◎正当な理由による書き込みの削除について: 生島英之とみられる方へ:
穂乃果「絵里ちゃんの様子が変」 ->画像>1枚
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ある日、部室に行くと希ちゃんと凛ちゃんが何やら絵里ちゃんについて話していた。
凛「絵里ちゃんの様子が?」
希「うん。コソコソしてると言うか…」
穂乃果「あの〜…凛ちゃん、希ちゃん?」
希「ん?ああ…穂乃果ちゃん」
穂乃果「なんかあったの?」
希「えっとな…」
凛「なんか絵里ちゃんの様子がおかしいんだって」
穂乃果「絵里ちゃんの?」
希「そうなんよ」
穂乃果「そうかなぁ。特に気にならなかったけどなぁ。練習中とかも普段通りだし」
希「練習中はね…」
希ちゃんの話ではホームルームが終わると希ちゃんを待たずにそそくさと教室を出て行ってしまうとの事。
と言う事で…翌日、私達はベタに絵里ちゃんを尾行する事になった。
ホームルームが終わって絵里ちゃんは真っ直ぐに図書室へと向かったらしい。
凛「凛達ってって結構な頻度で誰かを尾行してるよ」
穂乃果「前はにこちゃんを尾行したね!それにしても…図書室で何してるんだろ?」
凛「本を借りに来たんじゃないのかな?」
希「コソコソと?」
凛「ん〜…」
絵里「……」キョロキョロ
希「なんか周りを気にしてるね」
穂乃果「なんか怪しい」
凛「あれじゃ不審者だよ」
絵里「えっと…」
穂乃果「ん?なんか本を取り出したよ?」
凛「やっぱり本を読みに来ただけなんだ」
絵里「よしっ」パタッ
穂乃果「あっ。もう閉じた」
希「本当や。やっぱり怪しいなぁ」
凛「絵里ちゃん図書室から出て行ったよ?」
穂乃果「何がしたかったんだろ?」
凛「どうする?後を追う?」
希「いや…さっき開いてた本がなんか怪しいな。ちょっと確認してみようよ」
穂乃果「うん」
私達は図書室に入り、絵里ちゃんが開いていた本を探した。
希「えっと…さっきえりちが開いてた本はこれかな?…この本って…」
穂乃果「何かあった?」
希ちゃんは本を手に取りパラパラとページをめくった。
希「いや…何も…何の変哲もないただの本やね」
希ちゃんが本を棚に戻そうとした時、本に何かが挟まっていたのか紙の様な物がバサッと落ちた。
穂乃果「ちょっと待って。なんか落ちたよ?」
凛「何だろ?紙みたいだけど」
凛ちゃんが落ちた紙を拾った。
希「本に挟まってたみたいやね。栞には見えないけど」
凛「ねえ?これ手紙みたいだよ?」
穂乃果「手紙?」
何回かに折り畳まれた紙を広げてその内容を凛ちゃんが読み上げた。
『お返事ありがとうこざいます。まさか、返事を貰えるなんて思ってなかったし、私以外にこの本を読んでる方が居たなんて…ビックリです。えっと…なんてお呼びしたらいいのかな?私の事はエリーって呼んで下さい。お返事待ってます』
凛「これって…」
穂乃果「この本を通して手紙のやり取りしてるって事かな?携帯電話があるこのご時世に顔も知らない相手と?うわ〜ロマンチックだねぇ。ことりちゃんが好きそう」
凛「でも、勝手に見ちゃって良かったのかな?凛なら嫌だな」
穂乃果「と言うかさ…この手紙の主って…」
凛「だよね?」
希「うん。えりち」
穂乃果「だよね」
希「それしかないやろ。さっきえりちが本開いてたやし」
そうなると気になる事は一つ。
穂乃果「絵里ちゃんは誰と文通してるんだろう?」
凛「まさか…男の人かな?」
希「それはないやろ。ここ学校の図書室なんやから」
凛「ピーターソン先生とか」
希「それはない」
凛「そんな食い気味に否定しなくても…」
希「どうする?あの手紙の主を待つ?」
凛「え〜来るまで待つの?来ないかもしれないよ?絵里ちゃんに聞きに行こうよ」
希「そんなの無理やろ」
穂乃果「そうだよ。絵里ちゃんだってコソコソやってるんだからさ。教えてくれる訳ないよ」
凛「それもそっかぁ」
穂乃果「どうする?取り敢えず一度部室に戻る?」
凛「待たないの?」
穂乃果「だって今日相手が来るとは限らないじゃん。練習もあるんだよ?」
希「うん。そうしようか。気になるけど…」
私達は一度部室に戻る事にした。
ガチャ
穂乃果「あっ!」
部室に戻ると絵里ちゃんが居た。
絵里「あら?遅かったじゃない三人一緒だったなんて珍しいわね」
希「ウチ等はえりちが来る前に一度部室に来てたからね」
絵里「へ〜そうだったの?こりゃ失敬」
穂乃果「なんか絵里ちゃんご機嫌だね」
絵里「え?そう見える?」
穂乃果「うん。凄く」
希「ウチ等、結構待ってたんやけどね。どこで油売ってたの?ちょっと最近たるんでるんやない?」
絵里「え?ああ…ごめんなさい。まあ、でもまだ他の皆んなも来てないんだしいいじゃない」
花陽「あっ、私は居るよ〜」
穂乃果「あっ、花陽ちゃん居たんだ〜。全然気がつかなかったよ」
花陽「えっ…結構目に入る所に座ってるんだけどなぁ」
希「まあ、いいけど」
穂乃果「所でさ〜…絵里ちゃんはなんでそんなにご機嫌なの?」
絵里「べっつに〜。何にもないわよ」
穂乃果「ふ〜ん。そう。って言うかさ…穂乃果…」
絵里ちゃんは私に小さく手招きをして。
絵里「なんか…希…ちょっと機嫌悪い?何かあったの?」
穂乃果「あはは…さあ?」
自分の胸に手をあてて考えてみなよと言う言葉を私は飲み込んだ。
数十分後、真姫ちゃんとにこちゃんが遅れてやって来た。
にこ「お疲れ〜」
真姫「お疲れ様」
穂乃果「あっ!真姫ちゃん!にこちゃん!」
にこ「何?今日はこれだけ?海未とことりは?」
穂乃果「あ〜海未ちゃんとことりちゃんは生徒会の…あっ!?やばっ!!!そうだ…生徒会の仕事…忘れてた。海未ちゃんに怒られる」
絵里「何やってるのよ…」
どおりで待ってても来ないと思った。
にこ「え?なに?生徒会行くの?」
穂乃果「うん。ごめん。すぐ終わると思うから。確か…」
花陽「じゃあ、待ってた方がいいよね?」
真姫「そうね。それが良いんじゃない?私もやる事あるし」
にこ「何よ?やる事って?」
真姫「別にいいでしょ?」
花陽「もしかして作曲?」
真姫「そんな所よ」
にこ「え?そうなの?にこがセンターの曲を作ってよ!」
真姫「それは私に言わないで」
穂乃果「あはは。それじゃあ…ちょっと私行って来るよ」
絵里「しっかり仕事してくるのよ」
私は生徒会室へ向かった。
次の日、私達はまた絵里ちゃんを尾行していた。
絵里「ふふんふ〜ん」
穂乃果「絵里ちゃんが鼻歌を…それにしても二日連続尾行って…」
凛「希ちゃんそんなに絵里ちゃんの事が気になるの?」
希「え?いや…あれやん?上手くいったらえりちをからかうネタが出来るやん?」
凛「そうだけど…流石に人の手紙を勝手に見るのは良くないよ。ねえ?」
穂乃果「うん。プライバシーの侵害だね」
希「わ、分かってるよ。別に手紙の内容まで見ようなんて言ってないやんか?」
穂乃果「ま〜希ちゃんがモヤモヤするのも分かるけどさ〜」
希「べ、別にウチはモヤモヤなんてしてないよ」
穂乃果「そう?まあ、それにしても昨日の今日だけど。もう返事来てるのかな?」
凛「だとするとハイペースだよね」
なんて話していると絵里ちゃんが例の本を開き始めた。
絵里「ふふふっ。あら?」
穂乃果「おっ?何かを発見したみたい」
凛「お返事来たのかな?」
絵里「うふふ」
絵里ちゃんは凄く嬉しそうだった。と言うか顔が凄い緩んでいた。
穂乃果「みたいだね」
凛「どんな返事が来たんだろう?やっぱり気になるにゃ〜」
穂乃果「うん。気になるね」
しばらくして、手紙を読み終えたらしく絵里ちゃんは手紙を大事そうに鞄にしまって図書室から出て行った。
私達は絵里ちゃんにバレない様にしばらくその場でジッとしていた。
穂乃果「絵里ちゃん嬉しそうだったね」
凛「そうだね」
希「でも、よく知りもしない相手とやり取り出来るなよね」
穂乃果「文通ってそれが醍醐味なんじゃないの?いいじゃん、プラトニックなやりとりって感じでさ」
希「いや、だから…相手は女子なんやからプラトニックも何もないやん」
穂乃果「まあ…そうだけど」
希「まあいいや。ウチ等も戻ろうか」
穂乃果「そうだね」
と図書室を後にしようとした時。
海未「穂乃果?」
と声を掛けられた。振り返るとそこには海未ちゃんが立っていた。
海未「穂乃果…それに凛と希も。図書室で何をしているのです?」
穂乃果「いやぁ…えっと…ちょっと気になる本がね」
海未「穂乃果が読書ですか?」
穂乃果「まあ」
凛「海未ちゃんは何しに来たの?」
海未「へ?いや…あの…何でもいいじゃないですか」
凛「え?何その反応は?」
希「なんかバレたら困る事でもあるん?」
海未「そ、そんな事ある訳ないじゃないですか。用事が済んだら部室に行きますから。先に行ってて下さい」
穂乃果「うん…分かった…」
海未ちゃんは明らかに怪しかった。
凛「海未ちゃん、絶対何か隠してたにゃ。すぐ顔に出るもん。海未ちゃんって」凛「うん。絶対何か隠してたにゃ。顔に出るんだから白状すればいいのに」
穂乃果「気づいてないんだよ。本人は」
希「ウチ…思ったんやけどな」
穂乃果「何?」
希「例えば…海未ちゃんがコソコソしてたのは文通相手に手紙を出す為とか?」
凛「え?海未ちゃんが?」
穂乃果「それ…穂乃果も思ったよ。それなら図書室で海未ちゃんがコソコソしてたのも納得いくもんね」
希「うん。そうやろ?」
穂乃果「あれね。気づいてないんだよ。本人は」
希「ウチ…思ったんやけどな」
穂乃果「何?」
希「例えば…海未ちゃんがコソコソしてたのは文通相手に手紙を出す為とか?」
凛「え?海未ちゃんが?」
穂乃果「それ…穂乃果も思ったよ。それなら図書室で海未ちゃんがコソコソしてたのも納得いくもんね」
希「うん。そうやろ?」
凛「え?って事は絵里ちゃんは海未ちゃんと文通してるの?μ’s内で文通してるの?それって…」
希「傑作やな」
穂乃果「うん。傑作だね。まあ、確証はないけどね」
凛「海未ちゃん、絶対何か隠してたにゃ。すぐ顔に出るもん。海未ちゃんって」
凛「うん。絶対何か隠してたにゃ。顔に出るんだから白状すればいいのに」
穂乃果「気づいてないんだよ。本人は」
希「ウチ…思ったんやけどな」
穂乃果「何?」
希「例えば…海未ちゃんがコソコソしてたのは文通相手に手紙を出す為とか?」
凛「え?海未ちゃんが?」
穂乃果「それ…私も思ったよ。それなら図書室で海未ちゃんがコソコソしてたのも納得いくもんね」
希「うん。そうやろ?」
凛「え?って事は絵里ちゃんは海未ちゃんと文通してるの?μ’s内で文通してるの?それって…」
希「傑作やんな」
穂乃果「うん。傑作だね。まあ、確証はないけどね」
翌日も絵里ちゃんは凄く機嫌が良かった。
絵里「んふふ〜」
穂乃果「絵里ちゃんご機嫌だね〜」
凛「ね!」
にこ「何かいい事でもあったのかしら?」
希「さあ?良い人でも出来たんやない?」
にこ「は?え?そうなの?ダメよそれは。アイドルなんだから。止めてくる」
穂乃果「ちょっ、ストップ」
にこ「ちょっと離しなさいよ。これはμ'sにとって一大事よ」
凛「にこちゃんが出て行くとややこしくなるにゃ」
にこ「なんでよ。だって止めなきゃいけないじゃない」
穂乃果「いや、違うよ。絵里ちゃんに良い人なんて出来てないから。安心して!」
凛「そうにゃ、そうにゃ」
にこ「なんでそう言い切れるのよ」
穂乃果「もう、希ちゃん。変な事言わないでよ」
希「あ〜ごめん、ごめん。ちょっと、にこっちをからかってみようかなって思っただけやから」
にこ「え?そうなの?」
希「うん。えりちがそんな事する訳ないやんか。誰よりも真面目なんやから」
にこ「でも、あれなんか怪しいわよ?幸せオーラ全開って言うかさ…変でしょ。ここ最近」
穂乃果「ほら…絵里ちゃんって幸せな人だから」
にこ「なによそれ。なんか隠してない?」
絵里「ふふ〜ん」
ガタッ
急に絵里ちゃんが立ち上がった。
にこ「ちょっ、絵里?どこ行くのよ?」
絵里「え?お手洗いよ」
穂乃果「あっ、なんだ。トイレか」
絵里「なに?なんか問題あった?」
穂乃果「いや…」
絵里「何よ?…まあ、いいけど」
そう言って部室から出て行く絵里ちゃんのポケットから何かが落ちた。
パサッ
にこ「ん?絵里…何か落として…行っちゃった」
穂乃果「え?」
にこ「何かしら?手紙?」
それは例の文通相手への返事で内容はこうだった。
『こんにちは。なんて…この手紙を書いている時は実は夜だったりします。本当は夕方から手紙の内容を考えていたんですけど聞きたい事が沢山あって…。だって、私以外にこの本を読んでいる人がいた事に本当にビックリしちゃって。あなたに興味しんしんなんです。えっと…どうしよう。質問いいですか?読書がお好きなんですか?普段、どんな事をして過ごしているんですか?』
にこ「完全に男じゃないっ!!!!!!」
希「ちゃうわっ!!!!!」
にこ「なんであんたが否定するのよ」
穂乃果「絵里ちゃん…手紙だとこんな感じなんだ…」
凛「凄い…乙女だね」
にこ「これアウトでしょ。何があなたに興味しんしんです!よ。完全に恋してるじゃない。問い詰めなきゃ」
希「違うって言うてるやろ。話を最後まで聞いて」
にこ「話って何よ」
穂乃果「いや、本当に違うんだよ。にこちゃん」
にこ「どう言う事?」
私達はこれまでの経緯をにこちゃんに説明した。
にこ「…なるほど。それで絵里はこの学校の生徒と文通してると?」
希「だから相手は男やないんよ」
にこ「分かんないじゃない。例えばピーターソン先生とか…」
希「だからそれはないって言ってるやろ」
にこ「じ、冗談よ」
凛「わー、にこちゃんも怒られたにゃー」
にこ「ふ〜ん。まあ、別に絵里が誰と文通してたって良いんだけど。恋愛じゃなければ」
穂乃果「まあ、この事は一応秘密って事でさ」
にこ「え?なんでよ?」
穂乃果「ほら?プライバシーだし」
にこ「別に誰にも言うつもりはないけど」
その時、絵里ちゃんが戻ってきた。
ガチャ
絵里「ねえ?部室に紙が落ちてなかった?これくらいのルーズリーフなんだけど…」
にこ「え?こ、これ?」
絵里「そ、そう。にこ!ありがとう!助かったわ」
にこ「う、うん」
絵里「……中身…見た?」
にこ「え?いや…見てない…けど」
絵里「そう。なら良かった」
希「何か見られたら困るものでも書いてあるの?」
絵里「え?いやぁ…タダのメモよ。」
希「ふ〜ん。大切な物なんだったらちゃんとしておきよ」
絵里「うん。そうね…。さて…」
希「どこに行くん?」
絵里「だからお手洗いに」
希「さっき行ってきたんやろ?」
絵里「いや…だから…メモをなくしちゃったから探してたのよ。と言う事で私はお手洗いに行ってくるから」
再び、絵里ちゃんは部室から出て行った。その場にいる誰もが図書室に行ったのだろうと思った。
にこ「それにしても。絵里も可愛い所あるわよね」
穂乃果「うん。そうだね」
にこ「まあ…いいんじゃない?楽しそうだし。相手が誰なのかは気になるけど」
穂乃果「ああ…それがね。相手は…」
にこ「相手分かってるの?誰々?」
希「ウチ等の中では海未ちゃんやないかって事で落ち着いたんよ」
にこ「海未?」
凛「そう。海未ちゃんが図書室でコソコソしてるのを見たんだよ」
にこ「じゃあ、絵里と海未はお互いが相手だって分からずに文通してる訳?」
穂乃果「多分だよ?」
にこ「何よそれ?面白過ぎるんですけど。じゃあ、そんなに気にする様な事でもないのね?相手は海未だから」
穂乃果「そう言う事だね」
海未「私が何ですって?」
にこ「え?」
穂乃果「ビックリしたぁ。海未ちゃん…」
海未ちゃんのいきなりの登場は凄く心臓に悪い。
海未「今私の話をしていたでしょう?」
にこ「居たなら声掛けなさいよ」
海未「今来たところです。それで?」
穂乃果「えっと…ほら?海未ちゃんこないだ図書室で何かしてたじゃん?何してたのかなって」
海未「え?」
凛「海未ちゃんに聞いちゃうの?」
穂乃果「いや…何も思い浮かばなくて…」
海未「そ、その…」
にこ「何よ?言えない事なの?」
海未「そう言う訳では…」
希「海未ちゃん?何してたん?」
海未「実は…借りていた本を返すのをすっかり忘れていて…」
海未ちゃんは顔を真っ赤にして答えた。
穂乃果「え?それだけ?」
海未「はい。普段穂乃果に口酸っぱく忘れ物をするなと言っている手前…恥ずかしくて」
凛「それでコソコソしてたの?」
海未「そうなんです。卑怯ですよね…。自分のミスを隠す様な事して…」
穂乃果「なんだ〜。そう言うこと」
海未「はい。本当に申し訳ありません」
穂乃果「いや…海未ちゃん。気にしなくていいよ。別に私達何も迷惑してないし。それに誰だって忘れる事はあるから」
海未「で、ですが…」
穂乃果「いや、本当に。気にし過ぎ」
にこ「って言うかどんだけ真面目なのよ」
海未「ほ、穂乃果…」
凛「ん〜でも、海未ちゃんじゃないとなると…ふりだしに戻るって事かぁ」
海未「ふりだし?」
穂乃果「いや…こっちの話だから」
海未「は、はあ…」
希「ウチは…正直そんな気がしたんよね…」
穂乃果「え?そうなの?」
希「だって海未ちゃんやったら絶対に顔に出るやろ?毎日、ニヤニヤしてそうやん」
穂乃果「ああ…確かに」
海未「あの…本当になんの話を…」
凛「でも、希ちゃんが海未ちゃんじゃないかって言い出したんだよ?」
希「まあ…そうやけど…」
凛「希ちゃんの考えてる事がイマイチ分からないにゃ」
海未「私の名前が出ているのにどうして蚊帳の外なのでしょうか…」
結局、私達の予想は思いっきり外れていた。
それからも、絵里ちゃんの文通は続いた。
毎日。
絵里「うふふ」
穂乃果「見て?一人で笑ってるよ」
にこ「はっきり言って気持ち悪いね」
希「本当…。皆んなが見てるのに」
絵里「……待ち遠しいな」ボソッ
穂乃果「今の聞こえた?」
にこ「聞こえた。あれ無意識かしら?」
穂乃果「だろうね」
毎日。
絵里「えへへ」ニヤニヤ
穂乃果「ねえ?今日もニヤニヤしてるよ?」
にこ「えへへって…もう昔のお堅い生徒会長の面影が1ミリも残ってないわね」
ことり「最近絵里ちゃんご機嫌だね」
絵里「え?そうかしら〜?」
ことり「うん。幸せオーラが凄い。もしかして良い人出来た?」
花陽「えっ!!?そうなの?」
絵里「違うわよ。そんなんじゃないって」
ことり「そっかぁ。てっきり絵里ちゃんに恋人でも出来たかと」
希「ことりちゃん。えりちに恋人なんて出来ないって」
絵里「希?」
穂乃果「うわっ。希ちゃん行ったよ」
凛「凄いね。よく行くよね」
にこ「何がしたいのよ、希は…」
希「な?そうやろ?アイドルは恋愛禁止やもんな?」
絵里「そうね。それに仮に恋人が出来たら希にちゃんと言うわよ。安心しなさい」
希「へ〜それは安心やなぁ」
絵里「ふふっ。だから希もちゃんと好きな人が出来たら言うのよ?」
希「分かっとるよ。もしかしたら明日報告する事になったりして〜」
絵里「あら?言うわね。全然そんな素振り見せない癖に」
希「えりちに言われたくないな〜」
にこ「ねえ?あれってどう言う感情が働いてるのかしら?希…何がしたいのかしら?ねえ?」
穂乃果「色々と…複雑なんだろうね。希ちゃんも…」
そう。希ちゃんも色々と複雑らしい。その夕方もこんなやり取りがあった。
海未「さっ、早く着替えて下さい」
穂乃果「はーい」
花陽「ねえ、帰りにクレープ食べて帰らない?美味しいクレープ屋さんが出来たの」
凛「クレープ?ご飯じゃなくて?クレープでいいの?」
花陽「うん」
にこ「あ〜あそこのクレープ屋さん評判いいよね」
穂乃果「え!そうなの?食べたい食べたい!」
海未「太りますよ?」
穂乃果「じゃあ、海未ちゃんは来ない?」
海未「行きます」
絵里「今日は私も行こうかしら」
穂乃果「絵里ちゃんも行けるの!」
希「珍しいやん」
絵里「そんな事ないわよ」
希「いや〜なんか最近忙しそうやったから」
絵里「へ?そう?そんな事ないわよ」
穂乃果「あはは…じゃあ、今日は全員で行けるね!」
真姫「ごめん。私は遅れて行くわ」
凛「え?真姫ちゃん来れないの?」
真姫「遅れるだけよ。ちょっと残ってやる事があるから」
花陽「それだったら待つよ?」
真姫「別に待ってなくていいわよ。後からすぐ行くから先に行ってて」
花陽「でも…」
真姫「本当にいいから」
花陽「そ、そっか」
穂乃果「じゃあ、向こうで待ってるよ」
真姫「ええ。悪いわね」
穂乃果「真姫ちゃん用事ってなんだろうね?」
花陽「最近真姫ちゃん忙しそうだよね?」
凛「曲作りだと思うよ?昼休みも必死に考えてたもん」
海未「でも、それなら家でやるのでは?」
穂乃果「確かに…言われてみれば」
にこ「まっ、真姫の協調性がないのは今に始まった事じゃないし」
凛「真姫ちゃんもにこちゃんには言われたくないと思うにゃ」
にこ「何ですってぇ?」
絵里「ふふっ。もう、喧嘩しないの!」
希「………」ジィー
絵里「な、なに?」
希「……」プイッ
絵里「ねえ…最近、ずっと機嫌悪いわよね?希…」
穂乃果「え?そ、そうかな?」
絵里「そうよぉ。言葉の節々に刺々しさを感じるのよね」
穂乃果「…心当たりは?」
絵里「無いから困ってるのよ。あの…それとなく聞いといてくれない?」
穂乃果「あ〜……うん。機会があれば…」
そんな日が何日も続いた。
そして今日も私達は絵里ちゃんを尾行していた。
穂乃果「はあ…今日も絵里ちゃんの逢引きをこっそり覗き見して…何してるんだろ…」
にこ「逢引きではないでしょ」
希「似た様なもんやろう」
凛「それにしても文通相手は一向に現れないね?何でだろう?」
穂乃果「いつ来てるんだろうね?」
にこ「私達が練習してる時間に来てるんじゃないの?」
穂乃果「って事は部活はやってないのかな?」
希「もしかしたらウチ等が帰ってからって可能性もあるけどな」
そんなやり取りを私達がしていると、何やら絵里ちゃんが騒ぎ出した。
絵里「なっ…ないっ!?」
穂乃果「んあ?絵里ちゃん何を騒いでるんだろ?」
にこ「図書室で大きな声出してμ’sの評判が下がるじゃない」
凛「大袈裟にゃ」
絵里「ど、どうして」
穂乃果「何があったのかな?」
凛「無いとか言ってたよね?」
希「あっ、えりちがこっちに来るよ」
穂乃果「隠れなきゃ」
絵里ちゃんは困った様に慌てて図書室のカウンターへと向かった。
絵里「あ、あの…あそこの棚にあった本って貸し出されちゃいましたか?」
図書委員「え?あの…なんの話ですか?」
絵里「あそこの…あの…○○ってタイトルの本なんですけど」
図書委員「えっと…ちょっと分からないですけど…昨日新しい本を入荷したので読まれていない古い本は処分したと聞いてるので。もしかしたら…」
絵里「そ、そんな…」
どうやら、絵里ちゃんが文通で使っていた本は誰も読んでいないとの理由で処分されたとの事だった。
穂乃果「本…処分されちゃったんだね…」
凛「絵里ちゃんかわいそう。凄く落ち込んでるにゃ」
にこ「まあ…仕方ない事だけど。でも…そうね。嫌な終わり方になっちゃったわね」
希「……」
にこ「希?」
絵里「はあ…」
トボトボと歩きながら図書室を後にする絵里ちゃんの背中はとても悲しそうだった。
穂乃果「どうしようか?絵里ちゃんも出て行ったし私達も」
その時、希ちゃんが急に立ち上がりカウンターへと駆け寄った。
希「あの!?」
図書委員「はい?」
希「処分された本って何処に持って行かれるんですか?」
図書委員「え?」
希「昨日処分された本。私の親友が大好きな本なんです。だから…」
穂乃果「希ちゃん…」
誰も居ない部室で黙って一人、絵里ちゃんは頬杖を突きながら窓の外を寂しそうに眺めていた。
絵里「はあ…」
希「元気ないやんか」
絵里「希…。どこ行ってたの?誰も来ないから私…」
希「ため息の原因はこれかな?」
絵里「その本…なんで…」
穂乃果「ごめんね、絵里ちゃん。実は絵里ちゃんが文通してるの知ってたんだよね」
絵里「そうだったの?でも、どうして…だって、この本は…」
凛「処分された訳じゃなかったんだ。町の図書館に寄付してたんだよ」
希「毎日楽しみにしてたんやろ?やり取りするの」
穂乃果「中見てみなよ」
絵里「うん」
ペラ
絵里「手紙…」
「こんにちは。いつもありがとうございます。今日はあなたに言いたい事があります。私と会ってくれませんか?それで…もし良かったら友達になれたら嬉しいなって。同じ本を読んで感動出来るあなたと友達なりたいです。明日、放課後裏庭で待ってます。」
凛「持ってかれる前にちゃんと手紙を差し込んでくれてたんだね」
絵里「そうだったんだ…あの…」
にこ「行って来なさいよ。きっと待ってるわよ」
絵里「うん。ありがとう」
にこ「お礼なら希に言いなさい。言い出したのは希だから」
絵里「そうだったの。希…ありがとう」
希「ああ…うん。別に?お礼なら…まあ…ジュースとかでええからさ」
絵里「ふふっ。そうね。それじゃあ、行ってくるわ」
嬉しそうに、少し申し訳なさそうに絵里ちゃんは部室を出て行った。
ガチャ
にこ「でも、良かったの?」
希「ん?」
にこ「本当は寂しかったんでしょ?絵里が文通に夢中になってるの」
希「仕方ないやん。えりちが…あんな顔するから…」
にこ「ふ〜ん。面倒くさいわよね。あんたも」
穂乃果「ふふっ。本当だね」
本当、希ちゃんも面倒くさいね。
この後、とても意外な、けど私達の当初の推測と遠からずな結末が待っていた。
真姫「はあ…来るわけないか。そうよね。だいたい読んでいるかも分からないのに返事も待たないで勝手に場所も時間も指定して…」
裏庭で絵里ちゃんを待って居たのは真姫ちゃんだった。
真姫「でも…勇気を出したんだけどな…」
絵里「真姫?」
真姫「え?絵里?あっ…うそ…あなた…エリーって…もしかして…」
絵里「ちょっ、ちょっと待って?文通?」
真姫「う、うん」
絵里「あ…ああ…」カァァァ
真姫「……」カァァァ
絵里「あの…私?変な事書いてなかった?」
真姫「ちょっと…可愛らしかったかも」
絵里「そう」
真姫「うん」
絵里「ぷっ…ふふ…あははは」
真姫「え?」
絵里「そうなんだ…真姫だったのね。そっか。真姫が文通をね」
真姫「な、なによ?私が文通してたらおかしいの?自分だってそんなキャラじゃない癖に」
絵里「ふふっ、違うのよ。気に障ったならごめんなさい。でもね、まさか相手がメンバーだったなんて。私達って本当…切っても切れない関係なのね。これって運命よね。少し恥ずかしかったけど」
真姫「………そうね。ふふっ、おかしいわね」
私達は二人の様子をこっそりと隠れて見て居た。
穂乃果「いや〜まさか…絵里ちゃんの文通相手が真姫ちゃんだったとは…」
凛「海未ちゃんじゃなかったけど遠からずって感じだね」
にこ「良かったわね。希」
希「ん?何が?」
にこ「なによ?とぼけちゃってさ」
真姫「そう言えば…会って直接聞こうと思ってた事があったの」
絵里「え?」
真姫「絵里があの本を読んだきっかけって?ほら?あの本ってなかなか珍しいじゃない?古いし…同年代で読んでる人なんて見た事なかったから」
絵里「あ〜…あの本は。私の……親友が面白いからって勧めてくれた本なの。入学して初めて出来た友達にね。だから、思入れが凄く強い本なの」
真姫「え?その親友って?」
絵里「ふふっ。そう」
にこ「どういう事よ?」
希「え?いや〜…」
にこ「とぼけるんじゃないわよ。絵里に初めて出来た友達なんて希しか居ないでしょ?」
穂乃果「って事は…希ちゃんはあの本の事知ってた訳だよね?」
希「あはは…そうなるね」
凛「なんで言ってくれなかったの?それなら話は早かったかも知れないのに」
希「いや〜。ごめん、ごめん。ほら?何となく察してよ?」
穂乃果「分かんないよ。どう言う事?何を察すればいいの?」
凛「分かんないにゃ」
希「あはは…ごめんて」
にこ「まったく。本当面倒くさいのばっか。μ'sって」
おつ
> 希「いや〜。ごめん、ごめん。ほら?何となく察してよ?」
ここ最高にめんどくさ可愛い
lud20241203023016このスレへの固定リンク: http://5chb.net/r/lovelive/1597580231/
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