▼共産党幹部の祝賀会に与野党重鎮が勢揃い
山尾問題に、相次ぐ離党者、民進党が揺れている。このままで野党共闘はできるのか?
穀田恵二共産党国対委員長のパーティーに、
二階俊博自民党幹事長や小沢一郎自由党共同代表ら、与野党重要人物が集ったことの意味を明かしつつ、今後の政局を見透す。
民進党内が相変わらずガタついている。
幹事長人事でケチが付いただけではない。離党予備軍がいつ何時出ていくかわからない状況だという。
もしかしたら選挙が近いかもしれない。そのときに今の民進党では勝てないだろう
この2年間、共産党主導で動いてきた左からの野党再編政局に対し
前原誠司新代表率いる民進党がこの二股を裂かれるような試練を乗り越えて、さらなる野党共闘の発展、強化に進めるかどうかが、問われることになる。
ただ、この政局、なお共産党がカギを握り続ける、というのが私の見立てである。
理由は簡単だ。自公政権に対抗するためには、現実問題として、それを裏で支える公明党の集票力に(757万票=2016年参院選比例区)
対抗できる共産党の規律の高い集票力(602万票=同)に頼るしか道がないからだ。
そんな私の見立てに沿うような出来事があった。
共産党の穀田恵二国会対策委員長(70)が7月30日に開いた委員長在任20年を記念するパーティーだ。
穀田氏の地元・京都で開かれたにもかかわらず、河野洋平、伊吹文明、大島理森氏ら歴代自民党衆院議長が顔を揃(そろ)えたのである。
それだけではない。自民党の二階俊博幹事長、浜田靖一衆院予算委員長、民進党の横路孝弘元衆院議長、川端達夫衆院副議長、
安住淳元国対委員長、自由党の小沢一郎共同代表ら与野党関係者が一堂に会したのだ。
「日本の政治が全部ここに集まった」
共産党の国対委員長のお祝いの会合に、しかも地方で開催した会合に、これだけの重鎮が集まるのは異例だ。そこにどんな意味がこめられているのか。こだわってみたい。
現職衆院議長として発起人の一人だった自民大島理森氏は次のように言う。
「穀田氏の人徳のたまものではないか。嫌みがないというか、率直だ。
主張すべきところは主張するが、戦いの納め時もよくわかっておられる」
共産党の仇敵(きゅうてき)ともいえる公明党はどうか。漆原良夫同党中央幹事会会長は言う
「やはり人柄かな。共産党にはいないタイプだ。幅広く柔軟だ。教条主義的ではない。二階幹事長ともきちんと話ができる人だ」
皆さん一様に人柄を評価する。共産党らしくない。へんなほめ言葉だが、言わんとするのは、教条的ではなく柔軟性がある、ということだろう。
前出・大島理森議長が「今回これだけ人が集まったのは、穀田氏ということもあるが、共産党の変化というものも大きいような気がする」と語る。
例えば、共産党が昨年1月の通常国会で、同党として69年ぶりに開会式に出席したのがそのいい例である、と大島氏は指摘する。
天皇が開会式でお言葉を読むのは「儀礼的、形式的な発言が慣例として定着した」と転換したケースだった
「議員で出てくる人たちもずいぶん変わった。昔は学生運動上がりとか、いかにもという人が多かったが、今は若い人、茶髪の人、さまざまだ。登壇して演説する人たちを議長席から眺めていると、
その変化が一目瞭然でわかる。議員の中には、現場の生活者の要望、不満を吸い上げる地道な活動をしている人もいる。自民党の若手にもまねしろ、と言いたいくらいだ」
元社民党国対委員長として穀田パーティーに出席した民進党の辻元清美幹事長代行も共産党の変化を実感している
「民進党よりむしろ柔軟との印象だった。それは国会議員レベルだけではない。市議や自治体議員でもそうなっている。変えようという明確な意志を感じる」
https://mainichi.jp/sunday/articles/20170918/org/00m/070/001000d