大阪府の新型コロナウイルスの独自基準「大阪モデル」は3日、非常事態の「赤信号」とされた。大阪市の北区と中央区で11月27日から飲食店などの営業時間短縮要請が出され、
警戒感は広まっていたが、大阪の街は新たな局面を迎えた。
「ついにこの時が来てしまった」。大阪有数の観光名所・新世界(大阪市浪速区)に建つ通天閣。府の依頼で午後8時に赤くライトアップされ、
運営会社「通天閣観光」の高井隆光社長(46)は断腸の思いを語った。
赤色になれば周辺の客足が一層落ち込むと、近隣店主らから点灯させないよう求める声もあった。
だが、医療崩壊が懸念される事態に、点灯を決めたという。
◇恒例「えとの引き継ぎ式」中止
「地域の経済を犠牲にして協力する。一人一人が予防を徹底し、これ以上の感染が拡大しないようにしてほしい」。28日に予定していた年末恒例の「えとの引き継ぎ式」も中止と決めた。
北区の飲食店の男性店長(42)は時短要請で平日の売り上げが以前の2割に落ち込んだと嘆く。
外出自粛要請で客入りはさらに減り、「(行政からの)協力金が追加されてもやっていけない。急に期間を延長するなんて不誠実だ」と憤った。
外出自粛要請には両区以外の飲食店からも懸念の声が上がる。阿倍野区の居酒屋「美吉野(みよしの)」の店主、江村勉(つとむ)さん(55)は「北・中央区での時短の影響が波及して売り上げは前年の半分以下になったが、
ますます客が減るだろう。この周辺は家賃も高く、コロナの終息が見通せなければ一帯の店が壊滅してしまうのでは」と頭を抱える。
重症用病床使用率、8日に70%超え想定
独自モデル設計の甘さに批判
府の対応について、吉田耕一郎・近畿大教授(感染症学)は「重症用病床の使用率が70%近くになってから赤信号を出すのでは、完全に遅すぎる」と大阪モデルの設計の甘さを批判。
GoToキャンペーンなどの政策が行われる中で患者が増加した点に触れ、「(黄信号でも事実上は)青信号だと思っていた府民は多いはずだ。急に赤信号と言われて対策できるのか」と疑問を呈す。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201203-00000105-mai-soci
警戒感は広まっていたが、大阪の街は新たな局面を迎えた。
「ついにこの時が来てしまった」。大阪有数の観光名所・新世界(大阪市浪速区)に建つ通天閣。府の依頼で午後8時に赤くライトアップされ、
運営会社「通天閣観光」の高井隆光社長(46)は断腸の思いを語った。
赤色になれば周辺の客足が一層落ち込むと、近隣店主らから点灯させないよう求める声もあった。
だが、医療崩壊が懸念される事態に、点灯を決めたという。
◇恒例「えとの引き継ぎ式」中止
「地域の経済を犠牲にして協力する。一人一人が予防を徹底し、これ以上の感染が拡大しないようにしてほしい」。28日に予定していた年末恒例の「えとの引き継ぎ式」も中止と決めた。
北区の飲食店の男性店長(42)は時短要請で平日の売り上げが以前の2割に落ち込んだと嘆く。
外出自粛要請で客入りはさらに減り、「(行政からの)協力金が追加されてもやっていけない。急に期間を延長するなんて不誠実だ」と憤った。
外出自粛要請には両区以外の飲食店からも懸念の声が上がる。阿倍野区の居酒屋「美吉野(みよしの)」の店主、江村勉(つとむ)さん(55)は「北・中央区での時短の影響が波及して売り上げは前年の半分以下になったが、
ますます客が減るだろう。この周辺は家賃も高く、コロナの終息が見通せなければ一帯の店が壊滅してしまうのでは」と頭を抱える。
重症用病床使用率、8日に70%超え想定
独自モデル設計の甘さに批判
府の対応について、吉田耕一郎・近畿大教授(感染症学)は「重症用病床の使用率が70%近くになってから赤信号を出すのでは、完全に遅すぎる」と大阪モデルの設計の甘さを批判。
GoToキャンペーンなどの政策が行われる中で患者が増加した点に触れ、「(黄信号でも事実上は)青信号だと思っていた府民は多いはずだ。急に赤信号と言われて対策できるのか」と疑問を呈す。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20201203-00000105-mai-soci