元内閣官房副長官で慶應義塾大学教授の松井孝治が9月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。安倍元総理の国葬への立憲民主党の対応について解説した。
政治 衆院本会議で質問する社会保障を立て直す国民会議・野田佳彦氏=2019年1月31日午後、国会 写真提供:産経新聞社
立憲民主党、国葬への出席は執行部を除く国会議員がそれぞれ判断
9月27日に東京・日本武道館で行われる安倍元総理の国葬儀について、立憲民主党は泉代表ら執行部の出席は国葬に関する疑問点を政府に質した上で判断する一方、国会議員についてはそれぞれの判断を尊重するとした。執行部から何らかの要請を行う予定はないとしている。
葬儀について「出る、出ない」を運動化するということはいかがなものか
飯田)野党各党で対応が分かれていますが、野党第1党の立憲民主党はそれぞれの判断を尊重するとのことです。ネット上では国葬への案内状があがるようなことも起きています。
松井)岸田政権については、いろいろな議論があってもいいと思います。しかし、これは葬式ですから、葬儀について「出る、出ない」を運動化するということはいかがなものでしょうか。共産党はそういうことをなさっている政党ですから、今回もされるでしょうけれども、「そういうことはして欲しくない」という声を、よく存じ上げている立憲民主党系の長老の方もおっしゃっています。それを議論の焦点にしてしまったこと自体が、「泉代表はどうなのか」という話も聞こえてくるのです。難しいのですけれどもね。
追悼演説は野田元総理にするべきではないか ~反対党派が対立を乗り越えて敬意を表するべき
松井)岸田政権の国葬の進め方も上手くなかったと思います。「いろいろ議論はあるだろうけれども、ここは協力してくれ」と言うべきだった。安倍さんへの追悼演説も、本当は野党の然るべき人が行う方がいいと思います。私は野田さんしかいないと思います。野田さんは故人への追悼演説で変なことを言いません。むしろ、いい話をいくつか持っておられるような方です。「実はこんな話が安倍元総理との間でありました」というような話を。
飯田)野田元総理ならば。
松井)論敵の首相が凶弾に倒れたのだから、送るというのが議会の良識です。むしろ、反対会派が追悼するということが。
飯田)反対会派だからこそ。
松井)日本社会党の浅沼委員長が刺殺されたときの池田元首相の演説もそうですし、それ以外にもあるのです。私たちの同僚議員だった山本孝史さんが癌で亡くなったときに、現在の参議院議長である尾辻さんがいい演説をされて、私たちも泣きましたよ。同じ議会人として日本国のために頑張っているのだから、反対党がいろいろな対立を乗り越えて名誉を持って送る、敬意を表するということが本来の議会の美徳なのです。
議論は議論として、国葬は整然と行えばいい
松井)先日もジョージアの大使が呟いておられたけれど、「日本人らしくない」と思います。諸外国の方々を公賓として迎えて国葬を行うときに、反対党派が反対姿勢のプラカードを掲げているのは、国家として外国のお客さんを招く態度ではありません。
飯田)そうですね。
松井)議論は議論として、国葬は整然と行えばいい。もし、自分の追求してきた信条に照らして出席しないという人は、黙って欠席されたらいいのです。なかには「絶対におかしい」「許せない」という方もいらっしゃるかも知れませんが、おそらく8~9割の日本人は先述したように思っているのではないでしょうか。
党内の強硬派にも配慮し、苦しい立場の泉代表
松井)立憲民主党、あるいは泉さん本人は苦渋ですよね。
飯田)引っ張られてしまっているようなところもある。
松井)国会での質疑もラジオで聴いていましたけれども。
飯田)閉会中審査ですね。
政治 衆院本会議で質問する社会保障を立て直す国民会議・野田佳彦氏=2019年1月31日午後、国会 写真提供:産経新聞社
立憲民主党、国葬への出席は執行部を除く国会議員がそれぞれ判断
9月27日に東京・日本武道館で行われる安倍元総理の国葬儀について、立憲民主党は泉代表ら執行部の出席は国葬に関する疑問点を政府に質した上で判断する一方、国会議員についてはそれぞれの判断を尊重するとした。執行部から何らかの要請を行う予定はないとしている。
葬儀について「出る、出ない」を運動化するということはいかがなものか
飯田)野党各党で対応が分かれていますが、野党第1党の立憲民主党はそれぞれの判断を尊重するとのことです。ネット上では国葬への案内状があがるようなことも起きています。
松井)岸田政権については、いろいろな議論があってもいいと思います。しかし、これは葬式ですから、葬儀について「出る、出ない」を運動化するということはいかがなものでしょうか。共産党はそういうことをなさっている政党ですから、今回もされるでしょうけれども、「そういうことはして欲しくない」という声を、よく存じ上げている立憲民主党系の長老の方もおっしゃっています。それを議論の焦点にしてしまったこと自体が、「泉代表はどうなのか」という話も聞こえてくるのです。難しいのですけれどもね。
追悼演説は野田元総理にするべきではないか ~反対党派が対立を乗り越えて敬意を表するべき
松井)岸田政権の国葬の進め方も上手くなかったと思います。「いろいろ議論はあるだろうけれども、ここは協力してくれ」と言うべきだった。安倍さんへの追悼演説も、本当は野党の然るべき人が行う方がいいと思います。私は野田さんしかいないと思います。野田さんは故人への追悼演説で変なことを言いません。むしろ、いい話をいくつか持っておられるような方です。「実はこんな話が安倍元総理との間でありました」というような話を。
飯田)野田元総理ならば。
松井)論敵の首相が凶弾に倒れたのだから、送るというのが議会の良識です。むしろ、反対会派が追悼するということが。
飯田)反対会派だからこそ。
松井)日本社会党の浅沼委員長が刺殺されたときの池田元首相の演説もそうですし、それ以外にもあるのです。私たちの同僚議員だった山本孝史さんが癌で亡くなったときに、現在の参議院議長である尾辻さんがいい演説をされて、私たちも泣きましたよ。同じ議会人として日本国のために頑張っているのだから、反対党がいろいろな対立を乗り越えて名誉を持って送る、敬意を表するということが本来の議会の美徳なのです。
議論は議論として、国葬は整然と行えばいい
松井)先日もジョージアの大使が呟いておられたけれど、「日本人らしくない」と思います。諸外国の方々を公賓として迎えて国葬を行うときに、反対党派が反対姿勢のプラカードを掲げているのは、国家として外国のお客さんを招く態度ではありません。
飯田)そうですね。
松井)議論は議論として、国葬は整然と行えばいい。もし、自分の追求してきた信条に照らして出席しないという人は、黙って欠席されたらいいのです。なかには「絶対におかしい」「許せない」という方もいらっしゃるかも知れませんが、おそらく8~9割の日本人は先述したように思っているのではないでしょうか。
党内の強硬派にも配慮し、苦しい立場の泉代表
松井)立憲民主党、あるいは泉さん本人は苦渋ですよね。
飯田)引っ張られてしまっているようなところもある。
松井)国会での質疑もラジオで聴いていましたけれども。
飯田)閉会中審査ですね。