→8月はGoToの影響で下がる可能性が高い−SMBC日興の宮前氏
→生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.4%上昇
総務省が21日発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比横ばいとなった。横ばいは2カ月連続。原油相場の持ち直しに伴うエネルギー価格の下落幅縮小や販売が好調な家庭用耐久財などが押し上げに寄与する一方、生鮮食品を除く食料の上昇幅が縮小した。事前の市場予想では同0.1%上昇が見込まれていた。
□キーポイント
・全国コアCPIは前年比横ばい(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.1%上昇)ー前月は横ばい
・生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.4%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.4%上昇
・総合CPIは0.3%上昇(予想は0.3%上昇)−前月は0.1%上昇
コアCPIは2カ月連続横ばい/Source:総務省
□エコノミストの見方
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:
・東京CPIが強かったので、思ったより弱い。生鮮品を除く食料価格の伸び鈍化が、コアの伸び悩みにつながっている
・生鮮食品除く食料は1月をピークに鈍化傾向。増税直後は増税対象外の食品は伸びたが、2月から伸び悩み、その後ウイルス関連で外食が落ち、テークアウトで競合が発生して調理食品の価格が弱くなっている。休校による給食中止で牛乳が余り乳製品も弱かった
・6−7月は横ばいキープだが、8月はGoToトラベルの影響で下がる可能性が高い。CPIの調査日は毎月上旬のため、7月分にGoToの影響は反映されていない。8月以降は結構な押し下げになり、全国で0.2ポイント、東京で0.3ポイント下押されるとみている
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト:
・予想の範囲内の結果で物価の上昇力は引き続き弱い。サービス価格がマイナスとなっており、デフレ的な圧力は強い
・秋ごろからコアCPIはマイナスに戻るとみているが、原油価格が戻ってきているのでこれまで予想されていたようにどんどんマイナス幅を深めていくことはないのではないか。基本的には物価はゼロ近傍で推移する
・今日の指標が金融政策の先行きに何か影響を与えるとは考えていない。日銀はコロナの経済への影響を注視しており、足元の物価上昇率をそれほど重視していない
野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト:
・下落の後に物価は結構持ち直している。巣ごもりやテレワークのため家具やPCといった耐久消費財が伸びていることや、売り上げが伸びていないはずの衣類などで値下げが進んでないことが背景にある。そもそもコロナの影響で値下げしても客が来るか分からないので値下げできないのだろう
・エネルギーに関しては原油価格が前年に比べると低いので、ラグをもって公共料金のところに下押し圧力が加わっていくとみている
・日本銀行も物価モメンタムには言及しなくなっており、物価に焦点を当てた金融政策は今はやっていない。事業支援の貸出制度も必要なら拡充するだろうが、今のところは現状のままでしばらく行くことになると思う
>>2 へ続く
2020年8月21日 8:33 JST
更新日時 2020年8月21日 10:20 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-20/QFC5XVDWX2PS01
→生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.4%上昇
総務省が21日発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比横ばいとなった。横ばいは2カ月連続。原油相場の持ち直しに伴うエネルギー価格の下落幅縮小や販売が好調な家庭用耐久財などが押し上げに寄与する一方、生鮮食品を除く食料の上昇幅が縮小した。事前の市場予想では同0.1%上昇が見込まれていた。
□キーポイント
・全国コアCPIは前年比横ばい(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.1%上昇)ー前月は横ばい
・生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.4%上昇(予想は0.5%上昇)ー前月は0.4%上昇
・総合CPIは0.3%上昇(予想は0.3%上昇)−前月は0.1%上昇
コアCPIは2カ月連続横ばい/Source:総務省
□エコノミストの見方
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:
・東京CPIが強かったので、思ったより弱い。生鮮品を除く食料価格の伸び鈍化が、コアの伸び悩みにつながっている
・生鮮食品除く食料は1月をピークに鈍化傾向。増税直後は増税対象外の食品は伸びたが、2月から伸び悩み、その後ウイルス関連で外食が落ち、テークアウトで競合が発生して調理食品の価格が弱くなっている。休校による給食中止で牛乳が余り乳製品も弱かった
・6−7月は横ばいキープだが、8月はGoToトラベルの影響で下がる可能性が高い。CPIの調査日は毎月上旬のため、7月分にGoToの影響は反映されていない。8月以降は結構な押し下げになり、全国で0.2ポイント、東京で0.3ポイント下押されるとみている
みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト:
・予想の範囲内の結果で物価の上昇力は引き続き弱い。サービス価格がマイナスとなっており、デフレ的な圧力は強い
・秋ごろからコアCPIはマイナスに戻るとみているが、原油価格が戻ってきているのでこれまで予想されていたようにどんどんマイナス幅を深めていくことはないのではないか。基本的には物価はゼロ近傍で推移する
・今日の指標が金融政策の先行きに何か影響を与えるとは考えていない。日銀はコロナの経済への影響を注視しており、足元の物価上昇率をそれほど重視していない
野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト:
・下落の後に物価は結構持ち直している。巣ごもりやテレワークのため家具やPCといった耐久消費財が伸びていることや、売り上げが伸びていないはずの衣類などで値下げが進んでないことが背景にある。そもそもコロナの影響で値下げしても客が来るか分からないので値下げできないのだろう
・エネルギーに関しては原油価格が前年に比べると低いので、ラグをもって公共料金のところに下押し圧力が加わっていくとみている
・日本銀行も物価モメンタムには言及しなくなっており、物価に焦点を当てた金融政策は今はやっていない。事業支援の貸出制度も必要なら拡充するだろうが、今のところは現状のままでしばらく行くことになると思う
>>2 へ続く
2020年8月21日 8:33 JST
更新日時 2020年8月21日 10:20 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-20/QFC5XVDWX2PS01