字だった。21年3月期は黒字を確保する見通しとはいえ、5月は国内の生産が当初計画の半分程度になるなど、厳しい事業環境が続くとみている。
売上高は20%減の24兆円となる見通し。
同日発表した20年3月期の連結決算は、最終的なもうけを示す純利益が前の期比10%増の2兆761億円、売上高は1%減の29兆9299億円だった。
昨年秋ごろまで収益は比較的堅調で、今年2月には純利益見通しを上方修正していた。相前後して新型コロナウイルスの感染拡大とともに収益環境は一転、急速に悪化。1〜3月期(第4四半期)に限ると、営業利益は前年同期に比べて27%減だった。
海外子会社の多くは12月決算のため、今回の連結決算には反映されていない。新型コロナウイルスに伴う販売減や減産の影響は今後、一段と顕在化する可能性がある。トヨタは中国では3月に工場の操業を正常化させた。一方、英国は休止を一部延長し、国内では5月の生産が当初計画の半分にとどまる見通しだ。
2020/5/12 13:14
日本経済新聞
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