にこ「あんたここで暇してて良いわけ?受験生なんでしょ?なら、勉強しなきゃ。」
穂乃果「…にこちゃん。」
にこ「だーかーら、私のことはいーの。はやく自分家に帰りなさい。心配してるわよ。雪穂ちゃんとか、親御さんがね。」
穂乃果「…」
にこ「何よ。私はあんたのこと思って言ってるのよ。なんで黙り込むの?」
穂乃果「だって、にこちゃん…穂乃果、知ってるんだよ。誤魔化せれないよ。流石に、そこまで馬鹿じゃないもん。にこちゃんは隠すの上手だね。一瞬の隙も見逃さないもんね。」
にこ「あんた、何言ってんの?遂に馬鹿を拗らせたの?はぁ、いいからさっさと帰りなさいよ…」
穂乃果「いい加減にして!にこちゃん!!」
にこ「…は?」
穂乃果「もうやめてよ!にこちゃん!!!もう、みんなのアイドルじゃなくてもいいんだよ!!…アイドル、頑張ったじゃん。穂乃果の前でアイドル…やめて?」
にこ「…はぁ、なんであんたは気づくわけ?リーダーだから?リーダーには主人公補正が付き物なの?」
穂乃果「にこちゃん…」
にこ「分かったってば…もう。穂乃果の思ってる通りよ。迷惑かけるわね…もうそろそろ、関係なくなっちゃうけれど。」
穂乃果「そんな事言わないでよ…なんで。まだ!まだ…できるよ。にこちゃん!」
にこ「あのね、穂乃果。にこはもう充分なの。夢を叶えれて。みんなを笑顔に出来て。穂乃果がいなければにこはなんも出来なかった。感謝してるわ。スクールアイドルじゃなくなった今でもね。」
穂乃果「…にこちゃん、やめて。なんで後がないみたいに言うの?まだ、でき「穂乃果」…」
にこ「分かってるでしょう?…あーあ、あんた達の最後のライブ。見届けたかったわよ。生意気な2年生達のもね。」
穂乃果「……」
にこ「…あーもう。あんたが不貞腐れた顔してたら私も簡単には行けないわよ。はい、にっこにっこにー?」
穂乃果「…こんな、所でもにこちゃんは他の人のこと気にするんだね…あーあ、にこちゃんらしいよ。でも、穂乃果は…穂乃果はね、にこちゃんのそういう所…が、ね。すき、だったんだよ?…なのに、こ、んなにさぁ!弱々しく横たわってて、さ。もうすぐ、穂乃果たち、の…手の届かない、ところに、行っちゃうじゃん!!!なのに、笑えって言うの?残酷なこと言うね。にこちゃん…!!」
にこ「そうね、残酷なことかもしれないわ。人が死ぬ直前を笑顔で見届けるなんてさ。でも、私は笑ってて欲しいの。泣いてさよならじゃ、アイドルとして失格よ。穂乃果が私のことを応援してくれてるのなら、笑顔になりなさい?」
穂乃果「にこ、っちゃん!」
にこ「ほのか、私からのお願いよ。ほら、このスーパー大銀河宇宙ナンバーワンアイドルの最後のファンサービスよ?こんなおめでたいことはないわ。はやく、スマホ出して?」
にこ「ほら、行くわよ?せーのっ!」
ほのにこ「にっこにっこにー!!」
にこ「…さっきの不貞腐れた顔が馬鹿みたいに笑顔じゃない。あんたはそんぐらいがちょうどいいわよ…ゲホッ…」
穂乃果「にこちゃんっ!!!!」
にこ「ぁー…ばっか。なんで泣いちゃうのよ。にこ、私も、泣いちゃうじゃない。最後は笑顔でしめ、たかったのに。」
穂乃果「にこちゃん。やだ。やだよぉ…いかないで…」
にこ「私は他人より逝く…のが、速かった…だけよ。そう、悲しむことないわ…私たちの絆、は。また、来世でも会えるって、気がするもの。」
穂乃果「いやだよ…すき。だいすき。あいしてる。あいしてるから、この世界中を敵に回してもいいから、神様に天罰を下されてもいいから、どうか…どうか。にこちゃん…生きてよぉ…!!」
にこ「バカね…そしたら、また…会えなくなっちゃうじゃない…なら、こうしましょう?私と、ゆびきりげんまん…しましょ。また、会うことを、誓うわよ…ほら。」
ゆびきりげんまん
うそついたら、しんででもあいにいく
ゆびきった____
にこ「これで、いいでしょ?だから、笑顔になりなさい。穂乃果。」
穂乃果「…うん!また、会えるよね?絶対だよ?!約束、守るから!!!にこちゃん…!!」
にこ「あほのか…またあえる…わよ……わた…し、も…あい……」
穂乃果「…うそ、でしょ?にこちゃん、ほのか、あほのかだから…最後まで言ってくれなきゃわかんないよぉ…!!…本当に、酷くて、優しい人だったね…にこちゃん。」
○月✕日
今日は、にこちゃんが居なくなってからやっと5年が経ちました。
あの日のことはまだ忘れられません。
昨日の事のように感じられてしまいます。
暖かった手の温もりが、ゆっくりと冷たくなっていくあの感覚も鮮明に思い出せてしまいます。
そうだ、今日は今から買い物にでも行かないと。
食材なかったの忘れてた。いけないけない。このまんまじゃ、にこちゃんに会った時怒られちゃうかな。
よーし、そうと決まればいざしゅぱーつ!
穂乃果「えーっと、にんじん…じゃがいも…あー!!これ高い!えっと、安いやつ…えぇ、これ以上安いのないのー?!…うぅ、遠出なんかするじゃなかったよぉ…」
「ばかね、こっちにあるじゃない。」
穂乃果「え!本当ですか?!ありがとうございます!!…って。え?」
「…何そのアホ面。約束守っただけなんですけど…」
穂乃果「…えーっと、人違い…?でも、すっごくにこちゃん似てるような…幼稚園児みたいな身長だけど。」
「あ!ほ!の!か!忘れたとは言わせないわよ!!」
穂乃果「え、えー?!?!!!?!にこちゃんがちっちゃい?!!?!」
にこ「声が大きい!あと、にこは転生したばかりなの!だから、きゅーてぃーな年長さんなのよ。」
穂乃果「にこぢゃ、にごぢゃ〜ん!!あいだがっだよ〜!!!やくそく、守ってくれたの…?」
にこ「あーーーーー鬱陶しい!それ以外に何があんの?!あと他の人から見たら幼稚園児に縋る大人よ?!!?離れなさい!!!」
にこ「おちついた?」
穂乃果「う”ん……」
にこ「はぁ、まったく…ちなみに、にこ、ごりょうしんいないの。」
穂乃果「ゑっ?!!?!なんで?!!?!」
にこ「すてられた?のよ。こっちの方が好都合だけど。んで、今は1人。ラブリーにこちゃんを1人で放浪させるつもり?」
穂乃果「えーっと…どういうこと?」
にこ「…はぁ〜〜〜〜…」
穂乃果「そんなに深くため息つかなくてもいいじゃん!!!」
にこ「わたしを!!!穂乃果がやしなうか!!!それともこのままほうちするか!えらびなさい!!!」
穂乃果「えぇ?!勿論お家でにこちゃん養うよ!!!!!」
にこ「そう言うと思った。逆にいわなかったらどう料理してやろうかと思ってたわ。」
穂乃果「ひぇ…でも、本当ににこちゃんだね。」
にこ「…今更?あーもう、早く行くわよ!ほら、エスコートしてよ。」
穂乃果「にこちゃんの照れ屋さん!手を繋いでって言うならストレートに言えばいいのに〜?っていた!いったい!脛を蹴らないで!!」
にこ「さっさと行くわよ!!」
穂乃果「わかってるよ〜!でも、お会計だけは済まさせて〜!!!」
穂乃果「にこちゃん」
にこ「なに…?」
穂乃果「好きだったんだよ。あいしてる。ずっと前から、初めて会った時から。それでね。アイドルだったにこちゃんも、スクールアイドルだったにこちゃんも。今のにこちゃんも。好き。大好きだよ。」
にこ「…あほのか。前世からずっと愛してたわよ。」
_END
おまけ
穂乃果「…にこちゃん、正直言っていい?」
にこ「あによ」
穂乃果「引かない?」
にこ「あんたにこれ以上どう引けって言うの?もう1番後ろよ。最低ラインよ。」
穂乃果「酷い?!?!…でも、言うよ?」
にこ「言うなら早く言いなさい」
穂乃果「正直にこちゃんの今の姿にも興奮して襲っちゃいそう…」
にこ「えーっと携帯…」
穂乃果「やめてやめてやめてーーー!!!」
にこ「…せめて、中学生になったら考えてあげるわ。上か下かは知らないけどね。」
穂乃果「長い」
にこ「え?」
穂乃果「ということで〜今日の晩御飯は〜にこちゃんかな!いただきまーーす!」
にこ「ぬぁんでよ?!!?!きゃっ…あーもう。せめて、優しくしなさいよ。ロリコン。あほのか。」
〜ホントの終わり〜
ここまで見てくださったからありがとうございました!!!!!初描きほのにこでした!またお会いしましょう!