サッカーや野球などスポーツファンを楽しませてきた衛星放送やケーブルテレビ、あるはスポーツバーでの観戦。試合の視聴スタイルに新しい波が押し寄せている。
8月26日(日本時間27日)にラスベガスで行われるボクシング元5階級制覇のフロイド・メイウェザーと総合格闘技「UFC」2階級制覇のコナー・マクレガーの異種格闘技戦。日本国内では英スポーツ動画配信サービスの「DAZN(ダ・ゾーン)」がライブで独占放映する。
1976年のアントニオ猪木対モハメド・アリ戦以来の世紀の対戦とも言われる試合。これまで国内で放映権料の高いスポーツの放映を担ってきた衛星放送やケーブルテレビなど既存勢力と、インターネットを通じたストリーミングサービスとの本格的な異種格闘技戦の幕開けでもある。ダ・ゾーンのほか、ソフトバンクが手掛ける「スポナビライブ」が昨年スポーツ専門動画配信サービスを開始。視聴者の囲い込みを目指して高額な放映権料を支払っている。
ダ・ゾーンは富豪レオナルド・ブラバトニク氏が会長を務める投資会社アクセス・インダストリーズ傘下の企業が提供するサービス。テレビやスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機などにインストールしたアプリで動画を視聴することができる。現在、日本のほかドイツ、オーストリア、スイス、カナダでサービスを行っており、格闘技のほかサッカーや野球、モータースポーツなどの動画を配信している。国内では昨年、Jリーグと2017年からの10年間で計2100億円という高額の放映権契約を締結した。
ダ・ゾーンのジェームズ・ラシュトンCEOは都内でのインタビューで「日本における放送業界の在り方はかなり旧態依然としたもので、状況を変えるには新規参入企業が必要になる」と指摘。「既存のサービスは国内のスポーツファンにフェアなディールを提供していない」との考えを示した。
ダ・ゾーンの登場が大打撃となったのは衛星放送サービスを手掛けるスカパーJSATホールディングスの「スカパー!」。同社は放送開始から10年目にこれまで中継していたJリーグの試合中継から撤退を余儀なくされた。放映権を失ったことで、スカパー!の加入者数は約10万件減少した。
スカパーJHの小牧次郎取締役はダ・ゾーンのJリーグ放映権獲得は「ものすごいショック」と語る。年間の売上高が2000億円に届かないスカパーにとって2100億円という破格の条件は、「10年とはいえ、一つのコンテンツにそれだけの額というのはちょっと考えられない」と話した。
またメイウェザー・マクレガー戦については、猪木・アリ戦以来と評価する声もあり「もちろん欲しかった」という。ダ・ゾーンはこの試合の放映権料を開示していないが、国内では月額1890円(税込み)の会員になることで視聴が可能。米国ではケーブルテレビ会社が約100ドルの視聴料金を課金する有料放送としている。
動画配信に反応薄い日本市場
世界でも有数の高速インターネット接続環境とされる日本だが、オンライン動画配信サービスへの移行は遅れている。例えば映画やドラマを配信するネットフリックスが日本でサービスを開始したのはわずか2年前だ。しかしスポーツ系の映像コンテンツとなると、手段は見たいものを提供してくれるサービスにそれぞれ加入するしかなくなる。
松井証券のシニア・マーケットアナリスト窪田朋一郎氏はスカパーJHのような事業者にとっては新規契約者の獲得で厳しい戦いを強いられるとみている。「急激に契約者数が減少することはないと思うが、利益が減れば株価も下落する」とし「スカパーにとっては厳しい」と述べた。東証株価指数(TOPIX)が同期に4.9%上昇しているのに対し、同社の株価は年初から8.4%下落した。
スカパーJHの小牧取締役は、失った放映権を買い戻す可能性もある中で、今後の対策としてオリジナルコンテンツの作成やメジャーではないスポーツの育成などを手掛けたい意向を示した。「有料多チャンネル事業は本業。本業はなかなかやめない。100年やるつもりでやっている」と話した。
ダ・ゾーンに残された課題も大きい。今年2月のJリーグ開幕の週末には、配信する映像が止まるなど視聴できないトラブルが続発してファンからのクレームが殺到、同社が謝罪する事態となった。ダ・ゾーンのラシュトンCEOは「われわれにとってもよい勉強の機会となり、もう二度と起こしてはいけないトラブルとして受け止めている」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-24/OV4PGZ6K50Y001
前スレ
http://hayabusa9.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1503650819/
8月26日(日本時間27日)にラスベガスで行われるボクシング元5階級制覇のフロイド・メイウェザーと総合格闘技「UFC」2階級制覇のコナー・マクレガーの異種格闘技戦。日本国内では英スポーツ動画配信サービスの「DAZN(ダ・ゾーン)」がライブで独占放映する。
1976年のアントニオ猪木対モハメド・アリ戦以来の世紀の対戦とも言われる試合。これまで国内で放映権料の高いスポーツの放映を担ってきた衛星放送やケーブルテレビなど既存勢力と、インターネットを通じたストリーミングサービスとの本格的な異種格闘技戦の幕開けでもある。ダ・ゾーンのほか、ソフトバンクが手掛ける「スポナビライブ」が昨年スポーツ専門動画配信サービスを開始。視聴者の囲い込みを目指して高額な放映権料を支払っている。
ダ・ゾーンは富豪レオナルド・ブラバトニク氏が会長を務める投資会社アクセス・インダストリーズ傘下の企業が提供するサービス。テレビやスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機などにインストールしたアプリで動画を視聴することができる。現在、日本のほかドイツ、オーストリア、スイス、カナダでサービスを行っており、格闘技のほかサッカーや野球、モータースポーツなどの動画を配信している。国内では昨年、Jリーグと2017年からの10年間で計2100億円という高額の放映権契約を締結した。
ダ・ゾーンのジェームズ・ラシュトンCEOは都内でのインタビューで「日本における放送業界の在り方はかなり旧態依然としたもので、状況を変えるには新規参入企業が必要になる」と指摘。「既存のサービスは国内のスポーツファンにフェアなディールを提供していない」との考えを示した。
ダ・ゾーンの登場が大打撃となったのは衛星放送サービスを手掛けるスカパーJSATホールディングスの「スカパー!」。同社は放送開始から10年目にこれまで中継していたJリーグの試合中継から撤退を余儀なくされた。放映権を失ったことで、スカパー!の加入者数は約10万件減少した。
スカパーJHの小牧次郎取締役はダ・ゾーンのJリーグ放映権獲得は「ものすごいショック」と語る。年間の売上高が2000億円に届かないスカパーにとって2100億円という破格の条件は、「10年とはいえ、一つのコンテンツにそれだけの額というのはちょっと考えられない」と話した。
またメイウェザー・マクレガー戦については、猪木・アリ戦以来と評価する声もあり「もちろん欲しかった」という。ダ・ゾーンはこの試合の放映権料を開示していないが、国内では月額1890円(税込み)の会員になることで視聴が可能。米国ではケーブルテレビ会社が約100ドルの視聴料金を課金する有料放送としている。
動画配信に反応薄い日本市場
世界でも有数の高速インターネット接続環境とされる日本だが、オンライン動画配信サービスへの移行は遅れている。例えば映画やドラマを配信するネットフリックスが日本でサービスを開始したのはわずか2年前だ。しかしスポーツ系の映像コンテンツとなると、手段は見たいものを提供してくれるサービスにそれぞれ加入するしかなくなる。
松井証券のシニア・マーケットアナリスト窪田朋一郎氏はスカパーJHのような事業者にとっては新規契約者の獲得で厳しい戦いを強いられるとみている。「急激に契約者数が減少することはないと思うが、利益が減れば株価も下落する」とし「スカパーにとっては厳しい」と述べた。東証株価指数(TOPIX)が同期に4.9%上昇しているのに対し、同社の株価は年初から8.4%下落した。
スカパーJHの小牧取締役は、失った放映権を買い戻す可能性もある中で、今後の対策としてオリジナルコンテンツの作成やメジャーではないスポーツの育成などを手掛けたい意向を示した。「有料多チャンネル事業は本業。本業はなかなかやめない。100年やるつもりでやっている」と話した。
ダ・ゾーンに残された課題も大きい。今年2月のJリーグ開幕の週末には、配信する映像が止まるなど視聴できないトラブルが続発してファンからのクレームが殺到、同社が謝罪する事態となった。ダ・ゾーンのラシュトンCEOは「われわれにとってもよい勉強の機会となり、もう二度と起こしてはいけないトラブルとして受け止めている」と話した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-08-24/OV4PGZ6K50Y001
前スレ
http://hayabusa9.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1503650819/