【七月五日・穂むら】
穂乃果「ありがとうございましたー!」
あんじゅ「揚げたてのお饅頭よ。早く食べたいわね♪」
英玲奈「ああ。急いで帰ろう」
【秋葉原】
英玲奈「これ、おみやげだ」
ツバサ「へえ。揚げたての温かいお饅頭なんて珍しいわね…蒸したり焼いたりするだけじゃないのね」
あんじゅ「今日はセイロン・サバラガムワにしましょうか♪」
英玲奈「ちょっと待て。なぜ当たり前のように紅茶を淹れようとしているんだ」
あんじゅ「サバラガムワはアッサムよりスッキリとした味わいの紅茶よ。油で揚げたお饅頭にはこれが合うわ」
英玲奈「江戸時代から続く老舗和菓子店の饅頭だぞ。日本茶が一番合うはずだ」
あんじゅ「日本茶が合わないとは言わないけど、和菓子だから紅茶が合わないと決めつけるのは偏見よ。特に脂分が強い物には紅茶がいいってことは世界中で知られてるんだから」
英玲奈「世界というが、コーヒーを好み紅茶はあまり飲まない国も多いぞ。紅茶とコーヒーは飲み方が似通っているが日本茶は全く違う。だからこそ和菓子に日本茶の組み合わせが長い間親しまれているんだ」
シュシュシュ ピーッ
ツバサ「ふふふん♪ふふふーん♪」カチャ
ツバサ「はい、お茶いれたわよ」コト
えれあん「えっ」
ツバサ「じゃあ食べましょ。いただきます♪」
英玲奈「紅茶…ではないな。これは…烏龍茶?」
あんじゅ「ホントだ。この香り…リーフの烏龍茶なんていつの間に買ったの?」
ツバサ「脂分の多い食べ物には、やっぱり烏龍茶でしょ?」パク
ツバサ「ん、おいしい♪」モグモグ
英玲奈「悪くはないが、穂むらの饅頭だぞ。日本茶でいいと思うが…」
ツバサ「ふふん。英玲奈は知らないの?饅頭の起源は中国なのよ。中国茶である烏龍茶が合うのは宿命よ」
英玲奈「むう…」
あんじゅ「中国茶っていうけど、種類もいろいろでしょ。烏龍茶はいいけど、お饅頭に合わない物のほうが多いんじゃない?」
ツバサ「そうかしら?…二人はどれくらい中国茶を飲んだことがあるの?」
英玲奈「いや、烏龍茶以外はほとんど無いな。そもそも私は日本茶派だ。日本で簡単に手に入る種類も圧倒的に多い」
あんじゅ「そうは言っても東京で手に入る日本茶って品質の悪いものも多いじゃない。その点、紅茶はちょっとしたティーバッグでも充分おいしいわよ」
ツバサ「あんじゅが紅茶派っていうのはわかるけどね。私も紅茶や日本茶も好きだけど、中国茶も飲んでみたら案外お気に入りが見つかるんじゃないかしら?」
あんじゅ「まあ…私も烏龍茶以外はあまり飲んだことないけど」
ツバサ「でしょ。いい機会だからいろいろ飲んでみましょうよ♪」
コポポ…
英玲奈「これは…独特の香りだな」
あんじゅ「何ていうお茶?」
ツバサ「燕龍茶。キョウチクトウ科の羅布麻っていう植物よ。烏龍茶の烏はカラスで、燕龍茶のヤンはツバメ」
あんじゅ「へー。名前は似てるのに全然違う植物なのね…」
えれあん「…」ゴク
ツバサ「どう?」
あんじゅ「何ていうか…微妙な味ね」
英玲奈「茶葉ではないからか渋味や苦味もないが…漢方のようだな」
ツバサ「そう。中国で唯一、お茶として飲むだけで薬効が認められているのがヤンロン茶なの」
あんじゅ「実質お薬ってこと?…そう言われたら納得できる味って気はするけど」
ツバサ「カルシウム、マグネシウム、鉄などミネラル分を多く含んでて体にいいのよ」
英玲奈「特別不味くはないから飲み続けるのは簡単かもしれないが…」
あんじゅ「ティータイムの主役にするほど美味しくもないわね」
ツバサ「むむむ…じゃあ、次はこれよ。杜仲茶!」
あんじゅ「ああ、それなら有名ね」
英玲奈「…といっても紙パックの商品しか飲んだことはないが」
あんじゅ「私もリーフで淹れたことはないわね」
ツバサ「その名のとおり、杜仲の葉を煎じたお茶!杜仲はいわゆるゴムの木の一種よ」
あんじゅ「ゴムの成分を飲むってこと…?」
ツバサ「葉にもグッタペルカは含まれるから成分を摂取することになるわね。苦味成分がそれじゃないかしら?でも体にいいのよ」
英玲奈「さっきのヤンロンよりは“お茶”らしい感じはするな」
あんじゅ「うーん。でもやっぱり茶の木の葉に比べて美味しくないわ。これだったら烏龍茶のほうがいいわよ」
ツバサ「あら、そう。じゃあ次はプーアル」
あんじゅ「ちょ、ちょっと待って。そんなに一度にいろいろ飲めないわよ」
英玲奈「うむ。お菓子が複数あるのはいいが、お茶を三種類も四種類も飲むのはな…それぞれ健康には良いのかもしれないが、水分の摂りすぎだ」
あんじゅ「それに私はやっぱり紅茶の香りが好き。いい香りでリラックスしたり、気分がよくなるでしょ。そういう香りの効能も大事だと思うわ」
英玲奈「私も、和菓子にはやはり日本茶の香りが欲しい。上品で高級感があり、また慣れ親しんだ安心感や爽快感がある。新しい畳の香りと通じるものがあるかもしれない」
ツバサ「なるほど。香りか…確かに香りだけで考えたら、私も紅茶や日本茶のほうが好きかも」
あんじゅ「さらに紅茶ならレモンの香りをプラスしてもいいし。やっぱり紅茶が一番よ♪」
英玲奈「むしろレモンやミルク等に頼らなくても飲みやすく香りも良い日本茶こそ王道だ」
あんじゅ「紅茶なら同じ銘柄でもストレート、レモンだけ、砂糖だけ、レモンと砂糖、ミルクティーまでいろんな楽しみ方ができるわよ。日本茶には無い魅力でしょ?」
ツバサ「あはは…まあ、好みは人それぞれってことね」
ツバサ(たとえば…ハーブティーのティーバッグなら、ポプリみたいに持ち歩くのもありかも)
ツバサ(だけど、基本的にはお茶の香りは飲むときだけで、普段から身につけるものじゃないわよね)
シュッ
ツバサ「…うーん」
あんじゅ「ツバサ?…どうしたの?」
ツバサ「たとえば、この制汗スプレー」
あんじゅ「レモンみたいな香りね。いいんじゃない?」
ツバサ「これに好きなお茶の香りがついてたら…どうかしら?」
あんじゅ「んー。まあ悪くはないかもしれないけど、好んで飲む物と制汗スプレーが同じ香りっていうのは、なんだか微妙ね」
英玲奈「そうだな。それに肯定的な人が多ければ、もっと昔からお茶の香りの商品がたくさんあってもおかしくないはずだ」
ツバサ「そうよね…ってことは、抵抗ある人が多いのかしら」
あんじゅ「そりゃそうでしょ。焼肉が大好きで焼肉の匂いも好きな人だとしても、食べてもいないのに体に焼肉の匂いをつけて過ごしたいと思うかどうかは別の話よ」
ツバサ「そ、そーね…食欲に直結した香りとそれ以外は分けて考えるのが普通ってことね」
英玲奈「だが逆に、食べないが食品との相性も良い香りもあると思わないか?」
あんじゅ「食べられない物の香りで食べ物に合う物?」
英玲奈「食べられない物というわけではないが…パンダが食べるし、そこまで育つ前は私たちも食べる」
ツバサ「パンダが食べるのは…竹?」
あんじゅ「…なるほど。タケノコなら私たちも普通に食べるし…」
ツバサ「おむすびを竹の皮で包んだり、竹串や竹ようじも使うわね」
英玲奈「ああ。爽やかで不快感のない竹の香りは食べ物との相性もいい」
あんじゅ「そういえば、ちょっと前にパンダの赤ちゃんが生まれてニュースになってたわね」
ツバサ「小っちゃくて可愛いわよね♪…まだちょっとパンダなのか何なのかわからない姿だけど…」
あんじゅ「いや、パンダでしょ?」
英玲奈「生まれて間もない頃は親と似ても似つかないということだな。竹とタケノコもそうだが」
ツバサ「あ!竹といえば、もうすぐ七夕じゃない!」
あんじゅ「七夕?…どこかのお祭りでも行くの?」
英玲奈「浅草の七夕まつりは明日から始まるようだが」
ツバサ「それもいいんだけど、七夕といえば短冊に願いごとを書いて吊すのが定番でしょ?」
あんじゅ「それって…なんか小学生みたいね」クス
英玲奈「まあ、神社などで大人もそれをやるところもあるようだが…絵馬とあまり変わらないな」
ツバサ「絵馬と違って七夕の時期にしかできないんだし、ご利益ありそうな気がしない?」
あんじゅ「ご利益ねえ…東京で七月七日に天の川が見えるところなんてほぼないと思うけど」
英玲奈「それは仕方ない。本来、七夕は旧暦七月七日の行事だし、新暦の七月七日は梅雨に当たることが多いからな…だが神田明神でも七月七日に七夕祭があるぞ」
あんじゅ「神田明神のは縁結びの“成就祭”でしょ?…英玲奈、誰か相手がいるの?」
英玲奈「ツバサがいるぞ」ポ
ツバサ「い、いや私たちはアイドルよ!縁結びは無し!」
あんじゅ「今、どうしても叶えたい願いごとがあるとしたら…」
ツバサ「もちろん、ラブライブ優勝よ!」
英玲奈「それに関して神頼み…というか星頼みが必要とは思わないが」
あんじゅ「そうね。実力で優勝できるし」
ツバサ「おごれる人も久しからず、よ!念には念を入れなくちゃ」
英玲奈「だが、どこに短冊を吊すつもりだ?」
ツバサ「もちろん、竹でしょ?」
あんじゅ「竹なんてないわよ」
ツバサ「採りに行きましょ!」
英玲奈「どこへ行く気だ。パンダがいる動物園か?」
ツバサ「えーと…あんじゅ。竹ってどこにあるの?」
あんじゅ「私に訊かれても…じゃあ、七夕まつりをやる神社にでも行く?」
【神田明神】
ツバサ「ここって神田明神じゃない!…あんじゅ、まさか縁結びの相手がいるの!?」
あんじゅ「んー。…まあ、いるといえばいる…かしら♪」
英玲奈「ほう。それは興味深い…」
ツバサ「ちょっとー!私たちはアイドルなんだからね><」
あんじゅ「あ、いたいた…希ちゃーん!」
希「あんじゅ?…と、誰やろ?」
ツバサ「巫女さんと知り合いなの?」
英玲奈「のぞみちゃん、と呼んでいたな」
希「こんにちは。参拝ですか?」
あんじゅ「ちょっと希ちゃんに訊きたいことがあって…」
希「うん。何?」
あんじゅ「希ちゃん、彼女はいるの?」
希「い、いや居ないけど…そんなこと聞きに来たん?」
あんじゅ「じゃあ私と結k」
ツバサ「こらこら。竹のこと聞きに来たんでしょ!」
希「たけのこ?」
英玲奈「タケノコではなく竹が欲しいんだ。七夕の飾りに使うような物だな」
希「なるほど。そういえばもうすぐ七夕やんな」
ツバサ「ええ。竹ってどこにあるかしら?」
【七月六日・都内某所】
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1499345450/27
亜里沙「えーと…持って帰るんだから、あんまり大きいのはダメかなぁ」
希「枝をちょっと切り取って持って行けばいいんやない?」
亜里沙「切り取って…でも、道具が何もないです」シュン
「フフフ…お困りのようね」
「竹を切るための道具が必要なら…」
「私たちが持ってるわ!」
亜里沙「だ、誰ですか!?」
花陽「ああっ!?…そ、そんな…まさか」プルプル
英玲奈「統堂英玲奈」
あんじゅ「優木あんじゅ」
ツバサ「綺羅ツバサよ!」
希「いや、来ることは決まってたんやしそんな大袈裟に登場せんでも…」
花陽「あ、A-RISE…まさか、こんなところで会えるなんて」キラキラ
亜里沙「絢瀬亜里沙です。…あの、道具を貸してくれるんですか?」
あんじゅ「うふふ。どうぞ…と言いたいところだけど」
ツバサ「私たちにも必要な道具だからね」
英玲奈「タダで渡すわけにはいかないな」
希「えぇ…それやったら使った後で貸してくれたらいいやん?」
ツバサ「そうね…では、こういうのはどうかしら?…あなたたち三人と、私たち三人で勝負をするの」
花陽「わ、私たちが…A-RISEと勝負!?」
ツバサ「そうよ。何で勝負するかは、あなたたちが決めていいわ」
希「ウチらが、あんじゅ達に勝てそうなことかぁ…何やろ?」
亜里沙「じゃ、じゃあ…缶けり」
のぞぱな「缶けり!?」
英玲奈「ほう。缶けりで私たちに勝つ自信があるというのか?…面白い」
あんじゅ「本気?…でも缶けりなんて、ここじゃできないわよ」
ツバサ「じゃあ場所を変えましょ。その勝負、受けて立つわ!」 【音ノ木坂】
花陽「学校でやるんだ…ここなら隠れる場所もたくさんあるけど…」
亜里沙「缶は、これを使います。いいですか?」
希「おでんの空き缶?…そんなのどこから持ってきたん?」
亜里沙「…えへへ」
英玲奈「手の内は明かさない、か。フフフ…賢明な判断だ」
希「い、いや、別にそこまでのことでもないやろ?」
あんじゅ「ふふっ。手加減して勝てる相手じゃなさそうね…」
希「いやいや、こっちは一年生に中学生までいるんやし少しは手加減してよ…」
ツバサ「それなら最初は私が鬼ということで…どうかしら?」
花陽「えーと…三対三のチームなんですか?」
ツバサ「んー。基本的には鬼とそれ以外でしょ。何だったら、あんじゅと英玲奈もあなたたちのチームでいいわよ」
英玲奈「ツバサ…さすがにそれではツバサが圧倒的に不利だろう?」
ツバサ「そうかしら?何人いても私が見つけたら減っていくだけだし、缶を蹴られなければ私の勝ちでしょ?」
あんじゅ「自信があるってことね。面白いじゃない」
えれあんツバ「フフフフ…」
希(な、なんだか勝手に盛り上がってるなぁ)
希「ほな、いくよー!」カコン
英玲奈「よし。隠れるぞ」
花陽「は、はい」ドキドキ
ドタバタ…
ツバサ(さて…缶を蹴られないためには、近い順に隠れられそうな場所を探していくのが基本よね)
ツバサ(英玲奈、あんじゅ、巫女さんの三人は簡単に見つかるような場所には隠れないでしょうし…残りの二人から探すことになるかしら?)
【中庭】
花陽(あ、あんじゅが目の前に…)
あんじゅ「ツバサが来るわ。動いちゃダメよ」ギュ
花陽「は、はい///」ドキドキ
あんじゅ「あら?…あなた、意外と…」ムギュ
花陽「ピャァ!?…な、何を」
あんじゅ「しーっ。見つかっちゃう」
ツバサ「中庭の木の陰に、あんじゅ!…と、一年生…えーと」
花陽「小泉、花陽…です」
ツバサ「あんじゅと小泉さん!」
あんじゅ「あー!もう…名乗らなければ呼ばれなかったのに」
花陽「で、でもそれだとズルいんじゃ…」
あんじゅ「始める前に名前を聞かなかったツバサのミスでしょ?」
花陽(苗字だけでもツバサさんに呼んでもらえた///)
ツバサ「とにかく二人は見つけたからね!これで残りは三人♪」
【アルパカ小屋】
あんじゅ「これがアルパカ…?」
花陽「は、はい。夏は毛を刈らないといけないので…」
あんじゅ「そうなんだ…毛のボリュームがあるだけで体はずいぶん細いのね」
アルパカ「メ゙ェ♪」ドヤァ
英玲奈(…隠れる場所を誤ったかな。獣くさい…)
あんじゅ「花陽ちゃんがお世話してるの?」
花陽「はい。動物とか好きだし、飼育委員なので…」
あんじゅ「へー。でも学校にアルパカがいるって珍しいわよね♪」
英玲奈(どうして鬼に見つかった二人がここで雑談してるんだ…)
【弓道場】
海未「…副会長?…何してるんですか?」
希(な、名前を呼ばれなければ…ウチが“副会長”やってあの子が知らなければ大丈夫やろ)
海未「もしかして…隠れてるんですか?」
希(その通りや。ウチに構わんといて)シーッ
ツバサ「弓道場に“副会長”さん♪」
希「ちょっ…それはズルくない!?」
ツバサ「これであと二人ね」
タタタ…
英玲奈(今のうちに缶を…)
ツバサ「させないわ!」
英玲奈「!(…しまった)」
ツバサ(一番手強い英玲奈さえ捕まえれば…先に缶を踏んで名前を呼べば私の勝ちよ!)
亜里沙「Хорошо!」カコン
ツバサ「ああっ!?…英玲奈は囮だったの!?」
英玲奈「相談はしていないぞ。偶然だ」
亜里沙「やったぁ♪亜里沙の勝ちですよね?」
ツバサ「負けたわ…」ガクッ
あんじゅ「へー。やるわね…」
希「亜里沙ちゃん、缶けりの経験があったん?」
亜里沙「あるような、ないような…エヘヘ」
花陽「ということは…ツバサさんが持ってる道具を借りられるんですよね?」
ツバサ「ええ。約束だから…はい」
希「へ?…なにこれ?」
ツバサ「ラップの箱についてるギザギザのやつ」
希「いやいやいや!こんなんで竹は切れないやろ!?」
ツバサ「あら。あなたは試してみたことがあるの?」
希「あるわけないやん?…でも無理やと思うよ」
亜里沙「Хорошо…」
英玲奈「こんなこともあろうかと…私も道具を持ってきたんだ」
あんじゅ「私たちと勝負して勝ったら、別の道具を貸してあげる♪」
希「はぁ…仕方ない。次はウチが決めていい?」
ツバサ「どうぞ」
【調理室】
花陽「ここへ来たということは…」
希「お料理で勝負や!」
あんじゅ「ふーん。それなら私が相手になるわ」
英玲奈「ツバサでは相手にならないからな」
ツバサ「そ、そんなことないわよ。私だってサラダと冷奴を作らせたら」
あんじゅ「はいはい。いいから私に任せて」
亜里沙「お料理…楽しみ♪」ワクワク
希「明日、七月七日は冷し中華の日、たけのこの日、そして乾麺デーや」
フミコ「というわけで…冷し中華、たけのこ、乾麺のどれかを使った料理で勝負とします!」
亜里沙(テレビで見たことある♪)
あんじゅ(んー。乾麺で作るタケノコ入り冷し中華?…でも、全部使えばいいってものじゃないわよね)
グツグツ…
あんじゅ(無難なところで…これかな♪)ザッ
あんじゅ「塩入れるわよ。せーのっ」
えれあんツバ「はっ゙かっ゙たっ゙の゙↑しお゙↓」
バサー
花陽「さ、さすがA-RISE…息ぴったりですっ」
あんじゅ「タケノコを刻んで…」トトトトン
ジュー ガシャシャ
あんじゅ「市販のソースに加えて炒め合わせれば」
チャッチャ
あんじゅ「ん、完璧♪」
あんじゅ「できたわ!タケノコ入りミートソースのスパゲッティ♪」
ツバフミぱな「おぉー!」
英玲奈「シンプルだが王道…それでいて新しい物を取り入れている」
亜里沙「美味しそう♪」
希「ウチもできたよ。乾麺とタケノコを使った冷し中華風おうどんさんや!」
あんじゅ「えぇ…(ホントに全部使ってる…)」
ツバサ「へー。うどんの乾麺なんてあるのね…」
フミコ「乾麺はゆでるのに時間かかるし、そのまま使えるゆでうどんが安く買えるからついそっちを買っちゃうんですよねー」
のぞえれあんツバフミありぱな「いただきます♪」
trtr
ツバサ「ミートソース美味しい♪」モグモグ
フミコ「冷し中華風うどんもなかなか…」モグモグ
英玲奈「これは甲乙つけ難いな」モグモグ
花陽(でも…フミコ先輩が加われば七人。作った二人を除いても五人だから、全員がどちらか選べば勝負は決まる…!)
のぞありえれあんツバことフミぱな「ごちそうさまでした♪」
亜里沙「美味しかったー♪」
希「さあ、判定は…?」
フミコ「3対3で、ドロー!」
えれあんツバのぞありぱな「えっ」
ツバサ「人数は奇数のはずじゃ…」
ことり「これで八人♪」
花陽「あ。ことり先輩いたんだ…」
ことり「私もお料理研究部だもん」
英玲奈「むう…引き分けか」
亜里沙「じゃあ道具は借りられない…?」シュン
あんじゅ「そんなことないわよ。負けなければ勝ちと一緒だし…希ちゃんの料理、美味しかったから。はい、どうぞ♪」
花陽「えーと…これって」
あんじゅ「ええ。爪切りよ」
希「いやいやいや!こんなんでどうやったら竹が切れるん!?」
あんじゅ「え?…竹って爪より硬いの?」
フミコ「硬さの問題じゃなくて太さが…爪切りってその隙間に挟めないものは切れないですよね?」
あんじゅ「あら、そう」
希「ちなみに、他に刃物は?」
あんじゅ「ないわよ。危険な物は持ち歩かないわ。アイドルだもの♪」
ことり(爪切りだったら、調理室の刃物を借りたほうがマシな気がする…)
英玲奈「フッ…どうやら私の出番のようだな」
花陽「じゃ、じゃあ私が決めていいですか?」
英玲奈「ああ。勝負の方法は君に任せよう」
花陽「紙飛行機…で、どうですか?」
のぞあんツバ「紙飛行機!?」
花陽「制限時間内に紙だけで作れば、形や大きさは自由。完成したら飛ばして飛距離を競います」
英玲奈「ほう…面白い。いいだろう。受けて立つ」
希(花陽ちゃんの折り紙は全米がびっくりするほどの腕前…あれならA-RISEにも勝てる!)
オリオリ
英玲奈(紙飛行機など随分久しぶりだ。童心にかえるようだな…)シミジミ
英玲奈「よし。できたぞ…これならよく飛びそうだ」
あんじゅ「花陽ちゃんは…?」
亜里沙「もう時間が…」
花陽「で、できました!」ドーン
のぞありえれあんツバ「!?」
ツバサ「ちょ、ちょっと…本物の飛行機なんて反則でしょ!?」
英玲奈「どうやってグラウンドに…いや、まさか」
花陽「は、はい。これ…折り紙です」
希「うそやろ!?」
亜里沙「Хорошо!」
ことり「確かに紙でできてるみたい…だけど」
英玲奈「だが、その大きさでは…紙だけなら動力源も無いし飛ばないだろう?」
花陽「だ、大丈夫です。折り紙ですから…見た目より軽いし、思いっきり投げれば…あっ」コケッ
ドサ
花陽「」
亜里沙「は、花陽さん!?」
花陽「ううう…ごめんなさい」シクシク
希「ま、まあ…みんながびっくりする凄い紙飛行機やったと思うよ」
ことり「女の子が一人で飛ばすのはちょっと無理だけど…」
フミコ「竹を切る道具かぁ…調理室の包丁とかじゃ危ないよね?」
ことり「んー。…あ、そうだ」
【都内某所・竹林】
海未「キエエエエイ!」ブンッ
メキメキ…ズシャァ
花陽「な、何が起きたの…!?」
希「手刀で竹を切った…ように見えたけど」
海未「これは“勁”と呼ばれる、古代中国から伝わる最も効果的な力の使い方です。言わば、手ではなく“力”そのもので竹を切りました」
亜里沙「Хорошо」
ことり「よくわかんないけど、やっぱりすごい…」
海未「さ、どうぞ」
亜里沙「海未さん…ありがとうございます♪」
海未「あなた方も…竹が必要なのでしょう?」
ツバサ「え、ええ。ありがとう…」
英玲奈「私のマチ針は必要なかったな」
海未「どこのアリエッティですか…それで竹を切るのは私でも難しいですよ」
あんじゅ「難しい…?」
ツバサ「ま、まあ…とりあえず竹も手に入ったし、帰りましょ」
花陽(ジャンボ紙飛行機にA-RISEの三人がサイン書いてくれて、記念撮影もしたよ♪)
【七月七日】
ツバサ「みんな!短冊は準備できた!?」
あんじゅ「張り切ってるわねー」
英玲奈「フッ…激しい戦いの末、勝ち取った竹だ。それだけの価値がある」
あんじゅ「1勝1敗1分だけどね。竹も結局、園田さんに切ってもらったし…」
ツバサ「もー。いつまでも過去を振り返ってないで、未来へ望みをつなぐのよ!」
英玲奈「まずラブライブ優勝は必須として…あとはそれぞれの個人的な願いごとかな」
あんじゅ(んー。希ちゃんも大好きだけど、花陽ちゃんも可愛かったし…園田さんも素敵よね♪)
ツバサ(背が伸びますように。髪を伸ばしても「誰?」って言われませんように。お料理が上達しますように。胸がry)カキカキ
英玲奈(私の願いごとか…やはり)チラ
あんじゅ「何書いたの?ちょっと見せてよ♪」
ツバサ「だーめ!お星さまへのお願いなんだから、星が出て、見えなくなるまでは人に見せちゃダメなの」
あんじゅ「そういうものなの?…でも、どのみち東京で七月七日に天の川なんてまず見えないと思うけど」
ツバサ「私たちの歌で雲を追い払って、星を呼ぶのよ!」
英玲奈(相変わらず無茶なことを言う…だが、この二人と一緒なら何でもできると思える。…だから)
サラサラ…
『いつまでも三人で 英玲奈』
おわり
こいつガイジ過ぎて本当に怖いわ…
過去作貼りへの執着の仕方がマジで頭おかしいしそれが原因で叩かれてんのに聞こえないふりだし…
完璧に精神疾患だよな
>>30
合計24レス以内に終わってもコレだもんね