ダイヤ「それはもちろんルビィですわ」
ルビィ「えへへ」
ダイヤ「そういえば最近引っ越してきた善子さんもえらい美人さんですわね」
ルビィ「…」
嫉妬にかられたルビィちゃん。
ルビィちゃんは毒みかんを善子ちゃんにプレゼントする事を企てました。
ルビィ「あの、あなたが善子さんですか?」
善子「ヨハネよ。天界から追放されラグナロクの日まで地上に身を隠すことにしたの、よろしくね」
ルビィ「う、うん…そうだヨハネちゃん、みかんあげる」
善子「ぐっ、それは悪魔の果実…!あなた、まさか天界の追跡者!?」
ルビィ「う、うゆ!?」(毒を入れた事がばれてる!?)
善子「さあ白状なさい」
ルビィ「る、ルビィはヨハネちゃんと仲良くなりたいと思って…」ウルウル
善子「…!ご、ごめんなさい。本当はみかん苦手なの…でもせっかくだから戴くわ。ありがと…」
ルビィ「ほ、ほんと?食べて食べて!」(しめた!)
善子「…や、やっぱり家で堪能させて貰うわね」
ルビィちゃんの計略は早くも頓挫してしまいました。
ルビィ「うゆゅ…出来るだけ早めに食べて欲しいなあ」
善子「善処するわ…しかし堕天使に献上品を捧げるなんていい子ね、私のこともヨハネって呼んでくれるし…貴女の名前は?」
ルビィ「…ルビィだよ」(ヨハネって呼んでるのは本名で呼ぶのが嫌だからだけど…まあいいか )
善子「そう…ルビィ、貴女とは仲良くなれそうね。だから貴女をヨハネのリトルデーモンにしてあげる」
ルビィ「リトルデーモン…?ありがと、ヨハネちゃん」
これが2人の出会いでした。
ルビィ「ヨハネちゃーん、サンドイッチ食べる?」
善子「あらいいの?いただくわ」
ルビィ(馬鹿だねヨハネちゃん、それにはデスソースっていう猛毒が塗ってあるんだよ!)
ルビィ(試しに舐めただけで悶絶する毒をまともに食べればどうなるか…見物だね!)
善子「もぐもぐ…」
ルビィ「ど、どう?美味しいかな…」(ヨハネちゃん!終わりだよ!)
善子「うん!すごく美味しいわ!まるで私の好みを分かってくれているみたい…」
ルビィ「!?」(なんで!?なんでなんともないの!?)
善子「あ、ごめんなさい私ばかり食べちゃって…本当に美味しいの、ルビィも一緒に食べましょう?」
ルビィ「ル、ルビィはお腹いっぱいだからヨハネちゃんが食べて?」
一度ならず二度も失敗したルビィちゃん。しかしルビィちゃんは懲りません。
ルビィ(こうなったら物理的に仕留めるしかないよね)サクッサクッ
ルビィ(この落とし穴に落ちればひとたまりもないよ。堕天使が転落死なんて無様だね)サクッサクッ
ルビィ(ここまで掘ればいいかな…そろそろ出て穴を隠さなきゃ)
ルビィ(あっ)
ルビィ(どうやって出ればいいの?)
ルビィ「おねいちゃあああーん!花丸ちゃーん!」
ルビィ「ちかちゃーん!ようちゃーん!りこちゃーん!かなんちゃーん!まりちゃーん!」
ルビィ「うっうぅ…」
善子「ルビィ!?今声がしたけど大丈夫?助けに行くわ!…あうっ」コケッ
善子「落ち…いやあぁああ!」ドサッ
ルビィ「ぐえ!よ、ヨハネちゃ、重い…」
善子「あ、ごめんなさい…それにしてもルビィも穴に落っこちちゃったのね」
ルビィ「え?あ、うん、そうなんだ」
文字通り墓穴を掘ってしまったルビィちゃん。
善子ちゃんが助けにくるも二人仲良く穴に落ちてしまい絶体絶命です。
善子「まったく落とし穴なんて酷いことをする人もいるものね…大丈夫?怪我はない?」
ルビィ「うん、大丈夫だよ」(失敗するばかりかヨハネちゃんに心配までされるなんて…)
善子「流石は私のリトルデーモンね。きっとすぐに誰か見つけてくれるわ」
ダイヤ「まあ、なんですのこの穴は!それにルビィと善子さんの声がしたような…」
善子「ほらね!ダイヤー!手を貸してー!」
ダイヤ「なんてことですの!すぐ助けますわ!」
ルビィ「…」
善子「ルビィ…ごめんなさい」
ルビィ「…なんでヨハネちゃんが謝るの?」
善子「こんな不自然な穴よっぽど運が悪くなきゃ落ちないわ。私の不運に貴女を巻き込んでしまったんだと思うの…」
ルビィ「…違うよ、ヨハネちゃんは悪くない」
ダイヤさんのおかげで二人は無事救出されました。
ルビィちゃんも今回は罪悪感を抱いたようです。
ルビィ「…そうだ!しいたけちゃんをけしかけてヨハネちゃんに襲わせよう!」
ルビィ「うぅ…わんちゃんさんは苦手だけどヨハネちゃんのハンカチをくすねたからこれを嗅がせれば…」
しいたけ「あお〜ん?」
ルビィ「しいたけちゃん、これでヨハネちゃんを襲って!」
しいたけ「わん!」
ルビィ「ピギィ!なんでこっち来るの〜!!」
善子「こらっしいたけ!ルビぃ襲っちゃ駄目でしょ」
しいたけ「くぅーん…」
善子「大丈夫?ルビィ」
ルビィ「う、うん…ルビィはなんともないよ」
ルビィ(くっ…ヨハネちゃんに助けられるなんて…)
しかし悪びれないのがルビィちゃん。
バチが当たったのかまたしても失敗してしまいました。
梨子「よっちゃーん!チョコレート作ってみたけど食べる?」
善子「私の好物を貢納するとは流石リリーね。頂くわ」
善子「あむ…なかなかギルティな味ね…普通のチョコではない…それにこの独特な風味…分かったわ!洋酒が入ってるのね!」
梨子「善子ちゃんすごい!」
ルビィ(そうか…ヨハネちゃんはチョコが好物なんだ)
ルビィ(チョコに毒を盛れば…)
善子「ルビィも一口食べる?リリーのチョコ私だけで貰うなんて勿体ないわ」
ルビィ「え?じゃあ貰うよ…美味しい!」
善子「でしょ!?」
ルビィ(…毒は失敗ばかりだから今日はやめとこうかな…)
ルビィちゃんも気が乗らない時があるようです。
ルビィ「こうなったらじわじわ追い詰めてヨハネちゃんを追い出そう!」
ルビィ「手始めにジュースにタバスコ混ぜて…はい、ヨハネちゃんジュースあげる」
善子「あら?いいの?…プッハー!美味しい!」
ルビィ「ノーダメージ!?」
ルビィ「ならルビィの苦手なわさびを練り込んだチョコを…はい、チョコもあげる」
善子「なんだか悪いわね…うん、これも美味しい!」
善子「ちなみに私に辛いのは効かないわよ」
ルビィ「!?」
こうしてルビィちゃんは色々な計略を巡らすも…
ルビィ「ヨハネちゃん、ムラサキカガミ」
善子「ミガカキサラム」
ルビィ「?」
善子「知らないの?逆から言うと相手に返るのよ」
ルビィ「ひぃ!?」
善子「嘘よ」
…
ルビィ「ヨハネちゃん、この本読んで!」
ルビィ(これは読んだら呪われる本…堕天使なら呪われるのも本望かな?)
善子「あら!これ探してた黒魔術書じゃない!」
善子「あまりにレアで読んだら呪われるなんて都市伝説が流れてるほどなのにどうしてルビィが?」
ルビィ「えーと、お、お姉ちゃんがね」(都市伝説…?)
善子「そう…ダイヤにお礼を伝えといて!ルビィもありがと!」
ルビィ「うん…」(デマだったんだ…)
ことごとく失敗し…
花丸「ルビィちゃんと善子ちゃんすっごく仲がいいよね!」
千歌「うん!あの2人いつも一緒にいる気がするよ」
果南「素直なルビィちゃんとちょっと変わり者な善子は相性がいいんだろうね」
梨子「善子ちゃんも一見変わり者だけどすっごく良い子だもんね」
曜「確かに。善子ちゃんもいつのまにかここに馴染んだよね〜」
鞠莉「あの2人、姉妹みたいで微笑ましいわ〜」
ダイヤ「鞠莉さん!ルビィの姉妹は私だけですわよ!」
いつしか2人は仲良しとして有名になっていました。
ルビィ「今日はヨハネちゃんにどんなことしようかな〜…」
ルビィ「そうだ!今日はヨハネちゃんに後ろから大声をかけて驚かせよう!」
ルビィ「後ろからそーっと近づいて…するんだっ!!!!!」
善子「!」ビクゥ
善子「な、なんだ、ルビィ?驚いたじゃない…」
ルビィ「やったー!イタズラ成功♪」
やがてルビィちゃんの心境も変化し…
ルビィ「ヨハネちゃん」ツンツン
善子「何?」プニ
ルビィ「わーい!引っかかったー!」
善子「ぐぬぬ…やってくれるじゃない…あっダイヤ!ルビィが意地悪するの!」
ルビィ「え!?ごめんなさいおねいちゃ…あれ、いない…」
善子「ふふん、お返しよ」
ルビィ「もうー!」
ルビィちゃんの目的もイタズラして善子ちゃんの気を引くことに変化していました。
しかし事件は唐突に起きます…
善子「あ、このみかん初めて会ったときルビィがくれたやつだわ」
善子「腐らすのももったいないし…食べなきゃ失礼よね」
善子「苦手だけど…いただきます」モグモグ
善子「あら、みかんも結構いけるじゃない…うっ!」バタッ
こうしてルビィちゃんの計略は思わぬ形で叶ってしまいました。
花丸「大変だよ!善子ちゃんが眠りから目覚めないって!」
ダイヤ「なんてことですの…」
千歌「そんな!善子ちゃんもここの大事な住民なのに…」
梨子「よっちゃん…うぅ…」
果南「善子、本当に目が覚めないの?私がビンタして…」
鞠莉「やめときなさい、善子もただ寝てるだけじゃないみたいだから」
曜「なにか…なにか手はないの!?」
みんなどうすればいいか分からずただ悲しみに暮れます。
ルビィ「あの時の毒みかん…ルビィのせいで…」
ダイヤ「善子さんは毒みかんを食べたのですか!?」
ルビィ「ごめんなさい…ルビィが悪いの…ルビィがヨハネちゃんに毒みかんを渡したから…」
ダイヤ「まったく、なんてことをしたんですの!!」
ルビィ「ルビィがヨハネちゃんに嫉妬して…ルビィは最低だよ…ルビィが毒みかんを食べるべきだったんだ…」
花丸「ルビィちゃん、やめるずら」
そう、犯人は他ならぬルビィちゃんです。
しかし自分を責めるルビィちゃんを制止する花丸ちゃん。
花丸「善子ちゃんは本当は気付いてたんだ…ルビィちゃんが善子ちゃんのことよく思ってなかったこと」
ルビィ「え?そうなの?」
花丸「でもかわいいイタズラみたいなことばかりするから善子ちゃんはルビィちゃんの事を悪く思わなかった」
花丸「むしろルビィちゃんと仲良くなりたいって色々相談してくれたんだ。最近はルビィちゃんとイタズラしあえる仲になって嬉しいって喜んでたよ」
花丸「今回のは不慮の事故だから…だから自分を責めるのはやめるずら」
ルビィ「ヨハネちゃん…」
善子ちゃんの意外な本心を知らされたルビィちゃん。
ダイヤ「…毒みかんが原因なら一つだけ治す方法があります」
ルビィ「ほんと!?ルビィ、なんでもするよ!」
ダイヤ「それはその人が愛する人がキスすることですわ」
ルビィ「えぇ!?じゃあルビィにはどうしようもないよ…他に、他に方法はないの?」
ダイヤ「他に手段はありません」
ルビィ「じゃあ善子ちゃんが愛してる人って誰?」
ダイヤ「それは…」
ようやく希望の光が見えましたが早くも途絶えてしまうのでしょうか…
花丸「大丈夫だよ、ルビィちゃんなら」
ルビィ「でもルビィはヨハネちゃんにたくさん酷いことをしたよ?愛される資格なんて…」
花丸「善子ちゃんは言ってたずら、最近はルビィちゃんが可愛くてしょうがないって。善子ちゃんはルビィちゃんの事を少しも悪く思ってないよ」
千歌「そうだよ!善子ちゃんを救えるのはルビィちゃんしか考えられないよ」
梨子「確かに。最初に善子ちゃんに話しかけたのもルビィちゃんだもん」
曜「前に皆でも2人は仲良しだなーって話してたんだ」
果南「うんうん。ルビィちゃんと善子ならお似合いだよ」
鞠莉「いつも2人一緒にいたしノープロブレムでーす!」
ダイヤ「えぇ。私も善子さんを救えるのはルビィだけだと信じていますわ」
ルビィ「みんな…」
みんなから勇気を貰ったルビィちゃん。もう迷いはありません。
善子家
ルビィ「ヨハネちゃん…本当に寝てる…こうして見るとお人形さんみたい」
ルビィ「本当にルビィのキスで起きるのかな…ううん、迷ってちゃだめ」
ルビィ「ヨハネちゃん…今起こしてあげるね」
チュッ
善子「…」
ルビィ「そんな…ルビィじゃ無理だったよ…」
善子「…」
ルビィ「うぅ…ごめんなさい…ごめんなさい…」
善子「…」
ルビィちゃんのキスでも目覚めない善子ちゃん。このまま眠りについたままなのでしょうか…
善子「…」
ルビィ「ヨハネちゃん…目を覚ましてよぉ…」
善子「…」
善子「…」
善子「…はっ!今何時!?」
ルビィ「ヨハネちゃん!?」
善子「あらルビィ、起こしに来てくれたの?ってうわ!」
ルビィ「ヨハネちゃん…ヨハネちゃん…良かったよぉ…」ギュー
善子「ちょ、ルビィ苦しい…」
ようやく目を覚ましたお寝坊な善子ちゃん。
こうして善子ちゃんはルビィちゃんのキスで無事目覚めることが出来ました。
花丸「と言うわけで善子ちゃんお目覚め&2人のお付き合いを祝して…」
みんな「かんぱーい!」
曜「いやー、一時期はどうなるかと思ったよ」
ダイヤ「えぇ。ルビィには後できつく言っておきますが」
果南「まあまあダイヤ、せっかくの祝いの場なんだからかたいこと抜きでさ」
鞠莉「そうよ。今日は2人が結ばれためでたい日なんだから」
梨子「うぅ…よっちゃんほんと良かったよぉ…」
善子「私そんな長い間眠ってたの?全然実感無いわ」
千歌「善子ちゃんとルビィちゃんお付き合いおめでとう!千歌たち応援するからね」
ルビィ「えへへ、ありがと」
お互い心が通じ合ってることを知った2人は晴れてお付き合いすることになりました。
ルビィ「ねぇヨハネちゃん、本当にルビィでいいの?」
善子「当たり前でしょ。ルビィといたずらしあう時間が好きだったの。それよりルビィが好きだってバラされて恥ずかしいんだけど」
ルビィ「この件は本当にごめんなさい…」
善子「だから気にしてないわ。堕天使は懐が深いのよ。それよりルビィこそヨハネでいいの?」
ルビィ「うん!ルビィはヨハネちゃん…ううん、善子ちゃんが好き」
善子「ヨハネよ!でもルビィに善子って言われるの不思議と悪い気がしないわ」
ルビィ「えへへ…今まで照れ隠しでヨハネちゃんって呼んでたの。でもこれからは善子ちゃんって名前で呼ぶね」
善子「ヨハネが私の真名なんだけど…まぁルビィにならいいわ」
ルビィ(善子ちゃん…大好きだよ。ルビィが世界でただ1人認めたルビィより可愛くて大切な人…)
紆余曲折を経て結ばれたルビィちゃんと善子ちゃん。
2人は末永く幸せに暮らしたのでした。
めでたしめでたし
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