>福岡市の商業施設で2020年8月、当時15歳だった少年に娘を刺殺された母親(51)が「事件を思い出さない日はない。この悔しさは、一生引きずらないといけません」と、苦しい胸の内を明かした。
少年が検察官送致となったことを受けて記者会見に出席し、娘の名とともに晴れ着姿の写真を公表した。「この事件の被害者だということを忘れてもらいたくない」からだった。
通夜や葬儀の準備に追われていると、知人から「たくさん報道されてるよ」と聞かされた。テレビでは娘の名前が報じられ、少年は匿名。「娘だけがさらし者にされているようで、はらわたが煮えくりかえるようでした」
昨年1月の少年審判を傍聴した。少年の言動は反省しているようには見えなかった。悔しさを訴えたくても少年審判は非公開が原則。被害者遺族にも守秘義務が課される。「いつまでも誰にも言えない。頭がおかしくなりそうです」