どうぞ見ていって
私が立ち寄った町に一人ぼっちのお婆さんがいた。
一人ぼっち、ただ一匹の柴犬がいるだけである。腰は少し曲がっていて、当然のごとく白髪頭であった。それも少しだけ黒髪が混じっている。顔はしみと皺で埋め尽くされていて、唇はかつての色、艶を失い、薄黒い肌と同じようであった。
お婆さんは旅人である私に、寝るところと料理を提供してくれた。お婆さん曰く、今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
それはめでたいことですね、と私は素直に言い、家族の団欒を邪魔してはいけないな、とここを立ち去ろうとしたが、お婆さんは私を引き留めた。なら、と私は言った。
「私は与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんは、ちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。
二階の部屋からは海が見えた。日中は呆れるほど元気だった太陽も、夕暮れには遊び疲れた子供よろしくただゆっくりと海へ帰って行った。
外が暗くなっても来訪者はなかった。私は気になって下へ降り、お婆さんに、
「息子さんたちはどうしたんです?」
と問いかけた。
「まだ来ません。仕事が忙しいのでしょう」
とお婆さんは答えた。長男は医者、次男は弁護士になっているという。それを聞いて、へえ、と私は目を丸くした。
「相当教育熱心でいらっしゃったんですか?」
「いえいえ」
お婆さんは笑って否定をした。
「私は何も言っておりません。息子たちが自分でしたことなんです。ただお金には苦労しました。私と主人でせっせと稼ぎ、ようやく二人を大学へ入れさせることができました。主人は次男を大学に入れた頃死にました」
そうですか、と私は呟いたが、聞こえなかったかもしれない。
どうぞ主人の仏壇に拝んでください、とお婆さんが言うので、私はそのようにした。
お婆さんの旦那はまだ若かった。ちょうど今の息子たちと同じくらいだろうか。顔はごつごつとして筋肉質だった。遺影の中には納まりきらない生の面影を私は感じた。まるで遺影の向こうで、まだ死んだことを信じられていないような気がした。
「息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?」
と私は聞きたかったが、やめた。私はそこまで踏み込む人間ではない。
息子たちはまだ来ない。
電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。お婆さんは嬉しそうに受話器を取るが、話しているうちに顔色が変わった。受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。
「一郎は来られないと……」
お婆さんはわざわざ私に言った。だったらもっと早く電話をしてやればいいのに、と私は思った。ここまで来るのに時間がかかるから、来られないことは随分前に分かっていたのに。それをしないのは罪悪感からだろうか。
再び電話が鳴る。私は嫌な予感がした。お婆さんは最後の願いを叶えるように、受話器に飛びつくようにした。そしてまた顔色が変わる。私はここから逃げ出したくなった。
「次郎も来られんそうです……」
「そうですか」
だからさ、駄文書く前に指摘させてもらっていい?
>>1だけ読んだものだけども どうぞどうぞ
私はお婆さんの顔が見られなかった。私は今すぐ息子たちを殴りたくなった。このお婆さんには後ろを振り返ることしか楽しみがないということを、彼らはわかっていないのだ。そしてようやく自分が老いた時に悟ったりする。絶望的な愚かさだ、と私は思った。
「料理も無駄になりますから、食べていってください」
私は遠慮なく食べることにした。せめて私が息子たちの代わりにならなければいけない、と私は妙な使命感に駆られた。息子たちの分を食べるのは難しかった。結局全部は食べられなかったが、お婆さんは喜んでくれた。
私が立ち寄った町に一人ぼっちのお婆さんがいた。
一人ぼっち、ただ一匹の柴犬がいるだけである。
→ 一匹の柴犬がいるんだったら、一人ぼっちじゃないじゃん
腰は少し曲がっていて、当然のごとく白髪頭であった。それも少しだけ黒髪が混じっている。
→当然のごとく白髪頭と言っておきながら黒髪が混じっている?
だったら、
「腰は曲がっていて、少しだけ黒髪が混じった白髪頭だった」と表現して
少し、少しと同じ表現ばかり使わないで
「あなたの食べっぷりを見ていると、息子たちがまだ小さかったことを思い出します」
「そうですか。……それは良かった」
私はお婆さんの話を聞いた。息子たちが小さかった頃の話をお婆さんはよく覚えていた。私の頭の中で、お婆さんの息子たちは若い姿で動き回っていた。
そう、いくら前を向こうとしても無駄なのだ。振り返ることには麻薬的な楽しみがある。しかも老いが訪れた頭は新たに思い出の改ざんという素晴らしい機能を備える。
夜の海は月の光に照らされている。風が強く吹き、海に映るやけに長くなった月の姿を、遠くからわかるほど歪ませた。
なるほど確かに
腰は少し曲がっていて、白髪頭に黒いものがぽつぽつと混じっている。
と、こういう感じにすればいいのかな
その翌日、私がお礼を言って立ち去ろうとしたとき、お婆さんはもう一日泊まって行って欲しいと言った。別に急ぐ旅でなかったし、何より私が立ち去るとき、お婆さんがまた悲しい顔をするのではないかと不安だったので、私はそのようにした。
老犬と戯れながら、私はお婆さんの話を聞いた。食事は昨日食べ残した物を食べた。お婆さんは新しく作るからと言ってくれたが、私が強く求めたのだった。
日が暮れたとき、お婆さんは言った。
「私はじきに死ぬでしょう」
そうですか、と私は言った。意外な気はしなかった。年老いた人は自然に悟るものなのだろうと私は常に思っていた。
私は大変良くしてもらったから、どこの墓に入るつもりかと聞いた。おかしな質問だと自分でも思った。それでも、
「毎年とは言わなくても、時々あなたを訪れたいのです。息子たちは来なくとも、私は線香をあげたい」
とお婆さんの皺に埋もれた目を見て言った。
「それは嬉しいことです」
お婆さんは笑った。黄ばんだ歯が、くたびれた唇の隙間から覗いた。
「でも線香はいりません。私は海に骨を撒いてもらうつもりです」
そうですか、と私は言った。それなら都合がいい、と私は何か嬉しくなった。海が見えればいつでも拝むことができる。海はどこでも繋がっているのだ。お婆さんも海なら窮屈しないでいいだろう。
「私の主人は海で死にましたから、再び会えることができるでしょう」
お婆さんが言うには、お婆さんの主人は漁師で、嵐に巻き込まれ、船が転覆して死んだという。それを聞いて私はあの生の躍動の訳を理解した。
非常にためになる指摘だった
ありがとう
「それでも一つだけ気がかりなのです。……こんなお婆さんになった私を、まだ若い主人は愛してくれるでしょうか?」
「愛してくれるでしょう。海に漂うのは肉体ではありませんよ。ただ魂です。そして魂には老いなんてありません」
「そうですか、魂ですか」
「ええ、魂です」
私はうん、とうなづいて見せる。お婆さんは、
「あなたは優しい人ですね」
と私に言った。
日中に戯れた老柴犬が家に入ってきた。実にゆっくりとした動きだった。お婆さんはサブローと呼んでいる。
「サブローはどうするんです?」
と、私が聞くと、
「これはとても運が悪い犬です。私なんぞに飼われて、今までいい思いをしなかったでしょう。それで私も死んだらすっかり野良になるわけですから、今日、殺してしまおうと思います」
そうですか、と私は小さく言った。お婆さんはじっとサブローを見下ろしている。
サブローはとても億劫そうにくうんと鳴いた。尻尾は垂れたまま、舌は出したまま、毛も惨めにのびていた。……サブローの体には哀れな影がこれでもかというほど生まれていた。確かに死んだ方がいいかもしれない、と私は思った。野良になっても、すぐに死んでしまうだろう。
「どのように殺すのですか?」
私は聞いた。お婆さんは農薬を混ぜた餌をやるのだ、と言った。
そうしてお婆さんは夕食と、サブローに与える餌を用意した。
サブローの前に餌皿を置くと、サブローはぷいっとそっぽを向いて、老犬が出せるだけの俊敏さを発揮して薄暗い夜の中へ逃げ出した。いくら老いたと言っても、さすがに異物の匂いを感じ取ったのだ。
サブローはまだ生に執着しているのか、と私は意外に思った。
お婆さんは、ごめんなあ、ごめんなあ、と呟き続けた。その後の夕食はとても静かに始まり、とても静かに終わった。
どうぞどうぞ
私は布団に入って考えた。お婆さんが明日死ぬのとしたら、息子たちが看取ったのだろう。それを考えると何かやるせない気持ちになった。
お婆さんは私のような旅の者に看取られるのだ。何も知らない者に。きっと私はこの家の息子たちの思い出を、知らず知らずのうちに踏みにじっているのだろう。
突然、私はサブローの鳴き声を聞いたような気がした。
私は夢で農薬入りの餌をお婆さんが食べる夢を見た。汗が脇から流れ落ちるような現実味がその夢にはあった。
朝、ぼんやりと天井の木目を眺めながら、お婆さんはどうしただろうと思った。私は下へ降り、お婆さんを呼んだ。しかし答える声はなかった。
お婆さんが寝ている部屋の襖をゆっくりと開けた。朝日が遠慮なく差すその部屋で、お婆さんは真っ直ぐ布団に入っていた。いつ目が開いてもおかしくない、と私は妙な緊張を覚えた。
「おはようございます」
と小さく呼びかけるように言った。起きないので次は大きめに言った。それでもお婆さんは起きなかった。ある種の美しさを保ったまま布団に入っていた。片頬が朝日で白く浮かんでいる。かつてはこうだったのかもしれない、と私はぼんやり思った。
お婆さんは死んでいた。老衰だったという。お婆さんと最後に接しているということ、この土地の者でないということから私は事情を話すことになり、半日以上足止めを食らった。
話し終えた後、私は息子さんたちに知らせてあげてください、と役場の男性職員に言った。彼はその場で息子たちに電話を掛けた。
彼らは非常に悔やんでいました、と彼は電話を終えた後、私に向かって言った。
さて次の町に行こうとして、私の足は町の漁港で止まった。じっと目を凝らせば、お婆さんとその旦那の影が見えるような気がした。
私が随分とそうしているものだから、訝しんだ一人の若い漁師がこちらへ来て、どうしたんですか? と聞いてきた。
「いえ、なんでもありません」
そう答えた後、お婆さんのことが気になって、
「あそこの家のお婆さんが亡くなったのはご存じですか?」
と聞いた。若い漁師はそうなんですか? 知らなかったです、と声を落とした。
「そういえば」
と漁師は海の方を見て言った。
「昨日の夜に犬みたいなものが、ぎゃんぎゃん鳴きながら、海に入って行ったんです。その時僕はここで残って作業をしていたんですけど、本当に突然。気味が悪くなってすぐに帰りました」
普段ならば、低俗なオカルトだ、と一蹴するところだったが、私はすぐにサブローだと思った。やはり昨夜の鳴き声はサブローだった。
若い漁師はそれだけ話し終えると、では、と言って立ち去った。私は、
「どうか親孝行してください」
と彼の背中に声を掛け、彼はそれに笑顔で応えた。
サブロー、と私は海へ問いかけた。お婆さんはもうじき来るだろう。それまで待っているんだ、と。
そして目をつぶると、闇の中を駆け回るサブローの姿が目に浮かんだ。
えーとまず句読点多すぎて読みづらいし推敲が全くできていない
まず>>2から指摘していく
それを参考にして客観的な文章にしてくれるとありがたい 今読んでみたけど確かに句読点は多いな
やっぱり多いと読みづらいよね
推敲はすまない投下してて確かにどうかなと思うところがいくつかあった
今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
→今日で八十なのよ、とお婆さんは笑った。
ここは、『今日で八十なのよ、とお婆さんは笑って言った』
と「言った」という言葉がないと不自然。
それはめでたいことですね、と私は素直に言い、家族の団欒を邪魔してはいけないな、とここを立ち去ろうとしたが、お婆さんは私を引き留めた。
→ここ句読点おおすぎ。
「それはめでたいことですね」と私は言った。
そして家族の団欒を邪魔してはいけないな、と思いここを立ち去ろうとしたがお婆さんは私を引き留めた。
にしたほうが無難
続き
なら、と私は言った。
「私は与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。
二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんは、ちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。
なら、と私は言った。 ←もうここでダメ
それなら、と私は
「与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
お婆さんは私の意志が固いのを知ると
「わかりましたよ」
と仕方なさげに頷いた。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんはちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。
にしたほうが無難
句読点が多くなる原因は、台詞を地の文で表現しているからに思われる
>>2では「」を多用したり、そうかと思えば>>3では地の文で台詞を多用したり
多用っていっても一度、二度くらいだけれども、なんか統一感がないし語彙が少ないから表現が画一的になっている
笑った――とか
もっと類義語辞典でも使って他の言葉を使ってください >>4の
「息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?」
と私は聞きたかったが、やめた。
これこそ地の文で表現すべき
息子さんたちのところへ行かないのは、思い出があるからですか?
と私は聞きたかったが、やめた。 >>31 >>32
確かにそうだな客観的な指摘が入ると
俺の文章の甘さがよくわかる
『わかりましたよ』のところ鍵括弧必要なのか?
それとも前のところに『言った』があるから
『頷いた』にして重複を避けるため? どうでもいいが立てたら最後までスレ使い切れよお前ら
なんかもう疲れてきたよ
>>4ね
電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。
お婆さんは嬉しそうに受話器を取るが、話しているうちに顔色が変わった。
受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。
電話が鳴った。瞬間、お婆さんの顔の皺が深まった。
→おかしすぎ。
『電話が鳴った瞬間、お婆さんの顔の皴が一層深まった』
って表現した方がいい。もしくは
『電話が鳴った。その瞬間、お婆さんの顔の皴が一層深まった』
受話器を置く音が、私とお婆さんしかいない家の隅々にまで響いた。
→音読していて後半部分のリズムが悪すぎ
『受話器を置く音が、家の隅々にまで響いた』
私とお婆さんしかいないのは前の文章から明らかなんだからわざわざ書く必要はない >>33
確かに語彙は少ないな
もっと勉強しないと
>>34
俺はなんで心情に鍵括弧をつけたのか
指摘ありがとう >>35
別に地の文でもいいけどそうすると
お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに言った。
わかりましたよ が句読点に囲まれていてやっぱり印象が悪い。
頷いた にしたのは言った―言った―ってなってるから重複を避けるというのもあるし、
頷いたの方がなんかおばあさんっぽい。 とりあえずもう面倒くさいから
自分が全て推敲したのを載せていくわ
それを見て何か察してくれ
>>39
なるほど
>>40
こんなつまんないへたくそな文章にそこまでしてくれるなんて
ありがとう そして推敲して完成した文を書いていくから、
それで自分の文章のどこが悪かったのかを確認していってくれ
そして疑問や不満がある点、なぜそんな文章に直したのか
というのがあれば構わずに質問レスしてくれ
では書いてく
ありがとうじゃねえ。お前バカにされてんだ。
内容じゃなくただの文章の添削だけだろ。そんなもんは勝手に身につくどうでもいい部分だ。
大事なのはそんなところじゃねーんだよ。下手くそでも読ませてくるもんはたくさんある。
>>43
じゃあ君はこの文章を読んでどう思ったのかね? じゃあ君はこの文章を読んでどう思ったのかね?
→ではあなたはこの文章を読んでどう思ったのでしょうか?よろしければお聞かせください。
いちお>>1推敲してみた
私が立ち寄った町に一人のお婆さんと一匹の柴犬がいた。
お婆さんの腰は少し曲がっていて、白髪頭にぽつぽつと黒髪が混じっていた。顔はしみと皺で埋め尽くされている。唇はかつての色と艶を失い、薄黒い肌と同じようであった。
お婆さんは旅人である私に寝るところと料理を提供してくれた。お婆さん曰く、今日は都会に二人いる息子が里帰りしてくるという。今日で八十なのよ、とお婆さんは笑って言った。
「めでたいことですね」
私はそう言葉を返し、家族の団欒を邪魔してはいけないな、と思った。なのでここを立ち去ろうとしたがお婆さんは私を引き留めた。
いくら遠慮をしてもお婆さんが食い下がらないので、
それなら、と私は
「与えられた部屋で大人しくしています。お婆さんは御気になさらないでください」
と言った。
お婆さんは私の意志が固いのを知ると、わかりましたよ、と仕方なさげに頷いた。二階にある部屋に上がろうとするとき、お婆さんはちゃぶ台に置き切れないほどの料理を用意して息子たちを待っていた。 やっと二本目書き終わった
投下します
僕は老夫婦が経営する古本屋へ入って行った。
すぐにレジの後ろで雑誌を読んでいるお爺さんが、
「いらっしゃい」
と僕に声を掛けてきたので、僕は頭を軽く下げた。
お爺さん足元には小型の電気ストーブが可動している。出入り口の下の方に隙間ができていて、そこからの風が寒いのだろう。
店内には本棚が多く、お爺さんが座っている場所から死角になる場所があった。しかしそこには随分と日に焼けた昔の小説や、
遥か昔に出版され、既に絶版になった詩集などがあるだけだった。もし盗難にあってもほとんど痛手を負わないのだろうと僕は思った。
きっとお爺さんの監視下にあるのは貴重な古書なのだ。僕には価値がわからなかったが、それらは手に取りがたい威光を放っているように感じた。しかし埃っぽく、古びた店内でその威光はただ滑稽なだけだった。
店には文房具もあった。しかし古本屋に文房具目的で来る客がいないのか少し前の商品が積み上がっている。近くには同じような物を売っているスーパーマーケットや
ホームセンターがあるので当然のことなのだろう。
僕は文房具売り場の近くの本棚に移動し、そこに収まっていた古書を開いた。古書特有の匂いに僕は思わず顔をしかめる。その後、僕は注意をお爺さんに向けた。
お爺さんはうつらうつらとうたた寝をしていた。今日はほとんど無風で、隙間風の寒さよりも小型ストーブの暖かさの方が勝ったのだろうと僕は推測した。
僕は昨日のR君とその話を思い浮かべた。
R君とは僕のクラスの秀才である。彼はとても気持ちの良い人物で、勉強ができることを決して驕ったりしなかった。クラスの悪がき的ポジションにいるHもR君には一目置き、R君の注意ならば大体は聞き入れた。
そのR君が昨日、珍しく僕を一緒に帰宅するように誘った。普段R君はいつも一人で帰っていたのだ。
しかし僕には用事があった。先日に行われたリコーダーのテストを僕だけ受けておらず、ちょうど音楽教師の暇があったのが昨日だったのだ。
その旨を僕はR君に伝えた。彼は少し考えた後言った。
「じゃあ図書室で待っているよ。いいだろ? 今日はどうしても君と帰りたいんだ」
僕はR君を見つめた。
彼の瞳には怯えを顔に浮かべた自分自身が幾分歪んで映っている。
「わかった。すぐ終わらせるよ」
声が震えないように気を付けながら言った。
僕はR君が少し苦手だったのだ。彼はいつも冷めた目つきをしていた。
僕と笑いながら話していても、次の瞬間で表情を変えて僕の首を絞めるのではないかといつも感じていた。
そう思うと僕の想像は、R君が僕を絞め殺すまで止まらなかった。彼はいつも無表情に僕の首を絞めるのだった。
無事リコーダーのテストを終え、図書室に向かった。中にはR君の他に数人の生徒がめいめい本を読んでいた。R君を呼ぶ際、少し大きな声を出してしまい、僕はその数人の生徒に見つめられた。
だがそんな視線などどうでもよかった。R君は敢えて分厚い本を音を立てて閉じた。
「待たせてごめんよ」
「いやいいんだ。誘ったのは僕の方だからね。じゃあ行こうぜ」
そうして僕らは黙ったまま靴を履き替え、校門を出た。
何を話すのだろう、と僕は考えていた。ちらちらと横顔を盗み見る。R君は僕のことを気にしていないように歩いていた。
「なあ」
R君が口を開ける。僕はびくりと体を震わせて、それが彼にばれなかったかを気にした。少しでも粗相をすれば本当に首を絞められるのではと思った。
そして想像のR君はほのかに暖かい手を僕の首にかけるのだった。
「内緒だぜ。君にだけ話すんだ」
ちょうど想像のR君が僕を絞め殺す一歩手前で、現実のR君が言った。
「僕さ、昨日万引きをしたんだ」
「万引き」という単語がここまで平凡な響きを持つことに僕は驚いた。これがR君でなかったならば僕はその行為の愚かさを小さく声をあげることで表現したに違いない。
「ど、どこで?」
動揺はしていなかったが一応どもらせてみた。こういう演技を僕は非常に自然に行うことができた。
そしてR君は今僕がいる古本屋の名前を出したのだ。
僕は対応に困った。下手なことを言えばまた想像のR君は僕の首を絞めるのだ。
R君と会ってから一体何回想像の僕は殺されただろう。
僕が答えあぐねていると、
「君もやってみないか?」
とR君は言った。えっ、と僕は小さく声を出してしまった。
「何で僕が君にだけ話したと思う?」
「さ、さあ」
「僕と君は似ているように思うんだ。……僕の勝手な考えだけどね」
そしてR君はにこりと笑った。万引き犯がここまで清潔に見えたのは初めてだった。
「どうだい? やってみないかい?」
僕はうんとうなづいた。そうしなければまた想像の僕は死んでしまうのだ。
電気ストーブのじりりという微かな音が、僕の耳に届くほど店内は静まりかえっていた。僕は素早く本を元に戻し、文房具コーナーへ滑るようにして行った。
そして目に付いた消しゴムを手に取ってポケットに突っ込んだ。すぐに出ると怪しまれそうなのでその後も店内をぶらぶらとした。
R君の笑顔が頭に浮かんだ。ポケットの消しゴムが何十倍の重さを持ったように感じた。
ズボンの片方だけずれているのではないか、そしてそれがお爺さんに見透かされるのではないか。
……僕は万引きの発覚と共に深くて黒い穴に自分が落ちていくのを想像した。落ちて行った先にはR君がいて、今度は笑いながら僕の首を絞めた。
見つかってはならない、それだけを思って僕は足早に店を後にした。
翌日、僕はR君を、
「一緒に帰ろう」
と言って誘った。R君は口の端を少し上げ、にやりと笑った。昨日の清潔な笑いとは違っていた。
僕は包装も取らずにずっと筆箱の中に入れていた消しゴムをR君に見せた。
「これ……」
「盗ったのかい?」
うん、と僕はうなづいた。手汗で消しゴムがほんのりと湿るのを感じた。
R君はとても可笑しそうに僕を見つめて、耳の遠い老人にするように、
「君は、馬鹿、だな」
とゆっくり、なおかつはっきり言った。
「……どういうこと?」
「僕は、万引きなんて、していない」
彼はその喋り方をやめなかった。僕はごくりと唾を飲んだ。
「君は、僕の嘘に、まんまと騙されたんだ。わかるか?」
R君は楽しそうに笑っている。彼の瞳には無表情のままの僕がいる。
「オーケー?」
消しゴムが僕の手から滑り落ちた。R君はそれを拾った。
おいおい、盗品がなくなったら困るだろ」
ほら、とR君は僕に消しゴムを差し出した。僕はその消しゴムを取った途端に、R君の手が僕の首に伸びてくるのを想像しようとした。しかし上手くいかなかった。
僕の手がR君の首に伸びた。そして彼の首をしっかりと捕えた。
「なんだよ……」
僕は力を込めた。柔らかい肉に僕の指が食い込んでいく。
うっ、という声と共に消しゴムが落ち、R君が僕の手を振りほどこうと引っ掻いたり、つねったりしたが僕は手を離さず、力も弱めなかった。
R君の顔がどんどん紅潮していく。腕の感覚がなくなっていくのを感じた。
R君の手がようやく僕の首にかかった。しかしそれはまもなくだらりと外れてしまった。
R君の虚ろな瞳に無表情な僕が映った。そしてそれはにやりと笑った。
これ小説の体すらなってないよ
何のために小説書いてるの?
もし小説家になろうと思っているのならあきらめたほうがいい
才能はないと思う。読んでいて面白くも楽しくない。ただ`苦しい`
読んだ時間返してほしいって気持ちになる
>>67
読んでくれてありがとう
確かに才能はないわ
>>68
長いかーすまんね 読みました。1本目、2本目読んでしまったよ。
小説というより説明ですねw
言うならば、ワイドショーの報道の方がもっと劇的ですよ(もちろん悪い意味で)。
音声合成ソフトが喋ってるみたいwww
テクとか語彙とかはもう前出だから言わないけれど、どうも両作品とも主人公への感情移入がし辛いね。
例えるならば、あなたが映画監督で役者にもっと演技指導しなきゃしけないと思うんですよ。
1本目の旅人は淡々とし過ぎて「コイツ生きてるの?」って。
年老いた婆を放っておいて帰省しない息子たちをぶん殴りたくなるほどな感情を持つ人なのに、
柴犬のサブローちゃんを殺そうとすることに対しては、婆の願い通りとはいえ余りにも淡白過ぎる。イヌとは言え、生き物ですぜ。
2本目の『僕』やR君にもイマイチ入りきれない。なんか、キャラが死んでるwww。だから、悠長に感じて退屈感MAX。
クラスで一目置かれているけど、『僕』は怖いなって思っているのならば、説明でなくエピソードで語ってほしいなぁ……とか思うんですよ。
時系列が分かりづらいね。
>>50-53は「今日」
> 僕は昨日のR君とその話を思い浮かべた。
>(中略)
> そのR君が昨日、珍しく僕を一緒に帰宅するように誘った。
>>54-62。R君に万引きの話を持ちかけられたのは「昨日」。いや…昨日から見た昨日?つまり一昨日なの?
> 翌日、僕はR君を、
>「一緒に帰ろう」
>と言って誘った。
>>63-65。実行して騙されたと気付いたのは「翌日」。つまり今日なの?それとも昨日なの?昨日ならば>>54-62はやはり一昨日か?
一度万引きした店にまた行くわけないから、冒頭部分は万引き直前のことなの?もうわけわかんね。
会話のテンポが悪すぎるんだよね。個人的感想ですけど、部分的に「」の応酬でもいいんじゃないかなぁ?ってぐらいの方がテンポ良い。
恥ずかしいかもしれないけれど、実際に口に出して読んでみて。
それに、起承転結の結がないから「ナニコレ」ってなっちゃう。
R君に騙された事が結?着地地点がぐらついてねぇ。『僕』が騙されてどうなるの?ってこと。
あと、両作品にはお年寄りが登場するんですが……。
書き手さんがどのくらいリアルな爺婆と接しているかは分かりませんけども、爺婆って想像以上に感情は豊かだと思いますよ?
いや、若者以上にかもしれません。「そういうキャラですから」と言われればそれまでですが、両作品に出てくるお年寄りは
本当に干からびすぎていてミイラみたいですね。
2本目の万引きしてしまった店主の爺が本当に置物になってしまってるし、せめて身のある『僕』との会話ややり取りがあれば
そそのかされて万引きする際の後ろめたさが出るんじゃね?
ついでに言うけど例えば……小技。R君が『僕』に「君も(万引きを)やってみないか?」
って言うでしょ?一旦、僕はやれるわけないよと断わらせるんですよ。そしてR君は実際に万引きしてない消しゴムを『僕』に
ちらつかさせるんです。あたかも万引きしてきたかのように。それだけでもお話にしまりが出るかも。
まぁ……作品は小技以前のお話なんですけどねwww >>72
読んでくれてありがと
第三者からの意見が入るとどこかまずいかとかがよくわかるわ
もう一作投下するんでそれも見てって 深夜零時を過ぎた時、一郎は無性にビールが飲みたくなった。
その欲求を無視して布団に入り眠ろうとするが、あの黄金色の輝きが闇から突然すうっと抜け出したように目の前に現れるのだった。
仕方なしに一郎は雨ざらしでところどころ錆びた自転車に乗り、コンビニを目指した。
ペダルを漕ぐ度にぎしぎしと音が出て静かな夜の町に旅立っていった。自転車のライトはただ漠然と前を照らしている。
五分ほどでコンビニに到着した。反自然的な照明は一郎に不思議な罪悪感を植え付けた。
一郎はビール三本と適当なつまみを買い外に出る。店内のライトの余韻が夜の闇に亡霊のように浮かんでは消えた。
自転車籠に入れてはビールが振動するので一郎は右手でレジ袋を持ち、右腕を斜め下三十五度くらいのできるだけ低い位置で保った。つまり左手だけでの運転になる。
時々右腕を地面と水平の位置に上げたりしながら一郎は器用に運転をした。
一郎は真っ直ぐに家に帰らず、公園を近くにある公園を目指した。そこに植えられている桜がちょうど見頃なのであった。夜桜で一杯、何とも乙じゃないか、と一郎は一人で笑った。
公園内には三本の桜の木があった。その内の一本の傍には電灯がぽつんと建っている。遠慮がちな光が桜をより白々しく照らした。
一郎はそこで自転車を止めた。そして斜め上を見上げた。電灯の周りをぶんぶん飛び回る虫の向こうに九分咲きの桜が見えた。
一部の花は光に照らされ、一部の花は闇に沈んでいる。見事な桜に一郎の気分は昂揚した。
ビールのプルタブを開けわざわざ喉を大きく鳴らしながら一息で半分ほど飲んだ。
「おじさんも桜、見に来たの?」
突然の声に一郎はビール缶を握る手を強めた。しかし声は柔和で全く怯える必要のないものだった。
一郎が振り向くと十前後の少女が立っていた。
「驚かせちゃった?」
少女は一郎を申し訳なさそうに見た。その視線を受けて一郎は恥ずかしくなったので、
「いや驚いてなんかないよ」
と明るい声を出した。それを聞いて少女は、よかった、と嬉しそうに呟いた。
暗闇でわかり辛いが少女は白の花柄のワンピースを着ていた。何の花をあしらえているのか一郎は目を凝らしたがわからない。
そもそも花の知識など持ち合わせていないことに後から気付いた。
「君は何をしているの?」
一郎はおずおずと聞いた。少女は、
「桜を見に来たの。おじさんもでしょ?」
と答えて木の下へ歩いた。一郎もそれに倣った。
「もう満開になったんだあ」
と少女が桜を見て呟いたので、一郎は花が咲いていない部分を指差して、
「ほら、あそこ。花が咲いていないからまだ満開じゃないよ。……ほら、あそこも」
と指摘した。それに対して少女は呆れたように息を吐いた。
「おじさん。そういう細かいことでいいムードを壊さないでよ」
非難めいた言葉に一郎は思わず、ごめんと謝った。
少女は笑って、
「じゃあそのジュースくれたら許してあげる」
と言った。一郎はレジ袋を持ち上げて、
「これビールなんだ」
とぎこちない笑みを浮かべて言った。
「全部?」
「そう、全部」
なあんだ、とつまらなさそうに少女は声を出した。その後一郎の手に握られている缶をじっと見て、
「じゃあ一口ちょうだい」
と甘えた声で一郎に向かって手を差し伸べた。
一郎はあげるべきか迷ったが、かつて子供だった自分も大人の飲み物に興味があったなあと思い、一口だけなと釘を刺して缶を少女に渡した。
ありがと、の明るい声とは裏腹に少女の顔には緊張と好奇心が現れていた。そして彼女はえい、と缶を傾けた。
缶から口を離すと少女は顔をしかめて、
「まずっ、これ苦い」
と缶を一郎へ返した。
少女の綺麗な顔には魅力的な皺が一瞬だけ生まれた。一郎はあはは、と笑って、
「そりゃあ大人の飲み物だからな。コーラとかジンジャーエールとは違うぞ」
と当然のことを口にした。
ベンチに二人は並んで座った。少女はユキと名乗った。一郎はどんな漢字を書くのだろうと思ったが、また何か言われると思ったので聞かなかった。
その代り、
「こんな時間に外に出て大丈夫なの?」
と聞いた。ユキはふっと笑みを浮かべて、
「うん。大丈夫」
と小さく答えた。
ユキの横顔に一郎は思わず見惚れてしまった。おいおい、ビール半分ちょっとで酔うのは早すぎるぞ、と自分を誤魔化したが無駄だった。
意識すればするほど彼女の肌に視線がいき、鼻は髪の匂いだけを嗅ごうとした。
一郎はさらにワンピースと胸元にできた隙間に目をやった。
何も見えなかったがそこに目をやったという行為だけで十分な興奮と罪悪感も感じた。
一郎はビールを一本飲み終えて、
「親御さんが心配するだろうから送ってくよ」
とユキを誘ったが、彼女は黙ったままじっとしていた。
「なあ」
「親は今いないの」
一郎はえっ、と声を出した後黙って続きの言葉を待った。
少しの間の沈黙の後再びユキが口を開いた。
「お父さんはずっと前にいなくなって。お母さんは今病気で病院。……私、今お祖母ちゃんのところに預けられてるの」
一郎はどう答えていいかわからなかったが、沈黙を避ける為にそうかと呟いた。虚しい言葉は彼女の手前で墜落してしまった。
>>87
ロリコンではないぜ
ユキが見せた先ほどの笑顔を一郎は頭に思い浮かべた。事情を知るとそれはあまりに残酷で痛々しかった。
ユキにはビールを飲んだことを叱る親もいないのだ。
「お祖母ちゃんは寝つきが良いから私が出ていったことも気が付かないの。今年の春からここに来て何度も夜に家を抜け出して桜を見たんだ」
一郎は黙っていた。ただユキの鎖骨の辺りを凝視していた。 「何にも咲いてない時から今の九分咲きまでね」
「九分咲き」のところを特に強調してユキは言った。そして一郎の顔を覗き込んで歯を出して笑った。
一郎は力のない笑みを浮かべた。そして手を伸ばしユキの頬に触れた。一郎は少し冷たいユキの頬を気持ちいいと感じた。
ユキは頬に触れている一郎の手をゆっくりと握り、頬ずりをした。
この子は親を欲しているのだ、と一郎は思った。誰かが無条件の愛を注いで抱き締めてあげなければいけない。
空いている手をユキの背中に回し、そっと抱き寄せた。ユキは手を離す。一郎はその手も背中に回し強く抱き締めた。
お互いの頬が触れ、少し紅潮した顔が冷やされていくのを一郎は感じた。
ユキの手が一郎の首に回された。触れ合う頬が濡れた。そりゃあそうだ、誰にだって親の愛が必要なんだ、一郎は心の中で彼女を擁護した。
しばらく二人はそうしていた。しかしいくら愛情を持って抱き締めても一郎は偽物だった。所詮疑似親子愛だった。
ユキは手を解き一郎から離れた。
「ありがと、おじさん」
一郎はユキの潤んだ目を見た。白い指がやがてそれを拭った。
「お母さん、絶対治るよね」
一郎はそれが自分に向けられた言葉なのか、ユキ自身を納得させる為の言葉なのかわからなかった。
たぶん両方なのだろう、と思った。
「治るよ。絶対。約束してもいい」
ユキは首を振った。
「約束なんていらない。……絶対治るから」
うんと一郎はうなづいた。
瞬間一郎の頬に柔らかい物が押し付けられた。ほんのり湿ったものが。
ユキのほんのり赤くなった顔を見て、それが唇だったということに気が付いた。
「お父さんの代わりしてくれたお礼ね」
恥ずかしそうにユキは言った。一郎も自然に笑みがこぼれた。
ユキはばいばい、と手を振って帰って行った。一郎は熱をとる為にもう少しここにいようと思った。
少し強い風が吹いて桜の花を少しさらっていった。
一郎はユキのワンピースの花柄は何の花だったのだろうと再び考えた。
<終>
>>94
自分がロリコンなのか分からなくなってきた あなた、桜の花の下には…のあと、なにが続くか知ってますか?
ああやっぱりそうか もし、あれよんでてこれだとちょっとなあ だったけど。
梶井基次郎の『檸檬(れもん)』とかの文庫本に大抵入ってる
「桜の樹の下には」みたいな題名(うろおぼえ)の短編(どこの図書館にもある。10ページもない短い話)
を読んでみな いま、(ごく若い人は別として)桜と あやかし の話がでたら
多くの読者がこれを想像する あなたがそれを読んでからこれをかきなおしたら、もっと面白くなると思う
その作品に依拠して書き直すもよし、無視する方向でもよし、ただ知らないよりは
知ってたほうがいい
>>100
梶井基次郎は何にも読んでなかったわ
ありがとう読んでみる うむ、このての落ちでどうにかするショートショートみたいなのじゃないやつで
梶井を読んでないのはかなりもったいない 何しろ文庫本一冊で主要作品が
網羅できるだけでもお得だ おちは内緒にしておくが梶井の桜の話をよんでも
落ち込まずにがんばってくれw
>>102
なんかめっちゃ気になるな
今年中にでも図書館いこ 見てる人いるかな?
投下します
男は満員電車の車内にいた。
もう秋になるというのに人で埋め尽くされた車内は非常に気温が高く、男は少し汗をかいていた。
右手で吊り革を掴み、左手で鞄を持っている。
男は周りの迷惑にならないようにただ車内の広告だけを見ていた。
電車がホームに滑り込んだ。多くの人が降りて多くの人が乗る。
この電車で自分は座れないということを、男は電車を使い始めの日に理解した。
扉が閉まり電車が動きだす。後何年満員電車に乗らなければいけないのだろう、と男はふと考えた。
男の心には疲労が塵のように堆積し、それを吹き飛ばしてくれるものは何もなかった。
男の目の前にはいつの間にか女子高生がいた。スマートフォンの画面にじっと見入って何やら操作をしている。
まったくご苦労なことだ、と男は素直に思った。彼女は学業、部活、友人関係、恋人、と忙しいはずなのに通学の時間も無駄にしない。
もしかすると社会に出るための訓練かもしれない、と男は思った。一日という時間にびっしりと埋められた予定を一つ一つこなしていく訓練。
予定を新たに生み出す訓練。時間を一秒も無駄にしない訓練。……もちろん彼女はそんなことを意識していないのだろう。
でもそういう可能性もあるのだ。
もちろん俺もそういった思惑に動かされている可能性がある。例えばこの満員電車がそうだ、と男は考えを続けた。
大勢がこんな狭い箱にぎゅうぎゅうに抑え込まれているなんて明らかにおかしい。
男は首を少し動かした。あそこの男も、こちらの男も、みんな俺のようには考えていない。
いやそれこそが訓練された結果なのだ。俺のようにごちゃごちゃ考えるのは訓練不足の証なのだろう。
男がそんなことを考えているうちにまたもや電車が駅に着く。また人が流入し流出する。
男はあと次の次の駅で降りる。このまま黙って会社に行っては誰か知らない奴の思い通りだ、と男は苦々しく思った。
顔を知っていれば男はその顔を殴り飛ばす妄想をするのだが、この場合は敵が明確でない。そのことがさらに男を苛つかせた。いっそこのまま電車に乗り続けてやろうか。
まあ落ち着け、そう男の頭に言葉が響いた。お前には疲労が溜まり過ぎている。
落ち着くことが大切だ。生活の為にはその知らない誰かに従順にならなければいけないんだぞ。
一時の感情で全て失うなんて馬鹿じゃないか。
じゃあどうしろっていうんだ、と男はその声に対して心の中で言った。沈黙。ほらみろ何にも有効な答えが出せないでいるじゃないか。
従順になったらまるで殺されるのを待つ羊だ。頭を垂れて屠殺人の前まで歩いて行く人生など何の意味があるのだ。
男の中で考えがぐるぐると渦を巻いた。
このままいつものように闇に飲まれては駄目だ、と男はどうにか渦を消し去ろうとした。
しかし結局それは消えなかった。
だったらもう一度考えるだけだ。終着点が同じところでも考えなければいけない。
考えを止めるな。止めなければいつか電車が脱線するように違う結果を生むかもしれない。
男は車輪を想像した。レールの上をぐるぐると回って進んで行く。
そら外れろ、外れろ、外れろ。車輪よ欠けろ、レールよ歪め、恐ろしいほどのカーブよ、来い。
また駅に到着する。男はひどく悔しがって、はっと気づいた。
いつの間にか考えの車輪と電車を一緒にしてしまっていたのだと。
一人の少女が電車に乗り込み、男の前に陣取った。男は激しい雷鳴が頭上でけたたましく鳴るのを感じた。
中学生か高校生だろう。肩までの黒髪からはいかにも自然な良い香りがした。
これだ、と男は手を打ち鳴らしたくなった。しかしそんなことは当然できない。
その代わりに音を立てずに思い切り髪の匂いを吸った。
少女は例に倣うようにスマートフォンを取り出した。男はこの少女と車輪が繋がっているように感じた。
この少女の車輪をレールから外すことが出来さえすればいいのだ。男はこの考えに憑りつかれた。
後一駅で何ができるだろう? 男は少女のスカートを見た。そしてその先にある下着に包まれた、形の良い曲線を描いているであろう尻を思い浮かべた。
この尻を触ればいい。妙案だ、と男は考えた。これが成功すればこの少女と俺の車輪は外れ、まっとうな地面を走ることができるのだ。
そしてこの少女も愚かな羊に成り下がることがなくなる。
男は足の間に鞄を立て左手を自由にした。そして少女の尻の位置に左手を持って行った。
左手にスカートが微かに触れた。まるで白く輝く刃に触れるような緊張を男は感じた。
吊り革を持つ右手は激しく汗を吹き出し、次に持つ人は非常に嫌がるだろう、と男は途端に可笑しくなった。
可笑しがっている場合じゃない。それはただの逃避だ。俺は触らなければいけない、握らなければいけない。……目の前の少女の尻を。
男はスカートに手を強く押し当てた。少女は体を少し動かした。
男はスカートを避けて彼女の左の膨らみと思しき物を優しく、それでいて確実に握った。
ショーツ越しに柔らかい感触が伝わってくる。何度も握っているうちに熱を帯びてきた。
少女は体をびくりと震わせ、静かに周りを見回した。明らかに嫌がっている。
そうだ嫌がれ、と男は少女に念じた。レールから外れろ、外れろ、外れろ。
男はショーツの中に手を入れた。確実な柔らかさが掌に伝わる。つぶすように強く握った。
少女はスマートフォンをしまって、恐る恐る手を外そうとするが男はそれに応じない。
男は少女の「やめて」という小さい声を聞いた気がした。外れろ、外れろ、外れろ。……男は少女の尻を握りながら念じ続けた。
少女が後ろを向いた。男と目が合う。少女の目は潤んでいた。
男の鬼気迫る表情に恐れを為したのか少女はすぐに前を向いた。黙って耐えることを決め込んだらしい。
電車が男の降りるべき駅に滑り込んだ。男はようやく手を離した。そして人ごみの紛れて電車を降りる。
一瞬後ろを向いて少女の顔を見た。嫌悪感が剥いたばかりのゆで卵のような光沢を持って現れていた。
しかし少女のレールが外れたようには思えなかった。
自動改札機に人が並んでいる。そして男も並んだ。周りの人々が全員羊になったように男には思えた。
たぶん自分も羊の顔をしているのだろう。
屠殺人の姿は見えなかった。
率直な感想は、近代文学に雰囲気が似てる。って感じ。
他の人も書き込んでたけど、梶井基次郎とか、芥川とか。
もしかして少し前ににそういう類の文学を読んで、触発されたのかな。
一作目に関してはたしかセンターの問題でも出た、おばあさんが海辺の土地を不動産屋に頑として売らない、ていう話にそっくりだし。
そのせいか、雰囲気ばかりで主題がすっぽ抜けてる気がする。
見てくればかりで小説で何を伝えたいのかわからない。
誰が読んでも「切ないね、悲しいね」小学生の感想文程度の感想しか出てこない。
でもはじめは短くても書ききる、ってことが大事だから、四本書ききったことに関して自信を持っていいと思う。
ただ三、四作目は完全にロリコン乙
>>118
見てくれてありがと
梶井は読んだことないし芥川もほとんど読んでないけど
確かにそういうのが基本にあるのは確かだと思うわ
四作目ロリコン化か? 確かに梶井の檸檬とか連想させる
ロリ路線のレールは外れずに進行で
>>120
檸檬ね読んでみるわ
まあ女の子出した方が楽しんで ある男が自分の体が石になってしまうと言った。
始めはみんな男のほらだろうと馬鹿にしていたが、男は真剣に自分は石になるのだ、石になるのだ、と言っていた。
男がそれを自覚してから二日後、朝起きると男の右足は石になっていた。
やはりこれが運命なのだ、と男は思った。恐れていたことが起きてしまった。
これを見るとみんな非常に気味悪がった。医者を呼んだがその医者も手の施しようがない、と言って帰ってしまった。
男の石化は右足の腿にまで進んだ。
このまま左足に石化が進んだら歩けなくなってしまうと男は恐れて、石の右足を引きずり引きずり近くの広場へ向かった。
その途中に右足の親指が取れた。非常に惜しく思ったがどうしようもなかった。
広場に男がいるとして人々は誰も近づかなかった。
あの男は罪深きことをした報いを受けているのだろう、と人々は言った。
あの男に近づくと自らも石になってしまうとも言った。
右足が曲げられないので男は立ち続けていた。
不思議なことに疲労はしなかった。左足にも石化が始まりそろそろ歩けなくなるのは確実だった。
そして食べる物が何もないことに気が付いた。
でもそれでいいかもしれない、と男は思った。このまま餓死をすれば完全な石人間にならずに済むだろう。
石化したところだけ砕いてしまえば少し欠損しただけの死体になる。
しかし腹は減る。男は気を紛らす為に愛している女のことを思い浮かべた。
そういえば彼女も来ないな、と一人寂しく呟いた。この姿を見て欲しくはなかったが、女には会いたい。
そんな矛盾が男の中で燻っている。そしてそれを消火してくれる人も、燃え上がらせてくれる人もいなかった。
左足の膝にまで石化がくる。男は自らの両足を撫でた。確かに石だった。男が普段触れてきた石と何ら変わりがなかった。
男は立ったまま眠った。何とか飢えを抑え込むことができたのだ。
目覚めると一人の少女がいた。栗色の長い髪には艶があった。
肌は白いがしっかりと肉感があった。男はもしや石化など夢だったのかと彼女の方へ足を踏み出そうとするが足が動かない。
夢なんかじゃなかった。そしてもう両足の腿が石化してしまった。
少女は泣いていた。顔を下に向けたまま涙を流している。髪が前に垂れて顔を隠している。
それでも美しい顔をしているということはなんとなくわかった。何を泣いているんだろうと男は思った。そしてそのように聞いた。
少女は嗚咽の中で苦しそうに答えたがよくわからない。少女が落ち着くのを待った。
ようやく少女は泣き止んだ。男は先ほどの問いをもう一度した。
「だっておじさん可哀そうだわ。何も悪いことしていないのにこんなことになって……」
確かにそうだと男は思った。自分は何も悪いことをしていなかった。
「君は誰だい? 僕を知っているの?」
「今そんなことどうでもいいわ。お腹すいたでしょう? これ食べて」
少女はパンを差し出した。男はごくりと唾を飲んだが首を振った。
「どうして? 嫌いなの?」
「いや嫌いじゃない。嫌いじゃないけど俺はこのまま餓死することに決めたんだ。そうすれば僕は完全な石にならずに済む。俺は人間でいたいんだ」
「食べなきゃだめよ。絶対にだめ。飢えて死んじゃうなんて苦しいわ」
少女がパンを強引に口に運ぼうとするが男はその手を避けた。バランスが崩れそうになる。
倒れたらもう起き上がることができない、と男は恐ろしく思った。そうすれば人が笑うに違いない。
少女は再び泣き出した。男は困惑した。何で自分何かの為に涙を流すんだろうと思った。
「泣かないでくれよ。お願いだ」
「じゃあ……パンを食べて」
目を赤くしながら少女は男を見た。
「わかった、わかった。食べるから。ほら食べるよ」
少女はパンを差し出した。男はそれをひったくるようにしてそのまま齧った。
何でもないパンだったが非常においしく感じた。
「これも全部食べなきゃだめよ」
すっかり少女は泣き止んでいた。差し出されたパンを全て男は食べた。
少女は男が全て食べ終えたことを確認すると嬉しそうに笑った。男も微笑んだ。
「おいしかったよ。ありがとう」
「でしょう? お腹が空いたままっていうのは大変なことだわ。怒りっぽくなって冷静に物を考えられなくなるのよ」
投下が進んでいるようで何より。
全体的に薄汚い男と、それにに対して(率直に言うと)都合のいい少女、という構図で構成されているけど、これは>>1の願望の表れかな? 少女はちょっと待ってて、と男に言い残して走り去った。
あの子は誰だろうと男は、深い海の底に続く網を手繰り寄せたが少女のことは記憶になかった。
少女はバランスを取りながら急いで帰ってきた。水を汲んでいたのだ。
男は少女にお礼を言って両手で水をすくって飲んだ。
「君は一体誰なんだい? 君とは面識があったかな?」
一息ついてから男は聞いた。少女は、
「おじさんは昔私を助けてくれたのよ」
と言った。男はもう一度網を沈めて手繰り寄せたが無駄だった。どこかが切れているに違いない。
「覚えてないのね。まあ私も直接助けられたわけじゃないけど。
……私がお母さんのお腹にいる時、ちょうど産気づいた時におじさんはお母さんを背負って産婆さんのところに行ったのよ。
お母さんはあのままじゃ危なかったって言ってた。覚えてない?」
男は思い出した。
>>130
お見通しかその通りだぜ
「お母さんはおじさんが石になったって話を聞いて私に助けに行くように言ったの。
お母さん本人がここに来ると色々うるさいからね。……もちろんお父さんも了解してくれたわ」
「そうか……そんなことがあったっけ」
男は自然と涙を流していた。少女は戸惑っている。自分のことを考えてくれる人間がいることがとても嬉しかった。
「おじさん? どうしたの」
男は泣き続けた。少女は諦めて、じゃあ明日も来るね、と言って帰って行った。
男は久しぶりに泣き疲れた。そしてそのまま眠りに落ちた。久しぶりに幸福な気持ちを感じていた。 目を覚まして周りを見たが誰もいなかった。男はどこまで石になっているか確認をする。
股間に触れて男は戦慄した。男性器が石化してしまったのだ。
惨めな姿だ、と男は思った。ついに自分は男の称号を失ってしまった。
この状態では使う機会などないことはわかっていたが、割り切ることができなかった。次に自分は人間でなくなる。
やはり昨日パンを食べるのではなかったと後悔した。
石化は腰の辺りまで進んでいた。男はこのまま倒れてしまおうかと思ったが、必ず少女は起こそうとするだろう。
それで彼女の父や母を呼ばれるのは耐えられなかった。結局男は立っていなければいけなかった。
少女がやって来た。男は無理矢理にでも元気になろうと努めた。
彼女に男性器を失って落ち込んでいることなど知られたくなかった。
少女はまたパンと水を持って来た。腰にまで石化が進んだ体を見て少女は一瞬言葉を詰まらせた。
「おじさん。今日もしっかり食べなきゃだめよ」
「わかってるよ。ありがとう」
食べ終わった後、男は女のことを聞いた。どうしても気になったのだ。
「あの人のことが好きなの?」
少女は逆に男に聞いた。うん、と男はうなづいた。少女はそう、と呟いた後言った。
「あの人はね……あの人もおじさんのことを気にしてるけど来られないの。
おじさんがこんなことになってから色々悪い噂が立ってるから、だから……」
「本当のことを話してくれ」
少女は黙ってしまった。男は何をしているんだろう、と思った。
嘘だって自分の為に彼女がしてくれたことじゃないか。しかし遅かった。彼女は男を真っ直ぐに見て、
「おじさん、あの人はちょうどおじさんがこんなことになり始めた時に結婚して、どこか違うところに行っちゃったの。……これは本当よ」
そうか、と男は女の姿を思い浮かべた。もうとっくに他の男のものになってしまったのか。
「おじさん、泣かないでよ」
「泣いてないさ。こうならなくてもあの人は結婚しただろうからね」
「……そうね」
少女は男の手を握った。温かい手だ、と男は思った。
「おじさんが寂しがらないように明日も、明後日も来てあげる。だから元気出して」
そう言って少女は手の甲に口づけをした。潤いのある唇が気持ちが良かった。
少女が口を離す。少し顔が赤らんでいるのを見て男は愛おしくなった。片方の手で男は少女の髪を撫でた。
男はそのまま少女と話しをした。少なくとも話している時は石化のことを深く考えずに済んだ。
翌日。男は確実に睡眠時間が短くなっていることを感じた。体が必要としなくなってきているのだろうか。
指の感覚がない。それどころか肘が曲げられなかった。
早すぎる、と男は思った。両腕はちょうど肘の上辺りまで進んでいた。
もう物を持つことも、彼女の髪を撫でることも出来なくなったのだ。
少女が来る。もう驚いてはいなかった。彼女なりの石化予想があるのだと男は思った。
「手が使えないでしょう? 私が食べさせてあげるわ」
少女が手を伸ばしてパンを男の口に持っていく。男も黙ってそれを食べた。ひどく時間が掛かった。
水も飲ませてくれたが男はこぼしてしまった。足に水がかかったが何も感じない。
ただ色を変えるだけだった。
少女が腕のまだ石になっていないところを揉んでくれた。
「気持ちいい?」
「ああ、とっても気持ちいい」
「よかった」
少女はしばらく揉み続けた。
男は昨日の唇の感触を思い出そうとした。しかし上手くいかない。
男は自分に苛立ちを感じた。どんどん体を失っていく焦りがあった。
「またキスしてくれないか」
男は呟くように小さく言った。聞こえなくても良かったのだが、少女は聞きとったようだった。
少女は腕を揉む手を止めて、意味ありげに微笑んだ。そして何処かへ走って行った。
男は激しく後悔をした。なんてことを言ってしまったんだ。相手はまだ子供じゃないか。
しかし自分を擁護する声もあったのだった。こんな自分に最後まで付き添おうとしてくれる子が魅力的に感じないわけがあるか。
そんな子のキスが欲しくないわけないだろう。
そうだ、と男は思った。彼女とキスをすることで自分の存在を残すのだ。
少なくとも彼女が自分とのキスの感触を覚えている間は自分は人間でいられるのだ。
少女が桶を持って来た。そしてそれを男の前に置きそれに乗った。
「おじさん頑張って屈んで」
「本当にいいの?」
「早く」
男は屈んだ。目をつぶって、と少女が言った。男は目をつぶった。
そして二人の唇が触れ合った。少女は倒さないようにぎこちなく男の首に手を回した。
この感触だ、と男は思い出した。もう忘れるものか。
少女が唇を離す。男が目を開けようとすると、まだ開けちゃだめ、と言った。それでも男は目を開けた。
少女の恥ずかしがった顔に男は満足した。
「まだ駄目って言ったじゃない」
少女はそっぽを向いた。
「おじさんは女の子の言いつけも守れないの?」
男は笑った。本当に可愛らしいと心から思った。
「笑わないで! もう」
男はそれでもなお笑い続けた。
「笑わないでって言っているでしょ。もう知らない。もう来てあげないから」
「それは困るな」
「でしょう? だから今は素直に謝るべきよ。さあ」
「悪かったよ。ごめん」
「そう、それでいいのよ」
満足そうに少女は微笑んだ。
「だから明日も来てくれ」
少女はうなづいた。
「もちろん来てあげる。だから寂しがらないで……」
ああ、と男は答えた。
二人はまた話をした。そして少女は帰って行った。男は唇だけは石化しないように祈った。
この感触だけは忘れないようにと。
男は覚醒した。しかし目が開かない。というより目の感覚がない。
風で木が揺れる音は聞こえたから耳は大丈夫だった。
遂に肩の感覚もなくなった。腹も空かなかった。石化は腹にまで及んでいた。
おじさん、という声で少女が来たことに気が付いた。足元に置きっぱなしの桶に何かしている。
「おじさん。口を開けないでね」
そう言うと再び唇が触れ合う。視覚が邪魔をしない分、男は昨日よりもはっきりと感じることができた。
「目も視えなくなったんだね」
「ああ。もう明日には耳も聞こえなくなるよ。口もきけなくなるな」
「じゃあ今日で最後かもしれないね。……もう一回キスしようか?」
「いや……いいよ。数が少ない方が貴重だろ」
そう、と少女は言った。
「俺はどんな姿かな?」
男は少女に聞いた。少女は桶から降りて少し後ろに下がった。
「とてもかっこいいわ。まるでギリシャ彫刻みたい」
男は笑った。あんなにいかつくてたまるか。
「というのは嘘。……でも本当に素敵よ。……私、おじさんが石になっても毎日ここに来るわ。
偉い人にこの広場を自然公園にしてもらって、ここに花を植えるの」
「それで?」
「そうすれば蝶が来るでしょう? 色んな動物も来るわ。その光景を美術学生がスケッチするの。
もしかしたらここで恋人たちが待ち合わせをするかもしれないわ」
「そうなるかな?」
「なるわよ、きっと。そしておじさんの悪い噂を流していた連中も謝りに来るわ。
そうしたらおじさん、そいつらを許してあげてね? 怒るとかっこわるいわ」
男はその光景を想像した。そうなるだろうか? いやきっとそうなるに違いない。
「そうだ。私の家の墓もこっちに移してあげる。私も花畑の中で眠りたいからちょうどいいわ。……うん、それがいい」
男は泣きたくなったが涙が出ない。ああ、ああ、と声を出すばかりだった。
「本当に……俺のことを忘れないでくれるかい?」
「ええ、絶対忘れないわ。約束よ。おじさんはここで立ち続けるからみんなも忘れないわ」
男は突然眠くなった。おじさん? と言う少女の声が聞こえたがもう答えるだけの力がなかった。
最後に男は自分の唇に少女の唇が強く押し付けられるのを感じた。
男は石になった。
五本目終わりでーす
途中でさるさんというものをくらった
>>1乙
五つ目はちょっと矛盾というかかみ合わない点が多い気がする。
少女の母親は自分が男の元に行くと、面倒なことになるとわかっていてわざわざ自分の娘に行かせたのか?
恩を感じているなら自分で行くだろうし、厄介事にだと考えているなら大事な娘を行かせたりはしない筈。
なぜ少女は男も知りえなかった女の情報を事細かに知っていたのか?
そこの細かい描写が無くてご都合主義になっている。
石化の順番に整合性がない。
最初は下からだったのに、下半身→指先→目と順番が滅茶苦茶になってる。
そうなる原因が仄めかされていればいいけど、読んでる側としては「なんで?」となる。
どれも本筋とは関係ないかもしれないけど、そういう雑さひとつで物語の重みがなくなってしまうから気をつけたほうがいいかもしれない。
あと男性器が石化で笑ったww >>144読んでくれてありがと
>>145
指摘がごもっともだわ
正直その辺は詳しく考えてなかった
女の情報は一応男たちが住んでいたところを狭いコミュニティとして
少女も結婚式に出た脳内設定だった
石化の順番は下から上にしたかったけどそれだと心臓がなーと思ってね
端から中心に行くようにした
もうちょっと整合性を取るようにするわ
読んでくれてありがと
良かったら全部読んでみてくれ >>146
一応全部読んではある。>>118も俺だし。
読み返して、内容、というか物語の形に難があるのかな、と。
他のレスにもあるけど、「読んでて退屈」ってのは純粋に起承転結ができてないからじゃないかな。
起承承承でいつの間にか終わってる感じ。
キャラクターについてもその瞬間、現在の会話しか描かれてない。
その人物がどのような過去を経て現在に至るのか、そしてどこに向かうのか。
もうそれだけで起承転結ができるぐらいだからもっとイメージを膨らませて。
現状、>>1の自己投影のための傀儡にしかなっていないから読み手は感情移入もできない。
自己満足ならともかく、読んで欲しいなら「自分が何を書きたいのか」と「どうすれば読んでもらえるか」のバランスを考える必要がある >>147
なるほど鋭い指摘だ
起承転結を考える前に書いてしまってるからなー
転に向かって進んでいく感じだからたぶん整合性も取れてないし
結末も微妙なんだと自分でも思う
過去を織り交ぜてって言うのは確かにできてないな 物語として書くなら是非やってみて欲しい。
もし、五作目みたいな変化ものの不条理な作品を書きたいなら安部公房の作品を読んでみるといかも。
次作に期待
>>149
ありがとう
でも今書いているのも物語がなってないんだよな
安部公房は砂の女と箱男を読んだ。
ああいう世界観はたまらないわ 六本目書き終わった
時間も遅いから今日の昼かその前ぐらいに上げようと思う
深夜のテンションで書いた作品を投下するのは
ある種の恐怖を伴う
じゃあ六本目投下します
深夜のテンションで書いた作品を投下するのは
ある種の恐怖を伴う
じゃあ六本目投下します
暗い部屋でテレビの画面だけがぼうっと白く光りを放っている。
十メートル程遠ざかってみれば、暗さも相まってどこかへ繋がる神秘的な扉のように思えるのかもしれない、と男は自身の男性器を上下に摩擦しながらふと考えた。
しかし画面が映し出しているのは四つん這いになった女の尻である。女性器にはモザイクがかかっている。
男はそのモザイクに対して何の憎しみも抱かなかった。むしろ感謝をしていた。
惨めに毛が生え、使い古された女性器の大写しを誰が見たいと思うだろうか、と男は思っていた。
いくつの男性器がそこへ出し入れされただろうか。
そこに女体の神秘や官能美、生殖にまつわる神聖さといったものは存在しなかった。
ただ商業的な性があるだけで下品さもない。ただ金が体をくねらせ、金が喘ぎ声をあげるのだ。
金の鎖。
女は金に釣られ、消費者は金に釣られた女に釣られ、制作会社はその消費者に釣られる。その制作会社の金がまた女を釣るのである。
この尻もそうだ、と男が思った途端に男性器が突っ込まれる。そして画面の男が腰を激しく打ち付けていく。
ばちばちばちと気の抜けた拍手のような音とともに女の喘ぎがスピーカーから発せられる。
しかし色んな事を考えていても結局自分は性器の摩擦をやめないのだ、と男は可笑しく思った。
自分の考えが声として表れ、それを隣で聞いている人がいた、言動と行動の不一致をさぞ可笑しく思うことだろう。
画面が女の顔に切り替わる。目を細め、汗をかき、口を少し開けている。
ぼうっとした顔は恥辱と惨めさが作り出す物なのか、それともこの女の演技か。
これが商品として作られていなかったらこの女はどんな表情をするのだろうか?
男は自身が画面の中にいる女と性交をしている想像をした。
彼女は仰向けで足を大きく開いている。男は彼女の性器に自分の性器を挿入する。
しかしそこで女の顔は白くもやがかかったように定かではなくなった。
これが想像の限界か、と男は悟った。現実の交わりをしていない俺には初めから不可能な試みだったのだ。
男はふっと手を止めた。ということは俺が性に目覚めてから想像で犯した女性の顔は全て偽物だったということだ。
中学の時に好きだったNも、高校の時に好きだったRも、大学の時に好きだったTも。俺に偽りの顔を見せていたのだ。
男の中に怒りがわいた。洗面器に水が溜まっていくようなゆっくりとした怒りだった。
男の性器は完全に萎えていた。
映像が続く中、男は立ち上がり押し入れを探った。
そして物が詰まった段ボールをそこから出した。
中身を空ける。かつての記憶の化石は多少乱雑に扱っても壊れないのだ。
これが儚い物であったらどんなにいいだろうと男は思った。触れた瞬間に砂になってしまうような神聖さを持っていたら……
男はその中から高校の卒業アルバムを取り出した。貰ってから二三度しか開いてなかった物だ。
そして男は感傷に浸ることなくRの写真が載っているページをアルバムから取り外した。
証明写真のような表情が固い写真。部活のジャージを着て仲間と肩を組んで笑っている写真。体育祭のリレーを走る写真。修学旅行の長崎でソフトクリームを食べている写真。
……様々な写真があった。
ちょっと飯食ってくるから一旦中断
あんまり時間かかんなかった
てか今日はイブなんだよな
そしてカッターナイフを手に取り、Rだけを記憶の地層から脱出させた。
……男は根暗な少年と思われていたのだろう。
体育、特に走りが苦手でいつもびりだったことを除けば何ら特徴がないような少年だった。
別に人と話すのに緊張するということはなかったが、
若者特有の内容のない会話というものに特別な嫌悪感を抱いていたために、あまりクラスメイトとも話さなかった。
その癖何か実のある話をできるかと言われたらそうでもない。要するに会話に不向きな人間だった。
Rはそれと全く違っていた。彼女は快活な少女であり、分け隔てなく(心の奥は定かではないが)クラスの全員と笑顔で接することができた。
もちろんRは男にも笑顔で接した。
優しくされれば好きになるというのは道理だった。男はRを好きになっていた。
もちろん手に入れようなどという身の程をわきまえない考えはしなかった。彼女はただ笑っているだけでよかった。そして時々自分の慰みものになってくれればよかった。
男はいったんカッターの手を止めた。画面の男は既に射精を済ませ、舞台が変わった。女が制服を着て教室のようなセットの中にいる。
さるさんくらって書き込めなかった
……あれは旧校舎を探検している時だった、と男は思い出した。
いや正確に言うと思い出したのではない。量販店のテレビ売り場のように幾つもの画面が並ぶ中の一つにそれは常に再生されていた。
それに目を向けたのだ。
なんてことはない好奇心だった。退屈さを少しでも紛らす刺激が男には必要だったのだ。
そして本来は入ってはいけない旧校舎に忍び込んだ。幽霊でも出ればいいと、期待に心はいつになく踊った。
そんな中で聞こえてきた嬌声。初めは誰だろうと思ったのだ。そして他人の性交というものに興味を持った。
いつにない刺激があるはずだった。
>>162
さるさんで書き込めなくなってね
まあ見ていってくれ 男はカッターナイフをRの写真に突きたてた。スナップ写真だった。
Rは快活な子だったから写真が多いのだ、と男は思った。
画面では女が制服のまま机に覆いかぶさるようにして、先ほどとは違う男の性器を待ち構えていた。
ちょうどこんなふうだった、と男が思った途端に女の顔がRに変わった。
いや、やはり違う、こんなんじゃない。男が心の中でそう叫ぶと顔は元の通りに戻った。
そうあれは商業的な顔じゃなかった。浅はかで愚かであっても愛した人に向けられた顔だった。
不特定多数の人間にではなく、一人の男に。
……Rは男が知らない誰かと性交をしていた。
彼女は制服のブレザーとワイシャツのボタンを外し、胸を露出させ、スカートとショーツは脱がされて床に無造作に置かれていた。
そして男は目撃したのだ。純粋な愛情を動力にして行われた性交と、純粋な愛情が作り上げた表情を。
男は切り取ったRの写真を摘まんで、Rと自分の性交を想像した。
前戯から挿入までは上手くいった。しかしそこから先のRの顔は白くもやがかかった。
違うそうじゃない。……男がそう思えば思うほどRの顔のもや濃くなっていく。
男は先ほどと同じような怒りを感じた。Rは想像の性交でも男を見てはいなかった。愛する誰かを見ていた。
画面の女の喘ぎ声が、あんあんあんと響いた。違う、お前じゃない。お前みたいな淫乱じゃない。
金の亡者め失せろ。お前はRの足元にすら及ばない。
男は切り抜いたRの写真をガラスの灰皿に入れて、ライターで火を付けた。
Rの笑っている写真に火は艶めかしく、なおかつ素早く抱き着き、彼女の体を燃やしていった。
……男はRと見知らぬ誰かとの性交を見続けていた。というより見続けるしかなかった。
事態の異常性に足は歩くという機能を忘れてしまっていた。
見知らぬ男が興奮に任せて何やら喋っている。Rはそれに喘ぎ喘ぎ答えている。
とても楽しそうだ、と男は思った。二人と俺の間に地割れが起きて世界を二つにしてしまったのだ。
いや二つではない。俺は一人で取り残されてしまった。
相手の男の腰が段々早くなっている。射精が近づいているのだ。彼の手がRの胸に伸びる。
Rがどうにか後ろを向いて相手の顔を確認しようとしたその時、監視者の視線とぶつかった。
男はRをじっと見続けた。その表情を自分にも向けるんだ、と男は念じた。
しかしRは断固拒否した。代わりに拒絶と軽蔑の眼差しで男を見つめた。
男はその視線に耐えられずに目を逸らした。Rはすぐにまた前を向き、愛のある性交を続けた。
存在の消失を男は感じた。Rは馬鹿みたいに絶叫し、相手の男もそれに倣った。
はっと男は気が付いた。自分の部屋だ。そして窓辺に走り、素早くカーテンを開けた。
家の灯や店の灯がちらほらとあった。街灯も光を放っている。地面も繋がっているはずなのに、男は激しい孤独を感じた。
そして世界に拒絶されているように感じた。
また画面の男は射精し終えたようだった。女は行為の余韻に顔を呆けさせている。
もう三十秒経てばまた舞台が変わって性交が始まる。愛のない、商業的な性交が。
男の怒りは孤独によって消されてしまった。洗面器に溜まった水はどこかへ流されてしまった。
男は再び白く光る画面の前に座って、自らの性器を握った。
舞台が変わり、今度はどこかの砂浜をカメラが映す。女は緑色の水着を着て出てきた。
「愛」と「金」の二つの単語が男の中を衛星のようにぐるぐると回っていた。
本当に求めているものを手に入れられない苦しさ。
そして代わりを追い求める惨めさを、男は冬の冷気のように肌で感じていた。
怒りはもう感じなかった。洗面器には穴が開いてしまったのだ。
画面の中の男が女の胸を揉みしだいていく。女は商業的な甘い顔をする。
男の頭にRの顔がよぎった。男は痛いほどに強く自らの性器を握り、その幻想を掻き消した。
そして画面の女へ向けて、虚しい行為を再開した。
乙。
だいぶ主人公に人間性ができてきた感じはする。
うん、今までのロボットみたいなやりとりよりずっといいと思う。
ただし、これ内容が完全に回顧録になってしまっているね。
書き味が書き味なだけにダウナーな内容になってしまうのは多少しょうがないと思うけど、
それ以上に内容がパーソナル過ぎる。
物語の技法として、読み手をより深く登場人物と同化させるために回顧録のように見せることはありうるけど、
この場合物語が読み手へと波及せず、完全にこの男の中で完結してしまっている。
例えば、同一人物と会話をするとして、ひたすらにその人の過去について個人的な話をえんえん聞き続けるのか、
その人が過去に行ったことのある土地の環境、風土、文化について聞くのとではどちらのほうが楽しいと思えるか。
前者が回顧録で、後者が冒険譚だ。
六作目はその前者に非常に近いと、少なくとも自分は感じた。
あと、これは自覚があると思うけどまだやっぱり起承転結が上手くできてない感触が残る。
勿論、起承転結をわざと崩したりしてあって、それでいて面白い作品はある。
しかしながらそれは、いわば上級テクニック。最初のうちは基本を重視したほうが絶対にいいから。
次回作に期待。
>>173
「読み手への波及」
これは難しいな
意識してなかったわ意識しても多分できてないと思うし
ちょっとがんばってみるか 見事に消えたね
なぜか書き手と感想つけてた人間と同時に消えたw
そりゃあ、書き手がいなくなったらコメントもできやしない
あの人がいなくなってどれほどの時間が経ったでしょうか。私はどれほど待ったでしょうか。
昔はいちいち数えていましたが、今はもうやめました。わかってはいるのです、あの人はもう来ないと。
そう頭では理解していても、身体はこの場所から離れようとしてくれません。
あの人の思い出がたくさん詰まったこの場所は、私にとって、とても心地の良い場所なのでしょう。
人は絶えず流れています。留まっているのは私ぐらいのものです。
永遠にここに居ようとしても、誰も許してくれません。
羽休み。そう人々は考えているのでしょう。いずれ私もここから、どこか知らない場所へ流れていくと、そう。
待っている間に、様々な人があの人の椅子に座っていきました。
私は何も言えなかったのです。たとえ言ったとして、誰が耳を貸し、その席を空けておいてくれるでしょうか。
誰も私とあの人の物語など興味がないのです。私も、どこかのだれだれさんと、なになにさんの物語などに興味はありません。
みんなそういうものなのです。私が座っているこの場所も、きっと誰かの思い出がたくさん、たくさん詰まっているのでしょう。
私は知らずのうちに誰かの思い出を穢し、誰かに思い出を穢されているのです。
考えると、思い出とは石の上の苔なのだと思います。そして人は流れる水でしょう。
唯一の違いと言えば、現実の苔より、思い出は蒸すのが早いということでしょうか。
その代りに、消え去っていくのも現実の苔より早いでしょう。そして流されているうちに、消え去っていきます。
私がいくら頑張ろうとも、それは一瞬のうちの出来事なのです。
私がここから去り、思い出がなくなれば、あの人と私はなぜ生まれ、出会ったのでしょうか。
考える度に虚しいことだと思いますが、やめることはできません。ただ何も考えずに流されていく人々が羨ましい。
しかし、そうなったらなったで恐ろしいものがあります。
無常とは無情なものです。しかしその一方で誰かの救いでもあります。
物事には常に裏と表があり、私たちは、いつもその片面に喜び、悲しみ、怒っているのです。
何と可笑しいことだとお思いになるでしょう。それでも人々は真剣なのです。
笑うことなど私にはできません。私だけでなく誰にもできません。誰もがみんなそうなのですから。
長い時間待ったら、もういくら待っても同じだと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
流されぬようにしているのは思いの外大変です。あの人が帰ってくるならそれも耐えられましょうが。
正直に言うと疲れました。考えることに、そして待つことに。
あの人も酷なことをします。待つと決めたのは私ですが、待たぬ人がどこにいましょうか。
それでも憎めません。不思議なものと自分でも思います。
昔は愛という言葉を口にする度に、歯が浮くような、何かそわそわとした奇妙な感覚に襲われましたが、今は躊躇わず言えます。これが愛なのだと。
……今思いますと、あの人は私にこれをわからせたかったのでしょうか。だとしたらと考えると、自然に笑みがこぼれます。
愛、とても独りよがりなものです。こんなもの、なければいいのにと思ったこともありました。
それでも、今深い感動を覚えているのは、そういった経験があったからでしょう。
しかしこの愛でさえ、流れの中に消えてしまうのでは、……そう考えるととても恐ろしい。
愛だけはどうか奪わないで。
あの人は、人々の流れに消えてしまったのでしょうか。
あの人は私のことを覚えていないのでしょうか。
だとしたら、今愛を悟った意味はどこにあるのでしょうか。辛い。
あの人のことも、愛も、全て意味がないのだとしたら。……こんな思いをするなら、私は知りたくなかった。
花や鳥に生まれたかった。
私は今まで、人を傷つけてきたでしょう。それと同じほど私も人から傷つけられたのです。
それでも許されないのでしょうか。こんな思いをするほど、私は悪い人なのでしょうか。
存在とは、一体何なのでしょう。そしてその意味とは。ないのだとしたら、何のために生きているのでしょう。
その答えは、人の流れにのまれた時に、初めて分かるのでしょうか。
でも、もし、答えがわからず、そのまま大いなるものの一つになってしまったら。……恐ろしい。消えたくない、消えたくない。
流れが、すぐそこに迫って来ています。
恐ろしく冷たい水、足が浸かり、腰が浸かり、もう流されます。もうおしまいなのです。
それではさようなら。今まで傷つけた人、ごめんなさい。思い出を穢してしまった人、ごめんなさい。
せめて生まれた意味があることを願います。
―終わり―
いつから世界を彷徨っているのか、自分の姿がどうであったか、過去がどうであるのかを忘れてしまうくらいには膨大な時間を漂っている気がする。
考える時間は膨大にあるけれども、考えても考えても思い出せはしないしどうにもならないので考えることはやめたのです。
これから話を進めるにあたって、名前がないとなんだか話しにくい気がするので、
私、僕、俺、どこの国で生きていたか、性別すら思い出せないので男女の名前とか付けるとめんどくさいので
、地球の共通語である英語からアルファベットをお借りしてIとします。なんでIというのかは適当です、ぱっと見で気に入ったからからです。
一人称は私とします。日本語で私は女が主に使いますが、年を取れば男性も使うようになりますし、英語でIは私と訳しますので都合がいいでしょう。
空から地上はとても遠いけれど、とても近い。説明するには言葉が浮かばないので、あんまり言及しないで欲しい。
とりあえず、空、まぁ地上の生きたやつらは天国というところです。
そこから地上は距離的にはとても遠いのですが、私のいる天国から地上まではそこにいるかのように見ることも、上から眺めることもできるのです。
死んだら天国はだといいますが、楽しいったら楽しいのですが、
そら何年もいましたらすることも尽きてきますし、飽きてくるのです。
それで、することが無くなったら死んだ人は下を見るのです。
ここまでが前提です、長くて申し訳ないが、暫くお付き合いいただけると嬉しいです。
下を見ては、昔とは変わったものだと記憶がないけれども思ったり、人の悪事を見たりして悪いやつだと思ったり、
素晴らしいことがあれば涙を流したり、俗にいうテレビを見ている感覚で空から下を眺めているのです。
眺めていて、あー生まれ変わりたい、と思うようになってきたら生まれ変わる人もいます。
生まれ変われない人も生まれ変わりたくない人もいます、だいたい半数が生まれ変わる道を選ぶと思います。
いつも人が死んでは、やってくるので、だれがいつ生まれ変わったなんて把握できません。
私も最近、生まれ変わりたいと思いました。思った理由を誰かに話たい聞いて欲しいと思って、こうやって人の身体を借りて書いております。
身体をお借りした人には申し訳ないですが、眠っている身体をお借りしているので時間を無駄にはしていないと思いますし、
あまり体力も使わないので許して頂きたい。
生まれ変わりたい、と、思ったのは空から見た女の子が切っ掛けでした。
ある日、いつものごとく日まで下を見ることにしたのです。そこにはある少女が映りました。とても美しい女の子だと私は思いました。
見えた場所は日本でした、黒髪で目が大きく細い小さい女の子でした。
おそらく6歳くらいだと思います。まき、と名前を親が呼んでいるを聞いて、名前を知りました。
無いはずの口を動かして、まき、と発音したのを覚えています。勿論、声はまきには聞こえませんし、実際には音になっていません。
私はまきに惹かれました。今まで、何年間も下を眺め、色々な男女の姿を見ていたのですが、これほど女の子に魅了されたのは初めてでした。
もしかしたら、生前の妻、もしくは娘が、まきに似ていたのかもしれません。憶測に過ぎないのですが、
そうでもしないと惹かれる理由が見つからなかったのです。まきを見た日から、私はまきを眺めることが日課となりました。
まきはよく泣き、笑い、怒り、感情豊かな子供でした。友達と喧嘩をしては泣き、仲直りしては笑い、よく遊び、学び、育っていきました。
死んでいる私と違い、まきは生きていてすくすくと成長していきました。小学校中学校でもボーイフレンドはできましたが、
とても私は切なかったです。まきはとても美しいのでボーイフレンドができるのは仕方がない。私は死んでいて身体がないので、
まきに触れることも声をかけることもできないので、仕方がないことでした。それでも私は切なかった。
まきは結局そのボーイフレンドとは別れました。大学生の時にひどい男に騙されて、暫く恋人はいらない、と友達に愚痴っていた時はとても歓喜しました。
別れたにしろ、付き合っているにしろ、幽霊である私にはどうしようもないのだと思うのですが、当時はとても嬉しかったのです。
恋人は要らない、と言っていたまきも数年後また恋人ができました。その恋人が現在まきが結婚している男性です。
とくに秀でているところがあるわけではないですが、身長も容姿も収入も普通の男性よりも少し高い男性だと私は思いました。まきにはもっと釣り合う男性がいると思いました。
しかし、まきは彼と喧嘩はしても別れることはありませんでした。付き合いは始めてから数年後、彼はまきにプロポーズ、そして結婚しました。
この時、私はまきのことを数十年間見てきていましたが、見るのをやめました。この時に見た最後のまきの顔は凄く幸せそうに笑っていました。
生きていた時期を含めて何十年もありますが、そんな幸せそうな顔を私は見たことがなかった、と表現するしかないくらいにまきの顔は幸せそうで
涙で瞳がきらきらと輝いていたのを今でもはっきりと思い出せます。そのくらいに美しく、また、幸せそうな表情をしていました。
この前、久々に彼女を覗いてみようと思いました。彼女はすぐに見つかりました、彼女は美しいのですぐに見つけることが出来ました。
マンションの一室で、彼女は椅子に座りながら編み物をしていました。彼女は美しかったけれども、少し不器用だったので編んでいる途中のものは網目が不揃いで
歪だと失礼ながらも思ってしまった。本人も自覚しているのか、首を傾げながら机に置いてある本とにらめっこしながら一生懸命に編んでいました。
その姿はとても可愛らしく、昔のありし日の幼い彼女の姿を思い出しました。にらめっこしている本に、子供用セーターという文字を見て、
私はまきが妊娠をして結婚相手の男性の子がお腹にいることを知りました。とても寂しく、とても幸せでした。まきを見ない間に、
少しまきに対する気持ちを整理できたのか、まきの妊娠を祝福することができた。
一旦ねるかもしれません。途中ですみません。ここまで良いので評価とか感想とかあったらお願いします。
語尾が統一されていないので読んでて違和感がある。
この世界観は嫌いじゃないので小説サイトでじっくり読みたい。
長靴少女の不思議な冒険
ある冬の日の朝。前日からの雨も上がって、天気は回復に向かっているようだ。
黄色い長袖ブラウスに、緑色のニットのベストに、焦げ茶色の膝下丈スカートに、赤いハイソックス姿の甕川良子は部屋の窓から空を見上げて、大きく背伸びをした。
「うーん、やっと雨が上がったわ。いい天気になりそうね。よし。冒険だ♪」
良子は紺色のピーコートを着て、白いショルダーバッグを担いで、赤い長靴を履いて、家の玄関から外に出た。
時々小さい「キュイキュブキュル・・」という音を混ぜながら、「ポクポク・・」と長靴を鳴らして、良子は冬晴れの雑木林の道を歩く。
「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん。」
どこから声がする。
良子が後ろを向くと、黄土色の壺を持った男の老人がいた。
「お嬢ちゃん、この壺、このメモに書いた所へ持って行ってくれないか?」
「うん、わかったわ。」
男の老人は良子に壺とメモを渡すと、何処に立ち去った。
「坂上さんねぇ。この壺、この人へ持っていくのか。でも持っていくのが大変なので、被っちゃおうかしら。」
良子はメモをショルダーバッグに入れると、ズボッと壺を頭から被った。
『あーあー。声が響くわ♪ダンスしてみたくなったわ♪』
『シャラララー♪シャラララー♪』
『ランラランラン♪ランラランラン♪』
良子は、用事をすっかり忘れて、壺を被ったまま、歌を歌いながら、長靴をカポカポ鳴らしてダンスをしていた。
『いけない!!壺を持って坂上さんに行かなくちゃ!!』
良子は壺を脱ごうとした。が、壺の窪みの所に良子の顎が挟まって抜けない。
『抜けない!!壺を被ったら抜けなくなっちゃったわ!!』
壺を被った良子は、必死に頭から壺を抜こうと、壺を引っ張ったり、壺を抜こうと首を大きく振ったが、抜ける気配は全くない。
『どうにかして壺を抜かないと…。』
良子は、壺を木にぶつけるなどして叩き割ろうとしたが、なぜか容易には割れない。
それもその筈、良子が被っている壺は、割れない壺なのである。
『頭の壺を何とかしないと…。真っ暗で何も見えない。でも坂上さんの家へ行かないと…。』
良子は、手探りしながら、雑木林の道を歩き始めた。
ガコッ!! ガコッ!!
木や電柱に頭をぶつけながら、雑木林の道を抜けると、雑木林の外れにある古い家に着いた。
コンコンコン。
良子は玄関のドアをノックする。
『もしもし!!坂上さんですね!!』
すると、玄関のドアが開いて、男の老人が現れた。
「もしかして、先程雑木林でお会いしたお嬢ちゃんじゃね。」
『あの声、もしかして、雑木林のお爺さんね…。』
「壺を被って取れなくなったんじゃね。」
『はい、壺を被って抜けなくなってしまったんです。壺を叩き割ろうともしたんですが、全然割れないのです…。』
「その壺は、壁にぶつけるなどしても、割れない壺じゃよ。取ってしんぜよう。」
男の老人は、良子の頭の壺を引っ張った。
するとスポンと心地良い音を立てて、良子の頭から壺から抜けた。
「あ、取れた。壺を取ってくださって、ありがとうございます。」
「例には及ばんよ。これが私が依頼した、お嬢ちゃんの任務じゃったからね。いやっ、ご苦労じゃった!!ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!!」
男の老人はそう言うと、壺を持って家の中の入って行った。
「えっ、そんなー…。」
良子はガッカリした表情で、家路についた。
(訂正)
>>203
を削除 数日後、良子は再びあの男の老人に会おうと、グレーのハイネックセーターに、紺色のピーコートに、黒い膝下丈スカートに、ベージュ色のチェック柄マフラーに、
赤いハイソックスに、赤い長靴姿で、白いショルダーバッグを担いで、カポカポと長靴を鳴らしながら、曇り空の雑木林の道を走った。
しかし、雑木林の道を抜けると、雑木林の外れにあった筈の古い家は、後方もなく消えていた。
その代わりに、人の頭が入る程の大きさの、焦げ茶色の壺とメモが置かれていた。
メモにはこう書いてあった。
[甕川良子へ。先般の任務依頼のお礼に、この壺を差し上げよう。何かの役に立つかも知れない割れない壺なので、大切に扱うのじゃよ。爺より。]
「あのお爺さんたら、私が頭に物を被る癖があるのを知ってたのかしら…。」
良子は苦笑いしながらメモを読むと、メモをショルダーバッグに入れて、壺を手に取って、ズボッと壺を頭から被った。
『壺を被ると真っ暗で何も見えないので、気分が落ち着くわ。』
ところが、良子が数回瞬きを行うと、なんと一気に視界が広がり、外の風景が見えるようになった。
『すごいわ!!壺の外の様子が見えるわ。よし。壺を被ったまんまで冒険だ♪』
良子が向かったのは、雑木林の中にある洞穴だった。
『どうも、この洞穴の中が気になるのよ。さっそく洞穴の中を冒険だ♪』
良子はショルダーバッグから懐中電灯を出して、洞穴に入った。
「ポクポク・・」「キュイキュブキュル・・」と長靴が鳴る音が、洞穴の内に響き渡る。
10分ほど歩いた先で、洞穴は行き止まりになっていた。
懐中電灯を充てると、そこには扉があった。
『この扉の先は何だろうか?』
良子は扉を開けて、懐中電灯を照らしながら、扉の中に入っていく。
そこは倉庫のようだった。
『何か宝でもあるのかな?』
良子は、懐中電灯を照らしながら、倉庫の中を丹念に調べた。
するとそこには、かつて各地の遊園地で見られたような汽車があった。
『こんなところに汽車があったなんて…。走るかな?』
良子が汽車に乗った途端、汽車が動き出した。
『凄い!!凄い!!この汽車走ってるわ♪』
良子を乗せた汽車は、やがて何かの乗り物の中に着いた。
すると誰かが声をかける。
「着きましたよ。」
『ここどこ?あなた誰?』
そこには宇宙人がいた。
「はじめまして。私は宇宙人。今は宇宙にいます。」
『宇宙?もしかして、ここは宇宙船?』
「そうです。ここは宇宙船です。あなたが被っている壺を渡したください。」
『わかりました。』
良子は宇宙人の言いなりにになって、脱ぎ辛そうに頭から壺を抜いた。
「そのかわり、あなたにある許可をいただきたいのです。」
「許可?」
「はい。我々は地球の人類を滅亡させ、私達の住処にしたいのです。」
「バッカじゃないの?許可するわけないじゃない!!第一、あなたたちに地球を明け渡すつもりはないわよ!!」
「なら、映像に出しましょうか?」
ブゥゥゥーン。
コクピットのスクリーンに、赤く焼けただれた地球が映し出される。
「見えますか?私たちに従わないと、こうなりますよ。」
「これって、よく考えても、あなたたちが住めそうにないじゃん。」
「人類が滅ばなくても、あなたの人生は終わっているようなもの。もし、許可してくれるなら、あなたを私の星に連れて行ってよいでしょう。」
「その要求は一切受け入れられないわ1!お断わりよ!!」
良子は手に持っていた壺を、再び頭からすっぽり被って、汽車に飛び乗った。
『宇宙船を滅茶苦茶に壊して、脱出するわよ!!』
汽車は猛スピードで走り始めた。
「壺少女が乗った汽車を止めて、壺少女を捕えろ!!」
宇宙人は良子が乗った汽車を止めようと、レーザービームガンを発射するなどした。
だが、汽車は良子の指示に従うかのように、宇宙船の至る所を破壊しながら暴走しているため、もう誰にも止められない。
『汽車さん、もっとやれ!!』
ドーン!! ドーン!!
ドガッ!!ドガッ!!
「このままでは壺少女を止められません!! もう逃げられます!!ウァーッ!!グフッ。」
「壺少女よ、そろそろ宇宙船から脱出じゃよ!!つかまってるのじゃ!!」
『イエス、サー!!』
良子は汽車にしっかりつかまった。
良子を乗せた汽車は、宇宙船のコクピットを突き破って、宇宙船から脱出した。
宇宙船は良子を乗せた汽車に内部をほぼ破壊された挙句、汽車が宇宙船から脱出して間もなく爆発して、粉微塵に砕け散った。
『汽車さん、ありがとう!!地球のみんなが助かったわ!!』
良子は宇宙船が爆発して、粉微塵に砕け散ったのを見届けてから、汽車にお礼をした。
「壺少女よ、例には及ばんわよ。ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!!」
『汽車さん、またぁその決め台詞ですかぁ?フフフ♪』
やがて、良子を乗せた汽車は、雑木林の洞穴の前に着いた。
空は相変わらずの曇り空だが、雲の切れ間から西日が差していた。
「ありがとう、壺少女よ、そなたのお蔭で、宇宙人の地球侵略が阻止されたのじゃ。」
『その声、あの時のお爺さん、いや、坂上さんなの?』
「そうじゃ、坂上じゃ。だがそなたの目の前の汽車が、ワシの本当の姿で、老人は仮の姿だったのじゃよ。」
『ヘェ、凄いわ♪格好良かったわよ♪』
「そうそう、壺少女よ、そなたの名前は甕川良子じゃったな。黒髪のショートヘアが本当の姿じゃっな?。」
『はい、そうです♪名前♪あだ名はヨッピー♪あっ、ヨッピーっと呼んでね♪○○県○○市○○町の、○○小学校6年生の、ラブリーな女の子でーす♪』
「ほう、ヨッピーか、いい名前じゃな。」
『ありがとう♪坂上さん、じゃ、あなたにダンスをお披露目するわ♪』
『シャラララー♪シャラララー♪』
『ランラランラン♪ランラランラン♪』
良子は、壺をすっぽり被った姿のままで、歌を歌いながら、長靴をカポカポ鳴らして、雲の切れ間から差している
西日を浴びながら、汽車の前でダンスを披露した。
「おお、素敵なダンスじゃな、ヨッピー。楽しかった。でも、そろそろ、ワシは次の任務を遂行しなければならない。
それじゃ、これで失礼するぞ。さらばじゃ、ヨッピーよ!!」
『坂上さんもいつまでもお元気で!!ありがとう!!バイバイ!!』
良子は、手を振りながら、汽車が空に飛んでいくのを見届けた。
『さあ、うちに帰らないと。ママとパパが待ってるわ♪』
良子は、壺をすっぽりと被ったままの姿で、楽しそうに「カポッカポッ・・」と長靴を鳴らしてスキップをしながら、家路
についたのだった。
だが、長靴を履いた壺少女に、世界は救われたことを知る人は誰もいない…。
(完)
(訂正)
>>209
× 「その要求は一切受け入れられないわ1!お断わりよ!!」
○ 「その要求は一切受け入れられないわ!!お断わりよ!!」 (訂正)
>>208
× 「そうです。ここは宇宙船です。あなたが被っている壺を渡したください。」
○ 「そうです。ここは宇宙船です。あなたが被っている壺を渡してください。」 見た夢をそのまま文章化したような感じだな
恐ろしく脈絡がない
何だろうこのスレはー小説がなんだって?
↓
ふむ…結局このスレはどういうスレなんだろう
↓
聞いてみようかな…とりあえず一番新しめの奴読んでみよ
↓
(あっやべえ、読解力が足りないせいかもしれないけどよくわからん)
↓
このスレは書いてる人みんな一緒なんですかね
なんかスレのタイトルからしてみんなが順番に
投下できる場所なのかt
違ったらすいません こういうところ初めてなんです…
とりあえずココは板トップも読めない人間が立てた重複スレの一つだ
超音波テロの被害にあっています。
卑劣極まりない被害にあっています。
何が起こったかわからないときから、
わかってみれば、
まだ世の中に知られていない超音波テロ。
世の中のどれだけの音の振動源・発信源が
使用されているのかわからないが、
多数の振動源・発信源がシステム化され、
ネットワークを通して、
超音波・音波を集中させて
対象を攻撃するらしい。
人や社会が襲われ、罪もない人が超音波で襲われ、
卑劣な被害にあっています。
聞こえる声、音。超音波テロの加害者の声。
「もらいました」という声とともに、
形のあるもの、ないもの、奪っていき、壊していく
超音波テロの加害者の声。
超音波による物理的な力で、
ものが飛び、ものが壊れる。
それが人間の体に対してまで。
身体の表面を突き抜け、内臓を攻撃される。
頭蓋骨を突き抜け、意識を失わされる。
聞こえる声、認識できない声で、精神的なダメージ。
人間の体を壊そうとする超音波テロ。
「見続けるのがいやだから、殺して終わる」、
「証拠隠滅だ」という超音波テロの加害者の声とともに
強烈な超音波の攻撃。
叫ばされ、いたぶられ、
超音波テロの卑劣な被害にあっています。
心の底から被害を訴え、祈っています。
天に神に届きますように。
I'm suffering from dirty strong supersonic attacks!! Supersonic terrorisms!!
Help me!!
☆ 日本人の婚姻数と出生数を増やしましょう。そのためには、☆
@ 公的年金と生活保護を段階的に廃止して、満18歳以上の日本人に、
ベーシックインカムの導入は必須です。月額約60000円位ならば、廃止すれば
財源的には可能です。ベーシックインカム、でぜひググってみてください。
A 人工子宮は、既に完成しています。独身でも自分の赤ちゃんが欲しい方々へ。
人工子宮、でぜひググってみてください。日本のために、お願い致します。☆☆
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
DOKN220V8J
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
C8O6A
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
Q6S