ピエリ守山の動物園でライオンが流血「虐待では」の指摘⇒園長「誤解がある」
-54分前
泉谷由梨子 ハフポスト日本版ニュースエディター
(画像)
TWITTER/KARENMAMEFUKU
滋賀県守山市のショッピングセンター、ピエリ守山の中に開設されている屋内動物園「めっちゃさわれる動物園」で飼育されているライオンが流血している写真がTwitter上に投稿され、「虐待では」と議論を呼んでいる。
一方、ハフポスト日本版の取材に対して、運営する堀井動物園の堀井嘉智園長は「流血があったのは事実だが、考え方の違いで虐待は誤解。私たちはリオンくんは幸せに暮らしていると認識している」と話している。
■「動物の命を何やと思ってるねん」投稿ツイートが話題に
議論を呼んでいるツイートは「動物の命を何やと思ってるねん」という怒りのコメントとともに、雄ライオンのリオンくんが額から血を流している画像を投稿したもの。Twitterユーザーの「のんちゃん」によるものだ。
のんちゃんはハフポスト日本版に「私が行った時はガラスに頭叩きつけたりもしていたし、凄いストレスだったと思います」とのコメントを寄せている。
こうした投稿に対して、動物愛護の活動をしている人々が反応。ピエリ守山側への抗議行動の呼びかけや、条例で飼育に必要な最低限のスペースを決めるよう行政に訴えようという声が広がっている。
運営しているのは、滋賀県守山市内で移動動物園を手掛ける会社だ。この堀井動物園からは、度々動物が脱走する騒ぎが発生。また、2011年2月には倉庫が全焼して300頭の動物が焼け死ぬ火災も起こしている。
こうした過去の事件や、他の動物の目撃報告などからも、運営会社の飼育方法が適切なのかどうか、疑問視する声が挙がっているようだ。
■園長は「考え方の違い。虐待は誤解」
運営側はどう考えているのか。
堀井園長によると、リオンくんは3歳になった雄ライオンで、オープン前に輸入商を介して購入した。流血は、ストレスによる自傷行為などではなく事故で、「十分快適な施設だと考えている」と話している。
リオンくんを展示している檻はガラス貼りで、園長によるとおよそ横4メートル縦3メートル、高さ4メートルほど。その他にバックヤード部分に寝室や餌場が設置されているという。
園長による説明は以下の通り。
――リオンくんの頭に流血があったのは事実でしょうか。
はい。あったのは、半年ぐらい前です。
――ストレスで自分で頭をぶつけたのでは?という指摘があります。
そうではなくて、檻のガラスを留めるネジが内側に突き出していて、そこで頭を引っ掛けてしまったことが原因。それから、そのネジの突起部分で頭をこするのが快感になって何度もやってしまった。
――今はどんな状況でしょうか
獣医にもちゃんとけがの診察をしてもらい、今はカサブタになっていますが、傷も治っています。ネジの部分についても危ないということで業者を入れて取り除く作業をしました。
――狭い檻の中で飼うのは虐待では?という声もありますが
私たちは移動動物園の運営を30年してきた実績があり、大事に飼っています。ネットで多くの方がコメントしているのは知っていますが、皆写真を見て言っているだけで誤解している。ここへ見に来てもらえれば、十分に快適な施設だと(わかると思います)。周囲からも「リオンくん、こんなに肥えて幸せなライオン、いない」なんて言われることもあるぐらいです。
動物園という性質上、100人が100通りの意見があって、考え方が違う人を満足させることはできないかもしれないけど、私たちとしては、「幸せに暮らしている」という認識でいます。
■動物園は「明るい廃墟」再オープンの目玉
ピエリ守山は2008年にオープンしたが、周辺に大型ショッピングセンターがオープンするなどの影響もあり経営不振に陥り、運営会社が2010年に倒産。開業時約200あったテナントが次々に撤退し、ネット上では「明るい廃墟」などと名付けられて話題になった。
その後、別の会社が施設を買い取り、改装を経て2014年12月に再オープン、「めっちゃさわれる動物園」は目玉の1つとして入居した。
動物園内では、ライオンやワニなどを含む35種500点の動物が飼育されている。また、ヘビやフクロウなどに直接触ることができるのが特徴で、人気の施設になっている。
http://m.huffpost.com/jp/entry/16950192?