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【物語】欅坂46の小説 ★7【エロも可】


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1名無しって、書けない?(広西チワン族自治区) 2017/10/12(木) 20:48:44.44ID:lz1NXgP9K
素人レベルからでも投稿できる小説スレです
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です
投稿者は多大な時間と労力をかけて
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします

またこのスレの投稿される作品はすべてフィクションであり
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません

★過去スレ★

【物語】欅坂46の小説 ★6【エロも可】
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【物語】欅坂46の小説 ★5【エロも可】
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【物語】欅坂46の小説【エロも可】
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2注意事項(広西チワン族自治区)2017/10/12(木) 20:50:42.95ID:lz1NXgP9K
【このスレにかかっている2つの呪い(笑)について】

◆文字数制限◆
スレの性質上、長文レスが多くなることが災いして、スレの途中から1レスあたりの文字数制限が発動します。
この制限はスレが進むにつれ更にどんどん厳しくなり、最終的には1レスあたり3〜5文字までになります(笑)

この呪いに対抗する術はありませんので、発動後は、長い作品の場合は適宜分割レスを活用してください。

また、この制限がある程度進んだところで次スレを立てます。

◆埋め立てですか?◆
ある程度の長文のレスがいくつか続くと(目安としては4〜5レス程度)、このようなメッセージが出て次に長文レスが書き込めなくなる事態が出現します。

この場合は1回短いレスを挟むと、また書き込み可能になります。
自分自身で書き込んでもOKです。

3名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/12(木) 21:56:00.13ID:dOgXkKaI0
>>1
ありがとうございますm(_ _)m

4名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/12(木) 21:57:30.85ID:dOgXkKaI0
『Night on the Acoustic Ropeway』

電車を降りると、ベージュのカーディガンを取り出した。
この季節、用心していないとうっかり風邪を引きかねない。
夏の空気は跡形もなく冷え切って、ガサガサと木々のざわめく音がする。
そんな10月の夜、小林由依はギターケースを背負いながら、線路沿いの道を歩きだしていた。

踏切を渡り終えると、スタジオが見えてくる。
自動ドアには警備のおじさんが立っている。
由依は警備のおじさんに入館証を見せる瞬間が好きだった。
一見堅物そうなおじさんが、入館証を確認するなり、一礼をしてドアの向こうへ通してくれる。
自分がプロのミュージシャンとして認められ、少し偉くなった気がするのも、この入館証のおかげだった。
ドアの向こうはプロの世界だ。

スタジオの控室は少し変わった造りをしている。
部屋の隅に勝手口があり、そこからバルコニーへ出られるようになっている。
由依はアコースティックギターとパイプ椅子を携えてバルコニーへ出た。
密閉された空間で窮屈に音を響かせるよりは、消えいくような細い音色を高い空へ聞かせるほうが好きだった。
夜景に向かうように椅子に座り、指の体操ついでに色々なコードを押さえた。
その時だった。
「あ、居た。小林さーん、今泉さんの予定が押しているようなので、もう少し待っていてください」
「ああ、撮影でしたっけ?」
「そうそう、大物カメラマンだからね。時間かかるんだろう」
「わかりました、待っています」

由依はピックを握った。
そして星の輝く夜空の下、いつまでも弾き続けた。
(つづく)

5名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/12(木) 21:59:06.23ID:dOgXkKaI0
(つづき)

「ゆいぽんはもらわなかったの?」
不意に側で聞き覚えのある声がした。今泉だった。
「今、私たちがいるところが、第7フレットだよ」
今泉は20センチほどのミニギターを使って説明している。確かに第7フレットのあたりが白く光っている。
「ずーみん、これどこでもらったの?」
「ギターステーションだよ」

今泉の髪が少し濡れていた。

突然、ガタンと音がして、由依は乗り物の中にいることを自覚した。
乗り物は全面がガラス張りで、上方には六本のスチール線が通っており、そこからロープウェイのように車体が吊り下がっている。
下方もまたガラス張りで、その下には黒い板のようなものがあり、先ほど今泉が第7フレットと言ったあたりには銀色の盛り上がりがあった。
由依はガラスの向こうの景色を眺めた。
右側のガラスにはサッカースタジアム、左側にもサッカースタジアムがあった。
すると、今泉が説明した。
「右にあるのがアンフィールド、左にあるのがグディソン・パーク」

由依は初めて見るイギリスの街並みにウキウキしていたが、今泉はどこか哀しそうな顔を浮かべていた。


「お嬢さん方、ここへ座ってもいいかな?」
声がしたので見上げると、二人のおじさんが立っていた。
英国紳士のイメージからはかけ離れた風貌で、一人は立派な口髭を蓄え、一人は丸眼鏡をかけていた。
「いいですよ」
今泉が答えた。

由依と今泉が並んで座り、向かいにおじさんが二人、ちょうどお見合いのような形式になった。
「君はどこへ行くんだ?」
口髭男が由依に尋ねた。
「えっ…うーん、わかりません」
由依はきまり悪そうに答えた。
「あなた方はどこから来たの?」
いきなり、今泉が喧嘩のように聞いた。
「俺はニューヨークから、こいつはその21年後にロスから。俺は銃殺、こいつは病気」
丸眼鏡の男がそう答えた。
今泉のミニギターは13フレットを指している。


「切符を拝見いたします」
四人の側に、背の高い車掌がまっすぐ立っていた。
おじさん二人組はポケットからピックのようなものを取り出した。
今泉もポケットからピックを取り出した。
由依が困ってモジモジしていると、車掌が「さあ、君も」と大きな手を差し出した。
もしや私も持っているかもしれないと、取りあえずスカートのポケットを探ってみると、固いピックが入っていた。
それを渡すと、車掌の顔色が変わった。
「ほう、これは珍しい。三次元からお持ちで?」
「これはすごい。どこまでも行けるぜ」
おじさん二人も興味津津だ。
由依は少し嬉しくなって、今泉に話しかけようとした。でもできなかった。
今泉はつまらなさそうに顔を窓の外へ向けていた。
(つづく)

6名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/12(木) 22:01:02.21ID:dOgXkKaI0
(つづき)

ミニギターが19フレットを指すと同時に、おじさんたちが支度を始めた。
「俺らは20フレットで降りなきゃならん。上の世界へ行くんだ」

由依はふと疑問を抱いた。
「ミニギターは20フレットでおしまいだけど、この乗り物は一体どこまで行くんだろう?」
そんな思いに耽り、再びおじさんたちの方を見るとすでに彼らは消えていた。

「ねえ、ずーみん。私たちはどこまでもいっしょに行こうね」
「うん、そうだね」
今泉はそう返事したが、なぜか目には涙が溜まっていた。
ミニギターの光はサウンドホールのすぐ手前を指している。
大きな黒い穴がすぐそこまで迫っているのだ。
「大丈夫だよ。スチール線はまだ続いてるから」
由依がそう言っても、今泉は悲しい顔をしている。
由依は彼女を励ますため、無理やり笑ってみせた。
「ほらずーみん見て、あそこに海が見えるよ。ねえ見てずーみん…」

もう今泉の姿はなかった。
突き破られたガラスが星屑のようにサウンドホールへ散っている。
ゴンドラの揺れに応じてスチール線が鈍い音を響かせている。
どんなに彼女の名前を叫ぼうが、虚しい自分の叫びが返ってくるだけだった。



冷たい金属のにおいが鼻についた。
由依はバルコニーで眠っていたのだった。
後ろでドアが開いた。
「小林、悪いな。今泉が来れなくなった。多分撮影が長引いているんだろう」
「そうですか」
「今日のところは帰ってくれるかな。済まない」
「わかりました」

由依はギターケースを担ぎ、部屋を出ようとした。
すると、再びスタッフに呼び止められた。
「そうだ、さっき橋の崩落事故があって、電車のダイヤが乱れているらしいからタクシーで帰った方がいいよ」
「はい、お疲れ様でした」


午後十時、空気は一段と冷えていた。
由依は駅のタクシー乗り場まで歩くことにした。
踏切の長い警報音のあと遮断器が上がり、電車が遠くへ消えていく。
わずかな轟音を残すだけの静まり返った踏切内に、少しの時間ヒールの足音を止めてみた。
まだ私には、人を感動させる歌唱力も、客を魅了させるギターテクニックもない。
一人で舞台に立つには、まだまだ努力しないといけないな。
どこまでも続く線路を眺めて、まだまだ先は長いなって思いました。


小林由依です♪

7名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/12(木) 22:13:33.33ID:lz1NXgP9K
>>6
哀しい話なのにオチがずるい(笑)

あちらのスレのほうがふさわしい気もしますが新スレ祝にこちらで書いてくれたんですねm(_ _)m

この元ネタのアニメ映画は本当に大好きで、細野氏によるサントラも絶品です
エンドテーマは私の人生の中で5本の指に入るぐらい好きでw

1980年と2001年に亡くなった人(あるバンドのギタリストたちでもある)も登場したわけですね
ちなみに2001年に亡くなった人の関連スレにも常駐していたことありますw

8名無しって、書けない?(庭)2017/10/12(木) 23:28:19.94ID:xfwQFQvwa
>>1
乙ですm(__)m

>>6
ゆいちゃんずはこれからどうなるのかが非常に気がかりな日々です

しかし、上手い落ちだなぁ

9名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/13(金) 19:24:08.71ID:0gwg8mby0
>>7
やはり原案わかりましたかw

アニメ映画の方は、カムパネルラとタイタニック号の死に重点を置きすぎな気もしますが、
いずれにしろ素晴らしい出来栄えですね

亡くなった人は、フレディにしようかと思ったんですが、女の子に胸毛を見せるのは気が引けてですね…

>>8
バッドエンドが嫌いなので、無理やり明るく終わらした次第ですw

10新・時をかける理佐ちゃん 第1話(庭)2017/10/15(日) 12:29:09.98ID:/Q+nuTm2a
前世の行いが良かったらしく運良く世界一の美人理佐ちゃんの隣に産まれた俺

愛しの理佐ちゃんに幼馴染みとして世話を焼かれながら楽しい高校生活を送ってたわけだが

ある日突然タイムリープ能力に目覚めた俺

愛しの理佐ちゃんを捲き込んで動乱の幕末に来ちゃってどうなっちゃうんだ俺!?

なんて悩むのもつかの間

幕末の風雲児坂本龍馬に拾われた俺

それから色々あって維新の英雄西郷隆盛に保護されてた理佐ちゃんと再会

ほっとひと安心と思ったら酔っぱらった龍馬が間違えて理佐ちゃんの布団に

理佐ちゃんに夜這い仕掛けたと勘違いした俺と龍馬が大喧嘩

それが何故か仲裁しようとした西郷さんと龍馬の喧嘩に発展

その隙に龍馬と西郷どん達の財布パクって理佐ちゃんと逃避行な俺

せっかくだから幕末の有名人に会いたい俺の我が儘で新選組の屯所に来てみたら

西郷さんと反目に回ることにした龍馬が薩長同盟ならぬ幕長同盟を売り込みにやってきてて訳わかんねぇ

でもそんな器の小さい龍馬を鼻で笑っちゃう理佐ちゃんだから好き

11新・時をかける理佐ちゃん 第2話(庭)2017/10/15(日) 15:20:39.43ID:/Q+nuTm2a
「おまんらのせいで西郷さんと険悪になったから反目に回ったのに酷いぜよ」
理佐ちゃんに己れの器量の無さを鼻で笑われて愚痴る龍馬

「でもこのまま幕府の味方になったらヤバくないですか」
俺と理佐ちゃんのせいで歴史が変わりそうで焦る俺

「ああ見えて西郷さんも腹黒いとこあるから保険打っとく意味でも幕府にコネ作っとくのも大事やからね」
藩の後ろ立ても無く徒手空拳で幕末の動乱を潜り抜けてきた龍馬
さすがに世渡り上手だって感心する俺

「ねぇ、格好いい人いるよ」
俺と龍馬の話に飽きて障子の隙間から庭を覗いてた理佐ちゃんが嬉しそうに声をあげる

「あれは副長の土方ぜよ、あんな涼しげな顔して冷酷非情で恐れられてる男ぜよ」って教えてくれる龍馬

「醜男の僻みみっともないよ」
って土方を人格攻撃する龍馬に言い返す理佐ちゃん

「土佐のドンファン言われちょるモテ男のワシを醜男呼ばわりは酷いぜよ」って理佐ちゃんの言葉に不満気な龍馬に

「ウソついてんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ、その顔でモテ男とか2度と言わないで」って龍馬に念押しする理佐ちゃん

「理佐ちゃんの俺君だってぼんやりした顔で全然イケメンじゃないぜよ」って悔し紛れに俺を攻撃し始める龍馬

「俺君はいいの、あんたの顔と違って愛着あるから」
とか言ってくれそうな理佐ちゃんだから好き

12名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/16(月) 07:23:26.37ID:1h4s0WG70
>>11
理佐ちゃん俺くんが未来で出会えなくなったとかいうオチを避けて頂ければ、
もうこの際明治維新なんか起こらなくてもええじゃないかぜよ

13名無しって、書けない?(庭)2017/10/16(月) 10:45:48.73ID:sBFFFkJSa
>>12
幕末編は理佐ちゃんの出番作るのがなかなか難しいです(泣)

14新・時をかける理佐ちゃん 第3話(庭)2017/10/16(月) 10:50:50.53ID:sBFFFkJSa
「あっ、土方さんどっか出かけちゃった」ってがっかり呟く理佐ちゃん

それと同時に襖が開きめっちゃ厳ついオッサンが部屋に入ってくる

「お待たせいたしてかたじけない」
言葉では申し訳なさそうだけど態度は胸を張って尊大な態度だ

写真で見たことがある新選組局長近藤勇

めっちゃ恐そうな顔してんな・・・
やっぱり動乱の京都を力で抑え込んでる顔はこうじゃなきゃって妙に納得する俺

「俺君、この人も有名人?」って訊いてくる理佐ちゃん

「新選組局長と言えば知らない者の方が珍しいぐらいには有名でしょうな」
己れの自尊心を傷つけられたのか理佐ちゃんをひと睨みすると胸を張って言い放つ近藤勇

「自分で自分のこと有名人って言っちゃうんだ」って吹いちゃう理佐ちゃん

ヤバい笑いの沸点が低い理佐ちゃんの良さが悪い方に・・・

「坂本さん、随分無礼な供をお連れですな」
あえて理佐ちゃんの方を見ないで話す近藤勇

「まあ、怒らんと座りや」って場を和まそうとことさらくだけた感じの龍馬

「どうも南国の方とは相性が良くない」
座ると同時に難しい顔して呟く近藤勇


「私と俺君は茨城出身だけどね」って呟く理佐ちゃん

理佐ちゃんをひと睨みする近藤勇

慌てて龍馬の背中に隠れる理佐ちゃん

基本怖がりだから好き

15新バイトの理佐ちゃん 第4話(庭)2017/10/16(月) 11:27:20.58ID:sBFFFkJSa
「それは妙案だが・・・池田屋の件があるかぎり難しいと思うが・・・」
龍馬から幕長同盟のアイデアを聞かされても難色を示す近藤勇

「池田屋ってなに?」って俺に聞く理佐ちゃん

「池田屋ってとこで新選組の人達が長州の人達をめっちゃ斬っちゃったらしいよ」
うろおぼえな知識でなんとか説明する俺

「我々は僅か4人で斬り込み京都でテロ計画してた20余人もの不逞浪士を取り締まったのが寺田屋事件だ」
俺の説明に不満があったのか傲然と言い放つ近藤勇

こいつなんかコンプレックスあんのかな・・・
やたら偉そうにしたがるし、自分に自信無いのか?

「不逞浪士じゃないぜよ」近藤の説明に不満顔の龍馬

「何?」って龍馬に苛立つ近藤勇

「おまんらが斬ったのは国を憂う勤王の志士ぜよ」
苛立つ近藤を睨み据えながら言い放つ龍馬

格好いい!これこそ俺が知ってる歴史に名を残す坂本龍馬だぜ

「話は決裂じゃな」
近藤勇に言い残し立ち上がる龍馬


「あいつ、めっちゃゴッツイ顔してたよね」
新選組の屯所を出て龍馬と立ち寄ったお蕎麦屋さんで近藤勇の悪口言う理佐ちゃん

「特技が拳を口に入れれるなんて、なんだそれ?だよね」
って近藤勇に関する変な知識だけはある理佐ちゃん

「それより、俺の財布返しや」って手を出す龍馬

「今ごろ西郷さんたちも財布無くて困っとるぜよ」って財布を懐にしまいながら笑う龍馬

「西郷さん困ってるかな?」って心配そうな理佐ちゃん

人たらしの西郷さんに惹かれ始めてそうだから好き

16名無しって、書けない?(庭)2017/10/16(月) 11:28:31.33ID:sBFFFkJSa
>>15
タイトル間違いちゃった(泣)

17新・時をかける理佐ちゃん 第5話(庭)2017/10/16(月) 15:00:05.14ID:FBAOKBD8a
「ここは日の本のためにも堪えてつかぁさい」
なんて西郷さんに一緒に謝ってくれる坂本龍馬

「わかりもした、そん財布は差し上げもんそ」
なんてさすが太っ腹な西郷どん

ついでに京都は危ないからと江戸に向かう船に乗れるように手配してくれる西郷どん

「短い間ごわしたが理佐さんはおいが娘同然の身、なんかあった時はいつでん頼ってきやんせ」
理佐ちゃんの手を取って涙を流す西郷どん

「西郷先生・・・」って思わず貰い泣きする薩摩藩の皆さん

「西郷さん、これあげる」ってウサギの皮で作った巾着渡す理佐ちゃん

「こいはおいの金玉袋のためごわすか」
って早速褌外して巾着を金玉に装着しようとする西郷どん

「女の子の前で褌外してんじゃねーよ」って慌ててドス効かす理佐ちゃん

西郷さんたちに見送られて船の上の俺と理佐ちゃん 
 
「なんで金玉袋なんてあげたの?」って俺に

「西郷さんね、島に流された時に蚊に刺されて袋が腫れる病気になっちゃったの、それでね冬は袋が霜焼けになって痛いんだって」
って西郷さんたちに別れを告げてちょっとセンチになりながらも教えてくれる理佐ちゃん

あくまで金玉って言わない奥ゆかしい理佐ちゃんだから好き

18新・時をかける理佐ちゃん 第6話(庭)2017/10/17(火) 13:05:18.19ID:8hZJDJ7va
「おまいさん、おかえり」
仕事から帰った俺を江戸っ子な感じで迎えてくれる愛しの理佐ちゃん

西郷さんたちに見送られて江戸にやって来た俺と理佐ちゃん

龍馬の先生である勝海舟をたより江戸に落ち着くことに

「どう?勝先生の紹介してくれた仕事は」
なんて心配そうに聞いてくれる優しい理佐ちゃん

「仕事は楽なんだけどさ、みんな短気でケンカっ早くて江戸っ子気質についてけないよ」
って本当は生来の調子良さで上手くやってるけど理佐ちゃんに甘えたい一心で辛い振りする健気な俺

「えっ!?どっか殴られたの?」って心配そうに俺の顔を覗き込む理佐ちゃん

「殴られてないけど・・・理佐ちゃんの胸で泣かしてくれ!」
叫びながら理佐ちゃんに抱きつく俺

「いきなり抱きついてんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「胸は恥ずかしいから膝貸してあげるよ」
なんて言って膝枕してくれる優しい理佐ちゃん

「そう言えばさ、もうすぐ西郷さんたちが江戸に来るって手紙来てたよ」
理佐ちゃんの膝に頭載っけて瓦版読んでる俺に嬉しそうに話す理佐ちゃん

「何しに来んだろ?」ってどうでもいいけど理佐ちゃんの機嫌とって聞く俺

「なんか新しい将軍様に挨拶しに来るみたいだよ」

「そうか今度の将軍が徳川最後の将軍か・・・」って呟く俺

未来から来た俺は新しい将軍慶喜公が大政奉還して自ら最後の将軍になることを知っている

「ねぇ、もしかして龍馬さんもうすぐ暗殺されちゃうのかな・・・」不安そうに呟く理佐ちゃん

言われてみれば大政奉還の前に龍馬は暗殺されちゃうんだよな・・・

「今が9月だからあと1年とちょっとの命だね」ってしみじみ呟く俺

俺の言葉にポロポロ涙こぼしそうな理佐ちゃんだから好き

19HK58 (1押しはずーと同じ娘 共和国)(dion軍)2017/10/17(火) 13:47:41.42ID:tmMxOuQg0
菅井ShowRoom炎上 番外編

深夜ドラマの<残酷な観客達>がそろそろ終わりを迎えようとしていました。
 
秋元氏「おぅ、ねる。今日、菅井のShowroomに斎藤達と一緒に出るみたいだな。
何か考えてるか。」
ねる「私はひらがなのライブのことが一杯でキャプテンメインで少し場を和ませるくらいかなと思ってたんですけど・・・。」
秋元氏「折角やるんだったら残酷な観客達もそろそろ最終回だし番宣になるようなこと、やってもらいたいなぁ。」
「お前、加入した頃、皆、歌やダンスが旨いし、特に表現力が凄く向上してて、ついて行けるかなとか心配してただろ。」
「今回のドラマ、お前が主役だったんだと理解るような番宣、期待してるぞ。
お前、相当表現力が上がってるんだから心配すんな。Showroomにも見に行くからな。」
 
ねる「わかりました。」
 
秋元氏「斎藤と佐藤にもそれとなくねるに合わす様言っとくから、心配すんな。菅井は純粋で真面目なとこあるから知らないままの方が面白い演出になるかな。」
ねる「はい。」
・・・・
 
ねる「秋元さん、Showroomの件で批判の声が凄いんですが。私達やり過ぎちゃったんですかね。」
秋元氏「いや、あれで良い。昨日のヤフー見たかい、Showroomがトップニュースになってる。」
ねる「そうなんですけど、私達、相当叩かれちゃってて。」
秋元氏「おぅ、それはお前の表現力が格段に上がり過ぎて世間も真偽が理解りずらいんだろう。あのねるがと言うことで大騒ぎ見たいだな(笑)。」
「おかげで、後のスケジュールがはっきり道筋作れたよ。」
「残酷な観客達のテーマ曲であるエキセントリックのMVには当然目が行くだろうし、そのまま月曜日の朝SのMVまで持って行くだろう。」
「後は、アルバムをその流れでバンバン売って、ライブに繫げる。満員御礼さね。」
ねる「そうなんですけど、私達のことファンが理解ってくれるかなぁ。」
 
秋元氏「そんなこと、心配してるのか。お前の両親は教師で教師仲間も一緒に居てしかもおばあちゃん娘で育ったんだろう。
五島の島育ちで海で毎日元気一杯はしゃいでるか、教会で遊んでた。
本土の小学校で同じようにやったらちょっと皆に引かれて自我にも目覚めた。」
「少し閉じ籠るところも出来たけどその分目一杯勉強もした。疎外感も少しは感じたろうし、でもそれがお前を育てた。」
「そんなお前がいじめなんかするかは、お天道様でも理解ることだよ。」
 
ねる「そんな風に思って下さっていたんですか。」
秋元氏「ああ、だから心配すんな。それにライブのときは、お前がびっくりするような仕掛けを作っといてやるからな、楽しみにしてろ。」
「まぁ、それまでは、変な風が吹かないようにMC達には少し、ねるの所抑え気味にするように伝えとくから。」
ねる「ありがとうございます。」

20HK58 (1押しはずーと同じ娘 共和国)(dion軍)2017/10/17(火) 13:50:06.93ID:tmMxOuQg0
先の見えない暗闇に一人佇み 時に心が折れそうになる
この先に光がなかったら 歩いた方向がまるで逆で
光から遠ざかる結果だったら

そんなときは想い出して欲しい

一人では辛い暗闇も、共に歩ける仲間の存在を
求めるのは光そのものじゃない
光を一緒に探すことの出来る仲間

それさえあれば、歩き続けることが出来る

駄目なら向きを変えてまた歩き出せば良い
仲間と共に



(延長コードもブルー  ヨリ)

21名無しって、書けない?(庭)2017/10/17(火) 14:02:47.51ID:8hZJDJ7va
>>19
やすすヤベェ、めっちゃやり手だわw

22名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/17(火) 23:16:26.39ID:Cw1jVmgN0
『高2の軍曹』 第32話

「あら、何の御用かしら」
君がセリフに魔法をかけて、僕はただの家臣と化す。
「姫、ご献上に参りました」
僕は地面に跪き、両手で箱を差し出した。
姫はそれを受け取ると、僕の右手にキスをする。
やがて二人は魔法が解けて、幼馴染に逆戻り。


まだ雪が雲に宿る秋のある日、僕はポケットに手を入れながら待っていた。
シャツ一枚では肌寒く、今年初めてのジャケットの出番がやって来た。
枯れ葉の舞い散る守屋家は、北風に備えて悠然と構えている。
玄関のドアが開いて、濃紺デニムを軽く引っ掛けた茜ちゃんのお出ましだ。

「行くよ」
茜ちゃんは止まらずに側を通り過ぎた。
ふと手元を見てみたが、裾に隠れて分からない。
今日の目的は二つ、機嫌を損ねないよう買い物に付き添うことと、「献上物」を確認すること。

まずバスに乗った。
二人並んで座ったけれど、あまり手元ばかり見るのも良くない。
スマホを盗み見るのは、SNSに熱中する茜ちゃんの邪魔になる。
僕は窓から流れ行く落ち葉を見ていた。

「今日は何買うの?」
「雑誌」
「その雑誌って、近くの本屋さんには無いの?」
「うん、大きい所じゃないと無いみたい」
ショッピングモールに着くと、真っ直ぐ本屋さんに向かった。
無駄な買い物はしたくない、それが茜ちゃんの口癖だ。
すぐに雑誌は見つかり、この日の買い物は終わった。

「お茶飲んで帰る?」
茜ちゃんが本屋に寄った時には、必ずカフェでお茶をする。
本なんか帰ってから読めばいいのに、いつもミルクティーを飲みながら楽しそうに本を開けている。
僕もそんな茜ちゃんを見るのが好きだったし、手元を見るチャンスでもあった。

カフェは暖房が効いていて暑いくらいだった。
茜ちゃんが腕を捲くった。
付けていた。
僕が迷いに迷って選んだ腕時計が、右腕にちゃんと付いていた。

「茜ちゃん、ミルクテクィー奢るよ」
僕は伝票を抜き取った。

おわり

23名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/17(火) 23:17:02.82ID:Cw1jVmgN0
>>19
お、新しい作家さんだ

24名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/18(水) 16:13:26.47ID:jFEBxpB7K
前スレは笑顔で完走しました(笑)

25名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/18(水) 18:50:05.70ID:t4Pho2hk0
>>24
乙です

26名無しって、書けない?(庭)2017/10/18(水) 19:11:33.78ID:Ov4WCgVKa
>>24
お見事です

27名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/18(水) 21:05:30.32ID:jFEBxpB7K
(笑)でまだ終わらなければ次は(泣)にしようとしてたんで
結果論ですw

28新・時をかける理佐ちゃん 第7話(庭)2017/10/19(木) 07:37:28.52ID:Hh0tAzAAa
「それより理佐ちゃんそろそろ子供欲しくない?」
龍馬の死まであと1年ちょいって現実に涙が止まらない理佐ちゃんを慰める俺

「慰めになってないよ」って連れない理佐ちゃん

「それに夫婦になったのは怪しまれないようにって勝先生にいわれたからで、あくまで形だけだからね」って俺に釘を刺す理佐ちゃん

江戸で暮らし始めるにあたり
「夫婦のほうが色々怪しまれないから祝言あげちゃえ」って勝海舟に言われて祝言をあげた俺と理佐ちゃん

形だけとは言え夫婦になった以上はやっぱり夜も夫婦になりたい俺

「でもやっぱり一緒に暮らしてると理佐ちゃんだって悶々としてこない?女の人のほうが性欲強いって勝先生も言ってたし」
って勝海舟から教えてもらった知識をひけらかす俺

「勝先生に変なこと聞いてんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ、せっかくタイムリープで歴史上の偉人に会ってるのに他に聞くことないの?」
って俺と勝海舟の対談内容に不満ありありの理佐ちゃん

「歴史上の人物についても教えてもらってるよ」って舐めんな理佐ちゃんな俺

「なんだ、ちゃんと聞いてるじゃん、そうゆうの聞かせてよ」って俺の肩を軽く叩く理佐ちゃん

「新しい将軍様はねエッチの時は部屋を明るくして、めっちゃ観察するらしいよ」
って勝先生から教えてもらった徳川最後の将軍の秘密を理佐ちゃんに教えてあげる俺

「わっ・・・変態じゃん」って徳川慶喜の性癖にドン引きの理佐ちゃん

「聞かなきゃよかった〜」
なんて言いながら晩ごはんの準備してくれそうだから好き

29新・時をかける理佐ちゃん 第8話(庭)2017/10/19(木) 08:19:57.70ID:Hh0tAzAAa
「ねぇ、ご飯食べ終わったら井戸でお水汲んどいて」
って晩ごはん食べてる俺にお願いする理佐ちゃん

「まだババアたちの井戸端会議に入れないの?」
って長屋のババアたちに馴染めない理佐ちゃんを心配する俺

「うーん、好い人たちなんだけど早口でずけずけ物言うからヒビってんの」って小さい声の理佐ちゃん

「現代人と違ってプライバシー感覚が希薄だからなぁ、パーソナルスペースにもお構いなく入ってくるし、焦らず少しづつ馴れることさね」って理佐ちゃんを慰める俺

「ごめんね、私が人見知りなせいで俺君に負担かけちゃって」って謝る理佐ちゃん

「いやいや、理佐ちゃんの人見知りは魅力のひとつだから気にしなくていいよ」って笑う俺

「ありがとう、俺君に頼ってばっかりだね私」って素直な理佐ちゃん

そこに突然鳴り響くスマホの着信音

「なんだ突然!?」
ってとっくにバッテリーが切れてれるはずのスマホから鳴り響く着信音に驚く俺と理佐ちゃん

「LINEきてるみたいだよ」って呟く理佐ちゃん

「ずっと待ってるんだけど・・・どうしたの?」って麻衣ちゃんからのメッセだ

「ねぇ、どういうこと?」
麻衣ちゃんからのメッセを見た理佐ちゃんが呟く

そう言えば理佐ちゃんとタイムリープしちゃった日に麻衣ちゃんと遊ぶ約束してた俺

「浮気してんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「でもあっちの時代だと俺たちただの幼馴染みだって理佐ちゃん言ってたじゃん」って必死の言い訳する俺

「あっちの時代は関係ないよ、今は形だけでも夫婦なんだから」って嫉妬から無茶苦茶な理屈の理佐ちゃん

「それにさ俺君は本当にただの幼馴染みだと思ってんの・・・私たちのこと?」
なんて真剣に聞いてきそうだから好き

30名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/19(木) 18:17:04.74ID:0U2WBQhD0
『ハートの形』(1)

「いいかミルク、ライフルは初心者用の武器だ」
昔、理佐が言っていたことを思い出す。
まず望遠鏡で標的を探し、うつ伏せになって光学照準器を覗き込む。
呼吸は楽に、片目をつぶり、相手の動きを読む。
顔は撃ち抜いちゃダメだ。依頼者がお金をくれない。
撃ち抜くのは相手のハート。
____________

「おいミルク」
ミルクという名前ではないが振り向いた。
理佐は足を組んでこっちを睨んでいる。
僕は急いでキッチンへ向かい、ミルクをレンジでチンした。

「はい、理佐」
「ん、ありがと」
理佐はホットミルクが好きだ。
なぜだか分からないけど、僕がここへ来た時から必ず冷蔵庫にはミルクが2本常備してあった。
ホットミルクを作るのは僕の役割で、「おいミルク」と理佐が言えば僕はキッチンへ飛んでいく。
そしていつか僕の名前はミルクになった。

僕が予想するに、理佐は自分の胸の大きさを気にしていて、ミルクを飲めば大きくなるという迷信のもと、
毎日大量のミルクを飲んでいるのだと思う。
今のところその成果はゼロだ。
しかしそもそもスナイパーにとって胸は邪魔でしかなく、理佐にはそれを補う顔の小ささと足の長さがある。

(つづく)

31名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/19(木) 18:30:40.97ID:0U2WBQhD0
『ハートの形』(2)

理佐はミルクを一気飲みした。
「今日はチューイングガムの訓練やるよ」

理佐は白ひげを拭い、Tシャツを脱いだ。
細いくびれが見えた後、水色の下着があらわになる。
何回見ても慣れないし、ドキドキする。

僕は目を背けて、側にある観葉植物に霧吹きをした。
いくら僕が年下の弟子だからといって、躊躇もなく裸になられては困る。
初めてここへ来た時からこの調子だったから、当の本人は僕のことを男として見ていないんだろう。

「早く支度しな。あと40秒で出るよ」
理佐は丸いサングラスをかけ、チェーンカッターを手に取り、そそくさと玄関へ向かった。


続くかなw

32『ハートの形』(3)(大阪府)2017/10/20(金) 21:11:50.01ID:KnYTqd6L0
チューイングガムの訓練は簡単だ。
あらかじめ入手しておいた薬物購入者のリストから、購入量の少ない者の住所を割り出す。
そいつは家賃の安いアパートに住んでいるはずだ。

僕はアパートの覗き穴にガムを貼り付け、インターホンまたはノックをする。
住人は外の様子がわからず、「誰だ?」と言う。
「宅急便でーす。通路の電球が切れていて真っ暗なんですが、〇〇さんですか?」
僕がこう嘘を付けば、大抵の場合チェーンロックが掛かったままドアが開く。
理佐はチェーンカッターでそれを切って、中に侵入する。
あとは理佐が好きなようにする。

これまで何度もやった訓練だが、僕は未だに実戦をしたことがない。
この訓練を実戦と言わずして、何と言うのだろう?


「薬物なんて無くなればいいのに」
訓練が終わる度に理佐は言う。
その顔はとても掃除屋とは言えない雰囲気がある。
ジャケットの下に拳銃を隠しておきながら、そこらのOLと同じ顔をして街を歩いている。

「今日の晩ごはんは?」
僕は機転を利かしたつもりで聞いた。
「あ、そっか。スーパー寄らなきゃだね。何がいい?」
「肉じゃががいい」
「えっと、じゃがいもは家にあったから、にんじんと…

33『ハートの形』(4)(大阪府)2017/10/20(金) 21:13:48.63ID:KnYTqd6L0
理佐がお米を研いでいる横で、僕はじゃがいもの皮を剥いていた。
「ねえミルク、お水このくらいかな?」
「うん、そのくらい」
「えっと…ボタンどれだっけ?あ、これか」
「ちがーう!それお粥のボタンだよ」

肉じゃがは僕が作ったからまあ普通に美味しかったけど、理佐が作った卵焼きはなぜか味がなかった。
理佐は首を傾げている。
「おかしいなぁ、何で味しないんだろ?」
「ダシ入れ忘れたんじゃない?」
「うーん、そうかなー」
「俺お風呂入ってくるよ」
「うん。何で入れ忘れたんだろ…」

僕はお風呂に向かった。
家も狭ければ、当然お風呂も小さい。
服を洗濯機に放り投げ、その小さい風呂の中にザブンと入った。
お湯は冷たくなったハートを和らげて、明日の希望を作り出してくれる。
それはどの家庭の風呂でも同じだ。

「おかしいなぁ、ご飯もちょっと硬かったし…」
脱衣所の方からひとり言が聞こえた。
曇りガラスの向こうに、服を脱ぎ始めている理佐がいた。


続きはまた今度にします

34名無しって、書けない?(庭)2017/10/20(金) 23:06:33.67ID:UgkRF4NRa
>>32
続き来てた!

35『ハートの形』(5)(大阪府)2017/10/21(土) 11:59:29.15ID:mDmDUoui0
湯船の中が一気に冷たくなった。
理佐の裸体が曇りガラスに隠れるのが余計にいやらしい。
僕はタオルを近くに引き寄せて、身構えた。
無情にもドアは開き、見てはいけないとわかっていながら、理佐を見ずにはいられなかった。
「ああ、入ってたの」
一瞬で閉まると思われたドアは、理佐が風呂場の中に入った後に閉められた。

シャワーのお湯が理佐の顔を打ち、しぶきが湯船の水面を少し揺らしている。
そのうちにシャワーの音が止まり、理佐がこちらを見た。
「入っていい?」
「あ、俺もう上がるよ」
「いいよ、入ってなよ」
「うん…」
理佐の体積分、水が増してこぼれたお湯が排水口へ流れていった。
僕は後ろを向こうと思ったが、ふと感じるところがあって止めた。
亡くなった母親の面影が重なり、動けなかった。
「あと30秒浸かってなさい」
動けば、理佐にそう言われるような気がした。

「何ニヤついてんの?」
理佐が言った瞬間に、母親の面影が消えて急に悲しくなった。
耐えきれず落ちた一粒の涙が水面に波紋を描くと、理佐はバツが悪そうにうつむいた。

「ごめんね、私がお母さんじゃなくて」
なぜ母親のことで泣いているのがバレたのだろうと考えたが、そう言えば前にも似たようなことがあった。
キッチンで皿洗いをしている理佐を見て、思わず涙が出たのだ。
理佐の前で泣いたのはその一回だけだった。
その時と同じように、理佐は濡れた手で涙を拭ってくれた。
今の涙の訳がわかったなら、僕にとっては母親も同然だった。
「ありがと、理佐」

36『ハートの形』(6)(大阪府)2017/10/21(土) 12:00:53.09ID:mDmDUoui0
大きなベッドのその端に縮こまるようにして僕は眠る。
すぐ横では理佐が細い体を中央に陣取り、微かな鼻息を鳴らせている。
その顔は少し変わっていて、口を鳥のように尖らせ、左目をきつく閉め、右目を僅かに開けている。
夢の中でも銃を構えているようだった。

理佐が寝返りを打つ度にベッドがうねり、足を僕に絡めてくる。
次第に腕も絡まり、抱きついたような格好になる。
最初の頃は女性の温もりを感じて心地よかったが、その都度睡眠が途切れるのは嫌で、
いつしか僕は出来るだけベッドの端に寄るようになった。

突然、理佐がバサッと起きた。
僕の方を見て、あははと笑い、また寝た。
そうかと思えば、僕の腕を引き寄せてくんくんと犬のように嗅ぎ始める。
ホラーだった。

明朝、こんなことがあったよと言ってみても、理佐は絶対に認めない。

風呂場で母親のように振る舞ったかと思えば、ベッドの上では恋人のように絡みつき、妹のように眠っている。
規則的に波打つお腹を見て、愛おしさを覚えずにいられなかった。



なんか変態小説になっちゃってるw

37名無しって、書けない?(庭)2017/10/22(日) 03:08:03.96ID:DPJm9Ax5a
>>36
順調につづいてますねw

38名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/22(日) 22:39:58.16ID:+r5DeLAP0
>>37
どんどん構想から外れてますw

39名無しって、書けない?(庭)2017/10/22(日) 23:12:22.25ID:LtUjCtIma
>>38
構想から外れた方が無意識や深層心理が反映されて興味深い物が書けると思うのでどんどん構想外に行くべきですよ

Don’t think, feel ですw

40『ハートの形』(7)(大阪府)2017/10/23(月) 22:13:12.46ID:NKU+O1q80
夢を見た。
初めて理佐と話した時の夢だ。

「理佐、アイツ殺すのにいくら必要?」
「2億」
「そんなに持ってないなあ。じゃあ殺し方を教えて」
「ダメ、子供は銃を握っちゃいけない」

僕はアイツを憎んでいた。
アイツは麻薬取締官でありながら、自らも麻薬をやり、裏社会を牛耳っている。
僕の兄が麻薬をくすねたせいで、兄も含め家族みんながアイツに殺された。
兄は死んで当然の人間だが、両親まで殺されるのはどう考えても納得が行かなかった。
今日が決行の日。

「ねえ起きて」
珍しく理佐が早起きをしている。
「自分でミルク、チンしたんだけどね、吹きこぼれちゃった」
「何で自分でやったの?」
「ほら今日、皆既日食って言ってたじゃん。それで早起き」
「ああ…待ってすぐキッチン行くから」

理佐は奇妙な事に関心を示す癖があった。
その心が僕をここへ住まわせたのかも知れない。

41『ハートの形』(8)(大阪府)2017/10/23(月) 22:15:26.70ID:NKU+O1q80
レンジに溢れたミルクを吹き終えると、頭のなかでベートヴェンの序曲が鳴り始めた。
嵐の前の静けさは最高だ。大草原にいる時のような葉のざわめきが聞こえてくる。

理佐が2本のミルクを買いに家を出た。
僕はライフルをケースに入れて、メモ書きを残した。
「アイツに会ってくる」
そう書き残して、家を出た。
________________

アイツの居場所は裏地のもっと奥だ。
単身で乗り込むような所じゃないが、自分で決めたことだ。
家族を失って以来、アイツを殺すことだけが人生の意味だったのだから、何の恐怖もなかった。


僕は深呼吸をして、ライフルでドアノブを破壊した。
手当たり次第に乱射し、奥へ突き進んだ。
アイツの姿が見えた瞬間、取り巻きの連中に首を閉められ、計画は未遂に終わった。

「やっと現れたな、バカ兄貴の弟」
アイツは僕の頭に銃を突きつけた。
僕は、本来ならすでに家族の巻き添えになって死んでいるはずの人間だ。
自然に狂気的な笑みがこみ上げた。
「殺せよ」

突如、催涙ガスが部屋に立ち上った。

42名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/23(月) 22:17:19.41ID:NKU+O1q80
>>39
まだ書いてませんが、いよいよブルース・リーな理佐ちゃんの登場ですw

43名無しって、書けない?(庭)2017/10/23(月) 23:58:02.79ID:wAyYG6Dra
>>42
大阪府さんの今までの作品とは違う何かを感じて続きを待ってます

違う何かが何なのかは俺も分からないんですけどw

44『ハートの形』(9)(大阪府)2017/10/24(火) 22:32:39.99ID:tcURMTq70
サプライズゲストでも登場したかのようなスプレー噴射が室内に充満した。
後方から3発続けて銃声が鳴り、アイツの取り巻き達が反撃に出た。
僕は身を低めた。
後方の射撃音は絶えず移動し続け、煙の中でも確実に標的を捉えている。
男のうめき声と、体が床にぶつかる音とが交互に聞こえてくる。
次第に煙の晴れゆくなか、銃声が鳴り止んだのを機に、慎重に目を開けた。
視界の限りに確認できたのは、アイツのもがき苦しむ姿だった。
それ以外の人間は死んでいた。

「勝手なことしてんじゃねーよ」
理佐は僕を背後から抱き寄せた。呼吸が荒い。
背中に生ぬるいものが伝う。理佐の重みがどんどん増していた。

アイツが地面を這っている。拳銃を探しているようだ。
「ミルク、お願いだから逃げて。私はもうじき死ぬから」
確かに理佐は助からないだろう。だが、僕は動けずにいた。
「リング・トリック」
絞り出すような笑顔が真横で輝いた。
お別れのキスを最後に、僕は一目散に外へ出た。

もはやサイレンに焦りなど感じなかった。
数秒後、背後の爆発音が全ての終了を知らせた。

45『ハートの形』(10)(大阪府)2017/10/24(火) 22:34:21.94ID:tcURMTq70
テーブルには飲みかけのミルクが置いてある。
その横に走り書きのメモがあった。
_________________

スペードは兵士の剣
クラブは戦場の武器
ダイヤは現金
だけどそれは私のハートの形じゃない

好きだったよ、ミルク
_________________

僕は残ったミルクを飲み干した。


おわり

46名無しって、書けない?(庭)2017/10/24(火) 22:49:51.35ID:zehK4fx2a
>>45
僕君なんで理佐ちゃんと一緒に死んでやらないんだ!

47名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/25(水) 23:09:02.61ID:0SjiIq3v0
>>46
原案がそういう終わらせ方なので、しょうがないじゃないですかw(半ギレ)
私も罪悪感に苛まれながら書きました…
というわけで、原案スレじゃないですが、
ナタリー・ポートマン×ジャン・レノの『レオン』です
最後のメモは映画のED、スティング『Shape of My Heart』より

48名無しって、書けない?(庭)2017/10/26(木) 00:42:53.99ID:5r4I0FUka
>>47
原案ありだったのねw

しかし、なぜこっちにww

49名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/26(木) 07:35:23.74ID:OfrV7RRF0
>>48
僕の場合ほとんどが原案ありですからね
そのパクリ度合いでどちらに書き込むか決めています

50名無しって、書けない?(庭)2017/10/26(木) 15:14:04.73ID:4pe8gGxla
>>49
原案ありスレで書いてて思ったんですけど大阪府さんや東京都さんみたいに原案に沿って書くの難しいですよね

俺の書いてる「三蔵な理佐ちゃん」なんて悟空と八戒の名前以外西遊記要素ほぼ0ですからね

51名無しって、書けない?(茸)2017/10/26(木) 19:31:53.27ID:aiei6U3ud
一気読みさせて頂きました。
お疲れ様です。

52名無しって、書けない?(庭)2017/10/28(土) 05:47:12.13ID:ha/liy8xa
あげ

53名無しって、書けない?(茸)2017/10/28(土) 10:05:06.91ID:wJTGdm9md
保守

54名無しって、書けない?(東京都)2017/10/28(土) 11:00:35.84ID:SJx+UMkv0
>>6
いやぁ
いいっすね!
夜空に瞬く星と夜風に締まった初冬の寒空。
なんとも悲しい話じゃあないか。

55名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/28(土) 17:09:47.52ID:aHMvLaA0K
昔(1年前ぐらい)を思い出しながらヒドいネタを書きました

スレ名はここでは伏せるw
http://2chb.net/r/keyakizaka46/1508923657/57-9

56名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/28(土) 17:11:09.94ID:aHMvLaA0K

57名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/28(土) 17:32:30.00ID:ecIFhjh20
>>50
庭さんの独創性は誇るべき所だと思いますよ

>>54
どうもm(_ _)m
寒空の下を歩いていると、星空の高さに圧倒され、ちっぽけな自分に気が付いたり、
感傷的な気分でもないのに、冷たい風が目に染みて、滲んでしまったりしますよね(俺だけかなw)

58名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/28(土) 17:35:12.69ID:ecIFhjh20
>>56
チワンさんの本領発揮ですねw
セリフが自然すぎてスラスラ読めました
ただ、最後のTAKAHIRO先生のオチはどういう意味なんですか?

スレ名は伏せなくても大丈夫じゃないですかねw
一応【エロも可】ですし、新・時かけ理佐ちゃんでも、金玉とかエッチとか包み隠さず表現しておられますし

59新・時をかける理佐ちゃん 第9話(庭)2017/10/28(土) 17:42:01.10ID:4aKoz+Sla
「ねぇ、昨日は俺君の浮気に気が動転しちゃって気づかなかったんだけどさ、麻衣ちゃんからLINE来たってことは私たちまだあっちの時代と繋がってるってことだよね?」
なんて翌朝気づく迂闊な理佐ちゃん

「言われてみたら!?理佐ちゃん鋭いね」
すぐに気づいたけど理佐ちゃんの機嫌をとるために話を合わせる俺

「鋭くないよ、俺君が鈍いだけだよ」
なんて調子に乗って鼻歌まじりに朝食の用意にとりかかる理佐ちゃん

理佐ちゃんの機嫌が直ったのを確認してコソコソと麻衣ちゃんに返信を試みる俺

「理佐ちゃんと一緒に幕末に飛ばされちゃって大弱り至急応答ヨロです」
なんて送信して数分・・・

「約束すっぽかしたから誤魔化そうとしてるんでしょ(笑)」
って怒ってないけど信じてくれてもいない麻衣ちゃん

「マジだよ!今は勝海舟のお世話になって江戸にいるんだよ(泣)」って再び送信な俺

再び数分するも麻衣ちゃんからの返事無し・・・落ち込む俺

「ねぇ、なに落ち込んでんの?」
愛しの理佐ちゃんが作ってくれた朝ごはんを食べてるくせにテンション上がらない俺を心配してくれる優しい理佐ちゃん

「うん?なんでもないよ」
まさか麻衣ちゃんにウソつきと勘違いされて落ち込んでるとは言えない俺に

「誤魔化してんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「本当は体の調子悪いんでしょ?」
なんて言いながら俺のオデコに自分のオデコつけてきてくれそうだから好き

60名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/28(土) 17:55:45.79ID:aHMvLaA0K
>>58
ありがとうございます
去年は乃木坂板でこういうのを毎日書いてたのでw
ただ、まだまだ欅ちゃん達に下ネタ親和性がないのが欠点です

最後のあれは、実はTAKAHIRO先生が男の人のあそこの手コキに慣れているという、オネエ系のネタで…m(_ _)m

61名無しって、書けない?(庭)2017/10/28(土) 18:07:15.48ID:4aKoz+Sla
>>60
思わず一気読みしてしまいましたw

62新・時をかける理佐ちゃん 第10話(庭)2017/10/28(土) 18:41:00.55ID:4aKoz+Sla
「やっぱり熱あるじゃん」
自分のオデコで俺の熱を計って得意顔の理佐ちゃん

「理佐ちゃんが急にオデコくっつけてくるからだよ・・・」って言い訳する俺

「私のオデコのせいにすんじゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ、江戸に来てからずっと休み無しで働いてるんだからたまには休みなよ」
なんて言いながらお布団を敷き始める理佐ちゃん

「仕事楽しいからさ」なんて強がり言う俺

「私・・・知ってるよ」って布団を整えながら呟く理佐ちゃん

「うん?」
なんか大事なこと言おうとしてる理佐ちゃんの気配を察する俺に

「身寄りもない江戸で私のこと守るために毎日頑張ってくれてるって、俺君だって不安なのに・・・」

理佐ちゃん・・・気づいてくれてたんだって思わず涙の俺に

「泣いてんじゃねーよ」
なんてドス効かせながら俺の頭を優しく撫でてくれる理佐ちゃん

「万が一現代に戻れなくても理佐ちゃんは一生俺が守るから」って愛しの理佐ちゃんに改めて誓う俺

「うん、ありがとう、私も一生俺君についてくね」なんて言ってくれる理佐ちゃん

「理佐ちゃん大好きだ〜」って理佐ちゃんを布団に押し倒す俺

「俺君!?ちょっと・・・ダメだよ」
なんて小さい声で囁きながらも俺の首に手を回してくれそうだから好き

63名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/28(土) 19:29:25.91ID:ecIFhjh20
>>60
そういうことでしたかw

>>62
偉人と絡むのもわくわくしますが、やはり幼馴染の愛には心を動かされてしまいますね

64新・時をかける理佐ちゃん 第11話(庭)2017/10/28(土) 19:38:30.77ID:obbgj1tIa
「理佐ちゃん、俺の子を産んでくれい!」
なんてこと言いながら理佐ちゃんを布団に押し倒した俺

「いいよ」
意外なことにそんな俺を優しく抱き締めてくれる理佐ちゃん

「江戸1番の子沢山になってやる」
なんて決意も新たに理佐ちゃんの着物の裾に手を入れようとする俺

「朝からお盛んだな」
俺と理佐ちゃんが命の歌を高らかに奏でようとしと矢先に邪魔するオッサンの声

慌てて身繕いする俺と理佐ちゃん

「勝先生も人が悪いなぁ、来てたら声かけてくださいよ」って頭掻き掻き苦笑いの俺

「声かけるもなにもいきなりおめえが血走った目で理佐ちゃん押し倒したからよ」
なんて最初から見てたのかよこのオッサン・・・油断も隙もねぇな・・・

「1年前ぐらいによ、おめえと理佐ちゃん訪ねてきた女が居てよ、その女が今朝がたまた訪ねて来たんだよ」
「俺と理佐ちゃんを訪ねてですか・・・?」
勝海舟の言葉にまったく思い当たる節がない俺と理佐ちゃん

そりゃあそうだよ、江戸どころかこの時代に知り合いなんて居ねぇもん

だいたい1年前なんてまだ現代にいたよ俺も理佐ちゃん・・・

不思議な話に首を傾げる俺

「ふーん、思い当たる節がないんじゃ仕方ねぇな、会うのは素性が分かってからの方がいいだろうからオイラの方でちょいと探らしてみるか」
なんて言いながら帰る支度する勝海舟

「言い忘れたけどよ、凄いべっぴんさんだったぜ、その女」
なんて笑いながら理佐ちゃんにささやく人の悪い勝海舟

「どこの誰なんだろうね?」って理佐ちゃんに話かける俺

「知らない」って素っ気ない理佐ちゃん

「勝先生帰ったから寝ようかな」
なんてさりげなく理佐ちゃんを誘う俺

「うん、私針仕事してるから寝てな」
ってもう俺君の好きにしてモードじゃなくなっちゃった愛しの理佐ちゃん

「理佐ちゃんごめん、お布団直してくんない」
なんて諦め切れずにお布団のそばに理佐ちゃんを誘き寄せようとする俺

「押し倒されたら怖いからやだよ」
なんて警戒心MAXの理佐ちゃんだから好き

65名無しって、書けない?(庭)2017/10/28(土) 19:47:52.72ID:obbgj1tIa
>>63
なんか歴史を絡めるとワクワク出来なくて妄想が湧かないんで
方向転換して江戸を舞台にしたいつもの理佐ちゃんと俺君の話に戻しちゃいましたw

66新・時をかける理佐ちゃん 第12話(庭)2017/10/28(土) 20:15:48.02ID:obbgj1tIa
「今帰ったよ」
なんて威勢良く声かけて帰宅するすっかり江戸前な俺

「お帰り、おまいさん」なんてこれまた江戸前な理佐ちゃん

「なぁお理佐」なんて呼び方まで江戸前な俺

「なんだい?おまいさん」なんてちゃんと合わせてくれる愛しの理佐ちゃん

「今日仕事帰りに勝先生にばったり合ったんだけどよ、謎の女の素性が割れたそうだぜ」ってますます江戸弁な俺

「分かったんだ」って急に普通に話す理佐ちゃん

「なんで江戸弁じゃないの?」ってがっかりする俺

「うーん?面倒くさい」ってあっさり答える理佐ちゃん

「なんだよ、せっかく江戸っ子の粋な感じが掴めてきたのに・・・」って拗ねる俺

「ごめんね、俺君に付き合ってあげたいけど話が先に進まないからさ」
なんて勝先生にから聞いた女の素性を早く聞きたい理佐ちゃん

「なんかね浅草の侠客の娘だって」
「侠客って・・・ヤクザの娘?」って不安そうな理佐ちゃん

「いや火消しの親方の娘らしいよ、凄い美人で浅草中の評判だってさ」 
「ふーん、浅草中の評判になる美人ってどのぐらい美人なんだろうね?」って俺に聞く理佐ちゃん  

これは罠の匂いがする質問だな・・・
迂闊なこと答えたらまた焼きもち妬かれて面倒くせぇぞって用心する俺

「ねぇ、どのぐらい美人だと思う?」って俺を試すために答えを急かす理佐ちゃん

「うーん?よく分かんないけど浅草一とか江戸一とかじゃ世界一の美人の理佐ちゃんには敵わないんだろうね」って答える俺

「世界一の美人?私が・・・」なんてわざとらしく聞き返す理佐ちゃん

「うん、俺は世界一の美人だと思うよ」って理佐ちゃんの期待通りに答える出来レースな俺に

「もう、すぐ大げさに褒めるんだから」
なんて嬉しそうに言いそうだから好き

67新・時をかける理佐ちゃん 第13話(庭)2017/10/28(土) 20:54:35.77ID:obbgj1tIa
「じゃあさ、出る時に声かけてね」なんて念を押す愛しの理佐ちゃん

大げさに褒めたらテンション上がった理佐ちゃんがお散歩行きたいなんて言い出すから銭湯に来た俺と理佐ちゃん

「理佐ちゃんの方が色々洗うとこあるから長湯になるだろうから理佐ちゃんが声かけてよ」
なんて言いながら瞳を閉じて色々なとこ洗ってる理佐ちゃんを描く平井堅な俺

「ちょっと、変なこと想像しないでよ」って釘を刺す理佐ちゃん

「それに銭湯で大きな声出せないから俺君も長湯して私に声かけてよ」なんてわがままな理佐ちゃんもそれはそれで可愛い

「理佐ちゃ〜ん!あがるよ〜!」
理佐ちゃんにゆっくらお風呂に浸ってもらおうと1時間以上経ったのを見計らって女湯にいる理佐ちゃんに声かける俺

照れ屋な理佐ちゃんのこと故、無論返事は無い・・・

「うーん、寒い・・・」
理佐ちゃんに声をかけてからさらに1時間銭湯の外で待たされてる俺

「ウソだろ・・・こんなに待たせるなら出る時に声かけてくれなんて言っちゃダメだろ・・・」

寒さに負けて帰りたいのは山々だけど愛しの理佐ちゃんに夜道の一人歩きなんてさせられない俺

「俺君、待たせてごめんね」
なんてこの寒空の中2時間近く風呂上がりの俺を待たせたわりに軽く謝る理佐ちゃん

なんとか家に帰り着いたもののマジで風邪引いたのか寒気半端無い俺
「まだ寒い?」
さすがに悪いと思ったのか布団にくるまる俺の手に息を吹きかけて暖めてくれる理佐ちゃん

「うん、寒いけど理佐ちゃんの気持ちが暖かいから平気」って強がる理佐ちゃんに心配かけたくない俺

「こうするともっと暖かいかな?」
なんて布団に入ってきてくれる理佐ちゃん

「いいの?」って戸惑う俺に

「今日だけだよ甘えさせてあげんの」なんて言いそうだから好き

68名無しって、書けない?(茸)2017/10/28(土) 22:32:41.44ID:/RGVkcZtd
びっくりしたぁ・・・
ベッドシーン突入かと思った

69名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)2017/10/29(日) 13:34:43.40ID:EzZ6e+hEKNIKU

70名無しって、書けない?(庭)2017/10/29(日) 15:13:22.67ID:U+EEaoTKaNIKU
>>68
ベッドシーンを書くにはまだまだ文章力が足りないので自重していますw

>>69
完結編まで読んだらTAKAHIRO先生をそうゆう目でしか見れなくなってしまいますな

71名無しって、書けない?(茸)2017/10/29(日) 18:33:54.85ID:xamBYN2fdNIKU
>>69
メーター振り切ったド下ネタでした笑
そしてそのコメントの番号が69という妙技。
恐れ入ります、師匠。

72新・時をかける理佐ちゃん 第14話(庭)2017/10/29(日) 22:16:56.76ID:U+EEaoTKaNIKU
「俺君大丈夫?」
愛しの理佐ちゃんに銭湯の外で長時間待たされたせいで完全に風邪引いた俺

江戸時代に効果的な風邪薬が有るわけもなくただただ寝続ける俺

「俺君寝相悪いから風邪引いちゃうんだよ」なんて見当違いなこと言う理佐ちゃん

「たぶん・・・理佐ちゃんを銭湯の外で待ってたせいかと・・・」ってたどたどしく呟く俺

「聞こえないよ〜」なんて耳に指で栓をしながら首を振る理佐ちゃん

ちきしょう・・・可愛い過ぎて腹も立たないよ・・・

「今日は1日俺君が家に居るからなんだか楽しいな」なんて掃除始める理佐ちゃん

掃除すんのは偉いけど風邪で寝込んでる俺がいるんだハタキで埃をたてるのは止めてくれ理佐ちゃん

なんて俺が理佐ちゃんの天然に苦しんでいると・・・

「よう邪魔するぜ、新門のカシラの娘連れて来たぜ」
なんていきなり謎の女を連れて来ちゃう勝海舟

「えっ!?連れて来ちゃったの?」って驚く理佐ちゃん

「なんとしてもおめえさん達に会いてぇってからよ、美人に手ぇ合わされたら断れねぇよ、おいら江戸っ子だぜ!」
なんて粋がる勝海舟に

「江戸っ子だぜ!じゃねーよ」ってドス効かす理佐ちゃん

「ねぇ、今日は俺君が風邪引いてるから誰も会わせないよ」って勝海舟を追い返す理佐ちゃん

「理佐ちゃんありがとう」ってお礼を言う俺に

「ううん、今日は俺君と私の二人だけで過ごしたいだけだからお礼なんて言わないでよ」
なんて照れながら添い寝してきそうだから好き

73新・時をかける理佐ちゃん 第15話(庭)2017/10/29(日) 23:06:29.97ID:U+EEaoTKaNIKU
「理佐ちゃん、風邪が移るよ」
添い寝する真似してたらいつの間にか寝ちゃった理佐ちゃん

「理佐ちゃんの寝顔が一番の薬だな」なんて幸せ気分に浸ってたら

「添い寝してんじゃねーよ」なんて理佐ちゃんの真似する不埒な声が

「誰だ?」って理佐ちゃんを庇いながら訊く俺

「相変わらず仲良しだね」
なんて現れたのは懐かしくも美しい麻衣ちゃん!?

「なんで!?」って愛しの理佐ちゃんをすっ飛ばして跳ね起きる俺

「なんでここに居んの?」って思わず大声になる俺

「痛〜い」って頭を押さえて半べその理佐ちゃん

「大丈夫理佐ちゃん?」って慌てて駆け寄る俺

「なんか頭ぶつけたみたい」ってまだ寝ぼけてるみたいな理佐ちゃん

「理佐ちゃん寝相が悪いから転がって柱に頭ぶつけたみたいだね」って咄嗟にウソつく俺

それ見てまた笑い出す麻衣ちゃん

「え〜〜っ!?麻衣ちゃん?」って麻衣ちゃんに気づいてやっぱり大声になる理佐ちゃん

「俺君からLINEの返事が来て、気づいたらこの時代に居たんだ」って説明してくれる麻衣ちゃん

「それから俺君のLINEに書いてあった勝海舟に会いに来たのが1年前かな・・・」
「ちょっと待って、俺が麻衣ちゃんにLINEの返事したの昨日だよ」って戸惑う俺に

「私に隠れてLINEの返事したんだ」って呟く理佐ちゃん

「麻衣ちゃんは俺たちより1年遡った時代に飛ばされたのか」
って呟く理佐ちゃんを無視して時空の歪みって不思議だなって感心する俺

「うん?麻衣ちゃんが1年前に勝先生を訪ねてきたの?勝先生には新門の辰五郎の娘が訪ねて来たって聞いたけど」って聞く俺に

「無視してんじゃねーよ」ってまたも呟く理佐ちゃん

「理佐ちゃんごめん、今大事なとこだからちょっと黙ってようか」
って理佐ちゃんを黙らせて麻衣ちゃんを促す俺

「うん、私がその新門の辰五郎の娘なの」ってなんじゃそりゃあな話を始めようとする麻衣ちゃんだけど・・・

「理佐ちゃん・・・泣いてない?」って理佐ちゃんを指差す麻衣ちゃん

「どうしたの理佐ちゃん?」って理佐ちゃんの背中をさすってあげる俺

「今日は俺君と二人っきりだと思ったのに無視するんだもん」なんて駄々こねる理佐ちゃんだから好き

74名無しって、書けない?(大阪府)2017/10/29(日) 23:08:21.69ID:EE0rejA10NIKU
>>69
絶賛の嵐ですなw
完結しちゃうのか…

75新・時をかける理佐ちゃん 第16話(庭)2017/10/30(月) 12:29:49.92ID:hZuJGKaha
「理佐ちゃんごめんね、埋め合わせに夜は理佐ちゃんの行きたいとこ何処でも付き合うから泣き止んでよ」
なんて必死に理佐ちゃんの機嫌をとる俺

努力の甲斐あってか泣き寝入りしちゃった理佐ちゃん

風邪引いてる俺がなんでこんなに気を使わなきゃいけねぇんだ・・・

「なんか現代に居た時と関係性が逆転しちゃってるね」
俺と理佐ちゃんのドタバタを見てた麻衣ちゃんが笑いながら呟く

「そうかな?」
「うん、理佐ちゃんがお姉さんで俺君が弟みたいだったのに今は俺君に理佐ちゃんが甘えてるよね」なんてなかなか鋭い麻衣ちゃん

「普段はしっかり者なんだけどピンチになると甘えん坊になっちゃうのは昔からだよ
今は人生最大のピンチが常態化しちゃってるから常に甘えん坊理佐ちゃんが出ずっぱりなだけさ」

「俺君はなんか逞しくなったね」って俺を見つめる麻衣ちゃん

「そりゃあ逞しくなるよ命懸けで守んなきゃいけねぇんだもん」って理佐ちゃんの方を見ながら呟く俺

「羨ましいな・・・理佐ちゃんが・・・」なんて寂しそうに微笑む麻衣ちゃん

そっか、麻衣ちゃんは一人ぼっちでこの時代に飛ばされちゃったんだもんな・・・しかも1年前に遡って・・・

「俺がLINEの返事さたばっかりにごめん」って謝る俺

「ううん、俺君のせいじゃないよ」
って言うと同時に俺の胸に飛び込んでくる麻衣ちゃん

「麻衣ちゃん・・・?」理佐ちゃんの様子を伺いながら驚く俺に

「ごめん・・・少しだけこうしてていい?」
なんて涙声で聞いてきそうな麻衣ちゃんだから好き

76新・時をかける理佐ちゃん 第17話(庭)2017/10/30(月) 23:02:10.00ID:hZuJGKaha
「じゃあ、世話になってた火消しのカシラの娘さんが亡くなったからそのまま養女に・・・」
泣き止んだ麻衣ちゃんからこの1年間の麻衣ちゃんの身の上話を聞いてる俺

「うん、養女ってゆうかそのままお芳ちゃんになっちゃったんだよね、お父さんが面倒くせえなんて言うから」って笑って話す麻衣ちゃん

「でも新門の辰五郎って有名な侠客でしょ、怖くないの?」って有名人に興味津々なミーハーな俺

「怖くないよ、私にもお母さんにも凄く優しいし」って笑う麻衣ちゃん

「じゃあ、私約束あるから」って立ち上がる麻衣ちゃん

「あっ、待って」
慌てて理佐ちゃんを起こそうとする俺

「寝かしといてあげて」って俺を止める麻衣ちゃん

「俺君、理佐ちゃんを幸せにしてあげてね」
なんて言いながら俺にキスする麻衣ちゃん

麻衣ちゃんに突然キスされて戸惑う俺に

「ありがとう、バイバイ」なんて手を振って歩き去る麻衣ちゃん

我に帰って慌てて後を追う俺

路地を曲がったところて麻衣ちゃんの後ろ姿に
「また遊びに来てよ!」って叫ぶ俺

俺の声に一瞬立ち止まるけど振り向かずに行っちゃった麻衣ちゃん

寂しい気持ちを抱えて長屋に戻る俺

「叫んでんじゃねーよ」って起きてた理佐ちゃん

「いつから起きてたの?」って見られたか?って不安な俺

「麻衣ちゃんが俺君に泣きついた辺りかな・・・」って呟く理佐ちゃん

「寝たふりしてたのかよ」って呆れる俺に

「寝たふりじゃないよ・・・」って寂しそうに呟く理佐ちゃん

「起きちゃいけないと思ったんだ・・・麻衣ちゃん・・・俺君にお別れしに来たみたいだったから」
やっぱりあのバイバイはそうゆう意味だったのか・・・

「理佐ちゃん、麻衣ちゃんとキスしたの怒んないの?」って聞く俺

「怒んないから私にもキスして」
なんてさすがに言わなそうだけど好き


lud20230203230815
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