あれの続きめっちゃ気になってたので助かる
あまり催促しないほうがいいかと思って書かなかったけど
──デウス・エクス・マキナ
古代ギリシアの演劇において、劇の内容が錯綜してもつれた糸のように解決困難な局面に陥った時、絶対的な力を持つ存在=神が現れ、混乱した状況に一石を投じて解決に導き、物語を収束させるという手法を指す。(出典:wikipedia)
──同好会・部室──
侑「おはようございまーす!」
かすみ「うわああん!侑先ぱあああい!会いたかったですううう!」ダキッ
侑「うわっ…!どうしたのかすみちゃん!」
侑「昨日も練習で会ってるじゃん、大袈裟だなあ」ナデナデ
かすみ「でへへ♡───ってぇ!そんな場合じゃないんですよ!」
かすみ「しず子が大変なんですぅ!」
しずく「────」
侑「──?別にいつものしずくちゃんと変わらないことない?」
かすみ「違うんですよぉ!とにかくしず子と話してください!」
侑「う、うん、分かった」
───
かすみ「しず子!侑先輩来たよ!ほら!」
侑「おはよう、しずくちゃん」
しずく「あっ、おはよう!侑ちゃん!」
侑「!!??」
しずく「──どうしたの侑ちゃん?おはよう!」
侑「お、おはよう…」
侑「───かすみちゃん。これどういうこと?」
かすみ「わからないんですよぉ。部室に来たらしず子がいて、そしたらもうこの状態だったんですぅ」
しずく「ふふっ、かすみちゃん?今日も可愛いね」
かすみ「う゛わ゛あ゛ああ!だから、その呼び方やめてよおお!体がかゆいよお!」
侑「これ…完全に歩夢モードだ──歩夢を演じてるしずくちゃんだ…」
かすみ「やっぱり?なんかこないだのしず子みたいだなと思ったんです !」
しずく「かすみちゃん?しずくちゃんはまだ来てないよ?」
かすみ「うわああん!こんなしず子見てられない!侑先輩、ごめんなさい」ピュー
侑「あっ、かすみちゃん!──困ったなあ…」
侑(なんでまたしずくちゃんが歩夢モードに?)
侑(今日から歩夢も練習に来るって言ってたし、私のためではないはず)
侑(こないだ歩夢を演じて、気に入ってしまったとか?それも無いか)
侑(うーん、このままじゃさすがに問題しかないよね)
しずく「もう侑ちゃん、さっきからなに難しい顔してるの?」ガシッ
侑(──また腕を組んできた!歩夢っぽいけどやっぱり歩夢より大胆だ!)
侑「しずくちゃん。今日は歩夢も来るんだし、歩夢になる必要は無いよ?」
しずく「私は歩夢だよ。歩夢って呼んで?」
侑「いや、しずくちゃん…ふざけてる場合じゃ──」
しずく「嫌っ!」
ダキッ
侑「───!?」
侑(私を押したお──したわけではなく、抱きついてきた!?)
しずく「聞きたくないよ……」
侑(なんでしずくちゃんがあの時の歩夢みたいなこと言ってるの!?)
しずく「私のこと…歩夢って呼んで?侑ちゃん…」
侑「…………──」
侑「しず──」
しずく「…っ───ぃゃ……」ギュゥッ
侑「あ…歩夢…」
しずく「えへへ…。ありがとう侑ちゃん。大好き」
ガララ…
歩夢「おはよう!侑ちゃ───」
侑「あ───」
歩夢「─────」
しずく「────」
侑(これは所謂……修羅場ってやつかな?)
歩夢「────」
歩夢「─────@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ」
侑「や、やあ歩夢…。風邪治ったみたいでよかった」
歩夢「うん!もうすっかり元気になっちゃったよ」
歩夢「ところで──」
侑「───」ゴクリ
歩夢「なんでしずくちゃんが、侑ちゃんに抱きついてるの?」
侑「──いや、これ私にもよく分からなくてさ。本当に私が聞きたいくらいで」
歩夢「じゃあ、しずくちゃんに聞いてみようか。しずくちゃん?」
しずく「あ、私!元気になったんだね!」
歩夢「──へ?」
しずく「今日からまた、練習頑張ろうね!」
歩夢「え…う、うん…!」
歩夢「これ……私になってる?」
侑「───」コクリ
──それから全員が揃って…──
愛「おーい、しずくー?」
しずく「私は歩夢だよ?愛ちゃん」
愛「あーれま、こりゃ本当に歩夢になってる」
果林「昨日、愛のボールを受けたせいで、どこかおかしくなってしまったんじゃないの?」
愛「愛さんのせい!?なら、アタシにどうにかせいってこと?せい、だけに!」
侑「ぷひょっ…!」
侑「─────ごめん…」
しずく「もう、愛ちゃん。侑ちゃんは笑いのレベルが赤ちゃんなんだから、気をつけてね…!」
愛「いや──お?…うん?…うん、ごめん…」
侑(あれ?私、なんかしれっとディスられたなかった…?)
璃奈「愛さんでもお手上げだなんて…。璃奈ちゃんボード『ムムム』」
せつ菜「困りましたね…。しずくさんが悪ふざけでこういうことする人とは思えないのですが…」
彼方「いつも彼方ちゃんを起こしてくれるしずくちゃんは、どこへ行っちゃったの〜?」
エマ「元に戻ってよ、しずくちゃん!」
しずく「みんなしてしずく、しずくって。私は歩夢なんだよ?」
しずく「そうだよね、侑ちゃん!」
侑「う、うん…。そうだね…」
かすみ「ちょっと侑先輩!何言ってるんですか!」
侑「今、しずくちゃんの言うことを下手に否定しない方がいいと思うんだ」
侑「何故こうなったのか、原因が分かるまでは…」
かすみ「ぐぬぬ…。先輩がそういうなら…」
歩夢「と、とりあえず練習にしない?もしかしたらそのうちしずくちゃんも、元に戻るかもしれないし…」
侑「うん、歩夢の言う通りだ。みんな、練習を始めよう!」
───
しずく「侑ちゃん、今日も私とストレッチしよう?」
侑「しず──歩夢…」
侑「───」チラッ
歩夢「───」コクリ
歩夢(私は大丈夫。今はしずくちゃんを見てあげて)
侑(ありがとう、歩夢)コクリ
カスミチャン、リナチャン、イッショニストレッチシヨー!
ワーイ!アユムセンパイ!ゲンキニナッタンデスネー!
リナチャンボード!ノビノビー!
───
侑「よし、それじゃあ行くよー。いーち、にー…」
しずく「あっ…!……ああっ///…ああああっ///」
侑(!?!?!?!?//////)
侑「ちょっ、ちょっとタンマ!何その声!?」
しずく「ううっ…痛くて…。こんなに伸びないよ侑ちゃん…」
侑「いや、しず──歩夢、こないだもっと伸ばせてたよね!?」
しずく「そんなことないよ…。これ以上無理だよ…」
侑「そんな…。もう1回行くよ?せーの、いーち──」
しずく「んあっ///……ああっ///…だ、ダメ…///」
侑(なんでこんなにいちいち声がやらしいの!?)
侑(歩夢はこんな声出すような子じゃないよ!?)
しずく「はぁ…はぁ…///…ん、はぁ…はぁ///」
侑(うーん、歩夢になりきったことでしずくちゃんの時にあった柔軟性が無くなってしまった、ってことなのかな?)
侑(こないだ歩夢になったのはストレッチした後だったし、そう考えるのが妥当か )
侑「と、とりあえずストレッチはこの辺にしておこうか」
しずく「うん…」
しずく「───侑ちゃん…」トン…
侑(──しずくちゃんが私の胸に…体を預けてきた…)
しずく「──2人きりだね…」
侑「──そうだね」
しずく「──侑ちゃん、好き」
侑(!?!?!?!?)
しずく「ねえ。ちゅー、して…?」トロン…
侑「──ちょ、ちょっと待った待った待った!」
侑「どうしたの歩夢!?さすがにおかしいよ!?」
侑「本物の歩夢とも私、こんなやりとりしたことないよ!?」
しずく「え?そうなの?」
侑「なんでそこが疑問形なの!?───っ…─あれ?」
しずく「どうしたの侑ちゃん?」
侑「…『本物の』歩夢という言葉に…どうしてひっかからないの ?」
しずく「────っ!」
侑「自分が本気で歩夢だと思っているなら──」
『本物って何?私が本物の歩夢だよ?』
侑「それくらい言ってもおかしくないはず──」
侑「歩夢───いや、しずくちゃん」
侑「君は、自分が桜坂しずくだという意識が、まだあるね?」
しずく「──ないよ。私はしずくちゃんじゃない。歩夢…私は歩夢」
侑「違うよ」
侑「君はしずくちゃんだ」
しずく「嫌っ!私は歩夢、私は歩夢──」
しずく「あゆむアユム歩夢歩夢歩夢歩夢歩夢歩夢歩夢歩夢───私は歩夢」
しずく「歩夢なのっ!!」
侑「違うよっ!!!」
しずく「────っ!」
しずく「い、イ……」
しずく「いやあああああぁあぁアァ亜阿─────っ!!」
侑「!?」
しずく「なんで…!なんで私は歩夢じゃないの!?歩夢さんじゃないのっ!?」
しずく「私は…歩夢さんにならなきゃ!歩夢さんにならないと…!侑ちゃんが──」
しずく「侑さんが……ああ…ああぁぁあああ───っ!!」
フラリ…
侑「しずくちゃんっ!?──くっ…!」
トサッ……
侑「ふぅ、いきなり倒れるなんて…」
侑「隙があったから元に戻るかも、と思って突いてみたけど──」
侑「ちょっと荒療治すぎたかな…」
侑「歩夢には…あれでなんとかなったけど──」
侑「どれだけ歩夢になりきったところで、しずくちゃんはやっぱり歩夢じゃあない…」
侑「ごめんね…。しずくちゃん……」
──練習後…
さすがにこの状態のしずくちゃんを全員で見守るわけにもいかず、
読モの仕事のある果林さん、実家の手伝いのある愛ちゃん、バイトのある彼方さん、門限の厳しいせつ菜ちゃんと寮のエマさんには帰ってもらった。
しずく「───」
歩夢「しずくちゃん、まだ目を醒さないの?」
侑「うん。なんとなくだけど、精神的な負荷がかかったんだと思う」
璃奈「なんで分かるの?」
侑「倒れる前に言ってたんだ──」
『なんで私は歩夢じゃないの!?歩夢さんじゃないの!?』
侑「私、歩夢を演じるしずくちゃんを否定したんだ」
侑「少し不安定になったから、このタイミングなら元に戻ってくれるかも、って」
侑「けど、やり方を間違えてしまったかもしれない」
単なるギャグでは収まらない深い話になってきたぞ…!
侑「演じることだってしずくちゃんの一面なんだ──」
侑「それを無理やり否定するべきじゃなかった」
歩夢「侑ちゃんは悪くないよ──」
かすみ「歩夢先輩の言う通りです」
かすみ「そもそもしず子は変な子だと思われたり、嫌われるのが怖いから演技を始めた、って言ってました」
かすみ「演劇祭の前、素の自分をさらけ出すことを怖がってたから──」
かすみ「この世界中の全員がNO!って言ったって、私は桜坂しずくが大好きだよ、って言ってあげたんです」
かすみ「しず子はそのままでも十分魅力的な子なのに…」
かすみ「かすみんの──私の言葉、忘れちゃったのかな…」グスッ
『────』
璃奈「──これからどうする?」
璃奈「この状態のしずくちゃんを放ってはおけないし──」
璃奈「仮に目を覚ましても、しずくちゃんの実家鎌倉だから…このまま帰らせるのも不安」
かすみ「───かすみんがしず子を家に泊めます」
かすみ「しず子の実家には、かすみんの方から連絡します」
かすみ「りな子も来て。良いよね?」
璃奈「うん。私、家に帰っても1人だし、親も心配しない」
璃奈「何より──しずくちゃんが心配」
侑「それなら私たちも───」
かすみ「いえ、ここはかすみんたちに任せてください」
歩夢「1年生だけで大丈夫?」
かすみ「ちっちっち!かすみんたちの絆を侮ってもらっては困りますよ、歩夢先輩!」
かすみ「きっと明日には、いつも通りのしず子を先輩方にお届けできます!」
侑「──ありがとう。不甲斐ない先輩でごめん…」
璃奈「ううん、気にしないで。たぶん、この問題は侑さんたちがいるより、私たちだけのほうがいいと思うから」
璃奈「絶対に、しずくちゃんを助ける。約束する『(。ì _ í。)』」
──かすみの部屋──
しずく「……ん……んん……」
しずく「…あれ…?私、何して…?」
かすみ「しず子ぉぉおぉおおおおお!!」ダキッ
しずく「うわあっ…!」
かすみ「ほんとバカバカバカ!しず子のおバカ!心配したんだよお!」
璃奈「しずくちゃん、良かった。璃奈ちゃんボード『ウルウル』」
しずく「かすみさん、璃奈さん…。ここは、かすみさんの部屋──」
しずく「さっきまで私、ストレッチしてたような…」
かすみ「しず子は練習中に倒れたんだよ。ここまで運んでくるの、ほんと重かったんだから」
璃奈「今日は1年生でかすみちゃんちにお泊まり会だよ。いっぱい語ろう」
しずく「そっか…。ごめんなさい…迷惑をかけて」
かすみ「もう、そんなこと気にしなくていいの!とりあえず着替え貸したげるから、まずお風呂入っといで」
しずく「うん…。ありがとう」
──中須家・お風呂場──
そうか…。私、倒れたのか…。
たぶん、迷惑かけたのはかすみさんと璃奈さんだけじゃないよね。
同好会のみなさん…。それに───侑さん。
本当に何やってるんだろう、私。
歩夢さんを演じきることで、歩夢さんそのものになろうとした。
そうすることで、
侑さんに私を見てもらいたかった──
触れたかった──
キスだって、したかった──
侑さんへの気持ちを自覚したら、あの人が誰よりも輝いて見えた。
子供っぽいのに、誰よりもかっこよくて、優しくて、無邪気な、
私の王子様──
でも、あの人は──
私以外の──歩夢さんの王子様でもある。
私は身を引くべきなの…?
──そんなの嫌だっ!歩夢さんがどれだけ侑さんを想っていても、
私だって、あの人のことが好きなんだもん!
短い時間だったけど、とても濃かった侑さんとの2日間。
あの時間が心の奥で煌々と輝いて、切なく愛しい。
台本を反復練習するように、時を巻き戻して何度も繰り返せたら良いのに。
それができないのなら、神様が私の物語という台本に、
侑さんと結ばれるまでのシナリオを書いてくれたら良いのに。
こんなに辛い想いさえ、そのための伏線だったら良いのに。
ああ、神様──。
もしもこの世界があなたの掌の上ならば、私と侑さんが結ばれる──
どうか、そんな舞台を創造してください。
──かすみの部屋──
かすみ「じゃあ、しず子。聞かせてもらおうじゃない。なんで歩夢先輩を演じてたのか。なんで倒れちゃったのか」
しずく「──私ね、侑さんが好きなの」
かすみ「そんなの皆、好きに決まってんじゃん。かすみんだって好きだし、りな子もでしょ?」
璃奈「うん。侑さん、好き」
しずく「違うの。私の好きは──恋なの」
かすりな『oh…』
しずく「だけど、侑さんは歩夢さんのことが好きだから、きっと私のことは見てもらえない」
しずく「それなら私が歩夢さんになれば、きっと侑さんは私を見てくれると思ったの」
しずく「歩夢さんは──侑さんの理想のヒロインだろうから」
しずく「もし私が歩夢さんになれなければ、侑さんは絶対私のことを見てくれない」
しずく「だから、何としてでも演じきらなきゃ、って」
しずく「けど、侑さんにそれを否定されて…頭の中がぐちゃぐちゃになって…」
しずく「そこから先のことは、あまり覚えてないんだ」
かすりな『────』
かすみ「ありがとう。しず子の事、話してくれて」
璃奈「──」コクッ
かすみ「けど、しず子はほんとおバカのあんぽんたんさんですねえ…」
しずく「……かすみさんに言われたくない」
かすみ「うん、そうやって憎まれ口を叩けるくらいの元気があって良かったよ」
かすみ「まずさあ、しず子は歩夢先輩にならないと侑先輩が見てくれないって、本気で信じてるの?」
しずく「──本気だよ。かすみさんは侑さんと歩夢さんの間にあった話を知らないから、そう言えるんだよ」
しずく「悔しいけど、付け入る隙なんて無いくらい、二人の仲は固い」
しずく「なら、私は歩夢さんになった上で、更に侑さんの理想とする歩夢さんにならなきゃいけない」
しずく「そのためだったら、私はなんだってできる」
かすみ「ということは、何?しず子はしず子のままじゃ、侑先輩に好きになってもらえないって、本気でそう思ってるの?」
しずく「──うん。だって、こんな私なんだよ?」
しずく「侑さんが自分以外の人と結ばれることを認められない」
しずく「好きな人の幸せを、素直に喜ぶことができない」
しずく「侑さんの幸せの中に、自分が居ないなんて嫌だと喚いてる」
しずく「こんな幼稚で、身勝手な人間を、好きになってもらえるわけないよ…」
かすみ「────」
かすみ「しず子──」
かすみ「いや、桜坂しずく──」
かすみ「いつからそんな大馬鹿者になったの!!!」
しずく「───っ!」
かすみ「私、あの時言ったよね!どんなしず子でも好きだって!」
かすみ「しず子を好きじゃないという人がいても、私は大好きだって!」
かすみ「その時の言葉、忘れちゃったの!?」
しずく「────」
かすみ「しず子は自分に自信を持っていいんだよ!」
かすみ「だってさ──」
かすみ「しず子に嫌なところがあったって、それが桜坂しずくの全てじゃないじゃん!!」
かすみ「私、しず子の良いとこいっぱい知ってるよ!」
かすみ「でも、侑先輩はそんな私と同じくらい、しず子のこと知ってるの!?」
しずく「───知らないと、思う…」
かすみ「ほら!まだ全然じゃん!まだ侑先輩にしず子のこと全然知ってもらえてないじゃん!」
かすみ「なのに、そんな最初から諦めて歩夢先輩になるだなんて、甘っちょろいにもほどがあるよ!!」
かすみ「だいたい歩夢先輩になろうとしたところでさ──」
かすみ「しず子は侑先輩より歩夢先輩のこと、知ってる自信はあるの!?」
しずく「──無い…」
かすみ「ほら!そんな状態で歩夢先輩になって侑先輩に好きになってもらおうなんて、余計遠回りじゃん!」
かすみ「そんなことするくらいなら、もっと侑先輩にしず子のこと知ってもらおうよ!」
しずく「で、でも!私……嫌だよ…。もし嫌われたら…」
しずく「かすみさんの言う通り、私、大馬鹿者なんだよ…」
しずく「好きな人に好きになってもらうために、その人が好きな人になりきろうとするなんて…」
しずく「それで思い詰めすぎて、気まで失ってみんなに迷惑かけた…」
しずく「こんな馬鹿で重たい女──!」
しずく「───歩夢さんより好きになってもらえるわけないよぉ!!」
しずく「うっ…ひっく……うぅ………」
かすみ「──しず子…」
『───』
璃奈「しずくちゃん──」
璃奈「私はかすみちゃんみたいに感情をぶつけられないから、私のやり方で聞くね」
璃奈「ます、なんでしずくちゃんは、侑さんが歩夢さんを好きだと思ったの?」
しずく「…っ…ぐす…。侑さんが…歩夢さんの話を、私に楽しそうに話してたから」
璃奈「それだけ?」
しずく「うん…。だって、私見たもん…。歩夢さんとの昔話をしてる時の侑さん、見たことないような表情してた」
しずく「私しか知らない侑さんの無邪気な笑顔よりも、もっとキラキラしてた…。私、それを見るのが辛くて…ううっ…」
璃奈「ということは、侑さんが歩夢さんを好きだと言ったのを、直接聞いた訳じゃ無いんだね?」
しずく「うん…。でも、あの感じはどう見たって…」
璃奈「しずくちゃん。事象というのは、観測しなきゃ確定しないんだよ」
璃奈「侑さんが歩夢さんを好き──否、恋をしているというのは、侑さんが言葉にしない限り、しずくちゃんの中で真実になってるだけで、客観的事実じゃない」
璃奈「だから、諦めるにはまだ早すぎる『( - ̀ω -́ )』」
璃奈「それから──」
璃奈「『>▽<』この璃奈ちゃんボードが、しずくちゃんにはどう見える?」
しずく「ふえっ…?今、それ関係ある?」
璃奈「いいから、教えて?」
しずく「──嬉しそう?」
璃奈「正解。じゃあ次は『( ;ᯅ; )�xこれはどう見える?」
しずく「──悲しそう」
璃奈「正解。最後に『?ᯅ!』」
しずく「──びっくりしてる」
璃奈「正解。璃奈ちゃんボードはね、表情が出せない私でも、相手に感情が表現できるよう、分かりやすい絵にしてある」
璃奈「けど、人間の本当の表情って、こんなに単純じゃないと思う」
璃奈「笑顔で怒ったりする人もいるし、嬉しくて涙を流す人もいる」
璃奈「しずくちゃんが見た侑さんの表情だって、それは本当に、侑さんが歩夢さんを想って出てきた表情なのかな?」
しずく「それは…そうだと思う」
璃奈「うん。でも私は、わからないって思う」
璃奈「もしかしたら、しずくちゃんと昔の歩夢さんの話が出来て嬉しい、って思ってた可能性だってある」
しずく「それは…ポジティブ思考すぎるよ」
璃奈「そうかも。でも、真意は結局侑さんにしか分からない」
璃奈「しずくちゃんが侑さんの気持ちを決めつけるなんて、できないことなんだよ」
しずく「───!」
璃奈「恋をするって、辛いこともあると思うけど──」
璃奈「もしいつだってそんな気持ちのほうが大きかったら、人間はとっくの昔にそんな感情を、進化の過程で無くしてるはず」
璃奈「けど今もこうして残ってるのは、楽しいことのほうが多いからなんだと私は思う」
璃奈「だから、もう一度頑張ってみよう?」
璃奈「璃奈ちゃんボード『にっこりん』!」
しずく「──っ…うっ……っ…」
かすみ「りな子の言う通りだよ」
かすみ「しず子が好きになった侑先輩を、もっと信じてあげて」
しずく「………うん」
しずく「──かすみさん…璃奈さん…」
しずく「ごめんなさい…。私、こんなに情けなくて…」
かすみ「良いんだよ。かすみんたち親友じゃん」
かすみ「しず子がダメダメでも、それでしず子のこと見捨てるわけないじゃん」
かすみ「ね、りな子!」
璃奈「うん。私、しずくちゃんのこと大好き」
璃奈「ずっと親友でいて欲しい」
しずく「うっ…うう…ううううっ!」
「うわああぁぁあああん!!」
私、本当に馬鹿だよ。
こんなに大切な人が近くにいるのに、一人で抱え込んで、
その人たちを心配させて、もう救いようが無いよ。
でも、これが私なんだ。
いい所もダメな所も全て、私を作る要素なんだ。
侑さんにはそれらをひっくるめて、
こんな私を好きになってもらえるか分からないけど──
そう──まだ侑さんに、本当の私をちゃんと知ってもらえていない。
侑さんの気持ちだってまだ分からない。
侑さんに、私のことを知ってもらいたい。
最初のきっかけは、そうだったじゃないか。
もう一度、あの時の気持ちから始めてみよう。
>>55
ほんへもこうあって欲しかったよな
なんだよ最後は結局しずかすって かすみ「まったく…しず子は泣き虫さんですねえ」
かすみ「ほら、さっさと泣き止む!鼻ちーんして」っティッシュ
しずく「──ちーん」
しずく「──あっ…鼻血が…」
璃奈「昨日、愛さんにボールぶつけられてたから…」
しずく「えへへ…恥ずかしい///」
かすみ「良いよ良いよ!そういうしず子も可愛いよ!」
かすみ「さあ!今夜は3人で、しず子と侑先輩のデートプランを一緒に考えるよー!」
しずりな『おー!』
かすみさん、璃奈さん、本当にありがとう。
───大好きだよ。
乙
19のディスられ田中ってで意識を乱されてしまったぜ。
──次の日の練習。
私は部室に全員が集まったタイミングで、
昨日のことを謝罪した。
頑なに歩夢さんを演じたことで、みなさんを困惑させたこと──
練習中に倒れて、迷惑をかけたこと──
心配させたこと──
みなさん、笑って許してくれた。
こんなどうしようもない私の愚行を、最後には笑い話に変えてくれた。
お人好し過ぎて心配になるくらい、良い人たちだった。
周りが受け入れてくれる私を、私自身が受け入れないでどうする!
もう私は逃げない!
あの時だって、そう誓ったじゃないか!願ったじゃないか!
自分をさらけ出すって!本当の私を見てください、って!
今日は見せるんだ!
歩夢さんではない──ありのままの私を!
しずく「侑さん…」
侑「どうしたの?」
しずく「聞かないんですか…?なんで私が歩夢さんを演じたのか…」
侑「聞かないよ。昨日かすみちゃんと璃奈ちゃんが言ってたから」
侑「今日にはいつも通りのしずくちゃんをお届けする──絶対助ける、って」
侑「そしてしずくちゃんは今、ちゃんとここにいてくれる。それでいいじゃん」
しずく「……侑さん」
侑「私もごめんね。しずくちゃんが歩夢を演じることを否定してしまって…」
侑「演じることだって、しずくちゃんの一面であるはずなのに」
しずく「いえ。あの時は私が間違ってました。だから、侑さんが気にすることはありません」
侑「…でも」
しずく「侑さん。私は今、あそこで否定してもらって、良かったと思ってるんです」
しずく「侑さんが歩夢さんを貼り付けた私より、桜坂しずくを見ようとしてくれていた、ということですから」
しずく「私はそれを嬉しく思います。ですから、もう何も言わないでください」
侑「──分かった。しずくちゃんを信じるよ」
しずく「ふふ。さあ、一緒にストレッチしましょう」
いーち、にー、さん───はち。
にーに、に、さん────はち。
侑「よし、ストレッチ終わり!今日は普通だね、しずくちゃん」
しずく「もちろんですよ。今日の私は桜坂しずくなんですから」
侑「あはは、そうなんだけどね。昨日、あまりに衝撃的だったから」
しずく「もう、さっき謝ったじゃないですか。蒸し返さないでください」
侑「違う違う!しずくちゃんを責めてるわけじゃなくてね──」
侑「昨日、歩夢を演じてる時のしずくちゃんの声が──」
侑「なんか──すごくやらしかったな、って」
しずく「──は?」
侑「だってさ──」
侑 「あっ…!……ああっ///…ああああっ///」
しずく「!?」
侑「んあっ///……ああっ///…だ、ダメ…///」
侑「とか、言っててさあ」
しずく「───!!///」
しずく「な、ななな、何言ってるんですか!?私がそんな声出すわけないでしょう!」
侑「いーや、確かに聞いたよ。すっごい艶めかしかった」
しずく「そ、そんな…!私、侑さんに…そんなはしたない声を──」
しずく「もう…お嫁に行けません…」
侑「大丈夫大丈夫。ちょっとびっくりしただけ」
侑「私はしずくちゃんのそんな声も好きだよ」
しずく「侑さん……」
しずく「──って、それはそれでどうなんですか!侑さんのえっち!スケベ!変態!」
侑「あははは!本当に元気になったみたいで良かった」
しずく「もう、またそんな適当なこといって。からかわないでください!」
侑「しずくちゃんって、こんなに面白い人だったんだね!」
しずく「もおおおおおおお!!」プクー!
──ああ、もう一度侑さんと、
こんな応酬を続けられるようになって良かった。
私、本当にこの人が好きだ。
それに──
「あははははは!あはははは──!」
人を笑顔になんて、喜劇の中の私にしかできないと思ってた。
けど、こんなありのままの私でも、この人を笑わせられるんだ。
一番笑顔にしたい人を、こんなに笑顔にすることができるんだ
眩しく笑う侑さんがとても愛しい。
神様、ありがとう。
私にこんな力を残してくれて。
──練習後…
しずく「侑さん、おつかれさまです」
侑「おつかれしずくちゃん。今日もよく頑張ったね」
しずく「はい、侑さんが居てくれたから。私、頑張れました」
侑「どうしたの改まって。練習なら、いつも見てるじゃない」
しずく「いえ。この数日で侑さんとぐっと近くなれた気がするから──」
しずく「改めて感謝したくなって…」
侑「感謝されるほどのことじゃないよ。これが私の仕事なんだし」
しずく「ふふっ。普段は子供っぽいのに、そうやって謙遜もする侑さんもいるんですね」
侑「しずくちゃん、私、一応先輩だよ?」
しずく「あはは、ごめんなさい」
しずく「───」
しずく「あの、侑さん──」
しずく「明日のお休み、私と──」
しずく「私と、デートしてください!」
侑「良いよ」
しずく「え?」
しずく「今、なんて?」
侑「いや、良いよって言ったつもりなんだけど」
しずく「そ、そんなあっさり?」
侑「あっさりも何も、私がしずくちゃんの誘いを断るわけないじゃん」
侑「こんな可愛い子とデートできるなんて、私トキメイちゃうよ」
しずく「────///」
しずく「も、もう!侑さんは、なんでそんなに恥ずかしいこと言えちゃうんですか!」
侑「え?デートOKって返したのに、私怒られてるの?」
しずく「お、怒ってないです!これは、その…嬉しくて照れ隠ししてるだけですぅ!」
侑「いや、しずくちゃんもだいぶ恥ずかしいこと言ってるよ」
しずく「もおおおおおお!!」プクプクー!
侑「あはは、今日のしずくちゃんはよく膨れるなあ」
本当にこの人は、もう…。
ああ、私、今しあわせだ。
きっとこんなやり取りさえ叶わない恋が、世の中にはいくらでもあって。
私の恋も、ひとつ間違えれば、その中のひとつになっていたかもしれない。
かすみさん、璃奈さん、神様──ありがとう。
侑さん──ありがとう。
私は歩き出した。
侑さんの理想のヒロインという舞台へと続く──花道を。
──休日・お台場有明駅前──
侑「しずくちゃーんお待たせー!」
しずく「もう遅いですよ!鎌倉から来てる私のほうが早いって、どういうことですか!」
侑「いやー、ごめんごめん!ちょっと準備に手間取っちゃってさ」
しずく「もう…。約束の時間を早めに見積もっておいて正解でした」
しずく「──あれ?侑さん、なんかいつもと雰囲気違いませんか?」
侑「え?そうかなあ?髪を下ろして新しい服を下ろしただけだよ」
侑さんの私服はいつもの──Tシャツに上から青のシャツを重ね、下はレギンスというスタイルでは無かった。
白ベースに黒のリボンをあしらったブラウス、黒のスキニーパンツという気品さの中にさっぱりさを加えたコーデ。
髪もただ下ろしただけでなく、毛先をくるっとカールさせていわゆる大人カワイイを演出している。
言ってはなんだけれど、普段の格好が野暮ったい印象を与えるだけに、今日の侑さんは大人っぽくて最高にギャップがある。
──かっこいい。
侑「いやあ、しずくちゃんとデートするって話を昨日学校帰りに歩夢にしたら、怒られちゃってさあ」
しずく「そりゃ怒られますよ」
自分の好きな人が、違う人とデートするなんて言ったら当たり前だよ。
それにこれからデートしようと言う時に、他の女性の名前を出すなんて。
侑さん、デリカシー無さすぎ…。
侑「『なんで侑ちゃんはこんな服しか持ってないの!しずくちゃんとデートするならもっとおしゃれしないと!』って」
しずく「え?」
侑「それでいっぱい服買わされちゃって、お小遣いすっからかんだよー」
しずく「は、はあ…」
侑「だから、今日ごはんとか奢ってあげられないや。ごめんね?」
しずく「いえ、侑さんにそんな甲斐性は期待してませんけど…」
侑「しずくちゃんは、結構毒舌だねえ」
しずく「ふふ。でもその格好、すごく似合ってますよ。素敵です」
侑「え?そう?いやー、参ったなあ。私、かっこよくなっちゃったかー」
しずく「いえ、かっこよくなったとは言ってませんよ」
侑「え。かっこよくない?」
しずく「いいえ、かっこいいですよ」
侑「え!?じゃあ、何今の不毛なやり取り!?」
しずく「さあ、なんでしょうね?」
侑「むむむ、しずくちゃんにあしらわれてるよ…。けど──」
侑「しずくちゃんも可愛いね、今日の格好」
しずく「えへへ、そうでしょうか。侑さんに合わせてちょっと幼コーデにしてきたんですけど」
侑「しずくちゃんひどくない!?先輩に対する敬意とかないの!?」
しずく「あはは、ごめんなさい。可愛いって言ってもらえて嬉しいです」
しずく「──じゃ、行きましょうか」
しずく「今日は侑さんのために、しっかりデートプラン練ってきましたからね!」
──劇場──
『ああ、ロミオ!あなたはどうしてロミオなの?』
『なぜ私と貴方は、キャピレットとモンタギュー──宿敵同士の身の上なのでしょう』
『もし貴方がモンタギューの名を捨ててくれたなら…!』
『それが無理ならせめて──私を愛してると誓ってほしい!』
『モンタギューの名を捨てても、貴方は貴方!何も変わらない!』
『だからロミオ…名前を捨てて!その変わりに、私の身も心も…さらっていって!』
「ならば、さらっていきましょう!言葉のままに!」
「貴女がたった一言、僕を恋人と呼んでくれたなら──」
「僕はもう、ロミオで無くなっても構わない!」
『誰!?私の言葉を聞いていたのは…!』
「名前は無い。たった今、捨てたから…!」
──────
───
──
しずく(この脚本…だいぶ原文がカットされてるな…。あっ、あのセリフ無いんだ…もったいない。あそこがいい所なのに。セリフももっと砂糖を吐くくらい甘ったるくて、くさい言い回しが多いはず。作品に明るくない人でも退屈しないよう、わかり易さ重視なのかな。この劇団、役者さんの演技は素晴らしいのに、脚本担当がハズレかも…。はあ、せっかく侑さんに楽しんでもらいたかったのにこれじゃ──)チラッ
侑「────」ツーッ…
しずく(───って、泣いてるぅぅ!?)
──なんだか侑さんの泣き顔…綺麗だな。
歩夢さんはこんな侑さんの顔…知ってるのかな…?
もし私だけだったなら──嬉しいな。
──うん、これはこれで、良いものが見られた気がする。
くさしてごめんなさいね、脚本家さん。
侑「感動しちゃったよお!」
侑「私、ロミオとジュリエットって名前と有名なセリフしか知らなかったけど、あんなお話だったんだねえ」
しずく「はい。現代にも通ずる許されざる恋の切なさを描いており、時代を越えて幅広い世代に愛される作品なんです。今回の脚本では、シェイクスピア独特のくさい言い回しがほとんど削がれてしまいましたが、本来であればそれを全力で演じる役者さんの熱量は素晴らしいものがありますし、逆にそこにシュールな笑いを見出す方もいらっしゃいますね。シェイクスピアの四大悲劇のひとつとされていますが、そういう視点でならば喜劇と見ることも可能かもしれません。たとえばロミオの僕は船乗りではないが、君のためなら千里万里の荒波も越えて───」
侑「────」
しずく「はっ!す、すみません!私、なんか熱くなってしまって…!」
侑「気にしないで。しずくちゃんは本当にお芝居が好きなんだなあ、って」
しずく「うう…恥ずかしいです…」
侑「ふふっ、饒舌なしずくちゃんを見つけちゃったなあ」
しずく「もう!すぐそうやって茶化すんですからあ!」
侑「まあまあ、パンケーキを食べて落ち着いて。クリームたっぷりだよ」
侑「はい、あーん」
しずく「ふえっ///…ゆ、侑さん…子供じゃないんですよ!」
侑「私のあーんのレアだよ?」
しずく「レアかどうかは問題ではありません!恥ずかしいって言ってるんですぅ…!」
侑「大丈夫。旅の恥をかきすてって言うじゃん。今日くらい、羽目を外して行こうよ。それとも──」
侑「かすみちゃんのあーんは受け入れられるのに、私のはダメなの…?」
しずく「な、なんで知ってるんですか!?あれ、1年生だけだったのに!」
侑「昨日かすみちゃんから言われたんだ。今日のデートでしずくちゃんにあーんしてあげてって」
しずく(かすみさん…っ!そういうのいい、って言ったのに!)
侑「ねえ、食べて?クリーム垂れちゃう」
しずく「う、うう…///分かりました…」
しずく「あ…あーん///」パクッ
侑「へへっ、どう?」
しずく「お、おいしいれす…///」
しずく「──侑さんはかすみさんから話を聞かなくても、こういうことしましたか…?」
侑「うーん、しただろうね」
侑「しずくちゃんのいろんな顔が見たいから」
しずく「あ…、ありがとうございます///」
侑「あっ、しずくちゃん。じっとしてて」
しずく「へ?」
侑「えいっ」サッ
侑「鼻の頭にクリーム付いてたよ」
しずく「す、すみません!」
侑「んー」パクッ
しずく「〜〜〜〜!!///」
侑「へへっ、美味し」
──もう…!なんでこの人はこんなに私をドキドキさせるの…!
心臓がいくらあっても足りないよ…。
侑さんとこんなに本当の恋人っぽくデートできるなんて…。
神様のいたずらかな?それとも侑さんが後輩の私に気をつかってる?
前者のがまだ現実的かな。神様が現実的かは置いておいて。
──もしかして、本当に私を好きだったり…。
そんなわけないよね。
私たちがこんなに親密になったのはここ数日だもの。
ロミオとジュリエットのように、数時間で恋に落ちるなんて、
それこそ物語の中だけの話だよね。
──大観覧車──
侑「観覧車に乗るなんて久しぶりだなあ。あっ、ニジガクが見える!」
しずく「ほんとですね。いつも通ってる高校なのに、こうして見ると規格外の校舎の大きさに驚きます」
侑「やっぱでっかいねえパレットタウンの大観覧車。東京のビルやタワーの大きさにもびっくりだけど」
しずく「そうですねえ。それに比べると私たち人間はちっぽけです」
侑「はは、しずくちゃんは詩的な表現をするんだね」
しずく「ええ…!お、おかしかったですか?変でしたか!?」
侑「ううん、私はしずくちゃんのそういうとこ好き」
しずく(あっ……///)
──侑さんの──私の好きなあの無邪気な笑顔。
侑さんは私のこんな所を好きって言ってくれるんだ。
昔の映画や小説が好きで、周りから浮いていた私のパーソナリティ。
さっきの演劇に対する語りだってそうだ。
自分が得意な話に興味を持ってもらえることが嬉しくて、
つい止まらなくなってしまった。
けど、そんな私の姿を──ありのままの私を好きだと言ってくれるんだ。
ああ、好き──本当に好きだよ、侑さん。
この観覧車の中の時間が、ずーっと永遠に続けばいいのに。
──私の向かいに座り、外の景色を眺める侑さんの横顔。
──かっこいい。
その白い頬に私の唇を、そっとくっつけてみたら、
この人はどんな顔をするのかな。
ああ、何を考えてるの私。
やめて、心臓の音がうるさいよ。
今はこの時間だけで幸せじゃない。
キスなんて…しちゃダメ。
けど──
しずく「ゆ、侑さん…。隣に座っても…いいですか?」
侑「ん?良いよ。おいで」
しずく「し、失礼しま──」
ガタン…!
しずく「うわあっ…!」
侑「おっと!風で揺れたみたいだね。大丈夫?」
しずく「は、はいっ…。──あっ…」
しずく(私──侑さんに抱きかかえられてる…!?)
しずく「す、すみません!」バッ
侑「気にしないで。怪我とかしなくて良かった」
侑「ほら、ここ座って」ポンポン
しずく「はい…」
──侑さんの隣に座っちゃった…。
ストレッチで侑さんの身体には何度も触れてるのに、
今の方が心臓が高鳴っている。
座席に置かれた侑さんの手──
その上にちょっとだけ…自分の手を重ねてみようかな。
しずく「………」スッ
──侑さんの手、温かい。
気づいてるのか、いないのか、侑さんは今も外の景色を眺めてる。
私の視界には今、あなたしかいないよ。
──このまま、寄りかかってもいいかな?
いや、ダメだよ。それは大胆すぎる…。
うう、でも──侑さんに、触れたい。
────えいっ!
ピトッ…
侑「───しずくちゃん?」
しずく「なんか…侑さんとこうしたくなっちゃったんです」
しずく「許してください」
侑「───うん」
──ふぁっ…。
侑さんが空いてる方の手で私の頭を撫でてる。
髪を触ってもらうの気持ちいい。
私、よくかすみさんの頭を撫でるけど──
人に頭を撫でてもらうって、こんなに幸せな気持ちになるんだ。
神様──こんな幸福、私にはもったいなすぎます。
──海浜公園──
侑「海、大きいねえ」
しずく「もう日が沈みかけてますから、夕焼けが綺麗ですね」
侑「しずくちゃん、時間は大丈夫?実家遠いよね?」
しずく「もうあと少しで帰らなければならないですね。プランでは、ここを最後にしようと決めてました」
侑「そっか。じゃあ残り時間はこうやってしずくちゃんとボーッとしてようかな」
しずく「もっと派手なところが良かったですか?ヴィーナスフォートとか」
侑「ううん。しずくちゃんが決めてくれたんだもん。ここが良い」
侑「こうやって2人でボーッとする時間だって、良いと思わない?」
しずく「ふふっ、そうですね」
──侑さんと2人で砂浜に──正確にはハンカチを敷いて──腰を下ろす。
施設で遊ぶわけでもなく、何かを食べながらでもなく、ただ海を眺める。
長い沈黙が続く。でも、いやな気分じゃなかった。
侑さんも──同じかな?
本当に恋人になったら、こういう何もしない時間も一緒に楽しみたいから。
そう思って最後をここにした。
付き合ってからの皮算用ばかりして立てたデートプランだったなあ。
でも、かすみさんも璃奈さんも、これが良いと背中を押してくれた。
「────」
そうだ。まずは確かめなければいけない。
事象は観測するまで確定しないと、璃奈さんが言っていた。
勇気をだして、聞いてみる。
しずく「──侑さんは、好きな人はいますか?」
侑「うん。私、同好会のみんなが好き」
しずく「そうですね。なら、質問を変えます」
しずく「──侑さんは、恋をしてる人がいますか?」
侑「いるよ」
確定した。
侑さんが嘘を付いている可能性もあるけど、
少なくとも私が知ってる侑さんは、 こんな時に嘘を付く人ではない。
侑さんは恋をしてる人がいる。
ここまで聞ければ十分だ。
さあ、後は告白をするだけだ──
──告白…するべきかな。
そんな勇気…まだ湧かないよ。
侑さんからしてくれないかな…。なにバカなこと期待しているの。
でも今、良い雰囲気だ。
好きだと言ったら、侑さんとお付き合い──
もしそうなれたらどんなに幸せだろう。
毎日一緒に帰ったり、手を繋いだり、いっぱいお話したり──
そしていつかは──キスだって。
侑「しずくちゃん…」
しずく「はい」
あっ…。
侑さんのこの顔──歩夢さんのことを語っていた時のキラキラした顔。
どうして──今は歩夢さんの話をしていないのに。
もしかして──侑さんが今、恋をしているのは──。
侑「私が恋をしているのはね──」
いや、待って。
なんだか都合が良すぎないだろうか?
今まで私に都合がいいことばかりがとんとん拍子に起きている。
私の鼻に付いたクリームを拭いさり、舐めとった侑さん。
揺れた観覧車で抱きかかえられる私。
体をくっつけて頭を撫でてもらった私。
出来すぎた月並みな恋愛喜劇のような展開の数々。
まるで世界が──この世界の神様が──
歩夢さんの存在を無視して、
侑さんと私を結ばせようとしているかのように。
だって、さっきの質問だって──
本当に確認するのなら、
『歩夢さん』に恋をしているかまで聞くべきだったはずだ。
私の中の真実を砕くなら、それが最善手──なぜしなかった。
辻褄がおかしい。
『侑さんは歩夢さんの王子様』という伏線を無視し──
薄っぺらいハッピーエンドに収束しようとしている。
これも──神様のいたずら?
こんなのは──私の物語じゃない。
私が書いた物語ではなく、神様が書いた物語だ。
確かに私は願った。
神様が私の物語という台本に、
侑さんと結ばれるまでのシナリオを書いてくれたら良いのに、と。
けど、今はそんなことを願った私が無性に腹立たしかった。
こんなご都合主義な喜劇、誰が納得するだろうか。
私の舞台に神は──デウス・エクス・マキナは要らない。
ここから先、神の書いた台本は全て破り捨てる。
私は船乗りではないけど、本当の意味で侑さんと結ばれるためならば、
歩夢さんという荒波とも全面から向かいあい、
それを乗り越えた先にある、真のハッピーエンドを目指して航海します。
私の船の操舵輪を握るのは神じゃない。
私──桜坂しずくだ。
──歩夢さんは『あの子は──侑ちゃんは私の王子様』と言った。
ならば、侑さんに告白する権利は、彼女にだってあるはず。
きっとあの人は、私が侑さんに恋をするずっと前から、あの人に恋をしていたはずだから。
「私が恋をしているのはね──」
───私はそこで侑さんの言葉を遮った。
立ち上がり、座っていたハンカチを折りたたむ。
「今日は侑さんと一緒にいられて、とても楽しかった──」
「また、私とデートしてください」
私はそれだけを伝えた。
侑さんは私の表情を見て不思議そうにしていたけれど、何かを察したような顔をして、特に追及はしてこなかった。
けど──
「最後に言わせて──」
「私、いろんなしずくちゃんを知ることができて良かった」
「こんな素敵な女の子が近くにいたこと、ずっと気づけなくてごめん」
「今日は本当にありがとう」
そう言ってくれた。
ここは神の及ばない世界。
この侑さんの言葉はきっと──。
「はい。こちらこそ」
あの甘い言葉の嬉しさに浸るのは、もう少し後でも遅くない。
今の私には、やるべきことがあるのだ。
歩夢さんの気持ちを確認しなければならない。
─────
家に帰ってすぐ、私は歩夢さんに連絡した───。
歩夢『もしもししずくちゃん、どうしたの?』
しずく「夜分遅くにすみません。歩夢さん、いきなりですが率直に答えてください」
しずく「貴女は侑さんに恋をしていますか?」
歩夢『えっ!?何、どうしたのいきなり!』
しずく「私は──侑さんに恋をしていますよ」
歩夢『──っ!?』
しずく「だから私は、侑さんに今度告白しようと思います」
しずく「けど、歩夢さんと侑さんは幼なじみ──いや」
しずく「それ以上の気持ちがあるはずだと、私はこないだの歩夢さんを見て思いました」
しずく「けど、それは単なる私の早合点かもしれない。だから確認しておきたいのです」
しずく「もう一度聞きます」
しずく「歩夢さんは──侑さんに恋をしていますか?」
歩夢『───うん』
歩夢『私は──侑ちゃんに恋をしてる』
しずく「その言葉を聞けて、安心しました」
しずく「では、歩夢さん。侑さんに告白してきてください」
歩夢『どういうこと!?しずくちゃんだって、侑ちゃんが好きなんじゃないの!?』
しずく「はい、それは嘘ではありません。ですが、私が侑さんを好きになったのはつい最近なんです」
しずく「歩夢さんはきっと、もっと前から侑さんを好きだったはずです」
しずく「ならば、歩夢さんが先に告白するべきです。それが、歩夢さんの気持ちを聞いてしまった、私なりの誠意です」
歩夢『でも、私──もうフラれてるんだ』
しずく「─────え?」
歩夢『ローダンセの花をもらった、という話はこないだしたよね?』
しずく「ええ」
歩夢『侑ちゃんはその時、『変わらぬ思い』という意味で渡してくれた』
歩夢『けど、その後なんとなく気になって、他にも花言葉が無いか調べたの』
歩夢『そしたら、『終わりのない友情』という意味もあることを知った』
歩夢『その時、嬉しいような寂しいような、よく分からない気持ちになって──』
歩夢『私は、この想いを封印することにしたんだ』
しずく「───歩夢さん」
歩夢『だから、しずくちゃん。私の代わりに告白してきて』
歩夢『最近の侑ちゃんとしずくちゃんを見てたら、お似合いだなって思う』
歩夢『私、ふたりなら応援できると思う──』
しずく「──歩夢さん…」
しずく「私、そんな自分に都合のいい言葉は受け取れません」
歩夢『!?』
@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ たまにはこういうのもね?コフッ
しずく「歩夢さんは侑さんが好きなんでしょう!?だったら、告白しましょう!秘めたままなんて、絶対後悔します!」
しずく「それにね、歩夢さん──」
しずく「事象というのは、観測するまで確定しないんですよ」
歩夢『──どういうこと?』
しずく「貴女は侑さんから直接振られたわけではないし──」
しずく「侑さんがローダンセに『終わりのない友情』の意味まで込めたのか、確認していないでしょう?」
しずく「だったら、それを確かめてからでも遅くはありません」
しずく「私も…璃奈さんに教えてもらったことです」
歩夢『───』
歩夢『でも、私──ダメだよ。私、1度侑ちゃんを押し倒して、言っちゃったの』
歩夢『私だけの侑ちゃんで居て、って』
歩夢『その時のことは謝ったし、侑ちゃんも今は特に気にしてないように思う』
歩夢『けど口から出た言葉と、してしまった事実は取り消せないの』
歩夢『こんな重い私に──恋をしてもらえるわけがない…』
しずく「───」
しずく「歩夢さん──」
しずく「──何あまっちょろいこと言ってんだー!!」
夢『──っ!』
しずく「重いがなんですか!私なんか、侑さんに好かれたいがために、歩夢さんになろうとまでしてしまったんですよ!」
しずく「しかも、それで侑さんの前で暴走して、気まで失って迷惑までかけてる!」
しずく「それでも!侑さんは今日、私とデートしてくれました!」
しずく「あの人は優しい人なんです!貴女の好きな侑さんを、もっと信じてあげてください!」
歩夢『──しずくちゃん…』
しずく「これは…かすみさんからの受け売りです」
歩夢『……うっ…ごめん。…私、しずくちゃんより先輩なのに──情けないね』
しずく「いえ、私のほうこそ年上の方に説教なんて、出過ぎた真似をしました。ごめんなさい」
しずく「歩夢さんは情けなくなんかありません。歩夢さんはとても素敵な人です」
しずく「だって侑さんは、今も貴女と一緒にいてくれるじゃないですか」
しずく「私と侑さんが──保証します」
歩夢『うん───ありがとう』
歩夢『私───侑ちゃんに告白してくるね』
しずく「はい。頑張ってください。それでは、おやすみなさい」
スッ…
──これで良かったんだ。
だって、泥棒猫みたいな真似して侑さんとお付き合いしたとしても、
私は──自信を持って侑さんの恋人を名乗れないもの。
ずっと歩夢さんの顔色を伺って、生きていくことになる。
それはどこかで──
スクールアイドル同好会にも不和を生むことになるかもしれないから。
みんなの。親友の。侑さんの大切な場所を、私は壊したくない。
侑さんが私以外と結ばれる幸せを願えないなんて、ほんとわがままでどうしようもない大馬鹿者だったよ、私。
そう思ってしまった私は確かにいたけど、それが私の全てじゃないんだ。
こんな私でも好きだと、親友でいたいと言ってくれた人が確かにいた。
この恋を通して、大切なことをたくさん教えてもらった。
今はとても清々しい気分だよ。
────
「あはは。私、本当に振られちゃった」
──歩夢さんからそう告げられたのは、あれから数日が経った練習後だった。
その言葉を聞いた時の私の気持ちは、いったいなんと表現したら良いのだろう。
台本や小説を読むお陰で、それなりに語彙力には自信があったけど、うまく言い表せそうにない。
「侑ちゃんは『変わらぬ思い』という意味しか込めてなかった」
「けど、これからもずっと一緒にいたい──という意味で、それと恋とは違ったみたい」
「そう…ですか」
「不思議とね、悔しい思いは湧いてこなかったの。むしろすっきりした、って感じ」
「それはたぶん、私の大切なものが増えたからだと思う」
「私は元々勇気も自信も全然無かったから、侑ちゃんがいてくれなきゃ歩けなかったの」
「けど、今はスクールアイドルを始めたことで、私を応援してくれる人がたくさんできた」
「だから、侑ちゃんへの恋が叶わなくても寂しくない」
「侑ちゃんが必要じゃなくなっていってる自分に──そんな気持ちになる自分に不安を感じることもあったけど」
「私がそう思ったって──あの子が私以外の誰かと居る時間が増えたって──」
「必ず最後には、私と一緒にいてくれるって約束してくれたから」
「侑ちゃんに告白したことで、ローダンセをくれた時の気持ちを──再確認出来たから」
「だからしずくちゃん、行っておいで」
「──はい!」
「あ…待って!」
「もし侑ちゃんを泣かせたり、私のほうが侑ちゃんに相応しいって思うようなことがあったら──」
「いつでもしずくちゃんから侑ちゃんを奪いに行っちゃうから、よろしくね!」
─────
部室棟の階段の踊り場──
ほとんどの部活動、同好会が今日の活動を終了し、この空間は人気を失い閑散としていた。
今、この場所にいるのは桜坂しずく──私ひとりだけ。
いつもは騒がしい部室棟が静寂に包まれているのは新鮮だ。
この静けさとは対照的に、私の心臓は騒がしく脈を打っていた。
私は侑さんをここへ呼び出した。
自分の恋心を伝えるために。
歩夢さんに背中を押されたけれども、お付き合いしてもらえるか分からない。
『私が恋をしているのはね──』
あの侑さんは、私が神に願ったことで見せられた、幻だったかもしれないのだから。
けれども、思いを伝えなければ、私の物語にエンディングはやってこない。
物語は終わりがあるからこそ美しいのだ。
観覧車の中で願ったような、永遠に終わらない物語なんて、今はもういらない。
──コツコツ、と静寂を破る音が部室棟に響く。
その音がどんどん大きくなる──近づいてきている。
「お待たせ、しずくちゃん」
私の大好きな人の声が、耳に響いた。
気づけば、侑さんが目の前にいた。
こないだのデートとは違う。いつもの練習着──いつも髪型で。
「話って、何かな?」
口に溜まった唾を飲み込む。
喉はカラカラになり、体が妙に汗ばむ。
私は今──どんな舞台の本番よりも緊張していた。
「侑さん、私───」
「あなたの事が好きです」
「私と、お付き合いしてください」
「うん、よろしく。しずくちゃん」
──ここまでが私の書いた台本。
──これから先はあなたと二人で台本を書いていきたい。
──いつか人生という大きな舞台が終わりを迎えるまで、
──ずっとそばにいてほしい。
──あなたと一緒なら、必ずハッピーエンドになると信じてる。
乙
ゆうぽむ以外でちゃんと侑ちゃんと付き合うやつ珍しい気がする
良かった
おつおつ
ちゃんと告白までやってくれたのありがたい
これなんだよね
ゆうしずは歩夢を振らせないと成立しないからなんか素直に見れない
前回の流れからどうなるかと思ったけど
12話のくだりをうまく拾ってて
成長した歩夢を見られたりと良いお話でした
乙です
ゆうせつ推しのワイ、告白のシーンもしずくちゃんの台本だと解釈する(無理やり)
ゆうぽむ好きだけどやっぱりこれだけ繋がりが固いと他カプはわだかまり無くくっつけるのが大変だなあ
乙
乙!
前のやつ続きが本当に気になってたからありがたい!
なんとなくかすみんのを書いた人かと思ったが当たってたw
かすみんのも脳破壊されたし今回もされたぜ
>>56
しずかすがあったら他の全部無くなるって頭なんだね
納得 本編の少ないゆうしずからここまで膨らませられるのは本当に凄い
ここまで純度の高いゆうしずは初めて見た
ありがとうございました
乙
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?
分かりやすく侑ちゃんの創作的な性格分類を言うと、シャア=アズナブルやんと言うね
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?
歩夢を振らせないとって言うけど、アニメ見てると、
最後は歩夢自立して侑の方が依存してるから、あの歩夢にすれば良いだけでは?
花送った後の流れもみんな大好きで侑ちゃん特別扱いしてないじゃん?と言う
共依存のケア側の歩夢とケアされる側の侑で、
歩夢が共依存脱してもケア側してくれてる流れやん?