大阪ミナミへの訪日外国人観光客急増が大阪経済に異変を起こしている。外国人観光客が集中する難波、心斎橋などミナミの地価は、公示地価の最高価格が1970年の調査開始以来、初めて梅田などキタを上回った。難波の高島屋大阪店は2018年2月期の年間売上高が66ぶりに東京日本橋店などを抑えて同社の国内店舗でトップに立っている。
ミナミでは商店街の売り上げが急増しているほか、外国資本の不動産売買も活発化してきた。新今宮などミナミの周辺地域で相次ぐホテル投資も、ミナミの地価を押し上げる格好となり、当分の間勢いはとどまりそうもない。
■黒門市場は朝から押すな押すなの大盛況
浪速っ子の胃袋を江戸時代から支えてきた大阪市中央区日本橋の黒門市場。200店近い店舗が並ぶアーケード内は、午前中から観光客で混雑が続く。話す言葉は英語のほか、中国語や韓国語。ほとんどが外国人で、食べ歩きを目当てに集まってきた。
精肉店で人気は1枚2,500円の神戸牛ステーキ。鮮魚店では3,000円を超すマグロの切り身が飛ぶように売れている。黒門市場商店街振興組合のまとめでは、2017年の来場者は1日平均約3万人に達した。実に5年前の1.7倍だという。台湾からグループで来た女性(22)は「ミナミは安くておいしい。絶対にまた来る」と笑顔を見せる。
外国人観光客の増加を意識して商店街振興組合では従業員の英会話教室を開くなど外国人対策に力を入れてきた。多くの店が外国人向けにテイクアウトの食べ物を並べ、片言の英語や中国語で売り込んでいる。
黒門市場商店街振興組合の山本善規理事長は「外国人観光客の定番はかつて、京都と奈良だったが、黒門市場でおいしいものを食べる楽しみが定着した。外国人の好みが爆買いから体験に変わりつつあることも追い風になった」と胸を張る。
大阪観光局のまとめによると、大阪府を訪れる外国人観光客は2017年で初めて年間1,000万人を超え、1,111万人に達した。三菱総合研究所によると、2016年にミナミを訪れた外国人観光客は700万人を超え、キタの550万人、京都市東山地区の480万人を上回り、関西でトップに立っている。
■高島屋大阪店は年間売り上げが日本橋店越え
買い物にも大きな変化が現れている。ミナミのランドマークの1つともいえる中央区難波の高島屋大阪店は、2018年2月期で年間1,414億5,000万円を売り上げた。前期に首位だった東京日本橋店の1,342億4,100万円を上回り、高島屋の国内17店舗でトップに立っている。
売上高の対前期伸び率は8.8%。伸び率も千葉県柏市の柏店6.8%、京都市下京区の京都店3.9%、東京都渋谷区の新宿店3.5%を大きく引き離している。大阪店の免税売り上げは対前期比59%増の240億円で、大阪店売上高全体の20%弱を占める。高島屋大阪店は「化粧品や高級腕時計が中国、韓国からの観光客に好評だ」という。
外国人観光客の多くは関西空港から直通電車でミナミへやってきて、ミナミを拠点にして関西観光を楽しんでいる。関西空港で格安航空会社(LCC)路線が増えたうえ、ミナミから神戸市の三宮まで約30分、京都市の中心部まで約40分という地の利も、外国人観光客の増加に拍車をかけている。
さらに、ミナミから近い浪速区で星野リゾートがホテル建設を計画するなど、周辺地区にも開発の波が押し寄せてきた。西成区のドヤ街あいりん地区で安宿が外国人向けのホテルに変わり、バックパッカーが急増しているのも、ミナミを訪れる外国人観光客増加の影響とみられる。
ミナミでは商店街の売り上げが急増しているほか、外国資本の不動産売買も活発化してきた。新今宮などミナミの周辺地域で相次ぐホテル投資も、ミナミの地価を押し上げる格好となり、当分の間勢いはとどまりそうもない。
■黒門市場は朝から押すな押すなの大盛況
浪速っ子の胃袋を江戸時代から支えてきた大阪市中央区日本橋の黒門市場。200店近い店舗が並ぶアーケード内は、午前中から観光客で混雑が続く。話す言葉は英語のほか、中国語や韓国語。ほとんどが外国人で、食べ歩きを目当てに集まってきた。
精肉店で人気は1枚2,500円の神戸牛ステーキ。鮮魚店では3,000円を超すマグロの切り身が飛ぶように売れている。黒門市場商店街振興組合のまとめでは、2017年の来場者は1日平均約3万人に達した。実に5年前の1.7倍だという。台湾からグループで来た女性(22)は「ミナミは安くておいしい。絶対にまた来る」と笑顔を見せる。
外国人観光客の増加を意識して商店街振興組合では従業員の英会話教室を開くなど外国人対策に力を入れてきた。多くの店が外国人向けにテイクアウトの食べ物を並べ、片言の英語や中国語で売り込んでいる。
黒門市場商店街振興組合の山本善規理事長は「外国人観光客の定番はかつて、京都と奈良だったが、黒門市場でおいしいものを食べる楽しみが定着した。外国人の好みが爆買いから体験に変わりつつあることも追い風になった」と胸を張る。
大阪観光局のまとめによると、大阪府を訪れる外国人観光客は2017年で初めて年間1,000万人を超え、1,111万人に達した。三菱総合研究所によると、2016年にミナミを訪れた外国人観光客は700万人を超え、キタの550万人、京都市東山地区の480万人を上回り、関西でトップに立っている。
■高島屋大阪店は年間売り上げが日本橋店越え
買い物にも大きな変化が現れている。ミナミのランドマークの1つともいえる中央区難波の高島屋大阪店は、2018年2月期で年間1,414億5,000万円を売り上げた。前期に首位だった東京日本橋店の1,342億4,100万円を上回り、高島屋の国内17店舗でトップに立っている。
売上高の対前期伸び率は8.8%。伸び率も千葉県柏市の柏店6.8%、京都市下京区の京都店3.9%、東京都渋谷区の新宿店3.5%を大きく引き離している。大阪店の免税売り上げは対前期比59%増の240億円で、大阪店売上高全体の20%弱を占める。高島屋大阪店は「化粧品や高級腕時計が中国、韓国からの観光客に好評だ」という。
外国人観光客の多くは関西空港から直通電車でミナミへやってきて、ミナミを拠点にして関西観光を楽しんでいる。関西空港で格安航空会社(LCC)路線が増えたうえ、ミナミから神戸市の三宮まで約30分、京都市の中心部まで約40分という地の利も、外国人観光客の増加に拍車をかけている。
さらに、ミナミから近い浪速区で星野リゾートがホテル建設を計画するなど、周辺地区にも開発の波が押し寄せてきた。西成区のドヤ街あいりん地区で安宿が外国人向けのホテルに変わり、バックパッカーが急増しているのも、ミナミを訪れる外国人観光客増加の影響とみられる。