23日に関西空港を離陸したKLMオランダ航空868便の機体からパネルが落下した事故。縦107センチ、横110センチ、重さ4・3キロの物体が大阪市北区の繁華街のクルマを直撃した。屋根がへこみ、窓ガラスが割れたが、乗っていた女性らにケガはなかった。もし人間に直接ぶつかっていたら即死してもおかしくなかった。まさに不幸中の幸いだが、実は旅客機の部品落下は頻繁に起きている。
国土交通省の記録によると、2009年4月〜16年10月までに航空会社から受けた部品落下の報告は全437件。国交省は「これまで死亡事故は起きていない」と説明するが、平均すると年に57件も落下が起きていることになる。しかもこれはあくまでも国内の航空会社からの報告にすぎない。海外の航空会社の落下を加えるとかなりの数になりそうだ。何が原因なのか。
「整備士不足があると思われます」とは航空ジャーナリストの中村浩美氏だ。
「この数年、格安航空会社(LCC)の運航開始などで旅客機の便数が増え、航空業界は慢性的に整備士が不足しています。JALやANAはいいとして、ほかの会社は技術者が足りなくて苦労している。整備士の奪い合い状態です。こうした現状から、機体の不備などを見落としがちになっているとも考えられます」
中村氏によると、海外の航空会社の部品落下も少なくない。日本の空港を発着する際、日本の航空会社や整備会社に整備を委託しているが、実施するのは日常の点検程度。超音波などの本格的な検査は帰国まで行わないため、不備を見落としがちという。
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