「新型コロナウイルスは、『(1)天然ウイルス 自然に感染』『(2)天然ウイルス 過失漏れ』『(3)人工ウイルス 過失漏れ』『(4)人工ウイルス 悪意ある拡散』のいずれだと思うか?」
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200309/for2003090001-n1.html
新型肺炎(COVID19)の流行が世界へ拡大していた2月28日、ある著名な中国人がツイッター上で、このような世論調査を行った。
これに反応した、ツイッターを使用できる環境にある中国人ネットユーザーから、1日で1万人以上の回答を得た。
結果は、「人工ウイルス 過失漏れ」が51・1%、「人工ウイルス 悪意ある拡散」が23・8%、「天然ウイルス 過失漏れ」が13%、そして、12%と最も少なかったのが「天然ウイルス 自然に感染」だった。
この調査に答えた人たちの、実に約75%が、新型コロナウイルスについて「人工的なウイルス」と考えており、発生源は中国科学院武漢病毒研究所の「武漢P4研究室」だと推測しているようだ。SARS(重症急性呼吸器症候群)や、エボラ出血熱といった危険な病原体を研究するために指定された、中国で唯一の研究室である。
「個人の世論調査」という、思い切った行動をとったのは中国中央テレビ(CCTV)の著名なニュースキャスターだった崔永元氏である。詳細は省くが、さまざまなスキャンダルのなかで国営テレビ局を辞めて久しい。近年、中国のトップ女優、范冰冰(ファン・ビンビン)氏の巨額の脱税疑惑を暴露するなど、彼の名前が再浮上していた。
一方、習近平政権から絶大なる支持を得ている国家衛生健康委員会ハイレベル専門家グループのグループ長、鐘南山氏は2月下旬、「感染はまず中国で発生したが、ウイルス発生源が中国だとはかぎらない」と語り、「人民日報」などの官製メディアで発信され、国内外で物議を醸している。
反応のなかには、「中国政府が今、『米国が中国でウイルスを拡散した』とのプロパガンダを始めていることの一環だ」と指摘する有識者の声もある。すなわち、中国湖北省武漢市が感染源ではないかのような世論操作すら始めているのだ。
習国家主席の片棒を担いでいるのが、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長である。「習主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」と語るなど、「親中」姿勢を隠そうともしないテドロス氏は今月2日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「WHOは韓国、イタリア、イラン、日本の情勢を最も懸念している」「過去24時間の感染件数の増加は、中国国外が国内の約9倍」などと指摘した。
日本の総感染者数は1000人を超えたが、大部分は英国船籍のクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の乗船者(約700人)なのだ。
さて、五輪開催国として日本政府がすべきことは、「中国からの入国制限」とともに、経済的ダメージなど国民への影響を最小限に食い止めるための財政出動ではないだろうか。
■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『米中新冷戦の正体−脱中国で日本再生』(ワニブックス)、『世界はこれほど日本が好き』(祥伝社黄金文庫)、『覇権・監視国家−世界は「習近平中国」の崩壊を望んでいる』(ワック)など。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200309/for2003090001-n1.html