記者会見する大野知意・横浜市議=2022年9月7日、横浜市役所、浜田奈美撮影
横浜市議の大野知意(ともい)氏(立憲民主党)が7日、横浜市役所で記者会見し、来春の横浜市議選の第1次公認を得られなかったと発表した。大野氏は昨夏に第1子を出産。神奈川県連支部から「活動量の不足」を指摘されるなど「マタニティーハラスメント」を受けたとして党本部に申告していたが、調査結果が出る前に公認見送りの決定をしたことは不当だと訴えている。
大野氏によると、8月22日に県連の選挙対策委員会(委員長・後藤祐一衆院議員)から「党公認を見送る」と通知を受けた。4月に県第7区総支部(総支部長・中谷一馬衆院議員)の常任幹事会で「党員として活動量が足りない」と指摘を受け、県連への公認上申を見送る決定がなされた。この際、大野氏は「出産と育児で難しい部分があることはご理解頂きたい」と説明を繰り返したが、理解を得られなかったという。
■臨月に「ビラまき1日200枚」の担務表
大野氏は、昨年の横浜市長選や衆院選に向けた中谷氏の対応についても「マタハラだと感じる」とした。8月下旬の出産予定だったため「7月半ばから党活動を休む」と中谷氏に伝えたが、中谷氏名義で届いた担務表には「1日200枚のビラまき」や「1日計3時間の街頭宣伝」が割り振られていたという。
総支部や中谷氏の対応を不服として5月に党本部の「ハラスメント防止対策委員会」に申告。現在、委員会から委託を受けた第三者機関が調査中という。大野氏は「出産や育児が背景にあると知りながら『活動不足』と断定しそれを理由に党公認を外すなど、多様性を重んじる社会であってはならない」と訴えた。
後藤氏は「各方面から幅広く意見を聞き、公認の見送りは異論なく決まった。7区からもハラスメントはなかったと聞いている」とコメントした。
中谷氏は「議事録を確認したが、総支部常任幹事会で『党員として活動量が足りない』と指摘した者はいなかった。総支部には子育てをしている幹事も多く、社会にとって出産子育てをしやすい環境づくりを目指し、支え合いながら運営している」としている。(浜田奈美)
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