https://mainichi.jp/premier/business/articles/20210113/biz/00m/020/019000c
2021年1月15日
スマホやSNSが若者に与える影響が議論を呼んでいる
最近、スマートフォンの悪影響を告発する本が話題です。実は欧米では、2010年代からスマホやSNSが若者にもたらす悪影響について多数の研究が行われてきました。うつ病のリスクだけでなく、「恋愛離れ」「車離れ」もスマホやSNSが原因だという議論もあります。日本の若者にも当てはまるのでしょうか。
「スマホ世代」はストレス感じる
日本でベストセラーとなっている「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著、新潮新書)。著者はスウェーデンの精神科医で、スマホを長く使う若者ほど、睡眠障害やうつ、ストレスを感じると述べています。子どもよりも10代の若者の方が、スマホと心の不調が結びついていて、その理由を「SNSが常に他人との比較をさせるから」だといいます。
若者たちが、他人の充実した生活や、加工された完璧な写真をSNSで目にして、嫉妬や孤独を感じ、「インスタグラムの投稿を見て、自分が魅力的ではないと感じるようになった」というのです。
アメリカでは「iGen」(=スマホ世代)という本が2017年に賛否両論を巻き起こしました。著者で心理学者のジーン・トゥウェンギ教授は、1995〜2012年の間に生まれた世代(2021年に9歳から26歳)を「iジェネレーション(iGen)」と名付けました。この本は、「iGen」は上のどの世代とも違うと主張します。
欧米では論争も
トゥウェンギ教授によると、スマホ世代では、以前は対面で行われていたやりとりがSNSにとってかわられ、うつ病が増加したといいます。アメリカの高校生のデート経験が、その親世代と比べて3割減少したという調査データも示しています。また、運転免許を取得する…
この記事は有料記事です。
残り925文字(全文1622文字)
2021年1月15日
スマホやSNSが若者に与える影響が議論を呼んでいる
最近、スマートフォンの悪影響を告発する本が話題です。実は欧米では、2010年代からスマホやSNSが若者にもたらす悪影響について多数の研究が行われてきました。うつ病のリスクだけでなく、「恋愛離れ」「車離れ」もスマホやSNSが原因だという議論もあります。日本の若者にも当てはまるのでしょうか。
「スマホ世代」はストレス感じる
日本でベストセラーとなっている「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著、新潮新書)。著者はスウェーデンの精神科医で、スマホを長く使う若者ほど、睡眠障害やうつ、ストレスを感じると述べています。子どもよりも10代の若者の方が、スマホと心の不調が結びついていて、その理由を「SNSが常に他人との比較をさせるから」だといいます。
若者たちが、他人の充実した生活や、加工された完璧な写真をSNSで目にして、嫉妬や孤独を感じ、「インスタグラムの投稿を見て、自分が魅力的ではないと感じるようになった」というのです。
アメリカでは「iGen」(=スマホ世代)という本が2017年に賛否両論を巻き起こしました。著者で心理学者のジーン・トゥウェンギ教授は、1995〜2012年の間に生まれた世代(2021年に9歳から26歳)を「iジェネレーション(iGen)」と名付けました。この本は、「iGen」は上のどの世代とも違うと主張します。
欧米では論争も
トゥウェンギ教授によると、スマホ世代では、以前は対面で行われていたやりとりがSNSにとってかわられ、うつ病が増加したといいます。アメリカの高校生のデート経験が、その親世代と比べて3割減少したという調査データも示しています。また、運転免許を取得する…
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