◇W杯アジア最終予選B組 日本―オーストラリア(2017年8月31日 埼玉)
日本代表は31日、埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦する。勝てば6大会連続の本大会出場が決まる大一番で、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が先発布陣を大シャッフルする大博打(ばくち)に打って出る。インサイドハーフにはMF井手口陽介(21=G大阪)、MF山口蛍(26=C大阪)を併用。前線にはFW浅野拓磨(22=シュツットガルト)とFW乾貴士(29=エイバル)を起用する見込み。W杯予選のホームゲームで初めて4―1―4―1システムを採用するなど、勝負手を放つ。
公式会見を終えたハリルホジッチ監督は、席を立つと手を叩いて声を張り上げた。「アレ、ニッポン(行け、日本)!」。会見場を出る際には詰めかけた約150人の報道陣を振り返り「“アレ、ニッポン”と書いておいてください。メディアの皆さんもサポーターになってください」と頭を下げた。11〜14年に指揮したアルジェリア代表監督時代には何度もメディアと衝突。来日前はマスコミ嫌いで知られただけに、異例の要請だった。
勝てば6大会連続W杯出場が決まる大一番。冒頭15分を除き非公開で行われた前日練習で、指揮官は4―1―4―1の布陣をテストしたもようだ。過去のW杯予選では3月23日のUAE戦(アルアイン)で採用したが、ホームでは一度も試していない。激しいプレスで中盤でボールを奪い、速攻から好機を生み出す狙いがある。
強度の高い動きが求められるため、故障明けの本田、香川は先発落ちが濃厚。インサイドハーフにはボール奪取力が高い井手口、山口が配置される見通しだ。29日の練習では攻撃センスのある柴崎を中盤でテストしたが、守備重視の布陣にシフト。前線にはスピードが武器の浅野、乾を配置するなど、6月13日のイラク戦から先発4人を変更する可能性が高い。
ハリルホジッチ監督は6月のコンフェデ杯を直接視察。2カ月以上前からオーストラリアの分析に着手しており「自分のチームのように把握している」と豪語した。ロングボールを多用するサッカーからボール保持率を上げるスタイルに移行した宿敵の長所を消す戦術で勝機を見いだす。
29日の試合で2位サウジアラビアがUAEに敗れたことは追い風だが、指揮官はミーティングで「サウジアラビアの結果は気にするな」と選手に伝えた。結果次第で解任の可能性もあるが「我々とオーストラリアにとってポジティブと捉えられるかもしれないが、我々の決意は変わらない。必要としているのは11人の戦士、侍です。勝利を求めて戦う。失敗は許されない」と力を込めた。勝てば天国、負ければ地獄。大胆采配で運命の一戦に臨む。
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