1 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:00:01.28 ID:XNaeEQw5
夜道
ぱい「…………」テクテク
??「…………」テクテク
ぱい「……?」ピタッ
ぱい「誰か、いるの……?」
シーン……
ぱい「っ……」スタスタ
??「…………」スタスタ
ぱい「……!」タッタッタッ
??「……っ!」タッタッタッ
ガバッ
――――――
――――
――
2 :
名無しで叶える物語(地震なし)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:00:53.28 ID:p/q//gqL
 ̄ヽ、 _ノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`'ー '´
○
O
_., .,、._,r hh.、 y...u,_ 、 、.,.,
.yl!).彳}゙.^゙冖^^^゙゙'⌒゙゙「{ .〕:!|ァ_ l.r.
.rl!.「.゙.′ .゙.^゙「.|^|'!.,.ri,、
_,.u:l 「″ _,..vv-─--v、、.,__゙ ´「 リ゙ .r
.-i(┴^ ,.v‐ ′ i!、 厂^'ー、_ .'゙/
.,l| .,.‐'゙r '=, .|ト! .. /_ ┘ _,
.[.′ .,r(,,vv!冖h厂 _,、、、,_ ¨゙() .゙゙il|リ冖ミ(ミ,.l|/レ'
.|| _,yr!^″ [.zli》ニ《)ミ|l;, |ノ冖ーu「.,zzzzy,{丁′
.!ミ .yr(l「′ 〔″ `.,i^ .〔.!!干「「)v)《フ
i| __,/′.} . \,,,,,_,,,,,,vr″ .゙)z ,メ゙'ly
|゙/|レr》! } .}.. /,v--r ,、u_:rフ'¬ー^″ ゙ミ
》゙|′ .ミ .| .∨ ,、 {lzトrr┘ \从,,) }:! .《
}}.,rー ミ,,ェ , .'|フ .,,zu厶  ̄ ゙'^ l!
゙|从 》″ | r -:(工ェ」zミv_ n. 〔
.》ト .′ ∨ 7vv=(干=─干ミl||l,_,z ″ 》
.《l,_ .'|! .__ , . ゙̄.. 〕
《^¨′ .゙冖'^^'''冖 v\ }
[ 、 . 〕 〔 .′ .」_ .ll′
.| | 」 ._} .hノ .:| ,.. .,.トト 〕
.} .^′ ゙《,_ .、,ノ ...厂、 .il
} _ .、 .゙゙'〜 .y,_ _,r;|¨ <、、‐ . ノ
.{, 〔 」 ´ ‐ 「ilリiアアァァァ;lllllli(リ゙} ┌ 冫.. .ア
\ ∨゙ . _ .- . ' .`゙厂¨厂゙厂'. .゙ 、' .゙. ヽ‐,r|
.ノy .´ 、 .: ' ..: .、 ' ` ' _ . .冫 -.',y;|^
3 :
名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:01:05.21 ID:hzM3/gwi
ぱいちゃんよく気づいたな
4 :
名無しで叶える物語(もんじゃ)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:01:14.93 ID:IzFkcZ3m
船越「待て!」
5 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:02:00.72 ID:XNaeEQw5
翌日・警察署
そら「昨夜、出たらしいですよ」
じょる「出たってなにが?」
そら「おっぱい揉んでベロチューするっていう例の痴漢」
じょる「あー、あれかぁ。ついに三人目の被害者が出たと」
そら「早く犯人捕まんないかなぁ……」
じょる「そのうち捕まるんじゃない? 私らは私らの事件だけ気にしてりゃいいって」
そら「でも被害者の証言と一致する人物が全然見当たらないって聞きましたよ?」
じょる「たしかチビでデブな男だっけ?」
そら「そうそう。前歴者のリストにそれっぽいのがいたらしいけど、被害者に聞いたらみんなそいつじゃないって」
じょる「このままじゃ出るだろうねぇ、四人目の被害者も」
6 :
名無しで叶える物語(鮒寿司)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:02:17.83 ID:CIA24vxt
前スレ読んでた支援
7 :
名無しで叶える物語(おいしい水)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:02:52.38 ID:1JmIDmpO
ぱいちゃん…
8 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:04:00.62 ID:XNaeEQw5
そら「はぁ〜、もう夜は外歩けないかも」
じょる「自分で捕まえようとか思わないの?」
そら「だって怖いし……」
じょる「おい警察官」
そら「怖いものは怖いんだからしょうがないじゃないですかぁ!」
じょる「まあねぇ……おっと、そろそろ出かけないと」
そら「あっ、事件の捜査なら付き合いますよ」
じょる「いや、捜査ではない」
そら「もしかして……サボり?」
じょる「違うっての。なるべく早く戻るから」
そら「いってらっしゃーい」
9 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:06:00.80 ID:XNaeEQw5
道
じょる「あー寒っ」スタスタ
??「…………」タッタッタッ
じょる「ん……?」
ガバッ
じょる「うおっ!?」
??「ぐへへぇ……」
じょる「なにすん……だっ!」ドゴッ
??「ぐはっ!」
じょる「無駄な抵抗はしないでおとなしく……って、みもちゃん?」
みも「いてて……いきなりなにするんですかぁ!」
じょる「そりゃこっちのセリフだ」
みも「南條さん見かけたからちょっと驚かそうとしたんですよ……」
じょる「だからっていきなり抱きつくな」
10 :
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2016/09/04(日) 21:08:00.76 ID:XNaeEQw5
みも「すみません……でも昨夜出たらしいですから」
じょる「出たってなにが?」
みも「痴漢ですよ、おっぱい揉んでベロチューの」
じょる「ああ、その話ならもうさっきしたよ」
みも「はい?」
じょる「いや、こっちの話」
みも「ところで南條さんはなにかの捜査ですか? でも一人ってことは違うのかな?」
じょる「ちょっと知り合いに会いに行くんだよ」
みも「じゃあ私も一緒に行きます!」
じょる「なにが『じゃあ』なんだ。というかついてこないで」
みも「いいじゃないですか、今暇なんですよ」
じょる「こっちは忙しいの。邪魔しないで帰った帰った」
みも「そう言われると帰りたくなくなりますね」
11 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:10:00.67 ID:XNaeEQw5
じょる「お願いだから帰ってよ。今から行くとこ病人がいるんだから」
みも「病院にでも行くんですか?」
じょる「違うよ、普通の家」
みも「つまり風邪かなんかですね。大したことなさそうなので私も行きます!」
じょる「……その逆だよ」
みも「逆?」
じょる「もう手の施しようがないから家にいるの」
みも「えっ、そうだったんですか……なんかすみません」
じょる「まあでも、おとなしくしてるって約束するなら一緒に来てもいいよ」
みも「いいんですか?」
じょる「向こうにダメって言われたら、その時はみもちゃんだけ帰れば大丈夫だから」
みも「そうですね! って、ひどい……」
12 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:12:00.68 ID:XNaeEQw5
うち宅
ピンポーン
うち『はーい』
ガチャッ
じょる「こんにちは」
うち「あ、いらっしゃい。あれ、この人は?」
みも「はじめまして、名探偵です。みもりんって呼んでね」
うち「は?」
じょる「ごめんね、うっちー。これがつれてけってうるさくって。邪魔なら今すぐ帰らせるから」
うち「南條さんのお友達?」
じょる「友達というか……」
みも「友達以上恋人未満ってとこかな」
うち「……この人大丈夫なんですか?」
じょる「たぶん……」
うち「まあ南條さんの知り合いなら大丈夫かな……どうぞ」
みも「やったー! お邪魔しまーす」
13 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:14:00.51 ID:XNaeEQw5
うち「シカちゃーん、南條さん来たよー。あとついでに変な人も」
しか「おー、いらっしゃーい! その人誰? よしのんの友達?」
みも「友達以上――」
じょる「もういいっての」
みも「って、あれ? ここ病人がいるんじゃ……」
じょる「いるじゃんそこに」
みも「いるって、え?」
しか「こんにちはー」
みも「こんちは……って、まさか――」
じょる「そのまさかだよ」
みも「めちゃくちゃ元気じゃないですか……」
しか「?」
じょる「そう見えるけどね」
みも「ちなみに余命宣告とかされてるの?」
しか「あー、うん。半年前に余命一ヶ月だって言われたかな」
みも「ってことはもう五ヶ月も余計に生きてるんだ……」
じょる「ふんっ!」ゴツッ
みも「いでっ!」
14 :
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2016/09/04(日) 21:16:00.67 ID:XNaeEQw5
うち「お茶どうぞー」
じょる「ん、どうもー」
みも「あれ、私には?」
うち「え? いるの?」
みも「いえ、大丈夫です……」
じょる「シカ、これお土産ね」
しか「おー、ありがとー」
じょる「調子はどう?」
しか「うーん、まあまあかな」
うち「あはは、シカちゃんいっつもそう言ってる」
しか「そう?」
うち「うん」
みも「ところでその、二人はどういう関係?」
うち「姉妹だけど」
しか「英語で言えばsisters」
みも「へぇ、そうなんだ。全然似てなーい」
じょる「…………」
みも「じゃあじゃあ、南條さんとはどういう……もしかして、つ、つつ付き合ってるとか?」
うち「そうだよ」
みも「ガーン!」
15 :
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2016/09/04(日) 21:16:45.33 ID:SXfipho+
萩原流行(そろそろ出番かな)
16 :
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2016/09/04(日) 21:18:00.58 ID:XNaeEQw5
うち「うそだよ」
みも「なーんだ、よかった」
じょる「なにが?」
みも「そうだ! ねえねえシカちゃん、私と握手しよ?」
しか「? いいけど……」
みも「では――」スッ
パシッ!
みも「いった! なにするの!?」
うち「あ、ごめん。なんか嫌な予感がして」
みも「えー、なにそれぇ……はたいた罰として私と握手! ん!」スッ
うち「はぁ?」
みも「いいから!」ニギッ
うち「ちょっと……!」
ビビビッ!
みも「!」パッ
うち「な、なに……?」
みも「南條さん南條さん」ヒソヒソ
じょる「どうした」
みも「この人ヤバいです」ヒソヒソ
じょる「ヤバいってなにが?」
17 :
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2016/09/04(日) 21:20:00.59 ID:XNaeEQw5
みも「レズ力ですよ! 53万はあります!」ヒソヒソ
じょる「なんだそのわけのわからん力は」
みも「ちょっと南條さんのと比べたいんで握手して下さい」
じょる「嫌だが」
みも「くそぅ……この流れなら行けると思ったのに!」
ナレ『説明しよう。世の中には三十路を迎えると特殊能力が発現する選ばれし人間がいる』
ナレ『みもりんはその能力者の一人なのだ!』
ナレ『彼女は女性の手を握るだけで、相手がレズなのかどうかを瞬時に判別できる』
ナレ『その能力が事件解決に役立つかどうかは、みもりんの運次第!』
うち「なんの話してるの?」
みも「あ、いや。なんでもないよ?」
じょる「さてと、それじゃそろそろお暇しようかな」
しか「えー、もう帰っちゃうの?」
じょる「仕事があるからねぇ」
うち「忙しいのにいつもありがとうございます」
じょる「気にしなくていいよ。また近いうちに来るね」
みも「お気をつけてー」
じょる「みもちゃんも帰るんだよ」
18 :
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2016/09/04(日) 21:22:00.69 ID:XNaeEQw5
道
みも「あの人どういう知り合いなんですか?」
じょる「どういうって、普通の知り合いだけど」
みも「ふーん、そうですか。ちなみにいつどこで知り合ったんです?」
じょる「そんなこと聞いてどうすんの」
みも「それは……いいじゃないですか聞くくらい」
じょる「みもちゃんさぁ、どうかした?」
みも「ど、どうかって? いつも通りだと思いますけど?」
じょる「そうかい」
みも「あっ、そうだ南條さん。ちょっと聞きたいことがあるんですよ!」
じょる「うっちーのこと?」
みも「じゃなくて、事件のことです。痴漢事件」
じょる「痴漢? なんで?」
みも「ちょっと気になるんで調べようと思って」
じょる「やめといたほうがいいんじゃない?」
みも「なんでですか」
じょる「その事件なら警察が調べてるし、みもちゃんとなんの関係もないでしょ」
みも「関係ありますよ! 痴漢は我々女性の敵です! 一刻も早く捕まえるべきです!」
じょる「だからそれは警察の仕事だって……」
19 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:24:00.62 ID:XNaeEQw5
みも「とりあえず被害者の連絡先を教えて下さい!」
じょる「そんなもん私は知らん」
みも「ええ? あの事件って南條さんとこの管轄でしょう?」
じょる「そうだけど私は担当じゃないから」
みも「じゃあその担当の人に聞いて下さい」
じょる「無理」
みも「南條さん!」
じょる「たとえ聞いたとしてもみもちゃんには教えられないの。部外者なんだから」
みも「そこは私と南條さんの仲なんですからぁ……ね?」
じょる「『ね?』って言われても無理なものは無理」
みも「むぅ……ケチ!」
じょる「あぁん?」
みも「私は痴漢が許せない! ただそれだけなんで――」
じょる「とにかく! その事件には首を突っ込むな。わかった?」
みも「ううん、みもちゃんぜんぜんわかんなーい」
じょる「……本気で怒るぞ」
みも「うっ」
じょる「じゃあね」スタスタ
みも「あ……」
みも「これはもしや、警察組織の闇というやつに触れてしまったのではないだろうか……」
20 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:26:00.65 ID:XNaeEQw5
探偵事務所
ガチャッ
みも「ただいまー」
くす「探偵、どこまで遊びに行ってたの?」
みも「ちょっとそこまでね」
くす「ちょっとって時間じゃないと思うけど」
みも「あー、うん。なんか途中で南條さんに会ってね――」
くす「なんちゃん警部補に!?」
みも「そう。で、南條さんの知り合いのところに一緒にお邪魔してきた」
くす「ずるい! 私もなんちゃん警部補に会いたかったのに!」
みも「くっすん……南條さんは忙しいんだから邪魔しちゃダメなんだよ?」
21 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:28:00.58 ID:XNaeEQw5
くす「邪魔にならないようにするから大丈夫だもん」
みも「いや、大丈夫じゃないね。なんか今日の南條さん機嫌悪そうだったし」
くす「それは探偵が怒らせるようなことしたからじゃない?」
みも「してないよ……しかしどうするかなぁ、痴漢事件」
くす「どうするって?」
みも「南條さんに会ったから被害者の連絡先聞こうと思ったんだけどね、教えてくれなかったんだよ」
くす「へー、珍しいね。いつもならそういうのなんだかんだで教えてくれるのに」
みも「ねー。はぁ、いったいどこから手を付ければいいのやら……」
くす「あっ、あの人に聞いたらどう? ほら、なんちゃん警部補の部下の……」
みも「ああ、そら? たしかにあの子ならすんなり教えてくれるかも……ちょっと行ってくる!」
くす「いってらっしゃーい」
22 :
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2016/09/04(日) 21:28:03.46 ID:A0M1c2Uy
お前か
23 :
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2016/09/04(日) 21:30:00.61 ID:XNaeEQw5
警察署
そら「探偵ー!」
みも「おー、そらー!」
そら「どうしたの? 南條警部補に用事?」
みも「いや、今日はそらに用事があってね」
そら「私!? そ、そっか、へぇ……」
みも「例の痴漢事件の被害者の連絡先を教えてほしいんだけど」
そら「あー……さすがにそれは無理かなぁ」
みも「お願い! 私、そらしか頼れる人がいないの!」
そら「私しか……」
みも「ダメ……?」
そら「うーん……わかった。ちょっと待ってて!」
24 :
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2016/09/04(日) 21:32:00.64 ID:XNaeEQw5
五分後
そら「はいこれ。とりあえず住所と電話番号ね」
みも「ありがとう、そら! 恩に着る!」
そら「えへへ、私も探偵の力に慣れて嬉しいなぁ」
みも「そうだ! 今度ご飯でも奢ってよ!」
そら「ああ、私が奢るんだ……」
みも「じゃまたねー」
そら「うん、また」
みも「ふんふふーん」スタッスタッ
じょる「あれっ、みもちゃん?」
みも「げっ」
じょる「なにしてんの、こんなとこで」
みも「べべ別になにもしてませんよ?」
じょる「……怪しいな。なんか企んでるだろ」
みも「やだなぁ南條さん。私が今までに悪いことなんてしたことありますか?」
じょる「あるよ、たくさん。事件現場に勝手に入ったり遺体触ったり私を長野に飛ばしたり」
みも「……まあ現場に入ったのと遺体触ったのは置いておいて、今はこうして東京にいるんだからいいじゃないですかぁ」
じょる「みもちゃんの悪事はそれだけじゃないけど、よかったら全部言おうか?」
みも「いえ、結構です」
25 :
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2016/09/04(日) 21:34:00.59 ID:XNaeEQw5
じょる「……で? なにしにきたの?」
みも「それはぁ……」
じょる「まさかとは思うけど、痴漢事件を調べたりはしてないよね?」
みも「ドキッ! ぜ、全然違いますよ!」
じょる「みもちゃん」
みも「は、はい……」
じょる「頼むからその事件だけはやめて」
みも「どうしてですか? 理由を聞かせてください」
じょる「……理由は言えない」
みも「なら私だってやめられません」
じょる「みもちゃんっ! 私いっつもみもちゃんの無茶な頼み聞いてるんだから、たまにはこっちの言うことも聞いてよ……」
みも「南條さん……あれ、見てください」
じょる「え? あれって……」クルッ
みも「っ!」タッタッタッ
じょる「あっ、コラ! 逃げるな!」
みも「さよーならー!」タッタッタッ
じょる「……みもちゃんのわからず屋」
26 :
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2016/09/04(日) 21:36:00.65 ID:XNaeEQw5
探偵事務所
ガチャッ
みも「やったよくっすん! 連絡先ゲッツした!」
くす「おー、よかったね」
みも「さっそく明日被害者のところに行くよ」
くす「あ、でもそろそろ犬探しもしないと。もう二週間は放置してるよ」
みも「犬なんてあとあと! 時間かかったほうがお金いっぱい取れるし」
くす「……そうだね!」
みも「よーし、絶対犯人捕まえるぞー!」
くす「おー!」
みも「というわけで、明日に備えて今日は家でゆっくり休もう。くっすんも帰っていいよ」
くす「はーい」
27 :
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2016/09/04(日) 21:38:00.55 ID:XNaeEQw5
翌日
みも「住所はこの辺であってるよね? 被害者の名前は?」
くす「ええと、新田恵海さん、第二の被害者だね」
みも「あっ、あのマンションじゃない?」
くす「うん、あそこだ。行こ行こ」
えみ宅
ピンポーン
みも「…………」
くす「…………」
みも「……出ないね」
くす「もっかい鳴らそう」
ピンポーン
みも「出てこい出てこい……!」
くす「……気配すらない」
みも「もしかして留守かな?」
くす「まあ平日だからね」
みも「まいったな、しょうがないから次行くかぁ。こっから近いのは?」
くす「待って……ここからなら第一の被害者の飯田里穂さんかな」
みも「行ってみよう」
28 :
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2016/09/04(日) 21:40:00.49 ID:XNaeEQw5
りぴ宅
ピンポーン
ガガッ
りぴ『はい』
みも「あ、こんにちはー。私たち決して怪しい者じゃないんですけどー」
りぴ『はあ……』
くす「痴漢事件のことで、ちょっとお話聞きたいんですよー」
みも「よかったら中でお話できませんかねー?」
りぴ『……ちょっと待ってて下さい』
みも「…………」
ガチャッ
みも「あ、どうも。ニートですか?」
りぴ「は? なんですかいきなり……」
29 :
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2016/09/04(日) 21:42:00.70 ID:XNaeEQw5
みも「平日の昼間に家にいるってことは仕事してないのかなーって」
りぴ「今日は休みですけど」
みも「オヨヨ、これは失礼」
りぴ「ていうか誰なんですか? あなたたち……」
みも「私は名探偵です」
りぴ「はい?」
みも「みんなにはみもりんって呼ばれてます。今まで何度も難事件を解決してるの」
りぴ「そう……」
みも「で、今は痴漢事件のことを調べてるんです」
りぴ「へー……」
くす「私たちなら必ず犯人捕まえますから!」
みも「うんうん! 100%捕まえる!」
りぴ「……まあ、どうぞ」
みも「おじゃまーす!」
30 :
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2016/09/04(日) 21:44:00.62 ID:XNaeEQw5
みも「まずは犯人について聞きたいんだけど、顔は見た?」
りぴ「サングラスかけてニット帽被ってたから、はっきりとは……」
みも「じゃあ他に犯人の特徴とかは?」
りぴ「服は上下とも黒、太ってて背は私と同じくらいでした」
みも「ふむ、チビでデブ。ニュースで言ってたとおりだね」
くす「それ以外になにか覚えてることはありませんか?」
りぴ「うーん……あ、そういえばすごく汗かいてました」
くす「汗?」
みも「被害にあったのって先々週くらいだよね? 汗かくような気温じゃなかったはずだけど」
くす「太ってるから冬でも汗かくんじゃない?」
みも「なるへそ。じゃあ次は被害にあった場所って覚えてる?」
りぴ「はい。ここのすぐ近くの川沿いの道です」
31 :
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2016/09/04(日) 21:46:00.46 ID:XNaeEQw5
みも「さっき通ってきた道かな?」
くす「そうかも」
みも「襲われた時の詳しい状況も聞かせてほしいんだけど……」
りぴ「夜普通に歩いてたら、後ろから犯人が走ってきていきなり抱きつかれました」
みも「それで?」
りぴ「そのまま胸を触られて、次に無理矢理キスされて舌を入れられて……うっ」
くす「大丈夫?」
りぴ「へ、平気……うぷっ」
みも「ちょっ、ここで吐かないでよ!? トイレ行ってトイレ!」
りぴ「あ……やっぱダメ、かも……ううっ――!?」
みも「いやああああああああああ!!!!!」
――――――
――――
――
32 :
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2016/09/04(日) 21:48:00.86 ID:XNaeEQw5
道
みも「はぁ……ひどい目に遭った……」
くす「ねえねえ探偵!」
みも「んー?」
くす「さっきのゲロからあの人がご飯なに食べたか当てっこしようよ!」
みも「しないよっ! 正解もわかんないし!」
くす「そっかー、残念」
みも「しかしいきなり吐かれるとは思わなかったよ……」
くす「まあ私たちがしてるのってトラウマえぐるようなもんだからね」
みも「それで次は第三の被害者だっけ?」
くす「うん。名前はぱい……じゃなくて堀絵梨子さん」
みも「今度はゲロ吐かれませんように!」
33 :
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2016/09/04(日) 21:50:00.68 ID:XNaeEQw5
ぱい宅
ピンポーン
ガガッ
ぱい『はーい』
みも「あ、こんにちはー。名探偵でーす」
ぱい『今開けまーす』
ガチャッ
ぱい「なにかご用ですか?」
みも「私たち今ここらで起きてる痴漢事件のことを調べてるんですよ」
ぱい「あー! 私その事件知ってる!」
くす「うん、被害者だもんね」
みも「でね、そのことでちょっと話を聞きたいなーと思って」
ぱい「いいですよー、中へどうぞ」
みも「話がわかって助かるなぁ」
34 :
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2016/09/04(日) 21:52:00.63 ID:XNaeEQw5
ぱい「犯人は黒い服を着てて、太っちょで身長は私と変わらないくらいだったかなぁ」
みも「あと汗っかき?」
ぱい「そうそう! びっしょりだった!」
みも「さっき聞いた特徴とまったく同じだね」
くす「で、どんなことされましたか?」
ぱい「後ろから抱きつかれて、胸触られて、ディープキス……うっ」
みも「げっ、これはゲロの予感……」
くす「えー、またぁ?」
ぱい「ぐすっ、うう……」ポロポロ
みも「違う、泣いただけだ」
くす「よかったぁ」
35 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 21:54:00.70 ID:XNaeEQw5
みも「ハンカチどうぞ」
ぱい「ありがと……ひぐっ」
くす「まあ同一犯だよね」
みも「手口も完全に一致してるしねぇ。ぱい……じゃなくて堀さん」
ぱい「はい……?」
みも「痴漢にあった場所ってここの近くの公園だったよね?」
ぱい「…………」コクッ
みも「第一の事件現場からそう遠くない……」
くす「犯人はこの辺に住んでるのかな?」
みも「それか職場が近くにあるのかも……話してくれてありがとね。犯人は必ず私が突き止めるから!」
ぱい「よろしくお願いします……!」
36 :
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2016/09/04(日) 21:56:00.61 ID:XNaeEQw5
道
くす「探偵、次はどうするの?」
みも「第二の被害者に電話かけてみる」
くす「出るかな?」
みも「さあねぇ……」ピッ
プルルルル……プルルルル……プルルッ
えみ『もしもし?』
みも「あ、どうもー。名探偵ですよー」
ブツッ
みも「あれっ!? 切れた……」
くす「もっかいかけてみようよ」
みも「そだね。よっと」ピッ
プルルルル……プルッ
えみ『……もしもし』
みも「真実はいつもひとつ! 名探偵みもりんです」
くす「百年ぶりーのー! せーいーきま――」
えみ『なんなんですか?』
37 :
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2016/09/04(日) 21:58:00.71 ID:XNaeEQw5
みも「実はですね、私たち今痴漢事件を調べてるんですよ。よかったら話を――」
えみ『そんなこと思い出したくもない!』
みも「まあまあ、そう言わずに……」
えみ『二度とかけてこないで!』
ブツッ
みも「杏里か」ピッ
くす「どうしたの?」
みも「なんかよくわかんないけど怒らせちゃったみたい」
くす「まあどうせ話聞いたところで新しい発見もないだろうしいいでしょ」
みも「だよねー。今日あの二人からおんなじことしか聞いてないもん」
くす「それよりお腹すいたしなんか食べてこうよ」
みも「うーん、なに食べよっか……あ!」
くす「もしかしてこの辺の美味しいお店知ってるの?」
みも「いや、昨日話した南條さんの知り合いが近くに住んでるんだよ」
くす「へー、それで?」
みも「タダでなにか食べさせてくれるかもしれないから行ってみよう」
くす「賛成ー!」
38 :
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2016/09/04(日) 22:00:00.65 ID:XNaeEQw5
うち宅
ピンポーン
みも「こんにちはー! みもりんだよー」
くす「オープン・ザ・ドアー!」
みも「…………」
くす「……開かないね」
みも「留守かな……?」
ガチャッ
みも「おっ」
しか「あっ、昨日の変な人」
みも「変な人じゃなくて、名探偵のみもりんね。うっちーは?」
39 :
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2016/09/04(日) 22:00:32.75 ID:zGCroB00
オリビアを聴きながらとか若い子に通じんやろ
40 :
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2016/09/04(日) 22:02:00.69 ID:XNaeEQw5
しか「今日は仕事だからいないよ」
みも「そっかぁ、残念」
くす「この人は?」
みも「うっちーに全然似てない妹のシカちゃん」
くす「ほー、探偵の助手のくっすんです。よろしくね」
しか「よろしくー」
みも「しかしどうしたものか……」
しか「なにか困ってるの?」
みも「実はうっちーにご飯を御馳走になろうと思って来たんだけど、いないもんだからさぁ」
しか「お腹空いてるならカップ麺でも食べてく?」
くす「どうする?」
みも「……まあタダで食べられるならカップ麺でもいっか」
41 :
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2016/09/04(日) 22:04:00.59 ID:XNaeEQw5
数時間後
ガチャッ
うち「ただいまー」
みも「あっ、おかえり!」
うち「……なにしてるの」
みも「近くに来たから数時間ほどお邪魔してるんだよ」
うち「この人誰」
くす「探偵の助手でーす!」
うち「ふーん、とりあえず帰って。これから夕飯作るんだから」
みも「ああ、なら私たちも――」
うち「帰って!」
みも「作るの手伝おうと思ったんだけど……」
うち「えっ……べ、別に手伝いたいなら好きにすればいいんじゃない?」
みも「もーう、素直じゃないんだからぁ。可愛いなこのこの〜」
うち「やっぱ帰って」
42 :
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2016/09/04(日) 22:04:41.47 ID:Pl/lJqXT
絶妙にうざいなw
43 :
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2016/09/04(日) 22:06:00.55 ID:XNaeEQw5
二時間後
みも「今日はごちそうさまでした」
うち「……今度からは事前に連絡してから来てよ」
みも「オッケー。また一緒にご飯作ろうね」
うち「まあ、考えてあげてもいいけど……」
みも「楽しみにしてるから!」
うち「……あっそ」
くす「あれ? もしかして、探偵のこと好きになっ――」
バシッ!
うち「んなわけねーだろ」
くす「いったぁ……でも探偵って顔だけはいいから、悪くないと思うんだけどなぁ」
みも「顔だけってなに? “だけ”って」
うち「私がこんなの好きになるわけないでしょ」
くす「お似合いだと思うよ?」
うち「どこが……」
くす「それにふたりがくっつけばなんちゃん警部補は私のものになるし……」ボソッ
みも「なんか言った?」
くす「言ってないよー」
うち「じゃ、気をつけて帰ってね」
みも「はーい。シカちゃんもまたねー!」
しか「うーっす」
くす「お邪魔しましたー」
44 :
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2016/09/04(日) 22:08:00.66 ID:XNaeEQw5
探偵事務所
みも「さて、それじゃ今後の捜査について話し合いをしたいと思います!」
そら「あの〜ぅ、なんで私呼ばれたの?」
みも「南條さんが協力してくれないから、代わりにそらに色々聞こうと思って」
そら「はあ……」
みも「まずはじめに今わかっていることについて。今回の事件は、約二週間前から続いている連続痴漢事件」
みも「そしてその犯人は、チビでデブな汗っかきの男。服装は全身真っ黒で、ニット帽にサングラスを着用」
くす「警察では当然そういう人を探してるんだよね?」
そら「そのはずだよ。全然見つかんないみたいだけど」
みも「痴漢の手口は夜、ターゲットに背後から忍び寄り抱きついてから胸を揉み、相手が怯んだところでキスをして舌をねじ込むと」
くす「超キモーい」
みも「ここまで間違いないよね?」
そら「うん」
みも「ちょっと聞いちゃっていい?」
そら「なに?」
みも「この事件って、裏になにかあったりしない? 警察組織の闇……みたいな」
そら「別にないけど」
45 :
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2016/09/04(日) 22:10:00.56 ID:XNaeEQw5
みも「本当に? 隠したりしてない?」
そら「普通の痴漢事件だよ、よくあるような」
みも「うーん、そっか……」
そら「なんでそんなこと聞いたの?」
みも「いや、南條さんがやたらこの事件を調べるなってうるさいからさ」
そら「南條警部補が?」
みも「うん……まあいいや。それより気になってることがあるんだけど、どうして犯人は被害者をレイプしないんだろう?」
くす「うわぁ、唐突に際どい話……」
そら「それは罪が重くなるからじゃないの?」
みも「たしかにその可能性はあるね……他には?」
そら「あとは犯行時間が長くなって誰かに目撃されるリスクが高まるから……とか?」
みも「なるほどぉ。それから?」
そら「……あのさ、私にばっか考えさせないで少しは自分で考えようとか思わないの?」
みも「…………」
くす「探偵?」
そら「おーい」
みも「次に進もう。実は犯人を簡単に捕まえる方法が一つだけあるんだよ」
46 :
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2016/09/04(日) 22:12:00.54 ID:XNaeEQw5
くす「えっ? そんなのあるなら早く言ってよ」
そら「どうするつもりなの?」
みも「くっすんを囮にして、犯人が現れたら私が捕まえる。現行犯なら私でも逮捕できるし」
くす「私を囮に……? 無理無理無理! 絶対嫌!」
みも「やる前から無理って言わない!」
くす「なんで私なの!? 探偵が自分でやればいいじゃん!」
みも「こういうのは助手の仕事でしょ!」
くす「知らないよそんなの!」
そら「お、落ち着いて! ねっ?」
みも「なに? じゃあそらが囮やってくれるの?」
そら「やっ、それはちょっと……」
みも「いい? くっすん。この作戦で犯人を捕まえられれば、たった一人の犠牲で多くの女性が救われるんだよ?」
そら「すでに三人犠牲になってるんだけど」
47 :
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2016/09/04(日) 22:14:00.60 ID:XNaeEQw5
くす「でも……」
みも「くっすんだけが頼りなの。だからお願い、やってくれるよね?」
くす「探偵……」
みも「犯人は必ず、私が捕まえるから……ね?」
くす「……うん」
みも「よーし、そうと決まればさっそく作戦実行だ!」
そら「ちょっとストーップ!」
みも「なに? 急がなきゃいけないんだけど」
そら「今何時?」
みも「え? 11時過ぎたとこ」
そら「この事件の犯行時刻って、どれも午後10時から11時までの間なんだよ。だからたぶん今から行っても犯人は現れないと思う」
みも「そんなぁ……」
くす「どうする?」
みも「しょうがないから明日にしよっか。今日はもう解散!」
48 :
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2016/09/04(日) 22:16:00.49 ID:XNaeEQw5
翌日・探偵事務所
コンコン
みも「どうぞー」
ガチャッ
じょる「よっ」
みも「あ、南條さん! 珍しいですね、事務所に来るなんて」
じょる「助手は?」
みも「くっすんならさっき買い物に行きましたけど」
じょる「そう」
みも「それで……なんの用でしょう?」
じょる「昨日、うっちーんとこ行ったんだって?」
みも「どうして知ってるんですか?」
じょる「うっちーから聞いた。シカが喜んでたって」
みも「そうですかぁ……えっ、それ話しに来たんですか?」
じょる「いや……あの痴漢事件、まだ調べてるの?」
みも「モチのロンです。もうすぐ犯人捕まりますよ、早ければ今夜かな」
じょる「……ほんと、みもちゃんは困った子だよ」
みも「いやぁ、えへへ……」
じょる「ああ、褒めてるように聞こえるんだ」
49 :
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2016/09/04(日) 22:18:00.53 ID:XNaeEQw5
みも「……犯人、捕まえてもいいんですよね?」
じょる「えっ?」
みも「だって南條さん、私がこの事件調べるのすごく嫌がってたじゃないですか」
じょる「そうねぇ……正直今でも手を引いて欲しいとは思ってる」
みも「止めないんですか?」
じょる「止めても無駄だってわかってるから」
みも「あはは、私のことはお見通しなんですね」
じょる「まあ、ね」
みも「……そろそろ戻らなくていいんですか? 忙しいんでしょう?」
じょる「そうだね、もう行くよ」
みも「お仕事、頑張ってください」
じょる「うん……ねぇ、みもちゃん」
みも「なんですか?」
じょる「……ううん、やっぱなんでもない。それじゃ」
ガチャッ……バタン
みも「……?」
50 :
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2016/09/04(日) 22:20:00.61 ID:XNaeEQw5
夜道
くす「ねえ、ほんとにやるの?」
みも「あたり前田のクラッカーよ、犯人捕まえるんだから」
くす「でもさぁ……」
みも「いまさらやめるとか言わないでね?」
くす「だけど……」
みも「あっ、そろそろ時間だ。行って!」
くす「ちょっと待ってよ!」
みも「待たないよ、それっ!」ドンッ
くす「うおぉっ!」トテッ
みも「襲われてもすぐ助けるからー」
くす「うぅー……もうっ!」
51 :
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2016/09/04(日) 22:22:00.55 ID:XNaeEQw5
三十分後
みも「ふわぁ〜……眠くなってきたなぁ」
みも「それに寒いし、ちょっと暖かいもの買ってこよーっと」
………………
…………
……
みも「さてさて、くっすんの様子はどうかな〜?」
みも「……あれ? いない……どこ行っちゃったんだろ? まさか逃げたんじゃ――」
くす「いやぁっ!」
みも「おや? 今くっすんの声が聞こえたような……」
くす「探偵! 助け――んんむっ!?」
みも「ん? あっ! くっすん!」
??「!」タタタタッ
みも「待てコラー!」タッタッタッ
??「っ!」タタタタッ
みも「ちょっ、待って……速いってばぁ!」タッタッタッ
??「……!」タタタタッ
52 :
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2016/09/04(日) 22:24:00.62 ID:XNaeEQw5
みも「あっ、ダメだ。追いつけない……」ピタッ
みも「くっそー、逃げ足の速いやつめ……。しょうがない、くっすんとこ戻ろ」
みも「おーい! くっすーん!」
くす「探偵……」
みも「だいじょ――」
ピシャッ!
みも「痛っ! なにすんの!?」
くす「どうしてすぐ助けに来てくれなかったの!?」
みも「そ、それはほらぁ、ちょっとね。うん」
くす「探偵のこと信じてたから引き受けたのに……もう知らない!」ピシャッ!
みも「いって! なんで二回も叩くの! ひどいよ!」
くす「ひどいのはそっちじゃん! この……貧乳!」タッタッタッ
みも「なっ! このっ、この、えっと……このー!」
53 :
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2016/09/04(日) 22:26:00.59 ID:XNaeEQw5
翌日
そら「あー、やっぱダメだったんだ」
みも「やっぱって……」
そら「それで? 助手の子はどうしたの?」
みも「……犯人が捕まるまで家から出たくないって」
そら「あらら。やっちゃったねえ、探偵」
みも「それだけならまだしも、家から出られるまでの生活費もよこせって……」
そら「あははは、まあそれだけのことはしたよねー」
みも「だから、なんとしても今日犯人を捕まえたいの。というわけで、そら! 囮になって?」
そら「嫌に決まってるじゃん」
みも「なんでぇ……」
そら「ま、あとは警察に任せるか、探偵一人で頑張るしかないでしょ。じゃあねー」スタスタ
みも「えっ、ちょっと! ……はぁ」
54 :
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2016/09/04(日) 22:28:00.50 ID:XNaeEQw5
くす宅
ピンポーン
みも「くっすーん、みもりんだよー」
くす『……お金は郵便受けに入れといて』
みも「そのぉ、ドアを開けてほしいなー、なんて」
くす『嫌です』
みも「まだ怒ってるの? 根に持つんだねぇ……」
くす『たった一晩で私が許すとでも思ってるの?』
みも「うん」
くす『そんなわけないでしょ!』
みも「えー、そうなの? じゃあいつになったら許してくれるのさ」
くす『探偵が犯人捕まえるまでは一年たっても十年たっても許さない』
55 :
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2016/09/04(日) 22:30:00.64 ID:XNaeEQw5
みも「私がって、警察が犯人捕まえたらどうなるの?」
くす『死んでも絶対に許さない……!』
みも「そんなぁ〜」
くす『いいから早くお金置いて帰ってよ!』
みも「なんでそういうこと言うのっ! 私こんなに謝ってるのに!」
くす『昨夜から一言も謝ってないじゃん!』
みも「そうだっけ? まあいいや」
くす『よくない! 帰れ! 金は置いてけ!』
みも「……わかったよ、もう帰る。お金は置いてくから」
くす『…………』
みも「ねえねえ、今『ちょっと言い過ぎたな』とか思った?」
くす『思ってない。帰って』
56 :
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2016/09/04(日) 22:32:00.52 ID:XNaeEQw5
夜道
みも「ふい〜、食べ過ぎたぁ……」
みも「にしてもこんな暗いとこ歩くなんて危険過ぎるよねー」
みも「私すっごい美人だし、あとナイスバデーだし……例の痴漢に襲われたらどうしよう」
みも「……って、さすがに昨日の今日で現れたりしないか! あははっ」
??「…………」スタスタ
みも「んん?」クルッ
みも「……気のせいかな。早く帰んなきゃ!」スタスタ
??「…………」タッタッタッ
みも「……嫌な予感」
ガバッ
みも「ひぃっ! で、出たぁー!!」
57 :
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2016/09/04(日) 22:34:00.54 ID:XNaeEQw5
??「はぁ……はぁ……」サワッ
みも「ちょっ、やめてよ! どこ触って――」
??「ハァハァ……」モミッ
みも「っ!? こ、こんのぉー!」ガシッ
ビビビッ!
みも「えっ、女?」
??「!」パッ
みも「あなた、まさか……」
??「っ!」タッタッタッ
みも「待って!」
??「……!」タッタッタッ
みも「そんな……南條さんに、連絡しなきゃ……」
58 :
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2016/09/04(日) 22:36:00.52 ID:XNaeEQw5
ピリリリリ……ピリリリリ……
ピッ
じょる「もしもし、みもちゃん?」
みも『南條さん……』
じょる「どうしたの? こんな時間に」
みも『痴漢事件のことで、お話があります』
じょる「……なにかわかったの?」
みも『はい……犯人がわかりました』
じょる「…………」
みも『これまでずっと犯人はチビでデブな男だと思われていましたけど、それは大きな間違いです』
みも『だって犯人は……女なんですから』
じょる「女……」
59 :
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2016/09/04(日) 22:38:00.50 ID:XNaeEQw5
みも『“痴漢をするのは男だ”という先入観が、間違った犯人像を作り上げてしまったんです』
みも『男性と比べたら女性の身長が低いのは当然ですよね。そして犯人は太っていたわけでもない』
みも『きっと胸の膨らみや身体の細さをごまかすために、服を何枚も重ね着していたんだと思います』
みも『冬なのに犯人が汗びっしょりだったのもそのせいです』
じょる「……どうして犯人が女だってわかるの?」
みも『ついさっきその痴漢に襲われたんですよ。その時、咄嗟に犯人の手を掴んだんです』
みも『そしたら……犯人はレズでした。私の能力が女の子にしか使えないこと、南條さんも知ってますよね?』
じょる「……うん」
みも『でもわかったのはそれだけじゃありません。犯人のレズ力は53万……こんなに高いレズ力を持っている人を、私は一人しか知らない』
みも『南條さん、この事件の犯人は……うっちーです』
じょる「…………」
みも『そうですよね?』
じょる「……そうだよ。うっちーが、あの痴漢の正体」
みも『やっぱり南條さんは気付いてましたか』
じょる「……まあね」
60 :
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2016/09/04(日) 22:40:00.52 ID:XNaeEQw5
みも『いつからですか?』
じょる「最初の痴漢事件が起きた頃かな」
みも『そのことを黙っていたのはどうして?』
じょる「気付いてたって言っても勘みたいなものだし、証拠があったわけじゃないから……」
みも『証拠がないなら探せばよかったじゃないですか』
じょる「そうだね……でもできなかった」
みも『……知り合いだから、ですか』
じょる「ま、そんなとこ……ねぇ、みもちゃん。私どうしたらいいんだろ……」
みも『それはあなたが一番よくわかっているはずですよ、南條さん……いえ、南條警部』
じょる「…………」
みも『明日、うっちーの家で会いましょう。待ってますから』
じょる「……わかった」
みも『失礼します』
ツーツーツー……
じょる「警部補だっての……」
61 :
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2016/09/04(日) 22:42:00.56 ID:XNaeEQw5
翌日・うち宅
みも「今日は大事な話があって来ました」
うち「どうしたの? 改まって……」
みも「この辺りで最近多発してる痴漢事件って、うっちーの仕業だよね?」
うち「えっ……?」
みも「正直に答えて」
うち「南條さん、これっていったい……」
じょる「昨夜、うっちーはどこでなにしてた?」
うち「ちょっと待って! どういうことなの?」
みも「昨日ね、私痴漢に襲われたんだ。うっちーはよく知ってると思うけど……」
うち「し、知らないっ!」
みも「じゃあうっちーの手を握らせて」
うち「どうして?」
みも「痴漢に襲われた時、そいつの手を握ったの。あれは間違いなく、うっちーの手だった」
うち「握っただけで誰の手かわかるって言うの?」
みも「うん」
62 :
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2016/09/04(日) 22:44:00.72 ID:XNaeEQw5
うち「南條さん……この人どうかしてるんじゃないですか?」
じょる「いいや、至って正常だよ」
うち「本気で言ってます?」
じょる「モチのロン。みもちゃんは能力者だからね」
うち「能力……どんな?」
じょる「女の子の手を握ると、レズかどうかがわかるの」
うち「なにそれ……レズなんてどこにでもいるでしょ? そんなの私が犯人だって証拠には――」
みも「犯人のレズ力が、うっちーと同じだったから」
うち「レズ力?」
みも「うっちーと痴漢のレズ力はどちらも53万。こんなにレズ力の高い人は滅多にいない」
うち「で、でもそんなの証拠にはならないでしょ?」
じょる「たしかにそれ自体は証拠にならない。だけどもしみもちゃんが警察に、例えば……『犯人の顔を見た』って証言したら?」
うち「え……」
じょる「まったく尻尾をつかめていない犯人の重要な手がかりを、警察が無視するとは思えない」
じょる「それがきっかけになってこの部屋を調べられたら、なにか証拠が見つかるんじゃないの?」
うち「そんな……」
63 :
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2016/09/04(日) 22:46:00.48 ID:XNaeEQw5
じょる「だからそうなる前に、自首してほしい」
みも「話してくれるよね?」
うち「…………」
みも「うっちー」
うち「み……」
じょる「ん?」
うち「見逃して……ほしい……」
みも「はい?」
うち「お願い! もう二度と痴漢なんてしないから!」
みも「いや、もうしないとかじゃなくてさ、やっちゃったことが問題なんだよ。わかる?」
うち「南條さんなら、見逃してくれますよね?」
じょる「……私が見逃したって、みもちゃんは立ち止まったりしないよ」
みも「もしここで認めないなら、私はすぐに警察に行って証言する」
うち「じゃ、じゃあシカちゃんは? シカちゃんはどうなるの?」
しか「うっちー……」
みも「うおっ、いたんだ。というか姉の呼び方それでいいの?」
64 :
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2016/09/04(日) 22:48:00.59 ID:XNaeEQw5
うち「私が捕まっちゃったら、シカちゃんが一人ぼっちになっちゃう……」
じょる「…………」
みも「シカちゃんなら大丈夫でしょ。こんなに元気なんだから」
しか「そうだよ! うっちーが戻ってくるまで、ずっと待ってるから!」
うち「でもっ……!」
みも「うっちーは初犯だし、きっと執行猶予がつくよ。ね、南條さん?」
じょる「うーん、どうかなぁ」
みも「ちょっと!」
うち「南條さん……この人を、止めてください」
じょる「……ごめん、それはできない」
うち「どうしてですか!」
じょる「だって私は……警察官だから」
65 :
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2016/09/04(日) 22:50:00.42 ID:XNaeEQw5
みも「…………」
うち「そう、ですよね……」
じょる「聞かせてくれる? どうしてこんなことをしたのか」
うち「……最初は軽い気持ちだったんです。ちょっとした気分転換みたいな」
うち「だからそんなことをするのは一回きりのつもりでした。だけど……」
うち「襲った時にすごくいい気分になったというか、思っていたより興奮したというか」
みも「うへぇ、超変態……」
じょる「そもそもなんでよりによって気分転換が痴漢なの」
うち「恋人でもいれば、その子に疲れを癒やしてもらいました」
うち「でも私が好きなのは女の子だから、なかなかそういう相手がいなくて……」
みも「だったらシカちゃんとイチャイチャすればよかったのに」
うち「シカちゃんは私の妹でしょ! 大事な家族とそんなことはしないの!」
66 :
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2016/09/04(日) 22:52:00.64 ID:XNaeEQw5
みも「普通は他人にも痴漢なんかしないんだよ!」
うち「そうかなぁ?」
じょる「そうだよ?」
うち「……実は、探偵のことはちょっといいなって思ってたの」
みも「えっ、私?」
うち「ちょっとだけね! ほんのちょっと! あるかないかくらい!」
みも「お、おう……」
うち「だけど探偵にはもういい人がいるみたいだったから……」チラッ
じょる「なぜ私を見る」
うち「だから恋人になるのは諦めて、痴漢するだけにとどめておいたんだ」
じょる「それはとどめたと言っていいのか……?」
みも「まあそれはさておき、そろそろ行こっか」
うち「……はい」
しか「いってらっしゃい、うっちー。早く帰ってきてね」
うち「シカちゃん……うん、いってきます」
67 :
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2016/09/04(日) 22:54:00.71 ID:XNaeEQw5
数日後
そら「南條警部補の処分?」
みも「うん……あの痴漢の件でお咎めなしってことはないでしょ?」
そら「いや、なにもないよ」
みも「そんなはずない! だって南條さんはあの事件の犯人を知ってたんだよ?」
そら「ああ、たしかそんなこと言ってたね」
みも「それを黙ってたのって犯人隠避とかになるんじゃないの?」
そら「ならないでしょ。証拠もなかったし、犯人が捕まらないようになにかしたわけでもないし」
みも「私の捜査を止めようとしたじゃん! あれは絶対まずいって!」
そら「まずくないよ、探偵には捜査権ないんだから止められて当然でしょ」
みも「え?」
そら「というかそれで探偵が捕まっててもおかしくないのに……南條警部補に感謝しないとだよ?」
みも「んん? どういうこと?」
そら「それは探偵が自分で考えなさい。んじゃもう行くね」
みも「???」
68 :
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2016/09/04(日) 22:56:00.72 ID:XNaeEQw5
探偵事務所
ガチャッ
みも「帰ったぞー」
くす「遅いよ!」
みも「めんごめんご」
くす「で、どうだった?」
みも「あー、とりあえず南條さんは心配ないっぽいよ」
くす「よかった〜」
ピリリリリ……ピリリリリ……
みも「おっ? 南條さんからだ」
くす「えっ!?」
ピッ
みも「もしもし」
じょる『あ、みもちゃん?』
くす「探偵! 私話したい! 携帯貸して!」
みも「やだよ、私にかかってきたんだから……えっと、なにかご用ですか?」
69 :
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2016/09/04(日) 22:58:00.64 ID:XNaeEQw5
じょる『うん、ちょっとみもちゃんと二人で話がしたくて。今時間ある?』
みも「大丈夫ですけど、話ってなんですか?」
じょる『それは会ってから話すよ。署の近くの喫茶店で待ってるね』
みも「わかりました、すぐに向かいます」ピッ
くす「なに? なんだって?」
みも「よくわかんないけど行ってくる。留守番よろしくね」
くす「待って! 私も行く!」
みも「ダメだよ、南條さんは二人で話がしたいって言ってるんだから」
くす「探偵となんちゃん警部補が二人で……嫌な予感しかしない。絶対行っちゃダメ!」ガシッ
みも「離してよ! 嫌な予感ってなんなのさ!」
くす「よくないことが起こりそうな気がすること!」
みも「いやそういうことを聞いてるんじゃなくて――」
くす「とにかく行かないで!」
みも「ええい、鬱陶しい! みもりんチョーップ!」バシッ
くす「うっ!」バタッ
みも「ふー……早く行かなきゃっ!」
70 :
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2016/09/04(日) 23:00:00.55 ID:XNaeEQw5
喫茶店
じょる「ごめんね、急に呼び出して」
みも「いえ、いいんです。その……私も南條さんに会いたかったのでっ」
じょる「そうなの?」
みも「はい……まさか本当にこんな日が来るなんて思っていませんでした」
じょる「……?」
みも「心の準備はできてます。南條さんが私に話したいこと、ちゃんとわかってますから」
じょる「ほんとに? また適当なこと言ってない?」
みも「言ってません。だって南條さんの気持ち、薄々気付いてたし……」
じょる「うん……? まあいいか、話っていうのはうっちーのことなんだけどね」
みも「そう、うっちーの……って、え?」
じょる「うっちーっていうより、うっちーとシカのことって言ったほうが正しいかな」
みも「す、ストップ! 話が見えないんですけど……」
じょる「わかってたんじゃないの?」
みも「すみません、わかってなかったみたいです……」
71 :
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2016/09/04(日) 23:02:00.91 ID:XNaeEQw5
じょる「はぁ……シカの余命宣告のことは知ってるよね?」
みも「たしか半年前に余命一ヶ月だって宣告されたんですよね」
じょる「……本当なら、その宣告通りになるはずだったんだよ」
じょる「だけど余命宣告の数日後、うっちーは誕生日を迎えて三十歳になった」
じょる「ここまで言えば、もうみもちゃんにもわかるんじゃない?」
みも「ええと……」
じょる「……みもちゃん?」
みも「すみません、全っ然わかんないです」
じょる「……うっちーはね、みもちゃんと同じ能力者なの」
みも「えっ……」
じょる「三十路になって手に入れた能力で、うっちーはずっとシカを延命してたんだよ」
じょる「でも人を死なせない能力っていうのは、使うのも楽じゃないみたいでね」
じょる「心配だから時々様子を見に行ってたんだけど……やっぱり精神的にかなりきてたんだと思う」
72 :
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2016/09/04(日) 23:04:00.82 ID:XNaeEQw5
みも「まさか、うっちーが痴漢をしたのって……」
じょる「たぶんね……私がもっと早く気付いて、なんとかしてあげればよかった……」
みも「待ってください! ってことはうっちーが捕まったらシカちゃんは? シカちゃんはどうなるんですか!?」
じょる「……能力が使えない以上、そう長くは持たない、かも」
みも「そんな……じゃ、じゃあ、私のせいでシカちゃんが――」
じょる「みもちゃんのしたことは正しいよ。犯罪者を野放しにするわけにはいかないから」
じょる「私も警察官として、やるべきことをやったと思ってる。ただ……」
じょる「この責任は私一人じゃ背負いきれなくて、こうしてみもちゃんを巻き込んじゃった。ごめん」
みも「南條さん……」
じょる「…………」
みも「その……私でよかったら、いくらでも頼ってください」
じょる「みもちゃん……」
みも「私はいつだって、南條さんの味方ですから……」スッ
73 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 23:06:00.69 ID:XNaeEQw5
じょる「うお、危ねっ!」ガタッ
みも「ちょっ、なんですかいきなり!?」
じょる「今手握ろうとしたろ!」
みも「えっ? あ……違うんです! 今のは能力使おうと思ったんじゃなくて……!」
じょる「まったく油断も隙もあったもんじゃない」
みも「いやあのほんとに違くて!」
じょる「……もう帰るよ。お金置いてくからこれで払っといて」スタスタ
みも「待って南條さんっ!」
カランカラン……
みも「…………」
みも(私の能力のせいで、うっちーが逮捕されて……私の能力のせいで、シカちゃんが一人ぼっちになって……)
みも(私は能力のせいで、南條さんの力にもなれない……私の能力は、みんなを不幸にしかできないんだ……)
みも「こんな能力……なくなっちゃえばいいのに……」
つづくぁない
74 :
名無しで叶える物語(笑)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 23:07:00.66 ID:XNaeEQw5
お粗末さまでした。
75 :
名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 23:14:58.04 ID:kqO6mydv
続けなさい
76 :
名無しで叶える物語(信濃國)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 23:20:50.85 ID:A0M1c2Uy
乙乙でした
77 :
名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止
2016/09/04(日) 23:36:26.16 ID:+Vv/e5u+
前スレとかあるの?
教えて乙です
78 :
名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止
2016/09/05(月) 00:12:07.16 ID:lrecLzOK
おつ
完全なオムニバスなのか一部は地続きなのか分からんなこれ
79 :
名無しで叶える物語(プーアル茶)@無断転載は禁止
2016/09/05(月) 02:58:23.22 ID:4uluukGu
いや続いてよ
面白かった乙
80 :
名無しで叶える物語(家)@無断転載は禁止
2016/09/05(月) 23:49:31.11 ID:dZrBWsXT
乙乙
81 :
名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止
2016/09/06(火) 01:25:35.52 ID:KmiuJkxX
ほ
82 :
名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止
2016/09/06(火) 01:27:20.48 ID:giuYPj/8
ああああああああああああああああああ
83 :
名無しで叶える物語(茸)@無断転載は禁止
2016/09/06(火) 22:07:18.80 ID:kPHWiBsB
h
84 :
名無しで叶える物語(やわらか銀行)@無断転載は禁止
2016/09/07(水) 00:52:48.98 ID:QJpJicvt
ほ