アクセルを踏んでも法定速度以上は出せなくなる
日本ではまだあまり知られていないが……ヨーロッパでは2022年から新型車で、また2024年からはすべての新車でISA(インテリジェント・スピード・アシスト)の搭載が義務化される。
日本語では「制限速度情報を利用した先進運転支援システム」と略される。要するにこれは、制限速度に対するスピードリミッターである。
欧州といえば、ドイツのアウトバーンで一部、速度無制限区間があることは有名だが、そうした特殊な場合を除けば、高速道路では時速120kmや時速100km、また一般道路では時速50kmなど日本と同じような速度が最高速度として設定されている。
こうした法定速度をドライバーに厳守させるため、ISAの導入が決まった。
背景にあるのは、速度超過による重大事故発生率の高さである。欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)によれば、欧州内での交通死亡事故のうち30%が速度超過に直接的に関係しているという。
また、アメリカでは、連邦運輸道路交通安全局(NHTSA)の調査によると、直近データである2018年の交通事故死亡者の26%が速度超過が原因だ。26%といっても、実数は9378人にも及んでおり、つまり全体では年間で3万6000人を超えている厳しい状況だ。
日本の場合、2020年の交通事故死亡者は年間で2839人であり、アメリカは日本の約13倍もの尊い命が自動車事故で奪われていることになる。
このように、欧米では速度超過を軽減することは社会にとって大きな課題であると認識されており、まずは欧州がISA義務化を決断したわけだ。
欧州委員会はISAについて大きくふたつのステップを踏む。
最初のステップでは、法定速度をダッシュボード内に表示し、走行速度が法定速度を超えると音声などでドライバーに警告する。法定速度の認識方法はカメラによる道路標識の認識、またはカーナビの地図情報から自車位置での法定速度を把握する仕組み、あるいはカメラとカーナビ情報の両方を使う仕組みを使う。
さらに、近い将来にはISAは次のステップに移行し、法定速度を超えないようにエンジンとトランスミッションを制御して走行速度を抑制する予定だ。
すでにISAは、欧州での新車アセスメントのEuroNCAPでの評価項目に組み込まれており、今後はISAの詳細な性能評価がEuroNCAPの試験項目に加わる可能性が高い。
一方、日本でもISAについては、警察庁の有識者会議で議論されているほか、新車アセスメントのJNCAPはEuroNCAPを参考する傾向があることから、日本でも近い将来、ISAが義務化されることが十分に考えられる。
https://www.webcartop.jp/2021/06/726117/
日本ではまだあまり知られていないが……ヨーロッパでは2022年から新型車で、また2024年からはすべての新車でISA(インテリジェント・スピード・アシスト)の搭載が義務化される。
日本語では「制限速度情報を利用した先進運転支援システム」と略される。要するにこれは、制限速度に対するスピードリミッターである。
欧州といえば、ドイツのアウトバーンで一部、速度無制限区間があることは有名だが、そうした特殊な場合を除けば、高速道路では時速120kmや時速100km、また一般道路では時速50kmなど日本と同じような速度が最高速度として設定されている。
こうした法定速度をドライバーに厳守させるため、ISAの導入が決まった。
背景にあるのは、速度超過による重大事故発生率の高さである。欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)によれば、欧州内での交通死亡事故のうち30%が速度超過に直接的に関係しているという。
また、アメリカでは、連邦運輸道路交通安全局(NHTSA)の調査によると、直近データである2018年の交通事故死亡者の26%が速度超過が原因だ。26%といっても、実数は9378人にも及んでおり、つまり全体では年間で3万6000人を超えている厳しい状況だ。
日本の場合、2020年の交通事故死亡者は年間で2839人であり、アメリカは日本の約13倍もの尊い命が自動車事故で奪われていることになる。
このように、欧米では速度超過を軽減することは社会にとって大きな課題であると認識されており、まずは欧州がISA義務化を決断したわけだ。
欧州委員会はISAについて大きくふたつのステップを踏む。
最初のステップでは、法定速度をダッシュボード内に表示し、走行速度が法定速度を超えると音声などでドライバーに警告する。法定速度の認識方法はカメラによる道路標識の認識、またはカーナビの地図情報から自車位置での法定速度を把握する仕組み、あるいはカメラとカーナビ情報の両方を使う仕組みを使う。
さらに、近い将来にはISAは次のステップに移行し、法定速度を超えないようにエンジンとトランスミッションを制御して走行速度を抑制する予定だ。
すでにISAは、欧州での新車アセスメントのEuroNCAPでの評価項目に組み込まれており、今後はISAの詳細な性能評価がEuroNCAPの試験項目に加わる可能性が高い。
一方、日本でもISAについては、警察庁の有識者会議で議論されているほか、新車アセスメントのJNCAPはEuroNCAPを参考する傾向があることから、日本でも近い将来、ISAが義務化されることが十分に考えられる。
https://www.webcartop.jp/2021/06/726117/