保健師を知っていますか?
これまで、学校の性教育の授業などで、保健所から講師の先生が来たことはありますか?
その先生はたいてい「保健師」と呼ばれる資格を持っています。
また、健康や病気に関する保健所の電話相談を受けているのも保健師です。
保健師は看護師の国家資格と、保健師国家資格を持った地域看護の専門家です。
地域看護とは、地域住民の疾病(病気)の予防や健康の維持・増進を目的とした看護で、
看護師と違って健康な人も対象に含みます。
一般住民の健康を守る役割といえばイメージが湧くでしょうか。
保健師は保健所だけでなく市町村役場や保健センター、児童相談所などに勤務する場合は、
公務員採用試験に受かることも条件になります(企業に勤める「産業保健師」もいます)。
データ収集・分析能力が必須
保健師に欠かせない知識は、「疫学」と「統計学」です。
疫学はある地域でどのような疾病が多いか、どんな死亡原因が多いかなどを探る学問で、
その手段として、データを集めて分析するのに統計学を使います。
例えば、「5年間で子どもの虫歯が増えているので、今後3年間は虫歯予防を強化しよう」とか、
「肥満児が多いので、学校の先生と協力して肥満予防に取り組もう」といった具合です。
事業としてそれを実施するために、都道府県や市町村の議会にかけて許可をもらいます。
保健師は、地域住民と自治体の“橋渡し”のような役割を果たしているのです。
夢ナビ 大学教授がキミを学問の世界へナビゲート
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