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深夜の秋葉原,大通りから2,3本外れた裏路地。
───ザアァ
その上空では不自然に雨雲が集まり、
ビルの間では雨が音を立てて激しく降っていた。
「このっ…」キィンッ
単調に降り続ける雨の中で、暗闇に紛れ不規則に動く二つの人影。そこからは刃物がぶつかり合うような音が聞こえる。
「当たらないわぁ」ザッ
「はあぁっ!」
夜道のアスファルトは雨水に濡れ、
道端に出来た水溜まりの波紋は、微かな街頭の光によって広がっていく様を照らし出される。
「…その程度なの?」シュッ
「こいつっ…」バシャッ
暴力的な雨音に混じり、水場を踏む足音がかすかに聞こえる。
「…そろそろ良いかしら」
「は…何が?」
そう問う、雨水にぬれた猫耳を付けた女と対峙しているのは、水色の仮面をつけたブロンドの少女。
離れては近づき何度も切り合う。
一息もつけない攻防の中で、
「…終わらせてあげる」ピチャ…
仮面をつけた少女はしびれを切らしたのか、腰をかがめて水たまりへと手をついた。
コオォォ…──────
地面についた手を中心にし、一瞬にして地表が冷気で包まれていく。
その瞬間、違和感を感じた猫女は即座に身を引くが
目線を下におろすと両足は氷で固定され動かなくなっていた。
「…ッく」
「もう一回チャンスをあげる、」
「…………死にたいの?……さっさと答えなさい」
「う……」
「……じ……い」
「?…よく聞こえないのだけれど」
ザァという雨音にかき消され、
消え入るような声は聞き取ることができない。
「もう少しはっきり喋ってくれないかしら」
「…私じゃ…ない」
「そう…」サ
振りかぶった仮面女の指先から鋭く、凍った雨粒が放たれ、
「残念ね……」ヒュッ
それは散弾のように猫耳女の体へと向かう。
「うぁッ…」ビシビシ
避けることは出来ずに、飛んでいく氷塊は猫女に直撃し、血飛沫を上げながらそのまま後ろへバタリと倒れる…
「…無駄足だったわね」
この天候では血が止まることもないだろう。
相手が倒れたのを確認し、仮面女はそこから立ち去ろうとする。
「…」テク…
「」ニヤ
しかしその背後に猛スピードで駆け、迫り来るもう一つの人影。
「…」タタッ
その影は。長く、鋭利な返しのついた即死級の爪を携えていた。走る勢いのまま、その爪を背後から突き刺そうとする。
「」ザッ
「疲れたわね…」ポケ-
走り寄る陰に、少女は気が抜けて気づかず。
「(死ね)」タッタッ…ダンッ
振りかぶって、その爪が背中に突き刺さる直前、!
────ブワッ
進む襲撃者に、左へわずかな突風が吹いた。
「(風が?)」
吹き飛ぶ程ではないがよろめき、その影は体勢を崩して、足下に僅かな水音を立てる。
「(クソッ…)」バシャァ…
(…水音)
「…他にもいたのね」ブンッ
すぐに仮面女は相手が姿勢を崩した所へ、振り向く勢いを利用し、かかと蹴りをかます。
「!がァッ…」
それは見事こめかみへとクリーンヒットし、受け身もとれずに襲撃者は横へと倒れ。
撃沈。
「…」
不意の攻撃にとっさに気付いたことに感謝し、仮面の女は今度こそ休息をとる。
「ふぅ……」
…しばらくすると今まで降っていた大量の雨粒が段々とその数を減らしていき、
パラ…パラ…………
雨雲は完全に消えた。
…………ピチャ……
すると
路地の暗い横道から、暗闇から溶け出てくるようにロングツインテールの少女がぼんやりとその姿を現した。
「なぁ…ちょっと油断しすぎやん?」スッ…
「…またやっちゃったわよ」
「ん…まぁ、うちがカバーできるし気にしなくていいんよ」
「ありがと、今度から気を付けるわ…」
「…ねぇ」
「前から思ってたんやけど、うちらが別にこんなことやらなくてもいいんやない?」
「…」
「勝手にやってるだけだし、私は貴方に協力してなんて言ってないわよ?」
「いやいや、危なっかしくて見てられんよ。毎回ハラハラするし、うちがいないと厳しいんやない?」
「……まぁ、それはそうなのだけれど、」
「あーそんな顔せんといてよ。止めるっていうまでうちは協力するから、死なんといてな?」
「…そうね」
そう呟きながら顔につけていた仮面を外す、、、
その水色の仮面は顔の前面を覆い、
両目の辺りには黒く、両端がとがった横長の楕円形がふたつ。
口の辺りには不気味な笑みを貼り付けていた。
「あと、毎回思うんやけどその仮面付ける意味あるん?」
「…気休めよ」
第1話「叶え!私たちの夢──」
穂乃果「いやー、今日もパンがうまいっ」ハムッ
ことり「…あっ、それ昨日のニュースで特集されてたパン?」
穂乃果の「おおっ良く分かったね。あの後、直ぐ買いに行ったんだよ!」
海未「…行動力が凄いですね」
ことり「でもさ、そのあとのニュース怖くなかった?」
穂乃果「パン買いに行ってたから分かんないや」ハハ
海未「あの事件のことですか…こんどは秋葉原で起きたらしいですね」
ことり「まだ犯人捕まってないって」
穂乃果「あー、そうらしいね〜」モグモグ
海未「穂乃果も用心してくださいよ、どこにいるのか分からないんですから」
穂乃果「でもさ、周りで事件とか起きたら少し嬉しいかも」モグモグ
海未「ちょっと!歩きながらパン食べないでください」ゲシッ
海未「それに不謹慎過ぎます」
穂乃果「えぇー」
ことり「なんでそう思ったの?」
穂乃果「だってさー、能力があるのに使えないって言うのはなんか勿体ない気がするんだよね」
海未「勿体ないからと言って使うものではありません。」
穂乃果「暇だしなにか起こんないかなー」
穂乃果「能力、……海未ちゃんはいいよね、身体能力上昇と五感も上がるんだっけ?」
ことり「穂乃果ちゃんの能力も悪くないとおもうけどな」
ことり「でもスポーツとかに使えるのはいいよねー」
海未「度々いってますがスポーツ、武道に能力を使ったことはありません」
穂乃果「使っちゃえばいいのにぃ」
ことり「ことりは結構羨ましいかも」
海未「能力なんてあってもいいことなんてありませんよ、疲れるだけです」
穂乃果「持ってるからそんなこと言えるんだよ、いいなー」
ことり「…何か廊下に人集まってない?」
ザワザワ
海未「行ってみましょうか」
穂乃果「事件?事件?」
《廃校=t ババン
穂乃果「えーっ!音ノ木が廃校?!」
ことり「!…そうみたいだね」
海未「……なぜでしょうか?」
穂乃果「こういう事件は求めてなかったよ…」ズーン
海未「ことりはなにか知っていますか?」
ことり「ことりも今知ったばかりで詳しいことはわからないの…」
海未「…そうですか」ウーム
穂乃果「ことりちゃん、お母さんに会ったら聞いてみてくれる?」
ことり「うんっ聞いてみるね」
絵里「ねぇ、」ズイッ
ことり「ピイィッ」ビクッ
絵里「…ことりさん」
希「こんにちは」
穂乃果「生徒会長…と、副会長も?」
絵里「理事長からなにか言われてない?」
ことり「いまその話をしてたところで……」
ことり「わたしは廃校に関してなにも言われてないです」
絵里「そう…。」
絵里「希…行くわよ」
希「…ほなな〜」
穂乃果「ただいまー…」
雪穂「どうしたの?お姉ちゃん元気ないね、いつもならうるさい位なのに」
穂乃果「学校が廃校になっちゃうんだって」
雪穂「それまた急だね」
穂乃果「そうなんだよ〜、このまま音ノ木残ると思ってたのにー!」
雪穂「それは残念だったね、おねえちゃん」
穂乃果「えー、雪穂意外とあっさりしてない?」
雪穂「そうかなー」
雪穂「でも、ここら辺だと生徒数も同じくらいでUTXか音ノ木だし迷わなくてよかったかも」ナハハ
穂乃果「雪穂ひどいよーっ!」
雪穂「案外そういうもんでしょ」
穂乃果「えーっそうなのかな…」
雪穂「…まぁまぁ、急だしなにか変わるかもよ?ゆっくり考えようよ、ほら理由もわかってないし座ったら?」
穂乃果「ありがと、優しいね」ストン
雪穂「そうかな?」
穂乃果「…ところで今見てるの何?」
雪穂「…切り替え早いね、これは今流行ってる探偵物のドラマ」
雪穂「見てみると意外と面白いんだよ」
穂乃果「へー」
テレビ ハンニンハオマエダーッ
穂乃果「……」ボー
穂乃果「…廃校かぁ」
穂乃果「……」 ブーッブーッブーッ
穂乃果「あっ…スマホかな」
穂乃果「どこだっけ、あった!」ピッ
穂乃果「はい、…ことりちゃん?なになに?、……あっ忘れてた…それで?」
穂乃果「…聞いても教えてくれない?………ことりちゃんのお母さんも落ち込んでるのか、…聞きずらいよね、…ごめんね、…はーい…ありがと」
雪穂「ことりさんから?」
穂乃果「うん、なんで廃校になるのか聞いてたんだけど分かんないって」
雪穂「そっかー」
穂乃果「…理由があってさ、それを止めれば廃校中止あり得るんだよね?」
雪穂「私に聞かないでよ、知るわけないじゃん」
穂乃果「それもそうだよね、また明日いろんな人に聞いてみようかな」ノビーッ
テレビ なんだと?陰謀なんて…
穂乃果「…」
穂乃果「……ん?」
穂乃果「そうだっ!これだよ!!陰謀だよっ!!!」
雪穂「…は?お姉ちゃん、漫画の見すぎじゃない?」
穂乃果「絶対何かあったんだ!」
雪穂「ねぇ、いつからお姉ちゃんは陰謀論者になったの?あの理事長さんがそんなことするわけないじゃん」
穂乃果「ことりちゃんのお母さんがしないのはわかってるよ!周りの人が仕向けたんだよ廃校に!!」
雪穂「お姉ちゃんもう高校二年生でしょ?そういうの止めて、中二病乙」
穂乃果「ひどいなーっ、理由教えてくれないとか、絶対ことりちゃんのお母さん困ってるよ〜」
雪穂「そういうのを無理矢理陰謀とかに結びつけるからだめなんだよ、他にもいろいろあるかもしれないじゃん」
雪穂「…聞いてる?」チラ
穂乃果「陰謀だよっ!絶対陰謀だよっ!!」ワクワク
雪穂「はぁ、もう勝手にすれば?」
穂乃果「…生徒数も同じくらいだし、UTXと音ノ木ちょっとライバル関係?…、怪しい……」
雪穂「!…ねぇ、お姉ちゃんっ」
穂乃果「色々調べてくるっ」ドタドタ
雪穂「…行っちゃったよ、」
────────
穂乃果「ネットだけで調べても、って思ったからUTXに来てみたけど…」
穂乃果「実際に見ると建物とか本当に立派だねっ!」
穂乃果「校舎の前に大きいモニターもあるし、この建物…何階くらいまであるんだろう」ポケー
穂乃果「でも…何かここら辺落ち着かないっていうか……」ザワザワ
穂乃果「…うーん。怪しい?」
穂乃果(…皆モニターすっごい見てるけど、どうしたんだろう)キョロ
─────What’cha do what’cha do?
穂乃果「…スッゴく格好良いじゃん!」
キャー キャー ツバササーン
穂乃果「人気も凄いなー、格好いいし可愛いもん当たり前か。…!…穂乃果もアイドルとかやってみるのは!?」
キャー エレナサン- アンジュサンモ- キャー
??「ちょっと!あんた達騙されてるんじゃないわよ!」
ダレー?アノヒト
??「アイドルなんかにかまけて…、さっさと帰りなさい!」
ナニイッテルノー? ワカンナーイ
??「うっるさいわねー!」
穂乃果(頭に何か被ってる人が喚いてるんだけど…)
??「…だ か らー!」
穂乃果「あのー……」(マスクも、サングラスもしてるし…)
??「何?、忙がしいんだけど!」クル
穂乃果「なんでそんな事、皆に言うんですか?」
??「ふーん…聞きたいの?」ズイ
穂乃果「え?ま、まぁ」(アルミホイル頭に被ってたんだね…この人…)
??「……良い?、A-RISEってどこの学校所属か知ってるわよね?」
穂乃果「確か……UTXですよね」
??「そうよっ!!」クワッ
穂乃果「!うわっ」ビク
??「それで、私が独自に調べたところ…A-RISEとUTXには色々な噂がある!!」ババン
穂乃果(ヤバそうな人だなぁ…、っていうかこの人。音ノ木の制服きてんじゃん…)
??「!あっあんたも音ノ木じゃない、そうね……」
穂乃果「…?」
??「…じゃあ、今の音ノ木の生徒数とUTXの生徒数。どっちが多いと思う?」
穂乃果「…UTX?」
??「っ違うわ!」
穂乃果「じゃあ音ノ木なの?」
??「そうよ。今まではUTXの方が多かったけど、最近、音ノ木が抜いたわ」
穂乃果「へぇーっ凄いじゃん!」
??「でも、よく考えて…音ノ木が廃校になるわよね?」
穂乃果「…あっ」
??「…気付いた?ほら、おかしいでしょ?」
穂乃果「…生徒数が抜かれたから、まさか…UTXは音ノ木坂学院を…」ガクガク
??「…そう」
穂乃果「廃校に…!」ガクッ
??「ええ、これは陰謀よ…」
穂乃果「…やっぱり!」
第2話「能力者を見つけよう!」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃんおはよう!」
海未「おはようございます」
ことり「おはよう、穂乃果ちゃん今日は早いね♪」
海未「てっきり今日も少し遅れてくるのかと思いましたが、どうかしたのですか?」
穂乃果「穂乃果そんなにおくれてた〜?」
海未「はい、ほぼ毎日」
穂乃果「…う〜ん、ってそれより廃校する理由がわかったんだよ!」
ことり「ことりでもわからなかったのに?」
穂乃果「うんっ」
海未「本当なら理由を早く聞かせてほしいです」
穂乃果「陰謀だよ!!」ドンッ
海未「…はい?」
ことり「それはちょっと…」
穂乃果「廃校の原因は絶対に、ちゃんとしたものじゃないよ!」
海未「真面目に聞いていたのですが、穂乃果に期待した私が愚かでした…」
海未「バカな話してないで行きますよ」スタスタ
穂乃果「ほんとうなんだってばー」ズリズリ
ことり「……そんな必死に…海未ちゃんちょっとだけきいてあげれば?」
海未「はぁ…一応聞いてあげますが、根拠は?」
穂乃果「話すね、ことりちゃんもわかると思うけど、お母さん落ち込んでたし理由も教えてくれなかったんでしょ?」
穂乃果「それに、知っちゃったんだ。UTXと音ノ木、生徒数が昔は音ノ木の方が少なかったけど段々増えてきてるんだって」
海未「?…それが陰謀に繋がるのですか?妄想甚だしいです。」
海未「生徒数がUTXを抜いたのは、今回たまたまですよ?相手はアイドルグループA-RISEも有るんですし、次は抜かれますよ。」
穂乃果「えー、でもぉ〜」
海未「生徒数ごときでUTXが陰謀を企てると?あり得ませんよ」
ことり「UTXは生徒少なくてもやっていけそうだしね…」
ことり「穂乃果ちゃんちょっと考えすぎかな〜?…」
穂乃果「ことりちゃんまで〜。」
穂乃果「じゃあ、今日ことりちゃんのお母さんに会わせてよ!
ことり「なんで?」
穂乃果「直接穂乃果が聞くから、それを二人とも見て決めて?廃校の理由が真っ当か…」
海未「フフっ…」
海未「…まぁそれで目を覚ましてくれるのなら良いでしょう」
ことり「うん、そうだねっ」
穂乃果「失礼します」ガチャ
親鳥「…どうぞ穂乃果さん、何かありましたか」
穂乃果「廃校になる理由は?」
海未(いきなり聞きましたね)
親鳥「廃校はまだ、仮の段階ですよ?それに今は諸々の理由で話せません」
ことり(まぁ予想はしてたけど)
穂乃果「なぜ今話せないんですか?」
親鳥「色々な事情があるんです」
穂乃果「いつ頃理由は教えてもらえるんでしょうか」
親鳥「いつになるとかは言えませんね」
穂乃果「いつかは教えてもらえますよね」ズイッ
親鳥「はい」
親鳥「それだけですか?出口はあちらですから」
穂乃果「何か言いづらい訳があるんですか?」
親鳥「しつこいですよ、私も忙しいので帰って頂けますか」
親鳥「…それではこれで」
穂乃果「はい、…ありがとうございました」ガチャ
穂乃果「ほらー海未ちゃん聞いた?理事長なんかピリピリしてて、ちゃんと答えてくれなかったもん」
ことり「…結局、教えてくれなかったね」
海未「うーん、、、穂乃果への受け答えは微妙でしたね…」
ことり「ピリピリしてるのは少しストレス溜まっちゃってるのかも」
ことり「最近夜遅くまで考え込んでる時とかあったし、」
海未「しかし…何かあるとしても、陰謀とまではいかないでしょう」
穂乃果「じゃあ、教えてくれないんだったら穂乃果たちで廃校を解決しちゃおうよっ」
ことり「え?いつかは教えてくれるとおもうよ?、それからでも良いんじゃないかな」
穂乃果「いつか教えてくれるって言ったって、その時には色々手遅れかもしれないじゃん」
海未「じゃあ、どうするのですか?」
穂乃果「……そうだね」
ことり「穂乃果ちゃん、どうするの?」
穂乃果「廃校は異能で阻止するんだよっ!」
海未「…はい?」
ことり「どういうことかな〜?」
穂乃果「そういう能力者を見つけて、廃校にならないように協力してもらえばいいんだっ」
海未「見つけて、協力してもらう??」
ことり「それはそれで時間がかかるようなー」
穂乃果「ことりちゃん忘れてるかも知れないけど、穂乃果はその人が能力者かどうか分かるんだ」
海未「…廃校に対して都合が良い能力者が見つかるなんてありえますかね?」
穂乃果「でね、一年生の入学式の時に、この中に絶対能力者がいるって感じたんだよっ!」
海未「聞いて下さいよ…」
海未「で、見つけて手伝ってもらうのですか?」
穂乃果「うん!」
海未「初対面の人に協力するとは思えませんが」
穂乃果「大丈夫だよ!」
ことり「穂乃果ちゃんが言ってると大丈夫な気がしてくるけど…」
海未「厳しいんじゃありませんか?」
穂乃果「…でも他にやれる事とか思い浮かばないし」
海未「…そうですか…」
海未「…じゃあ見つけたら言ってください、それまでは弓道部に出ています」
ことり「じゃあっ!ことりは家でお母さんのへや、少し調べて廃校について調べてみるね」
穂乃果(うーん、とりあえず校舎を歩き回ってみたけど)
穂乃果(何も感じないね)
穂乃果「…ピアノの音?」
穂乃果「ん、」ザワッ
穂乃果「…何かこっちにいる気がするっ!」ダッ
〜♪
穂乃果「ピアノの綺麗な音〜」
穂乃果「あっここ、音楽室かな?…おーい!」フリフリ
穂乃果「入るよー」ガラッ
真姫「…誰よあんた、いきなり」
穂乃果「…ねぇ、君能力者でしょ」
真姫「ヴぇぇッ、なんで分かるの?」
穂乃果「なんとなくねー」フフン
真姫「で、なんの用?」
穂乃果「あなたの能力を教えてほしいんだけど…」
真姫「はぁ?何も知らない人に教えるわけないじゃない」
穂乃果「…うーん、じゃあ友達になろうよ」
真姫「と、友達?」
穂乃果「そう、友達になって私に協力してほしいの」
真姫「まぁ、友達になってあげてもいいけど//。それで何に協力するの?」
矢澤は毒電波から頭を守ってるの?
どちらかと言えばまき散らす方だろうに
穂乃果「廃校の阻止」
真姫「!?結構な目標ね 。」
穂乃果「教えてほしいな〜」スリスリ
真姫「…///、でも私の能力が役に立つかは分からないわよ?」
穂乃果「なんで?」
真姫「能力がそういうのじゃないのよ」
穂乃果「教えてよ〜、もう友達なんだからっ!」ギュッ
真姫「///う〜、…まぁ見せてあげるわよ」
───
そう言うと、真姫は近くにあったノートから切れ端をちぎって指で摘まみ、穂乃果に注視するよう促す。
真姫「…」
すると小さな紙の断片は、真姫の指先に発生したソフトボール大の炎に包まれ、一瞬で黒い塵と化して消え去った。
その燃えカスは、開けていた窓から吹いた風によって流されていく…
真姫「ん…見た?」パラパラ
穂乃果「えっ?すごいよっ!」
真姫「…そういうものなのかしら、ちなみにあなたは?」
穂乃果「あなたはって?」
真姫「能力よ、私が見せたんだから教えなさい」
穂乃果「そうだね、穂乃果は衝撃波が出せるんだ。…あと、さっき見せたみたいに誰が能力者かたまに分かる」
真姫「私はそれに引っ掛かっちゃったのね、ついてないわ」
真姫「あと、…衝撃波を出せるってどういう意味?」
穂乃果「うーん、見せた方が早いかな?」
穂乃果「…じゃあ、いくよ!」
───
そう言うと、穂乃果は片手を広げて窓の外に向けた。
そうすると掲げられた手の平の前方には、平たい円錐形の歪みが形成される。
フォォ───
その半透明の歪みは、円錐形の先端を外側に向けて現れていた。
穂乃果「はっ!」
そう声を出すと、衝撃波はそのままの形で回転するように、風を切って手のひらから飛んでいく。
轟音を立てて放出された先には、中庭の大木。衝撃波が当たって大きく揺れると、その幹は木片を散らして、大きなクレーターを作っていた。
真姫(…かなりの威力ね、)
穂乃果「どう?」
真姫「ふーん、こういう能力の種類もあるのね。面白い…」
穂乃果「えへへー」
穂乃果「じゃあ、廃校阻止に協力してくれる?」
真姫「?…まだ急だし決められないわ、それに色々と能力者ってめんどくさいのよ?」
穂乃果「そうなの?」
真姫「そうよ!」
穂乃果「そっかー、じゃあまた決まったら教えてくれる?」
真姫「…まぁ、あまり返事は期待しないでね」
穂乃果「いいよ、いいよ気にしなくて、もう友達なんだから」
真姫「…友達///」
穂乃果「うんっ!それで返事は待つとしてさ、真姫ちゃんの他に能力者っぽい子っていた?」
真姫「能力者っぽい子、ねぇ……あっ…確か体育で50メートル走のタイムが毎回違う子がいて怒られてたわ」
穂乃果「…他には無いかな?」
真姫「え…まぁそれぐらいね、他に思い当たる節が無いならあたってみるのもいいんじゃない?」
穂乃果「なるほどー、ちなみに特徴は?」
真姫「ボーイッシュな感じでショートカットよ」
穂乃果「なるほど、なるほど。じゃあ今度ちょっと会ってみるね」
真姫「あまりグイグイいきすぎないようにね」
穂乃果「っじゃまた今度!今日はありがとーっ!!」バイバイ
真姫「じゃあね」フリフリ
________________
真姫ママ「おかえりーっまきちゃん」
真姫「ただいまーっ」
真姫ママ「あれ?今日何か良いことあった?」
真姫「…普通よ、普通」
真姫ママ「なんか嬉しそうだったから」ウフフ
真姫「別に何もないわよ…」
真姫ママ「友達でもできたの?」
真姫「うっ、友達くらいいるわよ…今日は先輩の友達が増えたの」
真姫ママ「あらーっ、そうだったの良かったわね、まきちゃん」
真姫「まぁ…ね」クルクル
真姫ママ「それでどういう子だったの?」
真姫「うーん…元気そうな感じの、衝撃波射出?って言う能力を持った子だったわ」
真姫ママ「!能力者の子と友達になったの?何か危なかったりしない?気を付けるのよ?」
真姫「もう、大丈夫よ」
真姫パパ「おお、真姫おかえり」
真姫「あれ?パパもう帰ってたの?ただいま」
真姫パパ「はは、最近イレギュラーな仕事が多くてね。真姫、学校は楽しいか?」
真姫「…まぁね」
真姫パパ「そうか、それはよかった。それでさっき能力者の子がいたって言ってたが本当か」
真姫「あれっ聞いてたの?…それで友達になったの」
真姫パパ「少し聞こえちゃってな」
真姫「別にいいわよ」
真姫パパ「なるほど…能力者の友達か、大事にするんだぞ」
真姫「もちろんじゃない」
____________________________
親鳥の部屋
ことり「お母さんが帰ってくる前に、廃校とか調べとかないと」イソイソ
ことり(最後は机かな)
ことり(ここに何か資料がなかったら、もうしょうがないねっ)チラッ
ことり(うーん、見たところ特に変わったものは置いてないね)
ことり「」ゴソゴソ
戦闘シーン、地の文は悪くないが
半角擬音がしつこくて勢いが死んでるぞ
ことり(なにもないなぁ)
ことり(ゴミ箱?)
ことり(なんか入ってるけど…UTXって書いてある!)
親鳥「ただいま〜、ことり」ガチャ
ことり「あっ、おかえり〜」(いい所だったのになぁ)
親鳥「…あれっ」
親鳥「…ことり、私の部屋にいるの?」
ことり「ちょっとハサミ借りようと思って」ハハ
親鳥「……ハサミならここじゃなくてもあると思うけど?」
ことり「…そうだったっけ?ことり、忘れちゃった〜♪」
親鳥「なにそれ」フフ
親鳥「…まぁいいわほかの所には触れてないわよね?」
ことり「うんっ」
親鳥「じゃあいいわよ、ハサミ後で返しといてね、夕飯すぐできるから待ってて」
ことり「わかった待ってるねっ」バタン
ことり(あぶなかった〜)
…
親鳥(他の所には触ってないって言ってたし、多分大丈夫よね。)
親鳥(もっとも、そんな見られて困るようなものはここに置いてないけど…)
親鳥(…)ハァ
──────プルルルルル
親指(…固定電話?)
親鳥「はい、南です。」ガチャッ
『…。おい、例の件だが…どちらにするのか決めたのか?』
親鳥(今度は家の電話からなのね)
親鳥「…ええ、大体は…」
『確定したら早く知らせろ』
親鳥「でも、私にそんな事を決める権限は…しかも急すぎます。理由もなんて言えば……」
『…出来なければもう一方をやってもらうだけだが、』
親鳥「そんな…」
『我々も悪魔か何かじゃない、両方でなく、どちらかで良いと言っているんだ。決めろ』
親鳥(脅してる時点で関係ないわよ)
親鳥「そうですか…」
『再度言わせてもらうが、』
親鳥「…知ってるわよ」
『条件に対して抵抗をしたり、警察や自治組織に連絡したのを我々が感知した時点で…………
>>60 そういうのは終わってからにしろって約束しただろ
第3話「ファーストコンタクト」
穂乃果「昨日、能力者の子。見つけたんだよっ」
海未「…穂乃果とはいえ早いですね」
ことり「能力とかについても教えてもらえたの?」
穂乃果「もちろん!紙を燃やしてたから炎とかの能力だと思うんだよね」
海未「で、それは廃校阻止に役立つのですかね?」
穂乃果「えっ?…でも、何か助けになるかもしれないよっ」
ことり「まぁ見つかったんだし良いんじゃないかなぁ?」
海未「そうですか?」
ことり「それでね、ことりはお母さんの部屋を調べてみたんだ」
穂乃果「どうだったの?」
ことり「ゴミ箱にUTXって書いてある紙が捨ててあって、それを調べようとしたらお母さんが帰ってきちゃったの」
穂乃果「じゃあUTXが関係してるってことだよねっ」
海未「それは少し早計ではありませんか?たまたまその紙を捨てたと言うことも」
ことり「でもね、お母さんが来たあともう一回調べようと思ったら、なくなってたの。それにお母さん、部屋に入って欲しくなさそうだったし」
海未「そうですか。そうなると少し怪しいかもしれませんね」
穂乃果「そうだよ、絶対UTX関係してるよっ!」
海未「しかしそう疑うのも…」
ことり「あっもう少しで授業始まっちゃうよ」
海未「この話は一旦ここで終わりです、また話す機会はあるでしょう」
穂乃果「はーい」
穂乃果「今日は昨日真姫ちゃんに聞いた子を探しに行こうかなー」
穂乃果「ふふーん」プラプラ
穂乃果「!」
穂乃果(何か感じる…)ザワ
穂乃果「こっちだっ」ダッ
穂乃果「ねぇっそこの君」(昨日真姫のちゃんに聞いてた特徴と違うかも?)
?「はっはい、なんですか」
穂乃果「君能力とか持ってたりする?」
?「持ってないですっ」
穂乃果「本当に?持ってると思ったんだけどなー」
?「ほ、本当です」
穂乃果「嘘いっちゃダメだよ〜?」
?「え…」
??「かよちんに話しかけないで頂けますか?」
穂乃果「えっひどいなー、ただ能力者?って聞いてるだけだって」
?「能力者なわけないじゃん、ね?かよちん」
?「え?うっうん」
穂乃果「あれ、って言うか昨日真姫ちゃんが言ってた人じゃない?」
??「凛のこと?…なんて言ってたの?」
穂乃果「能力者かもしれないって」
凛「えっ、ほんと?ばれちゃったの?」
穂乃果「能力者なの?」
凛「あっ」
穂乃果「じゃあさ、もしかしてそっちの子もやっぱり能力者だったりするんだよね?」
凛「って言うかなんでそういうこと聞くの?」
穂乃果「じゃあそうなんだ〜」
凛「うー、…じゃああなたの方から言ってくれたら教えてあげる」
花陽「いいの?凛ちゃん、そんなこと言って」
凛「普通は教えないから大丈夫にゃ」
穂乃果「衝撃波が出せるんだ!」
凛「…えーっほんと?」
花陽「って言うか言っちゃったね…」
凛「うーん、じゃあ言うしかないね、凛は高速で移動できるんだ」
穂乃果「おおっそれはすごいね、じゃあそっちのかよちん?さんは?」
花陽「花陽です。私は能力に耐性があるというか…」
穂乃果「なるほどっ、だったらさ君たち放課後とか何してるの?」
花陽「…部活とか探してます」
凛「凛もかよちんと同じー」
穂乃果「じゃあ、この学校が廃校になるのは知ってるよね?」
凛「まぁ、それは知ってますけど?」
穂乃果「みんなでさ、廃校を阻止しようよっ!」
花陽(いきなり話がぶっとんじゃいました)
凛「さすがに能力者といっても出来ないにゃー」
花陽「少し難しいかも…」
凛「っていうか、なんで凛たちが協力しなくちゃいけないの?」
穂乃果「だってそれは、……新入生が入ってこないから後輩ができなくなっちゃうよ?」
凛「…それで?」フーン
穂乃果「それに君たちが三年生になったとき生徒は君たちの代しかいないかも…」チラッ (いけたかな?)
凛「…あーっ、確かにそれはいやにゃ、」ズーン
花陽「確かにそうかもしれないですっ」
穂乃果「おおーっ、じゃあ協力してくれるかな?」
凛「…でも、そういうの危険なんじゃないかにゃ??」
穂乃果「えっ?」
花陽「このまえいきなり、能力者じゃないかって襲われたんです」
穂乃果「?…そんなことあったの?」
凛「だから凛はかよちんをそういうのに巻き込みたくないって思うの」
花陽「凛ちゃん…」
穂乃果「……よしっ!じゃあ、穂乃果が二人を守る!だからきょうりょくして!!」
凛「本当に守ってくれるの?」
穂乃果「もちろんっ」
凛「うーん、じゃあ凛に勝てる人がいるなら手伝ってあげる」
穂乃果「勝負って?」
花陽「殺し合いはダメだよぉ」
穂乃果「内容は?」
凛「…とりあえず言っただけにゃ」
穂乃果「えーっ、考えてなかったの?」
凛「うんっ」
花陽「あはは…じゃあ能力を使えるもので勝負がいいと思います」
穂乃果「そうだよね〜」
________________
海未は昨日と同じく、弓道場に訪れていた。
静かな道場の中で、敷かれたフローリングの上に海未は袴を着て体を横向きにして立つ。
弓を持って据えられた海未のその視線は、土を背景とした的に向かっており、
海未(…今日も穂乃果は能力者を探しているらしいですね。そう見つかるものではないとは思いますけど)
そんな事を思いながら、左手で弓を、右手で弦を持って引き分けていく
キリキリキリ───────
海未(能力者……ですか。)
─────ピタ
そこで、弓が適当な圧力をかけられた状態で動きを止める。
海未(4年ほど前でしたね、 )
海未(その存在が生まれるきっかけと考えられている現象が起きたのは… )
そんな事を思いながら、海未は弓と弦を持つ微小な体の震えを止めた所で…
海未「…」フワッ
ふっと右手の力を緩める。
そう…海未が弦を放すと、今まで張り詰めていた弓と弦がもとの長さに戻ろうとし、矢に力がかかる。
海未(あの時に飛行機で旅行中だった知人が言うには虹色の透明な巨大な膜か何かが、)
─────ヒュッ…
すると矢は威力が落ちることもなく、ただ真っ直ぐに進み、的に吸い寄せられるかのようだった。
海未(東京中心部から半球状に周りの地域へと広がって行くように見えたそうです。)
パンッ
矢は的中し、破裂音のようなものを道場に響かせる。
海未(……雑念が入ってしまいましたが馴れてきましたね、能力を使って射るのも…)フゥ…
海未(穂乃果やことりには能力を武道などには使っていない、と言いましたがそれは公の場での話です)
海未(こういう道場に私しかいない時、興味程度に能力を使って射ることはあります。)
海未(…が、能力を使って射るとかなり疲れるんですよね。……そろそろ矢を取りに行きましょうか)テクテク
海未「(しかも能力を使う時は矢の威力減衰がほぼ無い、ので射形は普段射る時ともちろん違ってきます。…変な癖がつかないと良いのですけれど。)」テクテク
海未「……あれ」ググッ
海未が取りに行ったその矢は、安土(的を支える土の土台)にも大きく突き刺さっている状態。
そのため、抜くのに海未はいつもより力を要した。
海未「思ったより刺さってましたね…」スポ
___
海未(…この前射った時はもう少し的の真ん中だったような、…まぁ良いでしょう。)
海未(次はいつも通り普通に射ましょうか)
海未(……色々と能力を使ってみたらどうなるか、少し気になりますがね)キリキリ
『じゃあこの方法はどうかにゃ?』
『えーだめだよー、それじゃあ凛ちゃんに有利じゃん』
『えー』
『パン早食いは?』
『じゃあラーメン早食いっ』
『能力関係ないんじゃないかな〜』
『たしかにそうかも』
『そうだったーw』
キャッキャッ
海未(外が少し騒がしいですね…穂乃果と誰でしょうか……二人いるようです)
海未(全く…注意しましょう)カタン
海未(…何をしているのでしょうかね)
海未「うるさいですよ。穂乃果」ガラッ
穂乃果「…あっ海未ちゃんまた能力者の子見つけたんだ!」
海未「はやいですね!?」
花陽「こんにちは」
凛「…誰ですか?」
海未「園田海未です。こんにちはって言うか、もう少し声量落としてください。うるさいですよ」
穂乃果「はーい!」
花陽「ごめんなさい」
凛「わかったにゃ」
穂乃果「今からこの子と勝負するんだけど海未ちゃんやる?」
海未「…なんで勝負することになったんですか?」
穂乃果「勝ったら協力してくれるんだって」
海未「…いいじゃないですか、内容は?」
花陽「今決めていて能力を使えるものがいいかなーって言ってました」
海未「なるほど、だからうるさかったんですね……じゃあ相撲というのはどうですか?」
穂乃果「…なんかテレビでみてそうだよね」
凛「相撲?」
海未「はい、ある一定の範囲から出たら負けというルールで」
花陽「なるほど、それならいいかもしれませんね」
凛「かよちんが良いなら凛それでやるよ」
穂乃果「じゃあそれでいいの?」
凛「賛成にゃ!」
海未「それではやりましょうか」
穂乃果(海未ちゃんが意外とノリノリな件について)
海未「もう少し人目がなくなってからやりましょうか」
花陽「そうですね」
海未「そういえばことりはどこにいるのでしょう?」
穂乃果「ああっ用事思い出したみたいで、でもことりちゃん穂乃果のこと手伝ってくれるって言ってたから来ると思うよ」
海未「…それでは少しベンチにでも座って待ちましょうか」
凛「じゃあ凛は土俵?書いてくるね。広めでいいですか?」
海未「それでいいですよ。お願いします」
海未「ことりは来てませんが…私で良ければそろそろ始めませんか?」(これ以上暗くなっては)
穂乃果(ZZZ…)
凛「うん良いよ。これで凛たちが負けたら協力してあげる」
海未「…しかしそれでは申し訳ない気がします。そちらが勝ったときの報酬を決めてもらってもいいですよ?」
凛「かよちんどうする?」
穂乃果(ZZZ…)
花陽「うーん…」
凛「じゃあラーメンとおにぎり奢ってほしいにゃ」
海未「フフッそんなものでいいのですか?」
凛「ラーメン好きなので」
海未「なるほど…」
穂乃果(ZZZ…)
花陽「じゃあ最終確認をするけど、ある一定の範囲から外に出たら負けで、円の中で倒れるのはオッケーだったよね?」
凛「そうだよっ」
海未「それではいきましょうか」
_________
放課後のやや紫がかった空の下。
音ノ木坂学院グラウンド上の土を凛が足で削って書いた半径約7メートルほどの円。
その内側に二本の線を挟んで、二人はにらみ合う。
花陽「用意は…?」
凛「」ぱっぱっ
相撲の塩のかわりに砂を撒いているつもりでしょうか。ふふ、面白いですね
凛「ほらっ」
海未「…私もですか?」ぱっぱっ
花陽「…」
花陽「はっきょーおぉいいっ」
花陽「……のこったっ!」
凛「じゃあ…いくよっ」
────シュンッ────
開幕、走ってくる?私に迫ってきましたか…
ぶれてほとんど見えません。あ…そういえば能力を聞いてませんでした。
凛「はっ!」
恐らくこのスピードを見るに高速移動とかでしょうか。
海未「ぐっ」ドスっ
───ズザザザザ
…油断していましたね。
海未「…」チラ
3メートルほど後ろに飛ばされましたか。この能力がなければ完全に外に出てましたね。
凛「まだまだいくよっ」
海未「くッ」
凛は、すぐ後ろに戻ったと思ったら間髪いれずにまたタックル。
海未「」ドスン
今度はきちんと受けれはしましたが、まぁ2メートルぐらい下がってしまいました。これを連続でやるつもりでしょうか?
海未「」グッ
しかし、様子見はここまでです。
同じ手は食らいませんよ。
海未「…」タッタッ
土の円の中を外縁沿いに、回りながら移動します。
また後ろへと下がり、海未へタックル。
凛「」シュンッ
海未「…」ヒラ
次の凛のタックルを…体を右にそらして避けます。
凛「…」ビュッ
そのまま、スピードを落とさずに…外へ……
凛「…」タタタッ
凛「もしかしてそのまま勢いで出ていっちゃうと思った?さすがにそれはないにゃー」ピタッ
…そこまでバカではないですか。
海未「」ブンッ
凛が止まったところに、海未は振りかぶって左フックをお見舞い。
凛「当たらないにゃ」ヒョイッ
海未「このパンチに当たって、外へ出ていってほしかったのですがね。」
凛「じゃあもう一回行くよっ!」
また戻って同じようにタックルをして来ます。
凛は恐らく近接攻撃は何らかの理由で、タックルしか使えないようですね。
どうしましょうか、拳を当てようと思っても早すぎてタイミングがつかめません。
海未「…むむ」
凛「」シュンッ
これは左に避けます、ものは試しです。つかんでみましょうか。
海未「…」パシッ
凛「…」ヒョイッ
凛「つかまんないよっ」グン
…このまま攻撃出来ないままでは……円の外沿いを回りながら進んで回避しても、いつかは当たって負けてしまいます。
海未「」チラ
ここで終わるわけには行きませんが…何かスピードが落ちる方法は…
凛「」ダッ
…思ったよりも体力は消耗してなさそうですね。
凛「」シュンッ
海未「…」ヒラリ
これも避けます。
なるほど…高速移動ということは相対的に周りの物体も早くなります。
凛が進むであろう場所に拳を置いておくというのはどうでしょうか………、
少し危険ですね。止めましょう。……となると
凛「」シュンッ
海未(ここでっ!)
海未「すみません、凛」サッ
凛「痛いっっ…砂っ!?」
昔、雨の日に生身でバイクに乗っていたら体に滴が当たって痛いと、いうことを聞いたことがあります。
今回はそれを砂に置き換えました。
海未「これであまりスピードは出せませんね」ニヤッ
凛「少し卑怯なんじゃないかにゃ〜?」
凛「」シュンッ
凛はまたタックルをしてきましたが、やはり先程と比べてスピードを抑えています。これでタイミングを見極められるはずです。
海未「…」…
凛「」シュ
海未「……」ジリ…
海未「…ここですっ!」
凛が私と適切な距離になったところでそのまま凛の腕を横から掴み、
合気道の要領で凛のスピードを外に受け流します。
海未「はぁっ」
凛「!あっ」ドンッズザザザザ
海未「…すみません、少しやり過ぎましたかね」
_____________
凛「あー凛負けちゃったにゃ、約束だしね。協力してあげるよ」
海未「すみませんね、ありがとうございます」
花陽「擦り傷結構出来ちゃったけど、凛ちゃん大丈夫?」
凛「たぶん大丈夫にゃー」
真姫「大丈夫じゃないわよ、早く見せなさい」
凛「誰?」
花陽「多分、同じクラスの西木野さんじゃないかな?」
海未「どうしたのですか?」
真姫「穂乃果先輩に用事があったんだけど…あなた何か怪我してたし」
凛「ありがとにゃー」
真姫「あと来る途中にあなたたちを見てる人が何人かいたんだけど…」
花陽「本当?」
海未「誰かわかりますか?」
真姫「良くわからなかったけど、まぁすぐいなくなったから大丈夫なんじゃない?」
海未「だといいのですが、」
海未「…そういえば穂乃果に用ですね?……穂乃果起きてください」トントン
穂乃果「んんー?、あれっ寝てた?」
海未「寝てましたよ」
穂乃果「真姫ちゃん?どうしたの?」
真姫「昨日の返事よ、忘れたの?」
穂乃果「あっそうだった」ハハ
真姫「はぁ、それで考えたんだけど協力してあげてもいいかなって、友達だし///」
穂乃果「ほんと?ありがとー」ギュッ
真姫「…まぁね//」
海未「それと凛と花陽も協力してくれるって言ってますよ」
穂乃果「すごいじゃんっ!二人共もありがとねー」
凛「よろしくにゃっ」
花陽「よろしくお願いしますっ」
ことり「おくれてごめーんっ」ヤンヤン
海未「どうしたのですか?」
ことり「ちょっと用事があって」
穂乃果「おおー!、今みんな揃ったんだ!」
花陽「どういうことですか?」
穂乃果「廃校阻止協力してくれる人っ」
凛「…他に人いたんですね」
穂乃果「いるよっ?!」
_________
ことり「ほのかちゃん、今日の放課後は何するの?」
穂乃果「人集めたけど、何したらいいかわかんなくなっちゃった」ナハハ
海未「考えていなかったのですか?」
ことり「ははは…」
穂乃果「う〜んどうしたら良いかな?」
ことり「…なにか思い付いた?」
穂乃果「…そうだっ、とりあえず部活申請!」
海未「なぜですか?」
穂乃果「ほら、人も集まったしさ!部費とかもらえるかもしれないじゃん?!」
ことり「そうかなぁ?」
海未「何部って報告するんですか?」
穂乃果「あんまり考えてないけどとりあえず申請しに行こう!」
穂乃果「あっ…でもあの生徒会長かぁ」
絵里「私がどうかしたかしら?」
穂乃果「えっ」
海未「噂をすれば…ですね」
ことり「こんにちは〜」
絵里「はい、こんにちは」
海未「何か用事ですか?」
絵里「いや、たまたまここを通りかかっただけよ」
絵里「それで、私がどうかしたの?」
穂乃果「えぇっと、学校を復興させるために部活申請しようと思いまして…」
絵里「…ごめんなさい、今はどんな部活も新設は断っているの」
穂乃果「そうなんですか…」
ことり「あの…生徒会長さんは廃校の理由とかわかったりするんですか?」
絵里「私もまだ良くは分かってないの、できたら私も教えてほしいわ」
海未「どうしましょうか…」
絵里「でもこの学校のことを思ってくれる人がいるのは嬉しいわね」
穂乃果「何か役に立てることないですか?」
絵里「…そうね、もしよかったらUTXの学校説明会に行ってくれないかしら?」
穂乃果「UTXのですか?」
絵里「そうよ、私も行こうと思ったんだけど…その日に生徒会の会議が入っちゃって行けないの、だから代わりに行ってみないかって」
穂乃果「なるほどー」
ことり「それはいつなんですか?」
絵里「今週の日曜日ね、行くなら、だけれど」
海未「…学校説明会、我が高校との違いを知るためにも行ってみてもいいかもしれませんね」
ことり「その日は空いてるよ♪」
穂乃果「よしっじゃあ一年生も誘って皆で行こう!!」
海未「じゃあ今すぐ聞きに行きますか?」
絵里「あと、会場はUTXの別館だから気を付けてね?それじゃあよろしく。」
穂乃果「それではっ、さよならー」
ことり「さようなら♪」
海未「ではお先に失礼します」
絵里「…ふぅ」
希「ねぇえりち、かわいい後輩を巻き込んじゃってええの?」ヌッ
絵里「きゃっ…ちょっと希、どこにいたのよ。」
希「さっきから近くにいたよ?」
絵里「…そうかしら?」
希「それで、さっきのはどういうことだったの?」
絵里「ああ、今話してたこと?」
希「そうやん?」
絵里「…あれは、ただ純粋にあの子達のためになると思って勧めたただけよ。」
希「行けないって言ってたけど、今週生徒会の集まりなんてあったん?」
絵里「なかったかしら?」
希「とぼけるのもいい加減にし、」
絵里「どういう意味?」
希「…本気で言ってるん?」
絵里「ほんとよ。ほらくだらない事言ってないで、早く戻って仕事終わらせちゃいましょ?」
希「強情やな…」
絵里「…何か言ったかしら?」
希「…いや、なんも言っとらんよ」
絵里「そう?…なら良いのだけれど」
ここまで読んでくれたの 乙
夏の暇なときに妄想に任せて、書いて、書きためになったのは貼り終わりました。これからも更新していきたいです。
単発茸は相手にせん方がいいぞss作者のやる気削ぎに来てるだけっぽい
1レス読んだだけでコイツ文章力ないなと分かる
2レス目の2行目まではガマンしたけど読み続けるのは無理だった
第4話「学園訪問」
穂乃果「うわぁっここがUTX学園?」
海未「別館ですが、まぁそうですね」
花陽「UTXはアイドルグループがあることでも有名ですよっ」
穂乃果「ARISEだったよねっ」
UTX学園、別館校門前へと来た一行。
別館は本館と異なり建物の高さは抑えられているが、その分横に建物が延びている。そして外観は、本館と同じようにガラス張りである。
凛「こっちもでっかいにゃー」
ことり「別館なのにね…」
真姫「…そんなに驚くほどかしら」
凛「嫌みかにゃ?」
海未「穂乃果、こちらですよ」
一行は学校内に設置してある案内板に従って目的地へと進む。
意外にも内観は普通の学校とあまり代わり映えがない印象を受ける。
A教室、多目的室、理科室等では、制服を来たUTX生が来場者へと学校の良さを伝えようと呼び掛けていた。
ことり「これは学食紹介だねっ」
穂乃果「豪華なんじゃない?」
花陽「はわぁ、この学校の学食おいしそうです〜」
穂乃果「うわぁー、このパンもおいしそう!」ジュルル
花陽「ご飯の種類が選べる!?これだけで入学材料になりますねっ」キラキラ
穂乃果「イチゴパン?最高だよっ!」
海未「ちょっと、二人とも学食コーナーにへばりつかないでください」
ことり「また後で見に来よう?」
穂乃果「そうするっ」
花陽「わかりましたっ」
真姫「食への関心がすごいわね」
凛「凛はこっちのかよちんもすきにゃー」
海未「あの角を右ですね」
目的地であった講堂は賑わい、ほとんどの人が座りながら、時間になるのを待っていた。
少し探すとちょうど6人分の席が連続して空いており、肩を並べて座る。
ことり「ちょうどいい時間に来れたかもね」
穂乃果「うんっ」
海未「遅れなくて良かったです」
凛「ここで何をするのかにゃ?」
真姫「学校説明会なんだから説明するに決まってるでしょ?」
花陽「学食…」
真姫「…」
そうこうしているうちに頭上のライトが消え、天井の光が差し込んでいる窓ガラスに暗いカーテンがかかる。光を遮断して暗くなった会場にステージのスポットライトが点いて明るくなり、その壇上に一人の学園の代表者らしき生徒が姿をあらわす。
簡単な挨拶を終えてから
壇上で説明が始まり、最初は挨拶、そしてアイドル、学校の設備、歴史、部活動などへと話題が移る。
そして話が中盤を過ぎたかという頃。
海未「コラっ穂乃果なに寝てるんですか起きてください」
穂乃果「…だって暗いんだもん」
海未「そういう問題じゃないです…全く」
海未「あれ?…明るくなりましたよ?」
穂乃果「え?」
突如、穂乃果のいる辺りが明るくなる。
電気がついたのかと天井へと目を移すと窓ガラスが大きく割れており、そこではカーテンがはためいて光がチラチラと漏れ出していた。
割れたガラスを見て、会場が少しだけざわめく。
ざわ… ざわ… やざわ…
壇上の人「すいません、天窓が割れてるようですね。もし、ガラスが落ちてきた方がいらっ
しゃっ──────
───あぁっ」ブワッ
話している途中で脈絡もなく、いきなり後ろへ吹っ飛び、ステージの背後の暗がりへ消えて見えなくなった。
真姫「は?」
凛「今のなに?」
そして次はステージ近くの席、前列に座る人から数人かがめくり上がる様に上空へ二メートルほど投げ出され、地面へと鈍い音をたてて落ちる。
当たり前のようにパニック状態となる会場。
立ち上がり、我先にと出口へと逃げ出す聴衆。
花陽「?…ダレカタスケテー」
ことり「?」
穂乃果「これなんかヤバイよっ!」
海未「早く逃げましょう!」ダッ
しかし、幅の狭い出口へと向かう人の波にのまれて先へと進むことができない。
穂乃果「うぅっぐるじぃ」ギュウギュウ
海未「先はどうなっているのでしょうか」ギュウギュウ
真姫「キモチワルイ」ギュウギュウ
少し背伸びをし、視線をさきへ向けると二つある出口の扉は両方ともしまっており、
扉のレバーを押しても開かない様子。そのためドア付近、先頭は圧死されそうな勢いである。
海未「これは……後ろへと下がってください!」ギュウギュウ
ことり「うん、わかった頑張るっ」ギュウギュウ
花陽「了解です」ギュウギュウ
だが、ステージ近くには正体不明の現象。なにか嫌な予感がする。
海未「すみませんが、私を先に下がらせてください」モギュッ
凛「いいよっ」ハイッ ムギュッ
海未「やっと出れましたか」フゥ
数分かして、人の波から脱出し息をつく海未。
そしてステージの方を見定め、何が起こっていたのかを確認。
人影を3つほど見つけ、そのうちの一人と目が合ってしまう。
穂乃果「ねぇ海未ちゃん、あの三人たぶん能力者だよ」
海未「出られましたか」
穂乃果「まだ他の皆は出れてないけど…」チラッ
海未「穂乃果、逃げるならあそこから逃げられますが、どうしますか?」
穂乃果「穂乃果はここにいるけど、海未ちゃんはどうする?」
海未「…相手が能力者であるならば私たちが対処するしかない気がします」
穂乃果「そうだね…ファイトだよっ!!」
海未は能力を発動、薄暗い中もう一度周りを見渡し周囲の状況を確認。
穂乃果はすぐさま駆け出し能力者へと向かっていった。
感覚を研ぎ澄まし、海未の後方には人の集団と呻き声、前方ステージ側を見るとツナギのようなものを着た女のシルエットの能力者が三人。ではなく…二人?
疑問に思っていると急激な風の流れを感じて思わず伏せ、刹那、頭上を鋭利な物が掠める感覚。
海未「誰ですか?」
思わず見渡すが、海未意外誰もおらず。
注意していると今度は脇腹へと直に衝撃を感じ、横へと1メートルか、蹴飛ばされる。
海未「うぐっ」
そこへ海未は続けざまに肩に殴られたような感触。
海未は方向から判断して、相手がいるであろう場所に半ば倒れた体勢から蹴りを入れる。
「…ぅ」
微かなうめき声が聞こえた後
海未「はっ…」
、瞬時に倒れた状態から転がるように横へ移動してすぐさま立ち上がる。
そして目では見ることができない相手に対して、日本武道の構えを取り虚空を睨む
海未(刃物を持った透明人間?…でしょうか、竹刀でも持ってくるんでしたね)
一方穂乃果、なにも考えずにステージ近くへ突撃し、相手と二メートルほどの距離になったところで。
駆けながらそのまま、
穂乃果は両手の平から同時に別々の二つある人影、相手へと衝撃波を放つ。
穂乃果「フゥッ」ゴオォ
二つともオーバーオールのようなものを着ており、胸の辺りが少し膨らんでいる。
少しだけ開いていた胸元から下地にはEHの文字が見えた。
穂乃果の発した衝撃波は片方へかわす暇もなく直撃し、
そいつは後ろの壁へと背中から打ち付けられた後にぐったりしてあっけなく気絶。
穂乃果「ヨシッ」グッ
もう片方の衝撃波は穂乃果の目標とは全く別の方向へと向かい、壁に当たって亀裂を作る。
穂乃果「当たんなかったか〜」
打ち損じた人影は両手をクロスさせて別々の袖口へといれ、裁縫で使うような細い針に釣糸をつけたものを取り出す。
片手で4本、合計両手で8本の針。
「眠れ…」
それは大仰に手を振るうと、意識を持ったように一斉に穂乃果へと向かう。
穂乃果「針?」
穂乃果は並んで襲いかかってくる針を斜めに進んで避け、接近した相手へと攻撃を目論むが、いきなり針は軌道を変え穂乃果をホーミング。
穂乃果「なにこれっ?!」
思わぬ起動を描いた事に驚く、この針のスピードは早く避けきれそうにもない。
穂乃果(どうしよう)
穂乃果(うーん…)
思考を巡らす、迫り来る針、だが所詮針である。
穂乃果は針を十分に引き付ける。その後に足を背後へあげ靴の裏へと5本ばかり刺させるのに成功。
残りの迫る三本の針は太ももへと二本、あと一本は右手で受け止める。
穂乃果「…っ」
穂乃果(…けっこう痛いなぁ、でも)チラッ
穂乃果「…今だっ」
穂乃果は空いている左腕を、針の操作に苦戦していた相手に、衝撃波を至近距離で打つ。
それを外す道理はなく、クリーンヒットし吹っ飛んだ後に動かなくなる。
穂乃果「おおっ倒せたよっ!……いつつ、?…針になんか塗ってある?」
穂乃果「あっ」クラッ
海未は未だ透明人間との駆け引きを行っていた。
目を瞑り聴覚、触覚を集中させ攻撃を避けて相手の攻撃からのカウンターを狙うが、
なかなか厳しい。
海未(一体、どこでしょうね…)
To Be Continued
第5話「まきりんぱな」
真姫「やっと出れたわ、」フゥ
ことり「海未ちゃん大丈夫?」
海未「はい、ですが。透明人間がいます」
真姫「…はぁ?!頭おかしくなったんですか?海未先輩」
海未「能力者ですよ、ことりは下がっててください」
ことり「うん、わかった」
真姫「…なるほど、最近物騒ね。ちょっと私の後ろに来て」
海未はすぐに真姫の背後へと移動する。
真姫(見えないなら、一帯を焼いてやるわ)
真姫はさっと両手を正面へ掲げると腕が強張り、両手の平から炎が噴出される。
一般的なキャンプファイヤーの二倍は有ろうかという炎量。
薄暗い会場が一気に明るくなる。
ことり(すごいっ)
真姫「…なるほど、最近物騒ね。ちょっと私の後ろに来て」
海未はすぐに真姫の背後へと移動する。
真姫(見えないなら、一帯を焼いてやるわ)
真姫はさっと両手を正面へ掲げると腕が強張り、両手の平から炎が噴出される。
一般的なキャンプファイヤーの二倍は有ろうかという炎量。
薄暗い会場が一気に明るくなる。
ことり(すごいっ)
海未(火事になりませんかね…)
そこは考えているのか、火をすこしだけ地面から浮かせている。
凛「すこし暑いんじゃないかにゃ〜?」
花陽「すごい燃えてるっ」
ことり「良かった!二人とも出れたんだね」
海未「気をつけて下さい、能力者がいますよ」
花陽「えっ?いるんですか?」
凛「かよちんは凛が守るよっ!」
真姫「ちょっとうるさいわね!」ゼエハァ
真姫は炎を右から左へと放ち続けているが、短時間でもなかなか体力を使うよう。
能力を使いながら肩で息をしている。
海未「すみません、そろそろ私たちが相手をします」
真姫「もう無理…」シュボォ
その場でペタりと座り込む。
凛「凛の出番にゃ!」
海未「花陽はことりと真姫と一緒にいてください」
能力者であるならば能力が解けている。すなわち、焼けていれば体が見えるはずだが肉体は見つからない。
海未「まだ辺りにいるはずです、気を付けてください」
凛「わかったよ」ギロッ
花陽「そこですっ」
能力耐性を持つ花陽は透明人間がどこにいるのか、今までは真姫の炎で見えなかったが見えるようになっていた。
その指先は、凛の3メートルほど左を指す。
場所を確認した凛は地面を踏みしめて急加速し、その位置へと相手が逃げない間に短距離高速移動。そして突き飛ばす。
凛「はっ」ドンッ
凛の早さに反応できなかった相手は気を失い能力が切れたのか、倒れた体勢のままじんわりと姿を現した。
その服装は胸元にEHと書いてあるライダースーツのようなもの、顔から推測するに性別は女。
年頃は女子高生ぐらいだろうか、手にはナイフが握られており、服も着ていたことから触れているものも透明化させるようだった。
───
{UTX本校舎}
英玲奈「…別館で?……了解だ」
自らに降りてきた指令を確認した英玲奈はいつものように待機場にあるロッカーを開く。
三つ並んだ長方形のロッカー、一番右にあるのが彼女に割り当てられているもの。
中にはあまり物は入っていない、目につくのは立て掛けられている日本刀。
その刀はテレビで見るような和テイストの中に少しだけ機械的な雰囲気をまとう。
英玲奈は刀を手に取り、駆け足でUTX別館へと向かった。
英玲奈「…」タッタ
今日は学校説明会等、他にも案件があったらしく学院にいる英玲奈の他にメンバーはおらず、廊下は彼女自身の足音のみが聞こえる。
「…」サ
しかし背後に一人の仮面を着けた女があらわれ、英玲奈の首を後ろから拘束し手首をつかんだ。
「動かないで」ガシッ
英玲奈「…こんな時に」
「五月蝿いわね」
英玲奈「もしかしてこのタイミングを狙ったのか?」
「さあね、それ…地面に置いて」
英玲奈「…」
英玲奈「ああ…わかった」カラ
英玲奈は右手で持っていた刀を地面に落とさせられ、女は足でそれを壁際へと蹴った。
「あのウェーブがかった女はどこ?」
英玲奈「なぜそんなことを聞く?」
「質問に質問で返すのはNGよ」
英玲奈「はぁ…答えるわけないだろう」
「そうかしら?」
そして女に掴まれている英玲奈の左手首の周りに、絶対零度の氷を当てられたような感覚。
「…助けて欲しかったら早く話すことね」
英玲奈「ふむ……だが、お前に助けを懇願するほどではない」
「は?」
英玲奈「…どうしたんだ?今日はお仲間が見あたらないぞ?」
「…」
英玲奈は一瞬の動揺を見抜き、肘で脇腹をつく
英玲奈「」ゴンッ
「…っく」
英玲奈「」パシッ
拘束が緩くなったところで手を振り払い、拘束から抜け出す。
英玲奈は身を低くして、回転するように壁際の刀を取り、
英玲奈「足…」ブン
その体勢のまま横へと切る。
それに対して仮面女は軽やかに飛び退き、斬撃の範囲内から脱し距離をとった。
英玲奈「行くぞ…」フッ
真正面から斬りかかった英玲奈を、女は持っていたナイフを取り出して迎え撃つ。
「…」チャキ
降り下ろされた刀を、女はナイフで体の外側へと受け流し軌道をそらす
英玲奈「」フラッ
そして、仮面女は英玲奈が体勢を崩したところへナイフを突き立てようとするが、
英玲奈「…」サッ
こちらも見ずに横に避けられる。
英玲奈「フ…」
英玲奈は先ほどの、刀を降り下ろしたままの状態から────
ズンッ
柄で女の手首を打った。
すると女の手からナイフが滑り落ち、床でカランと音を立てる。
「…ウッ」(ナイフを……完全に見切られた?)
英玲奈「…これ以上お前に構ってる暇はない、……それに、あいつはここにはいないぞ?」
…にゃ…
おー…、の…
…のか、穂乃果大丈夫ですか?
穂乃果「あ、海未ちゃん」ガバッ
ことり「よかったよっ!」ダキッ
穂乃果「穂乃果寝てた?」
花陽「ステージの前で寝てましたよ」
凛「良かったにゃー」
真姫「針刺さってたわよ?、なんか塗ってあったみたいだけど…」
穂乃果「たぶんそれで寝ちゃったんだと思う」ハハ
海未「気を付けてくださいよ?もう…」
英玲奈「…申し訳ないが、穂乃果?君からも話を聞かせてくれないか?」
海未「その人が助けてくれたんですよ」
穂乃果「ARISEの英玲奈さん!?ありがとうございますっ!それで穂乃果に話を?」
英玲奈「ああ」
英玲奈「もう他の皆には話を聞いたんだ。」
穂乃果「そういう事なら…」
___
____
___
英玲奈「EHか…」
穂乃果「知ってるんですか?」
英玲奈「たぶんな…」
穂乃果「おしえてくれたりします?」
英玲奈「ああ…さっき彼女らにも説明したがおそらくEast Heart 、アイドルグループの名前だ」
穂乃果「…?いやアイドルグループがなんで?」
英玲奈「……こちらもわからないんだ。…一応聞くが君はアイドル活動をしていたりするのか?」
穂乃果「んーしてませんけど」
穂乃果「何か関係があるんですか?]
英玲奈「ふむ…まぁあまり関係ないから安心してくれ。君たちも色々疲れただろう」
花陽「けっこうお騒がせしちゃいましたか?」
英玲奈「きちんとこちらで騒動にならないよう処理しておくから大丈夫だ。」
絵里「それで学校説明会はどうだった?」
穂乃果「はい、UTXの事が良くわかりました。」
絵里「…なにか変わった事とかはなかった?」
ことり「はいっ♪」
絵里「行ってくれて助かったわ、ありがとう」
海未(あの後で改めて英玲奈さんにこの事は口外はしないようにと、釘を刺されました。)
海未(騒ぎをあまり公表したくないのは分かります。しかし、目撃者はかなりいたように思うのですが…処理しきれるのでしょうか)
穂乃果「じゃあっ!部活申請しても良いですか?」
絵里「なんでそうなるのよ」
穂乃果「えー、行ってあげたのに〜」
絵里「あなたたちもUTX行けて良かったじゃない、予定が合わなかっただけで私も行きたかったんだから」
名前だけ出てきたesat heartがピックアップされてる
そういうの好きだぞ
海未「穂乃果、そういってるんですから」
穂乃果「お願いしますよ〜。…うーん……よっ!会長!!」
絵里「おだてても何も出ないわよ?」(この子結構しつこいわね)
希「そうやね…えりちがお世話になったのも確かやしな……」
絵里「って希?」
穂乃果「副会長さん?」
希「今部員が一人の部活動があるんやけど、そこに入れて貰ったらどう?」
書くからにはある程度のバトル書いてたいんだけど、どう?自分だと分かんない。良かったら教えて
1、まぁ別にこのままで良いよ
2、このままでいいけどショボい
3、もうちょっと力入れて
他に何かアドバイスあったら書いて
バトル以外でも良いよ
今日は学校説明会等、他にも案件があったらしく学院にいる英玲奈の他にメンバーはおらず、廊下には彼女自身の足音のみが響いていた。
(…ん?)
その筈だが英玲奈は一瞬だけ背後に人の気配を感じ、刀にさっと手を添え後ろを振り替える。
しかし振り返った先には誰もおらず、何もない空虚な廊下が広がっているのみ。
英玲奈は気のせいだったか…と警戒を解き前に向き直った後、歩を進める。
瞬間。
背後に仮面をつけた女が即座に現れ、油断していた英玲奈の体を後ろから拘束する。
仮面女は英玲奈の首に後ろから手を回し、もう一方の余った手は脇にさした刀に触れようとしていた英玲奈の手首を掴む。
こいつめ…と続いて英玲奈が次の手に動こうとした時─────
「動かないで」グッ
首に回る仮面女の腕に力が込められる。
英玲奈「…私に何の用だ」
「聞きたいことがあるの…」
英玲奈「もしかしてこのタイミングを狙ったのか?」
なぜ自分が拘束されているのか分からない英玲奈は、相手から情報を得て推測できないかとそう、言葉を発した。
「さあね…それ、地面に置いて」
しかしそれにはまともに答えず。
英玲奈「…」(まぁそうだろうな)
英玲奈「ああ…わかった」カラ
変に刺激しては不味いと、取り合えず指示された通りに装備してあった刀を外し地面に落とす。
地面と接触した時にカチャと音を立てたそれは、仮面の女の足によって蹴られ床の上を滑っていく。そして滑り行く刀は壁に当たって動きを止めた。
仮面の女はそれを目で確認した後、
「あの髪にウェーブがかかった女はどこ?」
英玲奈「なぜそんなことを聞くんだ?」
「質問に質問で返すのはNGよ」
英玲奈「はぁ…答えるわけないだろう」
「そうかしら?」
英玲奈は首の拘束を強められるのかと身構えたが、女に掴まれている手首の周りに絶対零度の氷を当てられたような感覚。
手首周囲の感覚が鈍り、肘の辺りまで寒気が伝わってくるような気がした。
お前の腕を懐死させると暗に示しているのだろう
「…助けて欲しかったら早く話すことね」
不味いな…
英玲奈「ふむ……だが、お前に助けを懇願するほどではない」
この状態から抜け出す為の突破口を探すため、の時間稼ぎではあるが反応しそうな言葉を選択する。
「は?」
英玲奈「この程度、私には何の効力も持たない」
もちろん、ハッタリではあるが…この線で行けるか?
「そんな能力、あなたにあったかしら」
英玲奈「…どうしたんだ?今日は仲間が見あたらないようだが?」
「…っ」
!、ここだ…
今回の不安要素を突かれたのか、英玲奈の拘束された首にかかる力が、少しだけ弱まるのを感じた。
その些細な変化を英玲奈は見抜き、一瞬の動揺をいかして仮面女の胴を肘で付く。
「…っく」
英玲奈「」パシッ
拘束が緩くなったところで女の手を振り払い、屈むようにして拘束から抜け出す。
英玲奈は身を低くしたまま、滑るように壁際の刀へ移動、回転するように壁際の刀を取る。
英玲奈「足…」ブン
真上から見て、英玲奈の体を支点とするように円運動してとられた刀は下段を行き、その軌道のまま仮面女の足元へ迫る。
それを見た仮面女は軽やかに飛び退き、斬撃の範囲内から脱し距離をとった。
英玲奈「行くぞ…」
距離を取った仮面女に対して、英玲奈は即座に距離を詰めて真正面から斬りかかり、女は持っていたナイフを懐から取り出して迎え撃つ。
「…」チャキ
その上段から振り落とされた刀を、仮面の女はナイフをもって正面で受け止める。
ギリギリという音を立て一瞬間だけ両者の動きが止まった後に、すぐさま力の均衡は崩れる。
そして刀は地面へ、ナイフは空へと切っ先を向けたのを利用して、
仮面女は英玲奈へナイフを振り落とす。
英玲奈の刀は降りおろしたままの状態であり、ナイフが迫っているのにその本人は気付ききれていない。その為、ナイフが突き刺さるのは明白。
「…もらったわ」
ザク…と刺さるかと思いきや、ナイフは空を切る。
「…は!?」
なぜか、驚くことに英玲奈はそちらも見ずに彼女自身の身を後ろへ引いて、迫りくるナイフの軌道から外れたのだ。
そして英玲奈は相手が空ぶったのを確認した後、振り落とされた状態のままの刀の柄を縦に引き上げ、ナイフを持った手首を打つ。
痛みに女は顔をしかめ、
すると手からナイフが滑り落ち、床でカランと音を立てる。
英玲奈「…これ以上お前に構ってる暇はない、」
「…っく」
英玲奈「……それに、あいつはここにはいないぞ?」
なんか時間あったから書き直してみた、こっちのが良いかな
穂乃果たちのストーリー、会話が読みたいから戦闘シーン力入れたかったら入れてほしい
書きたいように書いてくれた方が読む方も楽しい気がする
>>207‐212
コメないと色々心配になるから助かる
>>211 なるほど、バトル以外も意外と需要あるのね。両方とも書くの好きだよ。
第5話「にこ糖質」
希「今部員が一人の部活動があるんやけど、そこに入れて貰ったらどう?」
ことり「良いんですか?」
希「大丈夫や。一人で寂しくやっとるから入ってあげたらきっと喜ぶんやない?」
穂乃果「なるほどっ、ありがとうございます」
海未「そんな部活動があるんですか」
希「あるんよ、ちょっと見てきたら?」
絵里「…今はなにやってるか正直わからないけれどね」
ことり「とりあえず目星がついてよかったね♪ほのかちゃんっ」
穂乃果「早速行こー」
希「ほな、」
ことり「おー」
海未「他の三人も呼びに行きしょうか」
穂乃果「もちろんっ」
…
真姫「…昨日パパに事件の事話しちゃったの」
穂乃果「ええっ!?」
真姫「でも、秘密にしてくれるって。昨日結構しつこく問い詰められちゃって言っちゃった…ごめんなさい」
海未「まぁ言った事は仕方ないですからね」
ことり「秘密にしてくれるなら大丈夫だよっ」
真姫「ありがとう、でもパパが護身用にってこれをくれたの」ミテ
凛「これってムチ?」
真姫「そう鉄で出来たムチ」
花陽「ちょっぴり重そうだね」
真姫「これでも軽量化したんだって」
穂乃果「どうやって使うの?」
真姫「鉄で出来てるからこの鞭の温度を上げると熱くなって物を分断出来るようになるの」ブゥン
穂乃果「!?こわっ、ちょっとこっち向けるの止めてよ」
真姫「あと何かグローブ?軍手もくれたんだけど、良くわからなくて…」
海未「手の甲の部分にスイッチがついてますね、押すんでしょうか」
ことり「このグローブに使ってる生地、すごい頑丈そうだね」
真姫「パパにまた聞いてみるわね」
穂乃果「よろしく…って…?…ちがうよっ他の用事があってさ…
_____________
花陽「ここがその副会長が言ってた部活の、部室ですか?…」
真姫「窓ガラスに内側からアルミホインル?がはられてるわね」
凛「じゃねんがするにゃー」
ことり「なんかちょっぴり怖いかも」
海未「何かあったらすぐ逃げますよ」
凛「早く部室に入ろうよ」
穂乃果「よし!たのもうっ!!」バンッ!
真姫「ヴエェェッ!?なにこの部屋…」
??「!?!あんたたちっ、もう私を嗅ぎ付けたのっ?対策は万全だったはずなのに」
穂乃果が勢い良く扉を開ける!すると部室の天井と壁一面にアルミホイルが貼り付けられており、光が反射してギラギラと光っていた。
銀色のそれは隙間なく敷き詰められて部屋は異様な雰囲気をまとっている。
そして、この部屋の主はというと、このような内装に相応しく?頭全体を覆うようにアルミホイルを被っており、ご丁寧に後頭部には二つ穴が開いてそこから黒い髪が二房垂れ下がっていた。ツインテールである。
穂乃果「あれ、どこかで会いましたか?」
??「いくら世界を支配しているからって、いきなり部屋を開けるのはどうなのかしら?」
穂乃果「え?」
海未「すみません、なんのことですか?」
真姫「イミワカンナイ」
??「とぼけてんじゃないわよ!あんたたちのやり口はわかってるんだからねっ!?」バンッ
ことり「えーっと、やり口?」
花陽「」ビクッ
凛「かよちんがびっくりしちゃったじゃん!」
穂乃果「あの、ぶし_____
??「ああ、そう。でもね…私はまだやるべきことがあるのっ」ダッ
そう言った後に座っていた椅子の後ろの窓を手慣れた様子で開け、窓の外へ出、走って逃走!
『にこっ』
花陽「行っちゃいました…」
ことり「とりあえず話した方がいいとは思うけど」
穂乃果「おいかけようっ!」
凛「凛に任せるにゃー」
凛は女が走り去った方向へと駆け出し、
校舎の中庭へと出て左右を見たあとに加速。
『まてー』タッタッ
『待たないわよ』
『……はいっ、つーかまーえたっ』
『はなしなさいよっ』
『離すわけないにゃー』
『くっ、…あんたやっぱり組織のヤツね!』
『何のこと?』
『知ったかぶりしても無駄なんだから!』
凛「つかまえたよっ」
逃走女子を羽交い締めにして穂乃果たちの前へと持ってくる凛。
穂乃果「さすが凛ちゃんっ」ナデナデ
凛「えへへ」
??「でもね、あんたたち甘いわよ」
その瞬間。
拘束していた身体は外側からドロッと形が崩れていき、白い煙のようなものを放出しながら蒸発?した。
凛「うえぇっ?」
穂乃果「能力者!?」
しかし、その問いに答えるべき存在はいない。
海未「…そうとしか判断するしかありませんね」
ことり「能力者さんだったのかな〜」
真姫「ここら辺は能力者多いわね」
花陽「すこし怖いです」
穂乃果「!…能力者だったんだね、もっと入部したくなっちゃったよ!」メラメラ
海未「まぁほどほどにアプローチしましょう」
ことり「そうだね」
花陽「あの〜」
一同の比較的後ろにいた花陽がなにかに気付いたのか、部屋にある棚の上に位置する壁についたアルミホイルを見つめている。
その先には僅かにアルミホイルの膨らみができていた。
花陽「周りも見てください」
良く見ると所々にアルミホイル壁の凹凸が他とは違うところがある。
穂乃果「これ、なんだろうね」
穂乃果が該当箇所のアルミホイルをペリリとめくると。
ことり「ポスター?」
真姫「もうすこし剥がしてみて」
穂乃果「うん」ペラッ
海未「これは?」
花陽「!…とあるアイドルグループのポスターです!」
穂乃果「アイドルグループ?」
花陽「そうですっ、ここら辺では割りと知られていると思います」
真姫「アイドル好きなの?」
花陽「うんっアイドルグッズとかは持ってたりするよ」
凛「凛は知ってたにゃー」
海未「しかし、なぜアイドル?」
ことり「うーん…」
穂乃果「他も調べてみない?机の中とか…」ニヒヒ
海未「それはダメですよ、穂乃果」
穂乃果「固いよ〜海未ちゃん」
穂乃果「まずはー、…おおっ日誌?これはいいかも?」
海未「固いとか言う事じゃありません、ダメなものはダメです」
ことり「おねんがぁいっ♪」
海未「…しょうがないですね。今回だけですよ、全く」
穂乃果、ことり「はぁーい」
穂乃果「見るよっ」
____
____
真姫「それで…何か分かった?」
穂乃果「これ、途中で途切れてる」
ことり「そこで終わっちゃったのかな?」
穂乃果「あっまた再開してる」
凛「その時なにかあったのかな?」
穂乃果「読んで見たけど、途切れた前日はアイドルのライブ行ってたっぽいね」
凛「見せて見せてっ」
×月5日
今日は某アイドルのフリーライブに行ってきたわ。
思っていたより出来が良かったにこ。
諸々____
_______
______
明日はA-RISEの出待ちをしようかな。♥
_______________________
花陽「なるほど、アライズですか分かります!」
真姫「良くこんなに書けるわね」
穂乃果「で、これがまた再開した一年前のやつだよっ」
海未「少し背徳的ですね」ワクワク
ことり(うみちゃん…)
×月13日
やはりUTXには何かがあると思う世間には公表できない何かが。
きっとフリーメイソンという組織の傘下にあるのは間違いない。
AーRISEのAはまさしく、あのマークだ。この世界を牛耳らせる訳にはいかない。
諸々____
_______
______
結果、電磁攻撃あるいは思考を読み取られないようにアルミホイルを頭に被ることにした。
_______________________
真姫「ぶっ…」プルプル
花陽「ひっ!怖いです…」
凛「大丈夫だよ。かよちん」サスリサスリ
ことり「妄想?」
海未「なんですかこれは」キラキラ
希「今どんな感じ〜?」ガラッ
穂乃果「あ、希先輩っ見に来てくれたんですか?」
希「まぁな、ちょっと心配やったし」
ことり(大丈夫って言ってたけど心配だったんだね…)
海未「あの、恐れながら日誌を拝見させて頂いていたのですが、にこ先輩に何が?」
希「…ちょっと見せてな」
ことり「どうぞ」
希「ふむふむ…」
希「まぁやっぱりこの時期になんかあったんやろな」ペラ
真姫「アイドル関係で何か?」
希「せやな、…昔にこっちは、ここにも書いてあるようにアイドルを目指したり、追っかけをしてたんや」
凛「へーっ」
希「でもある時にパタンと学校に来なくなって、どんくらいかな。一週間くらいでまた学校に来たんやけど、様子が変でな…」
ことり「それでどうしたんですか?」
希「今までと違って、それからはアイドルの話なんて一切しなくなったんよ。まるでアイドルに不信感を抱いてるような感じで…と言ったらいいんやろか」
花陽「そんな事が…」
真姫「その時期になにかがあったのは間違いないわね」
海未「アイドル関係でしょうね…」
希「あ、あとそれから段々と違う方向にも、おかしくなってきたんや」
希「…組織とか、アルミホイルとか…」
真姫「……うーん、それ軽度の統合失調症になっちゃってるのかも…」
穂乃果「なにそれ?」
真姫「精神病の一つよ」
真姫「この記録のない期間によほどショックな事があったのかもしれないわね」
穂乃果「そうかもしれないけど、戻すにはどうしたら良いの?」
真姫「うーん……統合失調症確定ではないけど、違うとしてもその不安材料?を取り除けばなんとかなるかも…」
花陽「アイドルが好きそうでしたし、それ関係かも…」
希「その線はあるやろな」
ことり「たしかに色々アイドルの追っかけとか、出待ちもしてたみたいだし」
凛「それで決まりにゃ!」
穂乃果「それだね!理由はほぼ確定っ!…でもさ。どうやる?」
花陽「アイドル関係かぁ…」
海未「おそらくそうでしょう」
希「色々、不安とかも取っちゃえばいいんやない?」
穂乃果「おおっ、良いね!」
真姫「うーん…まぁ、とりあえずやってみれば?」
穂乃果「じゃあ明日、{にこ先輩}奪還計画開始っ!!」
希「よろしく頼んだで、」
─────
穂乃果「にこせんぱーいっ!」
にこ「げっ昨日のヤツら、三年生のクラスまで来て何のつもりよ!」ダッ
穂乃果「私はあなたの仲間です」スッ
にこ「え?…」
にこ「いきなり仲間って言われ───
海未「見てください、皆のこの頭を!」
にこ「アルミホイル…」ハッ
にこ「ふーん、…わかってるわね。あんたたち」
凛「電磁攻撃から身を守るためにゃ」ビシッ
ことり「少し部活動について聞かせて貰えませんか〜?」
にこ「ふふ、いいわ少しだけ私の部室を案内してあげる。ついてきなさい」
穂乃果「気になったんですけど、UTXのアライズについて何かあったんですか?」
にこ「アライズ?!」
花陽「何か知ってるんですね?」
にこ「もちろんよっ悪の組織だったの、おそらく影でフリーメイソンと繋がっているわ」
真姫(アホね)
にこ「色々にこが調べて見たんだけど、とてつもなく強大な計画が動いているわ。ヤツラは陰謀を企てているの」
穂乃果「私もUTXの陰謀はあると思います、音ノ木坂学院と生徒数もほぼ似てましたし」
にこ「そうよね、他にも沢山あるの。知ってる?ARISEのAはあのピラミッドの形とも酷似しているのよ、」
穂乃果「おおっなるほどぉ!」
にこ「…でしょ?」ニヤ
にこ「っとついたわね、あれ。あの扉に張ってたアルミホイルは?」
海未「剥がれちゃったんじゃないですかね」ハテ?
にこ「なら、また張らないとね」ガチャ
扉を開けると天井と壁一面に張ってあったアルミホイルはすべて剥がされており、元々張ってあったアイドルのポスターのみが壁に張り付いていた。
部室内は昨日のようなまがまがしさはなく、華やかな雰囲気を醸し出す。
今までアルミでおおわれていた棚の中のアイドル関連グッズも露になり、元々のアイドル研究部を取り戻したように見えたが。
にこ「うっ…これは………ねぇ、あんたたち何したのか分かってんの?」ギロッ
にこ「私の仲間なんじゃないの?…勝手に人の部室に入って勝手に防御壁剥がして!!、何のつもりよ!!出ていきなさい!!!」
穂乃果「…アイドル、好きなんですよね?」
にこ「っ…なんでそうなるのかしら」
花陽「こんなにグッズを並べるなんて嫌いじゃできませんっ」タナ ユビサシ
にこ「それは敵の情報を集めるためよ」
海未「ならグッズは必要ですか?」
にこ「証拠品よ…」
ことり「こんなにアイドルのポスターが張ってあって…」
にこ「…」
凛「アイドルかわいいにゃー」
にこ「…」
真姫「強情ね」
花陽「伝伝伝こんなに集めている人がアイドル嫌いなわけがありませんっ!」
にこ「…でもっ」
穂乃果「良いんだよっ!!」ダキッ
穂乃果「もし、何かあっても。私たちがいるんだ!私たちが守るっ!!アイドルを好きで良いんだよっ!!!アイドルが酷いことするわけないじゃないですかっ!なんでそんな事をしたのか、理由があるはずですっ!!信じて!もう一人じゃない、私たちは仲間なんだよっ!!!」
海未「私も能力持ちですから、」フッ
穂乃果「だから、私たちをアイドル研究部に入部させてくださいっ!!!!」
ことうみまきりんぱな「「「「「お願いしますっ!!!!!」」」」」
にこ「…」
にこ「……」ウル
にこ「…」ゲシゲシ
にこ「…ほんっと、しょーがないわねー。」
にこ「……私、…なんで頭にアルミホイルなんかつけてるのかしら」
穂乃果「なおった!?」
真姫「成功ね」
にこ「でも、本当にいいの?」
にこ「私の部活に入ったら、アイドルについて調べていく事になるわよ、あんたらの目的は廃校阻止らしいじゃない」
穂乃果「…それって、A-RISEの事ですよね。私達もA-RISE、UTXについて調べているんです」
にこ「UTX、A-RISEが廃校に関わってるって?」
穂乃果「そうですっ!」
にこ「………フッ…まぁ悪くないわね」
にこ「良いわ、あんたらの入部を認めてあげる。最後に言うけど、危険よ?」
穂乃果「はいっ!分かってます」
にこ「私はなんでアイドルの頂点に立つA-RISEがあんな事をしてたのか、分からない。でも…そんな事をしてたのには理由があるはず。」
にこ「にこはそう信じてる。……だから…その理由を知るためにはどんなことだってやるわ。…」
穂乃果「…なるほどっ」
にこ「あんた達に、その覚悟は…ある?」
【生徒会室】
絵里「えーっとここは…」カキカキ
希「…」
絵里「…ふむ」
希「えりち、見て…」
絵里「…何?」
希は生徒会室の窓から、立ったまま外へ視線を向ける。
絵里「希?」
希「雨、止んでる」
そしてその先では今までの天候をかき消すかのように、雨雲の割れ目から差し込まれた幾つかの陽光が煌めいていた。
次からは雑談も交えながらのバトル回に入ります。展開とか能力で質問あったら答えます。
第6話「相手は誰だ?」前編
海未「学校の廃校阻止について、かなりの暴論ですがとりあえずUTXを調べると…」
海未「で、方法についてですが。何かありますか?」
穂乃果「うーん…尾行とか?」
凛「…見つかりそうにゃ」
真姫「誰か捕まえちゃう?」パンサー
花陽「ええっ?」
ことり「止めた方がいいかも…」
真姫「…冗談よ」
にこ「そうね…UTXに乗り込むわけにもいかないし…。次にアライズのライブをやる場所で何か掴むとかしかないわね」
海未「それしか無いですか…」
にこ「…今、会場を調べるから待ってて」カタカタ
海未「すみません、にこ先輩」
にこ「なんか先輩って煩わしいから先輩禁止で」
穂乃果「雜っ」
にこ「あーここか、」
穂乃果「どこどこ?」
にこ「ビルの中に巨大なステージがある所よ、結構設備は揃ってるみたいね」
花陽「ビルの中ですね…」
にこ「アライズ…」
にこ「なにがあるかわからないし、行くとき護身具とか持ってったら?」
ことり「そんなに危険なの?」
にこ「一応よ、べつに持ってかなくてもいいけど」
真姫「私はパパにもらったムチを持ってくわ。あっ…そういえば前に言ってたグローブ使い方が分かったわよ」
海未「ほんとですか?」
真姫「そうよ、それと私にGPSのお守りもくれたの」フフン
真姫「なんでこんなにぶ厚いのか知らないけど…何か穴開いてるし。」
凛「早くグローブ出すにゃー」
真姫「……聞きなさいよ、で。例のグローブなんだけど…」ゴソ
凛「あーっこれミッションインポッシブルで見たことあるかも」
真姫「まぁ機能は違うけど、デザインは確かに似てるところはあるかもしれないわね」
真姫が取り出したそのグローブは下地が黒色の化学繊維で作られており、
手の甲についている正方形の薄い装置からは、指先一本一本にかけて細い半透明の青いラインが通っていた。
花陽「これ何?真姫ちゃん」
真姫「手の甲の機械で高周波を発生させる、名づけるなら高周波グローブね。」
海未「おぉ…」(カッコいいです…)
真姫「はいこれ、海未にあげる」
海未「ええ!?こんな高価そうな物もらっていいんですか?」
真姫「いいのよ、多分海未が一番活用できると思うから」
穂乃果「なんで?穂乃果もほしいよっ!」
真姫「あげないわよ。海未、前に家に日本刀があるって言ってたでしょ?そのグローブはめれば、かなり切れ味が上がるはずよ。」
海未「ありがとうございます真姫、あなたは最高ですっ!」
真姫「まぁ私じゃ使えないし、捨てようと思ってたぐらいだから気にしなくていいわよ」//
海未「恩に着ます、真姫」
凛「いいなー」
にこ「…はいっ、聞いて。じゃあ、ライブの日付は三日後よ。」
ことり「ちょうど午前授業の日だねっ」
にこ「にこも色々調べとくからあんたらも用意してなさい」
ことり「チケットはどうするの?」
真姫「無料の席と有料の優良席があるみたいだけど、行くだけだし必要ないでしょ」
海未「分かりました」
穂乃果「穂乃果、それまで何してよう?」
ことり「休憩とかかな?」
花陽「ライブを見る用意もしていいですかっ?」
にこ「…許可するわ」
花陽「了解しましたっ」
凛「凛は特にないにゃー」
真姫「三日後ね」
_____________
真姫「思っていたより立派な場所ね、ここ」
花陽「真姫ちゃん当たり前だよっ。あのARISEなんだから」
真姫「…確かにそうね」
アイドル研究部4名は秋葉原から少し離れたビルを訪れていた。
彼女らが制服のまま、たっている場所はロビー、そこはライブが始まるまでの待機場所である。
地上から7階程上がった所にあり、僅かにある窓からは他ビルの広告板が見えた。
そして、その真上はライブ会場として4階分ほどスペースをとり、その上は会場管理室、さらにその上からは事務所、オフィスが閉めているというのがビルの内部構成であった。
一同はロビー内の壁際にある、布で覆われた円柱状の椅子へと並んで腰をかける。
真姫「あれ?にこちゃん達はまだなの?」
花陽「にこちゃんと凛ちゃん今日、先生に職員室に呼ばれちゃったみたいで、待つって言ったんだけど…」
ことり「優しいよね、アイドル好きの花陽ちゃんのために皆に先に行ってていいよなんて」
花陽「聞いてたの〜?ことりちゃん」
ことり「聞いちゃいましたっ♪」
真姫「穂乃果は?」
ことり「穂乃果ちゃんも呼ばれてたみたい」
海未「…もしかしてこの前の定期試験の事ですかね?」
ことり「どうかなぁ?」
海未「全く…」
真姫「ねぇ、いつごろ始まるんだっけ?」
花陽「あと1時間位かな」
真姫「…長いわよ」
花陽「そう?以外と早かったりするよ」
真姫「そういう物なのかしらね」
海未「瞑想でもしてましょうか」
ことり「いつ頃みんなここに来れるかな?」
真姫「適当に待ってれば来るでしょ」
花陽「まぁ心配しなくても良いと思うよ?」
海未「」
海未「」👀
海未「…何か騒がしくありませんか?」
ことり「そう?」
花陽「準備してるんじゃないかな」
真姫「また事件とか勘弁してほしいわよ?」
海未「……五感をあげましたが、異常な騒がしさです」
真姫「はぁ…」
花陽「だんだん私にも聞こえて来ましたっ」
ことり「あっ」
ことりが向かいの壁へと視線を泳がせていると、横目にロビー端の階段から数人が焦った様子でかけ降りて行くのが見えた。
ことり「見てっ…本当に何かあったのかも…」
真姫「…ねぇ…どうする?」
花陽「何もないんじゃないかな…」
真姫「一応見てきた方がいいんじゃない?」
ことり「有事じゃないといいけど…」
海未「勘違いであることを祈りましょう…少し上の様子を見てきます」
花陽「…もし何かあったらどうするんですか?」
海未「どうするもなにも、元々は情報収集が目的でしたからしょうがないです」
ことり「そうだね…」
真姫「一人じゃ危ないわ、私も行ってあげる。待つのも疲れたし」
海未「有難うございます」
ことり「私も行きたいっ」
花陽「花陽もですっ」
海未「すみませんが、私たちだけで大丈夫だと思いますので二人で行かせて貰います」
真姫「大人数でいってもしょうがないし、後からにこちゃん達も来るから待っててあげて。」
花陽「わかった、皆が来るもんね」
ことり「じゃあ、花陽ちゃんとお話してるねっ」
海未「はい…待っててください。上まで見てきますから」
真姫「行ってくるわね」フリフリ
海未「では二人供ここで待っていてください。無いとは思いますが、もし避難指示のようなものが出た場合は早急に逃げてください」
ことり「海未ちゃん達がまだいるのにそんなこと出来ないよ」
花陽「私達の事は気にしなくてもいいよ」
海未「しかし…」
花陽「後から凛ちゃん達も来るし大丈夫」
ことり「そんな危ないことはしないし、それに何もないんじゃない?海未ちゃん」
海未「…」
真姫「私はそれでいいわよ。心配しなくても二人なら臨機応変に対応できるんじゃない?」
海未「…危険な事はしないで下さいね。では、」
ことり「気を付けてね」
花陽「また後で〜」
花陽「…行っちゃいましたね」
ことり「お話でもしてよっか」
ことり「かよちゃんはいつからアイドル好きなの?」
花陽「小さい頃からです、キラキラしててとっても素敵だから憧れちゃいます」
ことり「そうだよね、今はARISEかなり人気だしね」
花陽「はい、ここの有料入場券の倍率、凄かったらしいですよっ」
ことり「そうなんだぁ……。そういえばさ、能力者って数年前位かな?出てきたの」
花陽「はい…凛ちゃんのも中学生のころに気付きました。」
花陽「ある日一緒に走ってたらいつの間にかものすごく遠くへ行っちゃってて…」
ことり「そうなんだ〜海未ちゃんもn──────
「「>♪〜<」」
「ARISEの今回のイベントは誠に申し訳ありませんが、急遽中止とさせていただきます」
「払い戻し等については後程インターネット上に掲載する予定です」
「代替措置については必ずご用意させていただきますので、速やかにお帰りください。」
ザッ
ツバサ「当グループARISE一同からも謝罪させていただきます」
ツバサ「今回の件については必ず後で埋め合わせいたしますので今回はどうかお帰りください」
ツバサさ~ん キャー ダイテー
花陽「ツバサさんが出てきた?」
ことり「やっぱり、何かあったみたいだね…」
花陽「うん…」
ことり「海未ちゃんたち頑張ってるんだし、私たちもここで待ってないと」
花陽「そうだね」
「あちらのエレベーターか階段からお降りください」
キャー アクシュシテー
ツバサ「とりあえず避難してからと言うことでいいかしら」ウインク
コッチミタワ キャー ハイッ
花陽「見つかったら連れ出されちゃいますっ」
ことり「ここに隠れられるかも」ゴソゴソ
キャー
ツバサ「こっちに来てくれる?」
ドコマデモッ カッコイイー ツイテキマス
───────────────
海未と真姫の二人は各階を確認し、歓談しながら階段を上へ上へと駆け上がっていく。
真姫「所で、海未は何か持ってきたりしたの?」
海未「はい。真剣というわけには行きませんでしたが」チラ
真姫「木刀ね、あのグローブは?」
海未「さすがに木刀では使えないと思いましたので」
真姫「…まぁそうね」
真姫「あれ、海未の能力ってなんだっけ?」
海未「身体感覚能力上昇ですよ」
真姫「早口言葉?それ。」
海未「ちがいますよ、五感と筋力反射神経もろもろが上がるんです」
真姫「そうなの」チラ「……この階も何もないわ」
海未「今のところ特に変わった場所はないですね」
真姫「いい調子だわ」
海未「何も無いといいのですが…」
海未「所で、凛と花陽とは仲がいいんですか?」
真姫「なんで?」
海未「一年生ですし、よく会うのではと思いまして」
真姫「…まぁそうね」
海未「ふむ……この階は…」
海未「ちょっと見てください」チョイチョイ
真姫「何?……ハァ…案の定、見つけちゃったわね、行きましょ」テクテク
海未「見つけて良かったと言った方が良いのか、悪いのか…」扉バタ
彼女らが踏み入れた先は一般的なオフィス。
パソコン等がのった長方形の白い机が適度な感覚を開け、碁盤目状に並んでいる。天井の散水機からは水が霧状に放出され、デスクの上に散乱していた書類は水でにじむ。
オフィスチェアは無造作に横へと倒れ、足のローラーがカラカラと音を立てていた。
海未「スプリンクラーが作動してるようですね」キョロ
真姫「結構ぬれるものね…これ、止まらないの?」ピチャ
海未「どうでしょうね、いつかは止まると思いますが」
真姫「あれ?誰もいない?」
────シン
海未「…いや、奥にいますよ」
奥、窓際では淡い青色の仮面をつけた女がこちらを向いていた。
その仮面は顔全体を隠し、どこか冷徹な印象を抱かせる。
「…」
真姫「かなりの不審者ね…」グッ
海未「目的は情報収集ですよ真姫」
真姫「…大丈夫よ」
海未「何をしてるんですか?」
「」
女は無言で濡れた手を二人に向けて振り払うと、親指ほどの氷塊が指先一本一本からとんだ。
真姫「氷?」ボッ
それらを真姫は能力による炎を放出して受け止め、白いもやが上がる。
真姫「いきなり、なによ」
海未「話す気は無いようですね。どうしましょうか」
真姫「やるしか無いんじゃない?」
真姫「……私と相性が良いと思うわ、行かせて」
仮面女は水を手にまとわせて氷塊を放つ。
海未「隙を見て私が攻撃します」サッ
_______
オフィスの真ん中で対峙する二人の能力者。
様子見で真姫は相手へジャブとばかりに炎を放つが、仮面女が手をかざすとその火は消える。
真姫(手周囲の温度を下げたのかしら、連続してやってみる?)
今度は3回ほど連続して両手から交互に炎を撃つ、右手で胴、胴、最後に頭へと目がけて。
それに対して、仮面女は一撃目の炎を手で殺し、
二撃目は手のうちに氷を形成し炎へとぶつける、溶解熱を利用して消滅。
白い靄が上がる。
「…」ボワッ
「…」タタッ
徐々に真姫と距離を詰める仮面女は、最後の炎を左前へと上体をそらして回避、
「…」サッ
一歩進み踏み込んでから、右手で真姫の首をつかまんとするが
海未「真姫っ」
海未の木刀がそれを阻み、真姫はとっさに首へと微かな違和感を感じたために後ろへと下がる。
真姫「ごめん…ちょっと休ませて…」
首をおさえながら真姫は比較的離れたオフィスの椅子へと向かった。
海未「大丈夫です、任せてください」
海未「…さて、私に代わりましたが今だ話す気は?」
「……。」
その問いにもあくまで答えず。
海未「それは…?」
気が付くと仮面女の真っ直ぐに揃えられた両手の指先では、氷が半透明のパルチザン尖端を形成していた。
海未「…」
海未「…それでは行かせて頂きます」
窓際に不敵に立つ仮面女を見据え、両手で持った木剣を斜めに構えた。
海未「…」サ
※パルチザン
http://tinyangel.jog.client.jp/Arm/Partisan.html 海未「……」ブン
海未は木刀を振り上げ、大ぶりな軌道を描いて女へと正面から振るう。
もちろん女は討たれるわけもなく、片手で受け流し、
「…」サッ
もう片手の氷剣で海未に反撃。
「…」シュッ
海未はその行動を持ち前の反射神経を活かし、刀剣でいなす。
氷と木がぶつかるガギンという鈍い音が響く。
…
……
…
仮面女は氷の礫を徐々に戦術へと織り交ぜていった。
パソコンや書類が並ぶ中、
拮抗した実力の斬撃をお互いに繰り返し、切り合う。だが、やはり繰り返される氷塊による手数でのアドバンテージか、海未は力では多少勝っているものの押され気味である。
「…」ブンッ
海未(能力を使用する戦闘にかなり経験があるようですねッ)
海未「…ッ」ギリギリ
そのため戦闘の最中、海未は女の指先から氷が飛ぶたびに、後ろへと下がりながら戦うしかなかった。
海未(…このままでは不味い、)
海未「…」ブゥン
「…」ガギッ
「…」シュッ ヒュン
海未(また氷の礫…)サッ
海未「うっ」ゴン
後ろへと足を擦って移動するが気付けば背後にガラス壁が迫っており、海未はこれ以上下がることは叶わない状態に。。。
「…」ヒョイ
それを見て、仮面女は地面に落ちていたペットボトルをさっと拾い上げる。
そして手に持ち仮面女は、
海未へ、ペットボトルと氷塊とで左右に分けて同時に投げた。
海未(子供騙しですか?)ブン
それを海未はペットボトルの方向へと避けて、刀で分断。
(…かかったわね)
海未の木刀からの圧力に耐えきれず、ペットボトルが内容物を吹き出す。
海未「…」ビシャッ
そのため、中身の液体がこぼれ出て海未の顔にあたる。
「…」スッ
そこに女がすぐさま近より、顔にさっと手をかざすと、顔面の液体が凍り始めて海未の視界を奪う。
海未(冷、顔全体の感覚が有りませんっ)パキパキ
「」ニヤリ
防御力。諸々が下がった海未の身体へ、仮面女は半回転して渾身の後ろ回し蹴りを腹部へと食らわせる。
海未「うぐっ」ドスッ
腹への衝撃を受けた海未は、うめき声を上げて体をくの字に曲げる。
「ダスビダーニャ…」ググッ
海未「…このっ」ギロッ
海未は蹴られた勢いで、手足を前に向けながら、
「…」ズンッ
海未「…うぁっ」パリイイィィィン
背中からガラスを突き破って、外へ飛び出る!
真姫「…海未っ!?」
奥に下がっていた真姫は派手なガラスの割れる音に何事かと顔を上げ、この状況を確認するように叫ぶ
海未「…っ」
真姫の叫びとガラスの割れる音を聞きながらビル高層階より、中空へと放り出された海未は、
「……」フッ
重力に従ってガラスと水滴を伴って、なすすべもなく、回転するように地面へと落ちていった…
海未「」パラ…パラ……
第7話「相手は誰だ?」中編
真姫が派手な音に何が起きたか、と面をあげると奥のガラス壁が大きく割れており、そばには仮面女。
真姫「海未はっ!?」
しかし、そこいたはずの海未の姿はなかった。
真姫「…」
真姫は少し首をさすったあとに女へと駆け、あえて使っていなかったムチを取り出してふるった。
真姫「…焼き切ってあげる」ブンッ
女は手の氷剣で受けとめたようとしたが、ムチによって溶け切れてしまう。しかし、それに気づいたのか女は運よくムチをかわしきる。
すぐさま下がってから氷を放つが、真姫はそれを溶かし切る。
そのあとすぐさま真姫のムチによる連撃。
真姫「効かないわよっ!」ビュンッ
「…」サッ
真姫「くらいなさいっ」シュルッ
「…っ」サ
真姫「…このっ」シュ
「…」サッ
真姫「ちょこまかと…」シュッ
「(鬱陶しいわね…)」サ
真姫「ふっ」ブンッ
「(アブなっ)」…サッ
真姫の攻撃を回避する以外の方法が見当たらない女は、段々とフロアにおいてあるいくつかの机を横目にしながら奥へ追い詰められていく。真姫にとっては良いことに、対処法が見つからない以上、仮面女はどこかのタイミングで鞭に焼切られてしまうのは明白だった
真姫「ふんッ」ビュ
「…」ゴンッ
真姫「何よそ見してんのよっ!」
「…」アブナッ
「…これは……」
(ゴルフクラブ……鉄製の棒ね…)
「…」ニヤ
真姫「…」シュッ
「…」ヒラリ
真姫「…は?」シュルッ
そして女は奥にあったゴルフバッグからクラブをとりだし、それを手のひらでしっかりと握りしめると────
真姫「無理よっ!」ビュッ
真姫のムチを受けた
「…」フ
そのクラブは溶ける事はなく、ムチはクラブにしっかり巻き付いてしまう
真姫「えっ!?」
「…」シュルル
女がクラブを引くとムチは真姫の手から離れていく
真姫「あっ…」
「…」ダッ
直ぐに女は剣を生成すると真姫へと迫って切り上げ
真姫「」サ
真姫はそれをすんでの所でかわす、
真姫(…鞭がなくなった今、近付いて戦ったら負けしかない。隠れるか距離をとらないと。でも、能力を使おうにも体力もなくなった。)
「…」ズ…
真姫(これは…厳しいわね……)
ことり「私たち以外、お客さん全員避難したっぽいね」
花陽「良かったです〜」
避難指示にしたがわないために、ロビーの端の椅子がまとめて置いてある場所へと隠れたことぱな。
花陽「あっちの方から誰か来ましたっ」サッ
英玲奈「あんじゅ、我々も帰るぞ」カツカツ
あんじゅ「え〜、私たちはいいんじゃない?」コッコッ
英玲奈「本部に連絡はしたんだから、でしゃばる必要はない」
あんじゅ「でも直ぐ終わらせられると思うんだけど…」
ことり(終わらせる?)
英玲奈「そういう問題じゃないんだ、あんじゅ」
あんじゅ「行かないの?」
英玲奈「行って我々が能力を使っているところを写真にでも撮られたらどうするんだ」
あんじゅ「そんなこと無いわよ」
花陽(二人とも能力者だったんですかっ!?)ガタッ
ことり(かよちゃんっ静かに!)
英玲奈「…この前似たような状況があっただろう忘れたのか?」
あんじゅ「あったの?……ねぇエレナ」チラ
あんじゅ「…今何か動かなかった?」
ことり(みられてたの!?)
花陽(はうぅー、ごめんなさい)
英玲奈「そうか?、て言うか状況については覚えていないのか」
あんじゅ「椅子の所、見てくるわね」トコ
花陽(ばれたら記憶末梢されちゃうのかなぁ…)
英玲奈「はぁ」
花陽(不味いですうぅ)
ことり(花陽ちゃん大丈夫だって、安心してよ)
英玲奈「一応見といてくれ」
あんじゅ「たしかこの裏側らへん」カツカツ
花陽(こっちに来ましたっ)ドキドキ
ことり(ばれちゃうっ)ハラハラ
あんじゅ「…ここかn─── ガバt
花陽(ばれましたっ…)ガクブル
ことり(ごめんなさいぃ)ヒィ
英玲奈「…おい!」
英玲奈「…まさか、なし崩しに上階に行こうとしてないよな?」
花陽(まだ、みられてない!?)
ことり(はやくあっちに行ってー)
あんじゅ「フフ、そんなわけないじゃない」
英玲奈「じゃあ戻ってこい、確認なんてしなくていい。普通に考えて危険な場所にとどまる理由なんてない」
あんじゅ「それもそうね、じゃあ階段で上へ…」
英玲奈「ダメだ、行ったらあいつの思う壺だ、放っておけ」
あんじゅ「相変わらずロボットみたいに堅物ねエレナは」
英玲奈「余計なお世話だ、ツバサも待ってるんだ。エレベーターにのれ、行くぞ」ピッ
あんじゅ「はいはい」テクテク
花陽(はい、セーフ)
ことり(よかったあぁ)
英玲奈「ツバサもファンに囲まれて大変だな」
あんじゅ「本望じゃない?」フフ
花陽(死ぬかとおもった…)
ことり(…寿命が縮んじゃったよ)
英玲奈「一階で良いな?」pi
あんじゅ「ええ」
ことり「エレベーターで行ったね」
花陽「良かったです。でも、あのARISEのお二人が能力者だったとは」
ことり「ツバサさんも能力者だったりして」
花陽「ありえるかも…」
ことり「でも、能力者って知れたことはかなりの大きいねっ」
花陽「うん、普通の人は誰も知らないと思うよ。ARISEの秘密が知れて嬉しいですっ」
ことり「…上に行ったけど海未ちゃん達大丈夫かな」
花陽「心配だよね」
ことり「上に行くわけにも行かないし……ッ」チラ
花陽「待つしかないですね……?…さっき窓の外に何か。…どうしたの?ことりちゃん」
ことり「…う……ち…」パクパク
花陽「今窓でちらっと落ちていったやつ?」
ことり「…う……み…ちゃん、う…海未ちゃんっ」
ことり「海……未ちゃん…が落ちて…いった」
花陽「エエッ!?海未ちゃんがオチテイッチャッタノオ?」
ことり「…早く下に行かなきゃっ!」
花陽「私もついてきますっ」
階段へと急いで、駆け下りていく二人
花陽(真姫ちゃんは大丈夫かな…凛ちゃんたちに伝えとかないと)タッタッ
ことり「うみちゃん…うみちゃん…」タッタッ
花陽「…下からだれか来てます」
ことり「だれっ?」
花陽「…」ゴク…
穂乃果「おおっ!ことりちゃん、花陽ちゃんっ来たよっ!」バッ
ことり「ハノケチェン?」
にこ「急いでるみたいだけど、どうしたの?」
凛「なんか今日中止みたいだったけど来ちゃったにゃー」
ことり「海未ちゃんが…下に落ちてっちゃった…」
穂乃果「海未ちゃんが!?」
にこ「…なにかあったわね」
花陽「それでっ真姫ちゃんもまだ上にいて…」
凛「えっ真姫ちゃんも?!ほら早くっ」
穂乃果「真姫ちゃんは見てくるから…海未ちゃんの事よろしくっ!!」
にこ「早く行くわよっ」ダッ
───────
────浮遊感
…まさか外に
海未は体をビルへと向けながら落下し、窓際に立つ仮面女を呆然と見据えることしか出来ずに下へと落ちていく。
こう地面と放れていては、…録な受け身とかはさすがに取れませんね…ハハ……
重力に従って落ちていく海未。
その体はいつのまにかビル下部を囲むように発生していた不自然な濃霧へと、飲み込まれていった。
──────バァンッ
「…っぐ」
海未は背中に強い衝撃を感じ、
「うぅ…」
「……痛…これは車の上に落ちたんですか?」
屋根がへこんで少しだけクッションになったようですね
(それにこれは霧…ですか)
車の上に仰向けになりながら、ぼんやりと白くなっている身の周りを見渡す。
(不穏な空気です。起き上がらないと)
「はっ…────ズキ
「…」
「動くのは厳しそうですね…」
海未「…」
…
花陽「おーい」
ことり「うみちゃん居たら返事してー」
海未「!…」
花陽「うみちゃーん」
海未「ここです!、」
この霧の中でことりは見通しの悪いなか、ビル横に路上駐車している中型車の上に海未を見つけた。
ことり「うみちゃあぁ〜ん、よかったよぉ」
花陽「無事でなによりです」
海未「二人とも、ありがとうございます」
花陽「落ちてくるのが見えて、来ました」
海未「氷を使う仮面の女に蹴りおとされて……。…はっ真姫がまだ上に…」
ことり「凛ちゃん達が確認しに行ってくれたよ。大丈夫」
海未「なら良いのですが」
ことり「海未ちゃん大丈夫?」
海未「…背中を強く打ち付けました、」
ことり「痛そう、視界も悪いし、ことり達今何処にいるか分からないよ」
ことり「…この霧何だろうね?」
海未「ここに来た時は霧なんて有りませんでしたよね、それに今の時間帯にも場所的にもかなり不自然」
花陽「私は霧は見えるけど、その感覚はないから、たぶん能力者の影響だと…」
海未「ここでも能力者、全くどうなっているんですか」
ことり「…じゃあ、海未ちゃんとりあえず、ここから移動しよう」
海未「そうですね、少し手伝ってくれませんか…」
花陽「もちろんですっ」
真姫「…クッ」
「…」テク…
真姫「…やるならやりなさいよ」
「……威勢がいいわね」コォォォォ…
「…」♪ボルシチ~♪
「…あ」
「…ちょと静かにしてくれない?」
「何?」pi
『うちは順調やけど、そっちはどうなん?』
「上々よ、」チラ
『それなら良かったわ。……誰かにあったりした?』
「……二人会ったわ、一人はビルから外に蹴飛ばしてやったけど」
『ちょっ、…』
「能力者なんだし、そのくらい大丈夫でしょ」
『っ大丈夫なわけないやろ!?…。』
「私は別にそれでも構わないわよ」
『はぁ…亜里沙ちゃんのことがあって必死なのは分かる、でもな。その人関係ないやん』
『冷静になるんや。急いでどうってなるもんでもないやろ…見境なさすぎや』
「五月蠅いわね、私の勝手でしょ…。」タンタン
「…また誰か来たみたい……もう切るわよ?」
『…まって…確認や、うちが合図を出せばいいんやっけ?』
「そうよ、」pi
「さぁ、お次は誰が来るのかしらね…」
真姫「凛っ?!」
にこ、穂乃果よりも速く移動できる凛は、ことぱな の話を聞いてからは全力疾走。二人よりも速く目的の二人がいるはずの階へと足を踏み入れた。
凛「まきちゃーん」ぱっ
真姫「…ふ」ググ…
凛が目にしたのは壁際で足を氷漬けにされて身動きがとれなくなっている真姫だった。
この様子を見ると、体力を使い果たし能力を使用するエネルギーも無いように思えた
「お仲間かしら?」
その向かいには仮面の女が細長く、氷で出来た棒状の大きな矢じりを右手に構えていた。
長さは一メートルほどで、氷塊の両端は鋭くとがり、先端は真姫の方向を向く。
凛「真姫ちゃんになにしてるのっ」シュイン
それを見て直ぐに女の方へと素早く迫ってタックル
「この子も能力者?」
凛からのタックルを受け氷槍を手から放してしまうが、女は倒れる事はなく、そのまま氷剣を形成し、すぐさま近距離で凛に切りつける。
「氷の剣?」サッ
それを凛は直ぐに後ろへと下がり避け、
真姫「凛…あまりスピードは出しすぎないで…」
凛「まきちゃんっ大丈夫?」
真姫「まぁまぁよ、ねぇ…凛。高速移動で水に当たったらまずいわよ」
凛「何となくわかった、任せて!」
真姫からのアドバイスを受けて攻撃態勢になる凛、最低限のスピードで女へと迫って正面から顔面を殴る、
凛「…」シュッ
「…」パキッ
女は一瞬、濡れていた仮面表面の水を凍らせて迫る拳に合わせて滑るようにさけ、
「…」シュッ
凛の顔へ直ぐ殴り返すが避けられる。
凛「あたんないよっ」サッ
攻撃に当たらない為と様子を見るために、距離を取る凛。
そこへ女は距離が出来た所で氷を放ち、飛び放たれた氷塊を凛は身を低くして高速でよける。そして、そのために標的を逃した塊は、後ろの壁へとめり込む。
─────ビシビシッ
凛「このっ」ピョンッ
凛はさっきの身を低くしたままの体勢で、女へと正面から迫り、両腕で胴にしがみつく、抵抗は少なく
そしてそのまま一緒に女の後方に倒れ、動きを封じる
「」バタン
凛は女の体を腕で固定したまま、倒れた女の頭の先にある机の引き出しへ、
頭部を叩きつけようと床を滑るように足で地面を蹴る。
「…」ググ…
床に押し付けられるように頭上の方向へ動かされた女は、凛の腕と自分の体の間へと手を潜り込ませて、体を捕らえている腕をはがすように上へと押し上げる、
すると仮面女は凛の拘束から抜け出し、横へと体を転がすようにして脱出!
女は立ち上がるとさっと右手に剣を形成し、立ち上がりきれていない凛へと一気に寄る。
凛「う…」ヨロッ
しかし距離が近づいた所で、狙っていたのか屈んでいた凛の高速の足払いが女のくるぶしに命中して上体が傾く
「…」グラッ
横へころんだ拍子に女はとっさに右手で倒れ込んだ受け身をとるが、
そこへ立ち上がった凛が迫り、下向きの腹へと思い切り蹴りあげた
「うっ」
女は腹を蹴られ上半身が上へとぐらつき、小さなうめき声をあげる。
凛「このっ」バッ
そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとし掴みかかる、
が凛はわき腹を女の右肘で突かれてしまい、伸びた手を引っ込めて少しだけ距離をとった──────
「…」サッ
立ち上がった女は目をつけていたのか、机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持って、蓋を外す。
凛「何するのっ!?」
女は空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、凛が横へ避けた所に液体を掛けて足付近を凍らせ、
「…」ビシャッ
凛「…あっ!」
凛の少しの拘束時間に女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなる。
「待つにゃ!」??
いつの間にかシャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた。
その中で凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかける。
まだ纏まった分量書けてないんで、今日は読み直して、少し改良したのを。
ここじゃ無くても読み辛い所とかあったら、ぜひ教えて。
にこ、穂乃果よりも速く移動できる凛は、ことぱな の話を聞いてからは全力疾走。
その二人よりも速く、真姫がいるはずの階へと高速で足を踏み入れた。
凛「まきちゃーん」ぱっ
真姫「…ふ」ググ…
初めに凛が目にしたのは壁際で足、手を氷漬けにされ、身動きがとれなくなっている真姫だった。
この様子を見ると、体力を使い果たし能力を使用するエネルギーも無いように思えた
「お仲間かしら?」
その向かいには仮面の女が細長く、氷で出来た棒状の大きな矢じりを右手に構えていた。
長さは一メートルほどで、氷塊の両端は鋭くとがり、先端は真姫の方向を向く。
凛「真姫ちゃんになにしてるのっ」シュイン
それを見て直ぐに女の方へと素早く迫り、タックル
「この子も能力者?」
凛からのタックルを受け氷槍を手から放してしまうが、女は倒れる事はなく、何事もなかったかのよう、
そのまま氷剣を形成し、すぐさま近距離で凛に切りつける。
「氷の剣?」サッ
それを凛は直ぐに後ろへと下がり避け、真姫に少し近づく、手を貸そうと行動するが。
それを真姫に手で制止される。
凛「大丈夫なの?」
真姫「そのうち溶けるでしょ…それよりも聞いて、注意点って言うか」
真姫「凛…あまりスピードは出しすぎないでね…」
凛「なんで?」
真姫「…凛。高速移動で水に当たったらどうなると思う?」
凛「……ん…まぁそこまで出さなくても、十分早いから大丈夫っ、任せるにゃ!」
真姫からのアドバイスを受けて攻撃態勢になる凛、
最低限のスピード、それでも速いが…で女へと迫って正面から顔面をとりあえず殴る、
凛「…」シュッ
「…」パキッ
女は一瞬、濡れていた仮面表面の水を凍らせて迫る拳に合わせて滑るようにさけ、
「…」シュッ
凛の顔へ直ぐ氷の剣で切り返す
が───────
凛「あたんないよっ」サッ
普通に避けらてしまう
凛「…にゃ」ジリ…
攻撃に当たらない為と様子を見るために、一旦、距離を取る凛
しかし、
そこへ女は距離が出来た所でここぞとばかりに氷を放ち、
凛はその飛び放たれた氷塊を、反射神経と自らの能力を活かして、足を折り畳むように身を低くしてよける、
幾つかの鋭い氷が、頭上を過ぎ去っていく。
氷塊は標的を無くしたため、当然、後ろの壁へとめり込んだ
─────ビシビシッ
凛「このっ」ピョンッ
凛は先ほどの身を低くしたままの体勢で、女へと正面から迫り、両腕で胴にしがみつく、
凛「…フシャーッ」ガシッ
そしてそのまま一緒に女の後方に倒れ、床上で動きを封じ
「」バタン
凛「このままっ…」
凛は、女の体を自らの腕で、覆い被さるように体の下に固定したまま、
倒れた女の頭の先にある机の引き出しに、相手の頭部を叩きつけようと床を滑るように、足で地面を蹴った!
「…」ググ…
床に押し付けられるように頭上の方向へ動かされた女は、
凛の腕と自分の体の間へと手を潜り込ませて、体を捕らえている腕をはがすように上へと押し上げる、
「甘いわ…」ゴロ…
すると仮面女は拘束から抜け出し、横へと体を転がすようにして脱出!
女は立ち上がると、さっと右手に水をまとわせて、剣を形成
立ち上がりきれていない凛へと一気に寄る
凛「う…」ヨロッ
しかし距離が近づいた所で、
凛は狙っていたのか、屈んでいた状態からの高速の足払いが女のくるぶしに命中!
その上体を傾けさせ──────
「…」グラッ
横へころんだ拍子に女はとっさに右手で倒れ込んで、受け身をとるが、
凛「…にゃぁっ!」
そこへ立ち上がった凛が迫り、下向きの腹へと思い切り蹴りあげた
真姫「凛!落ち着いて」
「うっ」
女は腹を蹴られ上半身が上へとぐらつき、小さなうめき声をあげる。
凛「このっ」バッ
そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとして掴みかかる、
が…
凛の脇腹を、仮面女によって右肘で突かれてしまい、
その伸ばした両手を引っ込め、少し距離をとった──────
「…」サッ
その隙に立ち上がると、
女は机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持つ、女は蓋を外し、
凛「何するにゃっ!?」
空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、
「…」ビシャッ
凛が横へ避けた所に、中身に残っていた液体を掛けて足付近を凍らせ、
凛「…あっ!」
少量でしかないため、その拘束時間は短かかったのだが…
その少しの女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなった
「待つにゃ!」😾
気がつくと、シャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた
そのために一旦逃げ出したのだろうか…
湿気が段々と下がるオフィスの中を、
凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかけて行った─────────
>>354 訂正
凛「このっ」バッ
そのまま凛は後ろから羽交い締めにしようとして掴みかかる、
が…
凛の脇腹を、仮面女によって右肘で突かれてしまい、
その伸ばした両手を引っ込め、少し距離をとった──────
「…」サッ
その隙に立ち上がると、
女は机の上に置き去りにしてあった鉄製の水筒を左手に持つ、女は蓋を外し、
凛「何するにゃっ!?」
空いた水筒を手に持ったまま、身構えていた凛へと走って右手で殴りかかり、
「…」ビシャッ
凛が横へ避けた所に、中身に残っていた液体を掛けて足付近を凍らせ、
凛「…あっ!」
少量でしかないため、その拘束時間は短かかったのだが…
その少しの間に女はフロア奥へと駆け出し、奥へ駆けていくと通路の横に曲がって姿が見えなくなった
「待つにゃ!」😾
気がつくと、シャワーのような音はなくなっており、スプリンクラーからの放水はとまっていた
そのために一旦逃げ出したのだろうか…
湿気が段々と下がるオフィスの中を、
凛はスピードをだんだんと高めながら、女を追いかけて行った─────────
第8話「相手は誰だ?」後編
ことり「うみちゃん肩を貸すからっ、ほら」
花陽「気にし無くていいですよ」
海未「…ありがとうございます」
車の上で横の状態になっていた海未は、ことり、花陽の肩へと両腕を回して場所を移動しようと動き出していた。
海未「しかし、この霧ではどちらの方向に進んでいるのかわかりませんね」
花陽「なんかぐるぐる回っているような」
ことり「風も結構強いのに霧は晴れないし…」
海未「どこかで行動を変える必要がありそうですね」
ことり「ねぇ…あそこになんか高くて白いのが見えない?動いてるような」
花陽「ぼんやりとですが見えますっ」
海未「あれは…?……霧を巻き込んだ竜巻ですっ!速く逃げましょう」
ことり「竜巻っ!?」
花陽「…」
ことり「花陽ちゃんどうしたの?」
花陽「あっちの方向に行ってきます」
海未「何故?」
花陽「能力耐性があるので…この霧も関係してると思うから、近くに行ってきて調べてきますっ」
海未「そんなの危険です。逃げましょう」
花陽「能力者耐性があるから大丈夫ですっ行かせてくださいっ」
花陽「…」ジ
海未「………耐性ですか…無理しないで下さいね、」
ことり「何かあったら直ぐに戻って来てね」
花陽「はい、見てくるので、怪我もしてるし先に逃げててください」
海未「申し訳ありません」
ことり「気を付けてねっ」
…
海未「竜巻とは逆に進んだものの、霧が全く晴れませんね」
ことり「先もあい変わらず見えないし」
海未「…視程も短か過ぎます。」
ことり「そういえば怪我大丈夫?」
海未「さっきまでかなり痛かったのですが、段々治ってきた気がします」
ことり「よかったぁ、そんなに酷くなかったのかな?」
海未「あれで軽いという印象は受けませんでしたがね…」
ことり「本当に大丈夫なの?」
海未「…ことりといれば、あんな傷大したことありません」
ことり「うみちゃ〜ん」ギュッ
海未「す、少し痛いですよ、ことり//」
ことり「えへへ、ごめんねっ」
海未「…また風が……今までよりも強くなっている気がしませんか?」ビュオォ
ことり「確かにそうかも」
二人が歩いていく中、ことりはついと前方へ目を凝らした。
すると、漂う霧の中に黒い人形のシルエットが見え、
段々こちらへと近づいてくるのに気が付く
ことり「うみちゃんっ」
ことりの海未を掴む力が少しだけ強くなる。
海未「様子を見ましょう」
海未もそちらへ目を向けると、霧の奥にある怪しげなシルエットの輪郭が少しずつはっきりし、ユラリと姿を表す。
「なぁ、用事があるんやけど」
現れた人物は顔にピエロの面をかぶり、紫色の髪は後ろで二つに大きく分けて結んでいた。
海未「…何ですかっ」
ことり「…」ゴク
「…頭にトサカがついてる子、ちょっとついてきて貰うで」
海未「ことりのことですか?」
ことり「…なんで?」
「なんでもや」
ことり「…え?」
ことり「理由を教えて欲しいな〜」
海未「絶対に渡しませんよ、力ずくでも…」ギラッ
「えー、うち痛い事とか嫌いなんよ」
海未「私も嫌いですがね」
「じゃあ渡してくれてもいいんやない?」
海未「…ダメです」
「……ふーん」
海未「では帰らせて頂きますので」
ことり「ごめんなさいっ♪」
「帰れるん?」
海未「…この霧もあなたが?」
ことり「ほんと?」
「ん、まぁそうやね」
「どうするん?、…」
海未「ならば…やるしかありませんね」
ことり「うみちゃんっ、怪我してたじゃん…」
海未「…まぁ、動けますよ」
ことり「ことりが闘うっ!」
海未「ことりに怪我させるわけにはいきません、身を低くして静かにしていてください」
ことり「でもっ────
「…行くよ?」
海未「では…」
脇に差した木刀を握り締めてから、地面を足で強く蹴りつけ超筋力で一気に斬りかかる
しかし、迫る刀が女にふれる直前に海未の進行方向とは逆向きに突風が吹き、進む勢いが落ち─────
結果、
届くと想定していた刀の軌道は女のかなり手前を薙ぎ、当たらない。
「どこを狙ってるん?」
それに対して反撃する事なく、女は後ろへと下がると霧に隠れた。
海未「消えた?」
海未は周りを見渡す。
海未「…」
海未「ぐっ」ドス
わき腹をふいに蹴られて体勢を崩し、蹴られた方向を見る。
海未「隠れて奇襲と、そう来ますか…」
海未(…五感上昇)
霧の中で目をつぶり、神経を張り巡らしていく。
海未「…」
海未「…」
───ビュオ
海未「ここですっ」ス
急激な風の流れの変化を肌で感じとり、その方角に刀をつきだす。
「えっ!?」グワン
海未の刀は女の胴をかなりの勢いで掠め、動揺を誘う。
そこへ海未は突いた体勢のまま、刀を横に薙ぎ払い、女の横腹に当て、
「いった!」
女は鈍い痛みを感じ仮面の中の顔をしかめる。
逃げるように霧に隠れると、女は今度も様子をうかがうようだった
海未(…また隠れましたか、しかし迎え撃つだけです)
海未「…」
海未「…」
海未「…」(動きがない…)
海未「…」
海未「逃げましたか?」
立ち止まって音沙汰のない霧の中に問いかける。
(答えるわけないやろ。まぁ逃げてもいいんやけどね。本来の目的やないし…)
(でもこの状況で理事長の娘を見つけたんよ、こんな良い機会逃すのもなぁ)
(…うーん、普通に動いただけでも見つかりそうやね、やっぱり能力一気に使ってみるしかないかな。)
海未「まだ霧は晴れませんね…」
海未は霧の中にまだ女がいると推測し、また耳を澄ませる。
海未「…」ジ
「は…」
───────ゴオオオオォォ…
海未「!」
その耳に轟音が聞こえるとたちまち猛烈な風が吹きすさび、
海未は身を低くして備える、
しかし今までとは桁違いの風量であり、今の海未に踏ん張るに足りる力はなかった。
洋服の裾はたなびき、バサバサと音を立てる
海未「うぁっ」ヒュウ
海未は遮蔽物のない中、
風によって盛大に後ろに吹き飛ばされ、体を大きく地面に打ち付けられる
海未「……」
見ると、落下地点で海未は未だ動いていないようだった。
先ほどの落下の怪我もあるのだろう、その衝撃は海未が気絶するには十分であった。
「…これめちゃくちゃつかれるんよなぁ」ゼエゼエ
ことり「うみちゃんっ!、さっきのでも怪我してたのに…また。…ひどいよっ」タッタッ
「ごめんなぁ…うちもやることがあるんよ。」
「約束は約束やし、ついて来てもらうよ、とさかちゃん」
ことり「そんなの知らないっ」
「これはあんたのためにもなるんよ?」
ことり「イヤだよっ」
「はぁ…」
「眠っといてや」
女はことりの鳩尾に下突きを打つ。
ことり「」ドサッ
女はことりを抱えあげ、
意識をなくし力の抜けた四肢を支えながら、地面に横たわる海未のそばを通りすぎていく。
「…たまたま霧展開しとったからよかったものの、なかったらやられ─────
花陽「待って下さいっ!」
「ん?…」
「さっきの竜巻の方から来た子やん、どうしたん?」
花陽「…その抱えている女の子です、どうするつもりですか?」
「え?倒れてたから助けてあげようと…」
花陽「…じゃあ、もう一人女の子近くにいまたと思うんですけどその子は助けないんですか?」
「他にもいたん?…はは」
花陽「あの、その子私が助けるので気にしなくてもいいですよ?」
「えーでもせっかく見つけたんだし、うちが助けたいな」
花陽「私こっちに来れたのは結構大きい風音が聞こえたからで…もしかして竜巻とか起きたのはあなたのせいですか?」
「どうやろなぁ?」
(能力使って逃げようにもさっきのでかなり体力消耗したし、なんとかできないんかな)
花陽「…もし、ここで私に渡してくれたらこのことは黙っていてあげます」
「脅してるん?」
花陽「いや、私はその子を返してほしいだけで…」
「うーん…」
「でも、…そんなことしたくないんよな」ビュオッ
残り少ない体力を消費して、花陽に強めの風を吹かせる
花陽が後ろへ転倒するだろうとおもい、
女はその隙をついて逃げ出す体勢をとったが、
「え?」
花陽「今、何かしました?」
(風、効いてないん?)
「……いや、なんもしとらんよ。」
花陽「でも今、能力使いましたか?」
「…ん、まぁ」
花陽「じゃあ私には効きませんよ」
「どんな能力なん?」
花陽「教えませんっ、ていうか早くことりちゃんを放して下さい」
「そんな悪役みたいに…うちべつにこの子に悪いことなんてせんよ」
「ちょっとだけ預かりたいってことで、な?」
花陽「ダメですっ!」
「じゃあ、あんたは何でUTXに来たん?」
花陽「いきなりなんですか?」
「いいから、いいから」
「言ったらこの子放してあげるかもしれんよ?、うちとバトルとか嫌やろ?」
花陽「放してくれるなら……。」
「うちに話して」
花泉「うーん……実はUTXの事を、ライブついでに調べに来たんです」
花陽「でもA-RISEのライブが無くなっちゃって……。…ほら話しましたよ?」
「ふーん、うちも実はUTXに用事があってここに来てるんよ」
花陽「ほんとですか!?」
「そうそう、で。うちらとあんたらの目的は多分同じ方向を向いてる気がするんよ」
花陽「それで、なんですか?」
「だからこの子を預からせて欲しいと」
花陽「ダメに決まってますっ」
(まぁダメよなぁ)
花陽「私、ことりちゃんを返して貰うためなら…」ズ…
「あぁっ!。待って待って、うちが悪かったわ」
花陽「…分かってくれるならいいです」
「ごめんな、この子は返すんよ」スッ
(もう風はおこせそうにないし…闘う体力もさっきので尽きちゃったしなぁ)
花陽「良かったです、ありがとうございます」
「別にいいんよ」
(この状態で捕まるよりはましや)
花陽「それでは」ペコリ
「ほな……でも、また会うような気がするんよ、そん時はよろしくな」
花陽「…えっ?会うんですか?」
「そうやな、案外すぐに会うかもしれへん」
花陽「そうなんですか…」
「んー…あんま気にせんでいいよ、じゃ」
(はーぁ疲れたぁ、少し休憩したら予定通り迎えにいこかな)
─────────
にこ「ちょっとまちなさいっ穂乃果。行きすぎ、多分ここの階よ」
穂乃果「通り過ぎちゃった?、ここだねっ」
にこ「そうよ」
穂乃果「扉、開けるよ?」
にこ「早くしなさい」
穂乃果「おーい!」バタン
穂乃果が扉を開けると真姫が壁際に屈んで、何やら足に手を当てていた。
足には氷の塊が付着しており、足首に手を当てて溶かしているようだった
穂乃果「真姫ちゃんっ、足凍ってるの!?」
にこ「能力者?」
真姫「ええ、足を氷で拘束されちゃったから、溶かしてるの」
穂乃果「凛ちゃんは!?」
真姫「凛が途中で助けに来てくれたんだけど奥の方に行っちゃったわ、一応見てきてあげて」
にこ「わかったわ」
穂乃果「真姫ちゃんはいいの?」
真姫「私はもうちょっとで多分終わるから行ってて」
にこ「あっちの方?」
真姫「そう、走って言ったわ」
穂乃果「良しっ、行こう!」
穂乃果「ここを左に曲がったっぽいね」
にこ「所々壁、床に氷とか水がついてない?ここら辺」
穂乃果「やっぱり能力者なのかなぁ」
にこ「さっき真姫が能力者って言ってたわよ?」
穂乃果「そうだっけ?」ハハ
『んしょ、んしょ……ああっ!…やっぱり動けないにゃーっ』
『おーいっ』
『近くに誰かいたら来てー…』
『…』
『…にゃあー』
にこ「いま凛の声聞こえなかった?」
穂乃果「私も聞こえたよ、近くにいる?」
『にゃあー』
にこ「あっちのトイレの辺りから聞こえない?」
穂乃果「確かにそうかもっ!」
凛『にゃー…』
にこ「りんー、どこにいるの?ー」タッタッ
凛『あーにこちゃん来てくれたのっ!?、トイレにいるにゃー』
穂乃果「凛ちゃーんっ何かあったの?」オーイ
凛『穂乃果ちゃんもっ?冷たいから早く助けてー』
にこ「ここの女子トイレね、」
凛『真ん中の個室のなかだよ!」』
にこ「今行くわ」
凛『あと、中入ってもあんまり見てほしくないにゃ』
穂乃果「どう言うこと?」
にこ「…ねぇ、個室の鍵閉まってるじゃないの」ガチャガチャ
凛「そんなー」
穂乃果「あっじゃあ、私がドア壊すよ。凛ちゃんちょっと気を付けてね」ザッ
凛「…気を付けるってな────
穂乃果「はっ」
トイレ個室から数歩離れたところで、穂乃果の手から個室のドアへ衝撃波が射出される。
バキィッ
扉が壊れる音が聞こえて破片が飛び散り、見事衝撃波は命中した。
にこ「……そういえば、個室に上から入れば良かったわね」
穂乃果「凛ちゃん大丈夫?」
凛「まぁ…」
にこはドアの真ん中の、穂乃果によって作られた大きな穴から中へ入る。
個室内はトイレットペーパーや壁に氷や水が付着しており、その上さっきのドアの欠片が床などに散乱していた。
凛はというと
にこ「…うん」
正面で膝をついて、両手を清みきった便器の氷の中に突っ込み動けなくなっていた。
その上、凛の体には穂乃果が壊したドアの破片がもろにふりかかっていたのである。
凛「…」
穂乃果「どう?……あっ…」
穂乃果「凛ちゃんごめんね…」
凛「別にいいよ…それより早くここから手を抜きたいんだけど」
にこ「ちょっと抜けそうにも無いわね…」
穂乃果「真姫ちゃん呼んでこよっか」
真姫「…皆こっちにいるのー?」
穂乃果「おおっ!」
凛「真姫ちゃんっ」
にこ「凛が氷で動けなくなっちゃったの、溶かしてあげて」
凛「はやくー!」
真姫「分かったわよ、」
にこ「ドア壊れてるでしょ?そこにいるわよ」
真姫「ああ、あそこね」スッ
凛「ここだよっ」
真姫「凛、あれ?手が…」ジッ
真姫「……ドンマイよ。凛」b
凛「そういうのいいにゃ」
真姫「…じゃあ溶かすけど…これ、結構時間かかるかもしれないわね」
凛「結構かかっちゃうの?」
真姫「まぁ待ってなさい」
にこ「そうだ、凛の追いかけて来た人って?」
凛「追いかけてたら、その人にこんな風に捕まっちゃって」
凛「そしたらまたトイレから出ていったと思う」
穂乃果「どんな人だったの?」
凛「仮面被ってたにゃ!」
にこ「なるほど他には?」
凛「あんまり覚えてないにゃー」
真姫「私も会ったけど、髪型はポニーテールだったわ」
穂乃果「仮面でポニーテールだね!」
にこ「まだいると思う?」
凛「それは分からないなー、でもまだいるかも」
穂乃果「そっかー、」
真姫「じゃあ、二人とも探して来たら?」
凛「しっかり見つけて懲らしめてほしいにゃ」
穂乃果「任せてよ!」
にこ「…じゃあ凛、真姫。探して来るわね。探しに行くわよ」タッ
穂乃果「にこちゃん了解だよっ!」ダッ
真姫「便器に手突っ込むなんてね…」
凛「わざとやった訳じゃないって…」
真姫「知ってるわよ」
凛「汚いよ、早く帰って手洗いたいにゃぁー」
真姫「でも、多分そんなに汚くなってないわよ?」
凛「本当?」
真姫「ここ作られたの最近みたいだし、新品同然でしょ」
凛「でも使った人いるんじゃないの?」
真姫「掃除も行き届いてるみたいだし、気にしないでいいのよ」
凛「ほんとっ?」パアッ
真姫「もちろん」(保証はできないけどね…)
にこ「凛が仮面つけた女って言ってたけど、かなりイタくない?」
穂乃果「ん〜仮面つけたくなる気持ちも分からなくもないけどね」
にこ「そういうの好きなの?」
穂乃果「まぁね。でも海未ちゃんも好きだよ、ああいうの」
にこ「意外とそういうとこあるのね」
にこ「…それで、どこいったのよ仮面の奴」
穂乃果「じゃあ、さっき来た道行ってみない?」
にこ「まぁ、どこというあても無いしね」
穂乃果「いるかな〜?」ヒョイッ
にこ「いた?」
穂乃果「あの人かな…?」
にこ「……なるほど、凛から聞いた通りだわ…。仮面つけてるじゃない。ほらっ!穂乃果行くわよっ!」
第9話「相手は誰だ?」終編
穂乃果達は通路を戻りながらあの女はどこかと探し、
今日最初に真姫に会ったルームとトイレの間にある通路の奥に、凛が言っていた仮面の女が見えた……
外の様子が見えるガラス壁を後にして颯とほのにこに振り返る女、仮面の中の瞳が二人を捉える。
にこ「あいつね!」
穂乃果「間違いないよっ」
「…っ」ダッ
しかし、女はほのにこへ襲いかかると思いきや奥にある横へ進む通路へと足先を向けるが
穂乃果「逃がさないよっ」ブワッ
穂乃果は通路と女の足の間に衝撃波をすぐさま放ち、逃走を阻んで牽制!
「…」クル…
ならばと女は体の向きを変え、にこと穂乃果の間を俊敏に通り抜けようとする。
しかし
にこがすぐに反応、
両手の中指と薬指を折り曲げてそれ以外の指を伸ばす。
にこ「にこっ!」
ユラァ…
するとにこの身体の輪郭が揺らぐように見えた後、元あった体を真ん中の位置にして全く外見が同じのにこが二人現れ、
にこ「「逃げ道は塞がせてもらうわ!!」」ダンッ
仮面の女が通れる廊下のスペースを、ほのにこにこで封鎖する!
女は逃走経路をふさがれ、少しだけ狼狽えるような様子を見せた。
穂乃果「いけるかな…」
その様子を見ながらジリジリと三人で横に並び、仮面の女に距離を詰めていく
それに伴いながら仮面の女はほのにこに向かいながら後ろをチラチラと見やり、窓際へ下がる
「…」ジリ…
女は3人と一定の距離を保ちながら後ろへと移動するが、体は三人の方をむき、様子を用心深く観察する
仮面の女がほのにこに体を向けながら右手に、先ほど穂乃果に通過を阻まれた通路を通りすぎる。
にこ「今よっ穂乃果!」
穂乃果「うん!」
仮面の女が通路を通り過ぎ、逃げ道がなくなったところで穂乃果は右手を構え
─────フオオォッ
衝撃波が穂乃果の手から放たれると、女に向かった!
「…」サ
女は衝撃波を右肩ギリギリ、すんでの所で体を傾けて避ける
だが、
にこ、2「「はっ」」バッ
衝撃波が女に一直線に向かったと同時に、
にこ、にこ2は地面を一斉に蹴りつけ、仮面女に飛びかかっていた。
「…」グ
しかし、その攻撃に対して、
女はにこが飛びかかってきた勢いを利用してそちらに足を上げ──────────
膝げりをかます!
にこ「うげっ」
もろに腹に食らったにこは呻き、少しの間動きが停滞
にこ2「こっちもいるわよっ」ダッ
にこ2は、女がにこ対して行った膝蹴りの一連の動作を終える前
にこ2「はぁっ!」ブンッ
体勢が不安定な間に一気に迫り、女の顔面に右フックを振り抜く。
「フッ」ガシ
その視界の端で捉えた拳は、
女は避けることは出来ずに、辛うじて左手を上げて腕の外側で顔面をガード!
だが殴られた多少の衝撃は、顔に伝わって仮面女の視界を揺らし
「…ック」グワン
穂乃果「食らえっ!」ゴオ
そこへ穂乃果が二発目の衝撃波を連続して撃つ。
女はその状態ではかわせず右肩に被弾、!、フラつく。
にこ「もらったっ!」ブンッ
そして先ほど受けた膝蹴りのダメージから、
立ち直っていたにこは、その隙を逃さずに仮面女の胴体に蹴りを入れ、
にこ2「…」ガシッ
止めとして、移動していたのか…にこ2は後ろから羽交い締める。
仮面女は、にこ2に後ろから掴まれ、前にはにこ、と穂乃果。完全に拘束されたようだ。
穂乃果は女に近づき、女の左肩に右手を突きつける。
穂乃果「…」サッ
にこ「穂乃果、UTXについて何か知ってるのかも」
穂乃果「分かったよ!うん、…取り合えず。、UTXについて、何か知ってるんですか」
「…」
仮面の女はにこ2に掴まれた状態のまま動こうともせず、
何もしゃべらない。
そこでにこが女に問いかける。
にこ「…あんたがここで暴れてた理由は?」
「…」
これに対しても何も答えず。
穂乃果「…」
「…」
にこ「…もう仮面はずしちゃう?」
穂乃果「確かにそうだね」
にこ「はずすわよ?」
にこ「…」ト…
にこは女の付けている仮面の顎の部分に手をかけ、
穂乃果「…」ゴク
その手を手前に引き顔から離れる!!
と思った瞬間
────パッ
ビシャアアアァァッッッ!!!
女の背後にある窓越しに突然大きな雷が落ち
瞬刻、目が覚めるような光に階一帯が白く照らし出され、雷鳴が鳴り響く
にこは突然の雷に驚くと共に、拘束する手を緩め、
穂乃果も同様に注意力が散漫になり、女への注意を逸らしてしまった
仮面の女はというと、
「…」ビク…
彼女自身も雷にビクッと一瞬だけ身体が反応する。
しかし、
仮面の女は穂乃果とにこの一瞬の動揺を見逃さなかった
「…」サッ
雷鳴を合図かのように動き始め、しゃがむように、緩んでいたにこの拘束から抜け出す
にこ2「あっ」
穂乃果「にこちゃんっ」
「…」ヒュッ
女はしゃがんだ状態のまま振り向き様に、にこ2の腹に肘打ちを食らわせた
にこ2「…っ」
穂乃果「えいっ」ブン
穂乃果は逃さまいと女に殴りかかるが、あえなく避けられ
にこ「にがさないわよっ」グワッ
にこが飛びかかって、女に迫る
「…」
それを迎え撃つように、にこに向かいあう女、接近し互いに両手の平をあわせて指を絡めるようにつかみ合い
にこ「…ふぬぬぬ」ガシッ
「……」ググ
にこ「ぬぬぬ…」グググ
倒れぬようにと、両足に力を込め、踏ん張る!
にこ「……」グッググ
「…ふぬぬ……ふんっ」ブンッ
女と力を掛け合うが、体格差によって、にこは横の壁際に投げ出され、
にこ「って」ゴン
にこを振り払った女は後ろの窓壁に向き直り、そちらへ一気に駆け出し、
「…」ダッ
穂乃果「待てっ!」
穂乃果も同じ方向に駆けていく!
女は窓までの4メートルほどの距離をダッシュし、窓壁に当たる寸前に両腕をクロスするように顔前に掲げ、
「…」サッ
──────パリイイィィィン
女はその状態のままスピードをゆるめることなく、窓をぶち破って外に飛び出した!
「…」フワッ
にこの耳に、ガラスが割れる音が聞こえ、
にこ「…は?」
穂乃果「穂乃果もっ!!」ダン
穂乃果も追う様にして行動していたため、女と同じところから外にジャンプして飛び出し、
穂乃果「ハッ!」バッ
体を空中に投げ出した!!
にこ2「ちょっと!…あんた何やってんのよ!!」シュバッ
急いでにこ2は穂乃果の落ちかけている体の足首を、前にスライディングするように外に体を乗り出して掴む。
にこ「あぶなっ」ガシッ
そして、にこは穂乃果を掴んだ「にこ2」の腰辺りをつかみ、
その姿勢のまま、ビルの内側へと力をかけるように足で踏ん張る。
にこ「…ふっ」ズリ…ズ……
穂乃果「落ちちゃうよっ!」
にこ2に足を捕まれながら、空中で頭を下にして、ビルの側面で宙ぶらりんになる穂乃果。
にこ「あんたが勝手に落ちていったんでしょうがっ」
穂乃果「いやだってさ〜、あんな自信満々に外に出てくから何かあると思うじゃん」プラプラ
にこ「確認してから外に出なさいよっ!」
穂乃果「確認してたら逃げられちゃうような気がしちゃって、」
にこ「実際もう逃げられちゃったじゃないっ」
そうこうしているうちにずりずりと、にこは窓の外側へと吸い寄せられていく。
それに比例し、穂乃果も段々と下に降りていく。
穂乃果「…それよりさ、早く引き上げてくれない?」
にこ「……ちょっと今考えてるから待ってて」
穂乃果「えっ!?、ほんとに落ちちゃうよーっ」
にこ「うっさいわね、引き上げるのって結構力いんのよっ」
穂乃果「うぅー」プラーン
にこ「…真姫と凛が来てくれれば、」
穂乃果「来たのっ?」
にこ「待ってるだけよ」
穂乃果「えぇー」
にこ「おとなしくしてなさい」
穂乃果「了解っ!」
にこ(まずいわね、掴む力も段々なくなって来たし。っていうか真姫と凛早く来なさいよ)
にこ2の穂乃果の足を掴む手が、汗で少しずつ滑りはじめて来る。
穂乃果「まだ来ないの?」
にこ「まだよ」
にこ(うーん……そうだ、この状態なら使える?)
にこ「にっこにっこにー!!」
すると腰を掴むにこの右隣にまたも同じ外見のにこが一人ぼやぁと姿を現した。
穂乃果「ちょっと!にこちゃんふざけてる場合じゃないでしょ?」プンプン
にこ「こっち見えないでしょ?真面目にやってんのよ、待ってなさい」
すると先ほど現れたにこは二人がきた道を戻り、真姫、凛がいるトイレの方に急いで向かった。
にこ「穂乃果、そういえば女を追って出ていったけど、そいつどこ行ったか見えた?」
穂乃果「ごめん、外出たときには見えなくなっちゃってた」ハハ
にこ「意味無いじゃない全く。……ってことは協力者がいたって事かしら?」
穂乃果「まぁ確かに氷系の能力だったもんね」
にこ「あの状況じゃ、その能力はあんまり関係ないわよね」
穂乃果「だよねっ」
にこ「…今凛と真姫呼びいってるから、もうちょっと待ってて」
穂乃果「はーい」
穂乃果「…」
穂乃果「ねぇ、にこちゃんの能力ってどんなの?良く分かんないんだけど」
にこ「…この状況で聞く?」
穂乃果「知りたいし…」プラーン
にこ「いいわ、教えてあげる。」
にこ「見て分かるように、私は分身が作れるわ。でも無限に作れる訳じゃなくて、」
穂乃果「それで?」
にこ「基本は2人、にしかなれないわ」
穂乃果「えーっ!そんだけにしかなれないの?」
にこ「基本…よ。集中加減によるわね。分身を作ると、にこ自身が二人になるんじゃなくて、にこが使える体が増えるってことなの」
穂乃果「…?」
にこ「…まぁ分かりやすく言うと、にこと外形、身体能力が全く同じ操り人形を作れるって言うこと」
穂乃果「それならわかるかも…」
にこ「だから、分身を使うときは体を2つ同時に使ってるみたいな感じね。喋ってるのが分身でも本体でも、それは同じ『にこ』が喋ってるのよ」
穂乃果「ふむふむ…」
穂乃果「…うーんと……本体がやられたらどうなるの?」
にこ「全部消えるわ」
穂乃果「ん……じゃあ、今、穂乃果の足を外に半分出て掴んでる方(にこ2)は?」
にこ「…本体よ」
穂乃果「えぇーっ!!」
───────
真姫「穂乃果、あなた無茶しすぎよ」
凛「追いかけて外出てくなんて、バカだにゃー」
穂乃果「凛ちゃんも同じだよっ、定期テストの事で呼ばれてたじゃん!」
凛「それは関係ないにゃ!」
真姫(にこちゃんもじゃない?)
にこ「はいはい、もう穂乃果を引き上げたんだし。さっさと帰るわよ?」
真姫「人来る前に帰った方がいいわね」
凛「今日はもう疲れちゃったよー」
穂乃果「じゃあ帰ろっか!」
凛「うんっ」
真姫「でも、こんなに荒らしちゃったのに大丈夫かしら…」
にこ「大丈夫でしょ、大体あの女のせいだし」
凛「そうにゃそうにゃ!」
穂乃果「なんとかなるでしょ」
真姫「…はぁ」
「…もう今日はクタクタや、」
「ごめんね、かなりこき使わせちゃったみたい」
「本当や、もう今までで一番多く能力使ったかもしれんよ」
「でもあなたの協力で今回のことは、世間の注目を集められたみたいなの」
「なら、よかったやん…」
「感謝してるわ」
「…今日な、あの状況で理事長の娘と会ったんよ」
「ほんと?」
「まぁな」
「で、どうしたの?」
「うちらが見守とった方がええと思うし、捕まえようとしたんやけど能力者がいて出来んかったわ」
「やっぱり、こっちもあったわよ?5人もね」
「!?能力者結構いたみたいやな」
「…ちょっとこれからの行動がやりづらくなりそう」
「そうやね、…でも。今日あった子達と話はしたん?」
「してないわ」
「協力…とかは考えないの?」
「なんで協力なんかするのよ」
「…目的とか利害は一致してそうだったし、」
「それだけ?」
「…また会う。そんな気がしたんよ」
「そんな気がするって…」
「だって、今日あった中に知り合いもいたやろ?」
「……まぁ、否定はしないけど」
「なんでさっき通信した時に隠してたん?………ええわ。協力、考えてみたら?」
「知りあいだからって協力する理由にはならないわ、私には私の目的があるもの」
「…うちらだけでこの先、進むのは難しいって知ってるやろ?」
「今まで通りの私たちのやり方で問題無いわ」
「…」
「とりあえず、今日はありがとう。助かったわ」
「疲れたんでしょ?今日はどこか行って奢ってあげるわよ」
「…ほんと?」
「ええ」
「じゃあっ焼肉さんで良いん?」
「もちろん、」
─────────
真姫「結局、海未は大丈夫だったの?」
穂乃果「あのあとことりちゃんから連絡来てとりあえず大丈夫だって」
にこ「さっき見てきたけどあの高さから落ちてたのね」
凛「結構高かったよね、あそこ」
穂乃果「うん、まぁ無事だったし良かったよ」
真姫「それにしても、ここの階段。長いわね…」
穂乃果「下ってるのに」
凛「もう疲れちゃったの?」
真姫「いや、全然そういうわけじゃ無いわよ」
にこ「ほんと?」
真姫「そうよ!単純にただ長いなって思っただけよ」
凛「そうなんだぁ〜」
真姫「なによっ!」
「おいっ大丈夫だったか?」
にこ「!…あんた誰?」
「ああ、こういうものだ」ス
穂乃果「…警察さん?」
警察「ごめんごめん、驚ろかせたね。色々な方面から通報があって来たんだよ。」
真姫「そうなんですか」
警察「でもそのわりには何が起きてるのか全く分からなくてね、先行して様子を見に来たんだ。」
にこ「私たちは大丈夫なので、気にしないでください」
警察「なら良かった、話を聞きたい所だけど…今日は早く気を付けて帰りなさい」
穂乃果「はいっ分かりました」
【ビル一階】
花陽「皆無事で良かったですっ」
にこ「まぁ情報は、ほとんど得られなかったけどね」
凛「かよちん怪我してない?」
花陽「うん、大丈夫だよ」
穂乃果「海未ちゃんも落ちたのに無事なんてすごいよ」
海未「たまたま落ちた所と当たり所が良かっただけですよ」
穂乃果「あとさ、今日会ったあの仮面の女の人会ったことあるような気がするんだけど」
海未「はい、私も会ったことがあるような気がします」
真姫「そうかしら」
ことり「どんな人だったの?」
穂乃果「仮面をつけて、ポニーテールで」
海未「…金髪!」
ことり「知り合いで金髪って…」
凛「確かに金髪だったにゃ」
花陽「不良とか?」
にこ「染めてるって感じじゃなかったけどね」
海未「おそらく地毛です。……生徒会長ですよ」
真姫「!あっ、確かに…」
にこ「仮面着けて髪の毛金髪って…」
ことり「分かりやすいね」
穂乃果「生徒会長なら確かにピンと来るよ!」
凛「じゃあっ会いに行かなきゃ」
花陽「あの、決めつけはよくないと思うから、それとなく会った時に聞いてみませんか?」
海未「確かにそうですね」
にこ「じゃあ、明日会いに行きましょ」
真姫「……あれ…?ちょっと電話来たから出るわね」ゴソゴソ
真姫「はい」ピッ
真姫「あっ…パ、お父さん?…」
凛「…パ?」
真姫「///…それで?」
真姫パパ『ライブ行っているんだろ、大丈夫なのか?』
真姫「大丈夫って?」
真姫パパ『能力者関係で何かあったらしいが』
真姫「ええ、大丈夫よ友達とも会ったし心配しなくていいわ」
真姫パパ『ならよかった、気を付けるんだぞ』
真姫「分かったわ」
真姫パパ『…迎えはいるか?』
真姫「友達と帰るから大丈夫よ」
真姫「……切るわね?」
真姫パパ『ああ』
花陽「何だって?」
真姫「まぁまとめると大丈夫か?って内容ね」
にこ「…あんたら、もう人が結構集まって来てるし早く帰るわよ」
穂乃果「じゃあ帰ろっか」
海未「しかし皆、目立った怪我が無くて良かったです」
ことり「んー、でも海未ちゃんはちゃんと病院行ったほうが良いんじゃない?」
海未「やはりそうでしょうか…」
翌日
にこ「さて、今日は改めて昨日の情報交換をするわよ!!!」ドンッ
凛「凛からいっくにゃあぁー!!」
花陽「はいっ!私もA-RISEについて分かったことがっ!!」
真姫「異様にテンション高いわね…」キーン
凛「えーっとまずはね〜」
花陽「凛ちゃんもA-RISEについて何かあったりするのっ!?」
にこ「…」
にこ「…あれ?」
にこ「っていうか、二年生組は?」
異能力のみ使うバトルじゃなくて、それを活かしたバトルの方が個人的には好きです。
異能だけで派手なのも格好良いんで、それも取り入れてみたいですね。
これから、更新頻度落ちるかも知れないので保守してくれると嬉しいです。
次は雑談回になると思います。
\ さいごのガラスをぶち破れ〜 /
* \ 見慣れた景色をけりだして〜 /*
* ( \/ /_∧ <./| /| + /\___
+ ..ヽ/ /Д`/⌒ヽ / .| / / / //
。 / /\/ ,ヘ i  ̄ > \_/ * /____//
し' \_/ i />  ̄ ̄ ̄ ̄
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* ..i | /ヽ ヽ *∠__/  ̄ + *..|| |::
ヽ ヽ| |、 \_ノ > <> * || |::
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。 / し'.ヽ ( .∨ /\________|__|
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┃ \ \(三)Д`)/ / ..┃<ゴンッ
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┃ 防犯ガラス.┃
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世界が逆に回転する〜
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-=≡ ,,-" i ヽ ヽ ヽ.ヽ
-=≡ / ,,-ヽ .i i i i ii
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⌒ヽ -=≡ ! ヽ \ / / / / //
⌒ヽ -=≡ ヽ \ ヽ、 / / / / .'
'"⌒ヽ -=≡ \ ⌒ヽ⌒ン / _,,-'' ,,-"
ヽ ヽ、_-=≡ \ ,, -" _,, - '' - "
)__ノ⌒ -=≡ ゙ ー---- "
ー" ゴロゴロロロ・・・
/ ) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
./ / | 日常を飛び越え〜
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/ /  ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄
./ /_Λ , -つ
/ / ´Д`) ./__ノ
/ \ / /
.| へ/ /
| レ’ /、二つ
| /
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/ ノ
_/ /
ノ /
⊂ -‘
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|日常|
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