ラニーニャ現象に端を発し、これから、北海道でも例年に比べて冷え込みが厳しい傾向になる。
北極振動が負となり、北極というダムから寒気が大量に放出されている。
灯油やガソリンなどの燃料価格の上昇が続いている。原油の減産や円安が影響しており、
このまま価格高騰が続けば家計への影響が懸念される。
道民生活はもとより、水産業、農業、運輸業などの産業活動や中小企業の経営への影響も懸念される。
安定供給の確保や価格の安定に取り組むほか、産業及び中小企業対策などに取り組む。
世界的な株高の影響もあって投資家のリスク選好性は強くなっており、必要以上の投機資金が原油市場にも流れ込んでいる。
日欧など米国以外の国の金融緩和政策も是正されるとの見方が、ドル相場を押し下げている。
世界的な原油在庫の減少圧力も原油高に寄与している。世界経済の好調さを背景に需要が堅調に推移する一方、
0PECやロシアなどが協調減産を実施する中、原油需給バランスの指標となる在庫は急激に落ち込んでいる。
この日本では、景気回復局面における個人消費の伸びが実質GDP成長率を1%近く下回る。
労働分配率の低下、財産所得、社会給付・負担、税負担なども含めた可処分所得の低迷、交易条件の悪化が
個人消費の押し下げ要因となっている。
先行きは、株価上昇による資産効果や賃上げに伴う労働分配率の上昇は期待できるものの、
人件費や原材料費などのコスト増を主因として増益率が鈍化することが予想される。
今回の景気回復局面で個人消費の本格回復が実現する可能性は低いだろう。
年金制度改正に基づく年金保険料率の段階的な引き上げは2017年度で打ち止めとなるが、マクロ経済スライドによる年金給付額の抑制は
引き続き実施されるため、可処分所得の伸びが雇用者報酬の伸びを下回る状況はその後も継続するだろう。
さらに、足もとの原油価格の上昇は交易条件の悪化を通じて個人消費の下押し要因となる。
建設業の多い北海道では公共事業や民間設備投資の減少もあり経済規模は縮小している。
また、域際収支は、農林水産、飲食料品、パルプ・紙製品等の移輸出が大きいものの、多くの工業製品は移輸入に頼っており、
大幅な赤字が続いている。
北海道の企業を規模別で分類すると、中小企業が道内企業数の 99.8%、雇用者数の83.3%を占めており、地域の経済と雇用の
主要な担い手として大きな役割を果たしているが、大企業に比べて一般的に信用力や資金調達能力が弱いことから、経営の安定
を維持していくことは容易ではない。
産業構造をみると、豊富な農林水産資源が存在することから全国に比べ農林水産業のウエイトが高く、農業産出額、漁業生産額
及び木材生産の産出額は、全国第1位の規模を誇る。一方、製造業のウエイトは全国に比べ 2 分の 1 と低い。
製造業の主力である食品工業は、工業出荷額が全体の 34.6%と全国に比べ約 3 倍のウエイトになっているのに対し、加工組立型産業
の工業出荷額のウエイトは全国の 3 分の 1 以下となっている。
ただし、近年、自動車産業関連企業の相次ぐ進出がみられるほか、こうした企業との取引を拡げる企業や、農林水産業の作業効率化
高付加価値化を支える機械を製造するものづくり企業が多数存在している。
また、この20年で、人口オーナス、グローバル化、IT化、地球環境の変化などにより日本の置かれる環境は変化している。
こうしたパラダイムシフトや従来からの道の産業構造転換について、以下を参考に語ろうよ。
1.戦略的に展開すべき「アグリフード」関連産業の振興
(1)アグリフード観光、IT、バイオ、コンテンツ※の発展
(2)関連産業の課題
@地域資源の発見力・付加価値
A地域内・地域間・業種間連携
B人材不足、設備投資、IT化
(3)関連産業振興のための戦略
@ 戦略的マーケティングの実施
A 戦略的な連携の推進
(@)地域内連携の推進
(A)地域間連携の推進
(B)業種間連携の推進
2.戦略産業と一体的な取組が必要な産業の振興
(1)地域を維持するヘルスケア産業の育成
(2)経済の根幹を支えるものづくり産業の振興
3.人材の育成・確保
4.産業を支える基盤づくり
(1)食やものづくり産業に係るインフラの充実
(2)観光・物流インフラの充実
(3)エネルギーインフラの充実
5.バックアップ拠点機能の発揮
※
【IT・コンテンツ】
ソフトウェア開発、情報システム開発、組込みソフトウェア作成、ゲームソフトウェア作成、ウェブコンテンツ制作、デジタルコンテンツ制作
【バイオ】
農水産資源・微生物を用いた機能性食品・化粧品開発、バイオ医薬品・医療材料開発、医療診断技術研究開発、
研究用試薬の開発、安全・薬理等受託試験、遺伝子・たんぱく質の研究開発・解析サービス
こうしたブレークスルーのなかで、世界のデータ量は2年ごとに倍増し、ハードウェアの性能は、指数関数的に進化する。
これまで実現不可能と思われていた社会の実現が可能に。これに伴い、産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性も・・・。
集まった大量のデータを分析し、新たな価値を産む形で利用可能に(ビッグデータ)
多様かつ複雑な作業についても自動化が可能に(ロボット)
実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可能に(IoT)
機械が自ら学習し、人間を超える高度な判断が可能に(人工知能(AI))
この技術のブレークスルーは、
@ 大量生産・画一的サービスから、個々のニーズに合わせたカスタマイズ生産・サービスへ
(個別化医療、即時オーダーメイド服、各人の理解度に合わせた教育)
A 社会に眠っている資産と、個々のニーズを、コストゼロでマッチング(Uber、Airbnb等)
B 人間の役割、認識・学習機能のサポートや代替(自動走行、ドローン施工管理・配送)
C 新たなサービスの創出 、製品やモノのサービス化 (設備売り切りから、センサーデータを活用した稼働・保全・保険サービスへ)、
データ共有によるサプライチェーン全体での効率性の飛躍的向上(生産設備と物流・発送・決済システムの統合)を可能にする
D 第4次産業革命の技術は全ての産業における革新のための共通の基盤技術であり、
様々な各分野における技術革新・ビジネスモデルと結びつくことで、全く新たなニーズの充足が可能に
(ゲノム編集技術×バイオデータ=新規創薬、新種作物、バイオエネルギー等)
同業同種の再編に加え、全く別の産業も飲み込み新たなサービスプラットフォームを創出する再編が拡張できるという
千載一遇のチャンスがあるだろうね。 以下の点についても参考までに・・・。
◆各戦略分野における具体的戦略
1「移動する」(ヒトの移動、モノの移動)
2「生み出す、手に入れる」(スマートサプライチェーン、製造・生産現場における高度化・効率化)
3「健康を維持する、生涯活躍する」(健康、医療、介護)
4「暮らす」(「新たな街」づくり、シェアリングエコノミー、FinTech)
◆新たな経済社会システムの構築:産業構造・就業構造変革による横断的課題
1ルールの高度化(データ、知財、標準、規制・制度)
2イノベーションエコシステム(CoE拠点、産学連携・大学、企業R&D、AIロードマップ、ベンチャー)
3経済の新陳代謝システム(リスクマネー・無形資産投資、事業再編・産業構造転換、ガバナンス・対話)
4人材育成・活用システム
5社会保障システム
6地域・中小企業システム
7グローバル展開
@データ利活用促進に向けた環境整備
データプラットフォームの構築、データ流通市場の創成
個人データの利活用の促進
セキュリティ技術開発や人材育成等の強化
第4次産業革命における知的財産政策の在り方
第4次産業革命に対応した競争政策の在り方
A人材育成・獲得、雇用システムの柔軟性向上
新たなニーズに対応した教育システムの構築
グローバルな人材獲得
多様な労働参画の促進
労働市場・雇用制度の柔軟性向上
Bイノベーション・技術開発の加速化(「Society5.0」)
オープンイノベーションシステムの構築
世界をリードするイノベーション拠点の整備・国家プロジェクト構築・社会実装の加速(人工知能等)
知財マネジメントや国際標準化の戦略的推進
Cファイナンス機能の強化
リスクマネー供給に向けたエクイティファインナンスの強化
第4次産業革命に向けた無形資産投資の活性化
FinTechを核とした金融・決済機能の高度化
D産業構造・就業構造転換の円滑化
迅速・果断な意思決定を可能とするガバナンス体制の構築
迅速かつ柔軟な事業再生・事業再編等を可能とする制度・環境整備
E第4次産業革命の中小企業、地域経済への波及
中小企業、地域におけるIoT等導入・利活用基盤の構築
F第4次産業革命に向けた経済社会システムの高度化
第4次産業革命に対応した規制改革の在り方
データを活用した行政サービスの向上
戦略的な連携等を通じたグローバル展開の強化
第4次産業革命の社会への浸透
◆札幌市 異動期の社会動態
<3月>
2017年 流入超過 210 道内3,152 道外△2,942
2016年 流入超過 *32 道内3,190 道外△3,158
2015年 流入超過 △ 738 道内2,830 道外△3,568
2014年 流入超過 △ 703 道内2,518 道外△3,331
<4月>
2017年 流入超過 4,090 道内3,090 道外 1,000
2016年 流入超過 4,383 道内3,264 道外 1,119
2015年 流入超過 4,046 道内3,364 道外 682
2014年 流入超過 3,995 道内3,347 道外 648
◆札幌市 世代別流入超過数と増加率、推移(2015年→2016年、日本人のみ)
年少人口 721→1,069( 48.2%)道内 **780→**886 道外 ▲ 59→ 183
生産人口 4,986→5,582( 12.0%)道内 8,863→8,766 道外 ▲3,877→▲3,184
老年人口 2,271→2,197(▲3.26%)道内 2,313→2,157 道外 ▲ 42→ 40
--------------------------------------------------------------------------------
合__計 7,978→8,848( 10.9%)道内 11,956→11,809 道外 ▲3,978→▲2,961
賃金上昇が加速するフェーズはもう終わった 「生産性・賃金循環図」から現状と課題を探る
htp://toyokeizai.net/articles/-/184522
「生産性」と「賃金」のサイクル
企業の生産性が向上してから賃金が上昇するまでに一定のタイムラグがあるのであれば、両者の伸び率は「循環図」として描けるだろう。
具体的には、横軸に企業の生産性の代理変数として「企業収益(1人当たり)の伸び率」をとり、縦軸に賃金の代理変数として
「企業の人件費(1人当たり)の伸び率」をとって、両者の関係を散布図上にプロットしてつなげていけば「生産性・賃金循環図」となる。
たとえば、まず、第1のフェーズでは企業収益の伸び率が加速を始めても、人件費はすぐには改善しない。
賃金が上昇するまでには一定のタイムラグがあると考えられ、第2段階で企業収益も人件費も伸び率がプラスとなるフェーズに入る。
人件費の伸び率はプラス幅を拡大するものの、景気のピークが近くなると企業収益の伸び率は鈍化していくだろう(人件費の増加が企業収益を圧迫すると考えることもできる)。
その後、第3のフェーズに入ると、企業収益の伸び率はマイナスとなる一方、賃金はタイムラグをもって変化することに加えて賃金の下方硬直性によって、
人件費はすぐには減らないまでも、プラスの伸び率が徐々に鈍化していく。
企業収益のマイナス幅がさらに大きくなると、いよいよ人件費が削られる第4のフェーズに入る。
その後、景気回復と人件費の削減効果によって企業収益は徐々に改善し、第1のフェーズに戻る。この循環図を「生産性・賃金循環図」と呼ぶ。
日本の「生産性・賃金循環図」を作ってみると、2013年6月から直近にかけて1つのサイクルを作ってきたことがわかる。
消費税率引き上げ前の駆け込み需要などが企業業績にはプラスとなり、2014年3月に経常利益の伸び率がピークとなったが、
その際にはまだ人件費の伸び率は低いままだった。その後、人件費の伸び率は徐々に高くなりながら循環図上を進んでいった。
足元では経常利益が再び伸び率を高めているものの、人件費は伸び悩みやすいというフェーズにある。
つまり、循環図上では人件費の伸び率が最も加速するフェーズはすでに過ぎた可能性が高い。
循環図の傾向からは、2016年にかけての小幅な人件費の伸び率が最大であったことが示される。
今後は人件費の伸び率が加速するよりは鈍化していくことを懸念すべきだろう。
問題は「生産性・賃金循環図」の「下方シフト」
日本の「生産性・賃金循環図」は過去の景気循環に合わせていくつものサイクルを作ってきたが、賃金の伸び率が高かったバブル期など
と比較すれば循環図は下方シフトした状態にある(人件費の伸び率が低下した状態)。
グローバルな競争などによって構造的に人件費を抑制するような圧力が強まっていることなどが要因だろう。
2000年代前半の局面と比べれば上方にシフトしているものの、一段と高い賃金の伸び率を期待できる状況にはない。
また、循環図上の動きにも変化がある。過去に大幅に賃金が上昇していた時代と比べると、循環図上の動きが上下に潰れている。
1980年代後半のサイクルでは、楕円形の縦横比は人件費の変動幅が4.0%ポイントに対して、収益の変動幅は約6.6倍の26.2%ポイントだったが、
2013年6月以降では1.6%ポイントに対して約9.7倍の15.5%ポイントと、楕円が大きく潰れている。
これは、逆に、経常利益の変化に対して人件費の伸び率が動かなくなってきたことを示している。
いずれにせよ、「生産性・賃金循環図」からは日本の賃金が急に伸びるような兆候は見られない。
中でも中国への進出に意欲を示すのが、札幌市に本社を置く会社です。
札幌市を中心におよそ60か所の介護施設を運営しています。
この会社の本間秀和・専務取締役は「中国での介護事業は大きなビジネスチャンスだ」と話しています。
会社では、札幌市内で運営している介護施設にも、中国の人たちを案内しました。
参加したのは中国北東部の人たち。北海道と同じく寒さが厳しい地域です。
会社は、厳しい寒さへの対応をアピールしました。たとえば脱衣所にあるヒーター。
高齢者は温かいところから寒いところに移動すると体に大きな負担がかかります。
こうしたいわゆる「ヒートショック」を避けるため、脱衣所にヒーターを置いて、建物内の温度差を少なくしています。
さらに二重窓、冷気を防ぐヒーターなど、防寒対策を細かく説明しました。「北海道ではあたりまえ」の防寒対策。
それこそが、中国の人たちにも受け入れられると会社ではにらんでいます。
中国企業の担当者は「とても素晴らしい施設だった」と話していました。
本間秀和・専務取締役は「日本は高齢化対策の先進地で、中でも北海道は寒冷地での介護ビジネスの蓄積がある。
そこに勝機があるのでは」と話していました。
中国では、日本ほど介護サービスが広がっていませんが、将来を見据え、本格進出の扉をいま開こうとしています。
実際にビジネスの現場ではどのように活用されているのでしょうか。
札幌市内のある駐車場では、監視カメラで雪の積もり具合を確認して離れた場所からロードヒーティングのスイッチの切り替えをしています。
札幌市内を中心におよそ1800か所の制御を委託されているこの会社では3人が24時間態勢で常駐。
1つ1つの画像を見ながら判断しますが、30分ごとに更新されるカメラの画像だけで判断するのは大変な作業でした。
そこで導入されたのが気象データを使った新しいシステムです。
AIがボイラーのスイッチを入れた方がいいと判断すると、地図上に星印で示されます。
民間の気象会社から気温や降雪量などのデータを入手、過去の判断履歴と合わせて分析します。
スタッフは画像を確認して最終判断をするだけでよくなりました。
エコモット株式会社省エネ推進・GPSソリューション部土田哲生主任は「急な降雪になると作業が追いつかないケースがあるので、
気象データをもとに早めの運転開始ができるようになってだいぶ作業が楽になったと思う」と話しています。
この会社はスタッフの負担が減るだけでなく、人による判断のムラも無くなったとして、将来的には完全自動化を目指しています。
長年のカンと経験の存在が大きかった農業でも新しい取り組みが始まっています。
オホーツク海側、訓子府町のタマネギ農家がこの時期行っているのが雪を押し固める「雪踏み」の作業です。
「雪踏み」ではまず土の上で断熱材の役割をする雪を押し固め、雪の層を薄くします。
冷気が伝わりやすくなることで土が凍ります。
この凍った土の深さを適度に保つことで次のシーズンに土の状態がよくなるとされています。
この作業のために導入したシステムは気象庁が提供する気温と雪の深さのデータをもとに自動的に土の凍り方を予測、
雪踏みのタイミングを知ることができます。
厳しい寒さの中、畑で土の凍結の状態を確認して記録をとる手間が不要になりました。
町内9か所に点在するあわせて20ヘクタールの畑にも目が行き届くようになりました。
タマネギ農家の齋藤匠さんは「予測がたてられるっていうのが一番大きいメリットだと思う。自宅からでもおおよその凍結深(凍った土の深さ)
、離れた畑の凍結深を予測できるというのが大変便利なところです」と話しています。
現在はオホーツク海側と十勝の農協を中心に試験的に導入されていますが、今後、全道への普及も期待されています。
農研機構北海道農業研究センターの廣田知良・寒地気候変動グループ長は「北海道は大規模な農業を進めていて、
かつ人手もだんだん少なくなってきている。
そういうときになるべく合理的な判断をして、かつ省力的にやる必要がますます迫られているので、そういう方面にも
この技術は大いに貢献できるかなと考えている」と話しています。
このほかにも、コンビニエンスストアの売れ行きの予測や鉄道の運行判断に気象データを利用したシステムが使われるなど、
活用の幅は徐々に広がってきています。
導入には大規模な設備などが必要ないため今後、活用される分野はさらに広がりそうです。