ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(10月21日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。香港の民主活動家が刃物で襲撃されたニュースについて解説した。
「暴徒はいない、暴政だ」 香港・九竜地区でデモ行進する大勢の人たち=2019年10月20日(共同) 写真提供:共同通信社
香港でデモを呼び掛けるビラを配っている男性が襲撃され負傷
香港で19日午後、民主化デモを呼び掛けるビラを配っていた19歳の男性が刃物を持った男に襲われ、首と腹部を負傷した。香港では17日にも民主化要求デモを主催する市民団体のリーダーが、路上で正体不明の暴漢らにハンマーで襲われたばかりである。
飯田)19歳の男性ですが、犯人は本土中国の人間かもしれないということです。
須田)ただ刺されただけではなく、お腹から腸がはみ出ていたという深い傷です。さすがにこれについては香港警察も容認できないということで、逮捕されました。逮捕されるのは珍しいのですよ。
飯田)そのようですね、最近の香港警察は。
香港人権・民主主義法案が米下院で可決〜香港行政府、中国共産党の焦り
須田)香港警察の暴走ぶりが際立っている。その背景には香港行政府の焦り、中国共産党の焦りがあるのだと思います。16日にアメリカにおいて、香港人権・民主主義法案が下院で可決されました。あとは大統領の署名を待つばかりです。これによると、香港で人権に対して、デモ隊を抑圧したりすると経済制裁がかけられる。アメリカへの入国が禁じられたり、アメリカでの資産が凍結されるということになります。そればかりではなく、アメリカは香港に対して貿易面では最恵国待遇をしていますが、その優遇策を取り外すこともあり得る。香港サイド、中国本土サイドは相当焦っていると思います。
飯田)香港人権・民主主義法案はとりあえず下院を通って、今度の上院は政権与党の共和党が多数だから通るだろうと。それで大統領が署名すれば成立となる。これは超党派で出しているものです。
須田)そうですね。アメリカだけでなく、各国が香港に対して支援策を打ち出しています。日本はどうなのかと言うと、まったく日本政府はこの問題に関して、メッセージらしいメッセージも出していないというのが実状です。
飯田)注視する、自制を促したりする程度です。
香港問題に何のメッセージも出さない日本
須田)総理官邸は、対中国政策について関係を改善して行こう、いい方向に持って行こうという流れのなかにある。その流れのなかで、香港問題に対して問題提起をしてしまうと、中国側の不評を買いかねないということでしょう。アメリカのプロバスケットボールチームの某監督が、香港に共感するというツイッターを出したら、中国が反発した。NBAにとって、中国は巨大マーケットなのです。そのマーケットを失いかねないということで、中国が反発した途端に謝罪をしました。とてつもない弱腰対応を取ったのです。中国はそういったやり方をとって来る国なのですよ。それに対して、どう毅然とした対応を取るのか。いまアメリカ国内は、NBAに対する批判が強いですね。
「暴徒はいない、暴政だ」 香港・九竜地区でデモ行進する大勢の人たち=2019年10月20日(共同) 写真提供:共同通信社
香港でデモを呼び掛けるビラを配っている男性が襲撃され負傷
香港で19日午後、民主化デモを呼び掛けるビラを配っていた19歳の男性が刃物を持った男に襲われ、首と腹部を負傷した。香港では17日にも民主化要求デモを主催する市民団体のリーダーが、路上で正体不明の暴漢らにハンマーで襲われたばかりである。
飯田)19歳の男性ですが、犯人は本土中国の人間かもしれないということです。
須田)ただ刺されただけではなく、お腹から腸がはみ出ていたという深い傷です。さすがにこれについては香港警察も容認できないということで、逮捕されました。逮捕されるのは珍しいのですよ。
飯田)そのようですね、最近の香港警察は。
香港人権・民主主義法案が米下院で可決〜香港行政府、中国共産党の焦り
須田)香港警察の暴走ぶりが際立っている。その背景には香港行政府の焦り、中国共産党の焦りがあるのだと思います。16日にアメリカにおいて、香港人権・民主主義法案が下院で可決されました。あとは大統領の署名を待つばかりです。これによると、香港で人権に対して、デモ隊を抑圧したりすると経済制裁がかけられる。アメリカへの入国が禁じられたり、アメリカでの資産が凍結されるということになります。そればかりではなく、アメリカは香港に対して貿易面では最恵国待遇をしていますが、その優遇策を取り外すこともあり得る。香港サイド、中国本土サイドは相当焦っていると思います。
飯田)香港人権・民主主義法案はとりあえず下院を通って、今度の上院は政権与党の共和党が多数だから通るだろうと。それで大統領が署名すれば成立となる。これは超党派で出しているものです。
須田)そうですね。アメリカだけでなく、各国が香港に対して支援策を打ち出しています。日本はどうなのかと言うと、まったく日本政府はこの問題に関して、メッセージらしいメッセージも出していないというのが実状です。
飯田)注視する、自制を促したりする程度です。
香港問題に何のメッセージも出さない日本
須田)総理官邸は、対中国政策について関係を改善して行こう、いい方向に持って行こうという流れのなかにある。その流れのなかで、香港問題に対して問題提起をしてしまうと、中国側の不評を買いかねないということでしょう。アメリカのプロバスケットボールチームの某監督が、香港に共感するというツイッターを出したら、中国が反発した。NBAにとって、中国は巨大マーケットなのです。そのマーケットを失いかねないということで、中国が反発した途端に謝罪をしました。とてつもない弱腰対応を取ったのです。中国はそういったやり方をとって来る国なのですよ。それに対して、どう毅然とした対応を取るのか。いまアメリカ国内は、NBAに対する批判が強いですね。