「自衛隊応援議連」の会長に就任予定の枝野幸男・立憲民主党前代表(写真・時事通信)
6月14日、立憲民主党の枝野幸男前代表ら同党の有志議員が「自衛隊員応援議員連盟」を発足させる。設立総会では、防衛省から自衛隊の現状と課題を聞き取るなど、自衛隊員の処遇改善策などを検討していく予定だ。
呼びかけ人には、泉健太代表のほか、野田佳彦元首相、玄葉光一郎元外相、安住淳元財務相ら幅広い人材が名を連ねている。
「会長には枝野元代表、幹事長には渡辺周元防衛副大臣が就任し、100人規模が参加する予定です。立憲民主党は安保に関しては、議員の出身母体が旧社会党や市民運動らのリベラルから保守系まで幅広く、『寄り合い所帯』と揶揄されてきました。最近の政党支持率を見ても、自民党一強が顕著で、野党離れが明確になっています。ウクライナ紛争で安保への国民の関心が高まるなか、『自衛隊員の処遇改善』という賛否が割れにくい政策で党内をまとめていく意図があるのでしょう」(政治部記者)
議連の発足が報じられると、SNSの一部では好意的な意見が上がった。
《これは立憲にしかできないことかも。自衛隊員は国家公務員という労働者という側面があるが、他一般の公務員よりも労働権が大きく制約されているから、とても有益なはず》
だが、通常国会会期末となる6月14日という発足日については、否定的な意見が大勢を占めた。
《どう考えても参院選前のパフォーマンス》
《選挙前に露骨やなぁって思う。憲法への自衛隊明記に猛反対してきたくせに》
《立憲民主党が共闘している共産党は「自衛隊は憲法違反」と主張しているし、全く説得力がない》
《選挙のためのポーズが見え見え。自衛隊の方々に失礼だ》
《憲法審査会は開催されないようにしながら、選挙向けのポーズですか?》
たしかに、立憲民主党が6月9日、岸田文雄内閣と細田博之衆議院議長に対する不信任決議案を提出した影響で、衆議院憲法審査会は開催されず、今国会での審議は実質的に終了した。憲法への自衛隊明記に明確に反対する枝野幸男前代表には、参院選後の代表再登板論もくすぶっている。
「自衛隊応援議連」が、今後の立憲民主党の在り方にどのような影響を及ぼすのか、それがはっきりするのは参院選後かもしれない。
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