事後
梨子「……ごめんなさい」
善子「なんで謝るのよ」
梨子「だって善子ちゃん、初めてだったんでしょ?」
善子「そうだけど、それが何なの?」
梨子「えっ」
善子「私が初めてじゃなかったら、無理矢理してもいいってこと?」
梨子「ちがっ、そういう意味で言ったんじゃなくて――」
善子「っていうか謝るくらいなら最初からしないでよ」
梨子「ごめんなさい……」
善子「だからぁ……はあ、もういいわ」
梨子「…………」
善子「どうしてこんなことしたの?」
梨子「それは……善子ちゃんが、モゴモゴ……」ボソッ
善子「聞こえないんだけど」
梨子「善子ちゃんが好きだからっ!」
善子「ふーん……リリーって好きな相手を襲うような人だったのね」
梨子「うぅ……」
善子「で? どうだった?」
梨子「どうって?」
善子「私とシてみてどうだったか聞いてるの。言ってみなさ――」
梨子「すっごくよかったわ!!」
善子「」
梨子「最初押し倒したときはね、さすがにまずいかなって思ったの」
梨子「善子ちゃんに嫌われるかも、もう二度と口も聞いてもらえないかもって」
梨子「だけど止められるわけないじゃない。我慢の限界だったんだもん」
梨子「なんで限界だったかって? 全部善子ちゃんが悪いのよ?」
梨子「善子ちゃんがそばにいるってだけで、私興奮してきちゃうんだから」
梨子「善子ちゃんの顔、善子ちゃんの体、善子ちゃんの声、善子ちゃんの匂い……善子ちゃんの全部が愛おしいの」
梨子「おまけに部屋に入ってからわざとなんじゃないかってくらい何度もパンツがチラチラ見えてたし……」
梨子「もう完っ全に誘ってるじゃない! それで我慢しろっていうのが無理な話よ! 無理な話でしょ!?」
梨子「っと、ちょっと脱線しちゃった。善子ちゃんとシた感想だったわよね?」
梨子「正直最初のキスから最高だったわ。善子ちゃんったら唇が触れただけで真っ赤になっちゃって……」
梨子「それから舌を入れたらもっと赤くなるんだもん。ほんっと可愛すぎよ」
梨子「私の舌が善子ちゃんの口の中をまさぐる度に善子ちゃんの体の力が抜けていって――」
梨子「3分もたたないうちに完全に無抵抗になっちゃってたわね」
梨子「私が善子ちゃんの服の中に手を突っ込んでもちっとも嫌がらないし――」
梨子「もしかして、って思っておっぱいを触ってみたら先っぽが固くなってて……ふふっ」
梨子「やらかいところと固くなったところ、どっちをいじっても善子ちゃんの口から可愛い声が漏れてくるの」
梨子「そして私は確信したわ。きっと善子ちゃんは下のお口からも――」
善子「ストップストップストーップ! もういい! やめてっ!」
梨子「なに言ってるの善子ちゃん、ここからが本番じゃない」
善子「さっきまでしおらしかったくせになんで急に饒舌になってるのよ!」
梨子「善子ちゃんが話せって言うから……」
善子「う……まあ聞いた私も悪かったわね……」
梨子「善子ちゃんは? どうだったの?」
善子「へ?」
梨子「私とシて気持ちよかった? 気持ちよかったわよね、だっていっぱい濡――」
善子「わー! わー! 黙りなさいリリー!」
梨子「恥ずかしがらなくてもいいのに……」
善子「恥ずかしがらないほうがどうかしてるわよっ!」
梨子「そう?」
善子「……リリーは、こういうことに慣れてるの?」
梨子「まさか、私も今日が初めてだよ?」
善子「嘘っ、初めて!? あれで!?!?」
梨子「んー? それって私が上手かったってことかな?」
善子「いやっ、えっと……」
梨子「やっぱり気持ちよかったんだ」
善子「べ、別に大したことなかったわよ! バカッ!」
梨子「……善子ちゃん、ひょっとして怒ってる?」
善子「当たり前でしょ! あんなことされたら誰だって怒るに決まってるじゃない!」
善子「悪いことしたって自覚はあるの? ないわよね? 絶対ないわよね!?」
梨子「それは、その……」
善子「リリーがしたのは本当に最低なことよ! 普通だったら友達やめるレベルよ!」
善子「信頼してた相手に無理矢理犯されるなんて考えただけでもぞっとするようなことでしょ!?」
善子「私はそれをされたのよ! PTSDになってもおかしくないんだから! わかる? PTSD!」
梨子「ぺ、ペンパイナッポーアッポーペン……」
善子「それはPPAP! もう古いわよ! 私が言ってるのはPTSD! 心的外傷後ストレス障害!!」
善子「あんた絶対反省してないじゃない! ちゃんと反省しなさいよ! このレズ大魔神!!」
善子「ハァーッ……ハァーッ……!」
梨子「……ごめん、なさい」
善子「…………」
梨子「本当に、ごめんなさい……私、なんてことを……」
善子「リリー……」
梨子「善子ちゃん、ごめんなさい……私のこと、嫌いにならないで……」
善子「はぁ……やっとわかったみたいね」
梨子「善子、ちゃん……」
善子「心配しなくても私はリリーのこと嫌いになったりしないわよ」
梨子「本当に……?」
善子「大切なリトルデーモンに嘘はつかないわ」
梨子「そっか……ありがとう、善子ちゃん。大好き」
善子「っ……」
梨子「あのね、善子ちゃん。ひとつお願いしたいことがあるの」
善子「な、なにかしら」
梨子「私を……善子ちゃんの恋人にしてください」
善子「!」
梨子「ダメ……かな?」
善子「こ、ここ、恋人? 私と……リリーが?」
梨子「うん。だって私たち、もう友達以上の関係になっちゃったし……」
善子「い、一回シたくらいで調子に乗るんじゃないわよ! バカリリー!」
梨子「……あはは、そうだよね。変なこと言ってごめ――」
善子「だから……もう一回っ」ガバッ
梨子「あっ――」
おしまい