中日・森繁和監督(63)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。今月下旬に入団テストを受ける松坂大輔投手(37)=前ソフトバンク=について持論を展開。
昨季はともに下位に沈んだ巨人にも“共闘”を呼びかけ、近未来の竜再建に向けたビジョンも披露した。(取材・構成 田中 昌宏)
松坂がルーキーイヤーの1999年、森監督は西武の2軍投手コーチだった。平成の怪物は高卒1年目から3年連続最多勝に輝くなど日米通算164勝を挙げた。だが、
昨季まで3年間在籍したソフトバンクでは右肩の不調もあり未勝利。それでも旧知の指揮官は「入団テスト」というチャンスを与えた。
「そういう(どん底からはい上がろうとする)ヤツが男として好きなんだ。前にもいただろ(07年に育成選手として獲得した中村紀洋のこと)。投げられるんであればだが、
ウチだったらチャンスはある。ずっと出ろって言ってる訳じゃない。10日に1回投げて(登録と抹消を繰り返して)1勝でも2勝でもしてくれればいい。お客さんを100人でも
200人でも呼んでくれるかも分からない」
一方で、やはりダメだった…という可能性もある。Rソックスでは6年総額5200万ドル(当時のレートで約62億円)など、高年俸を得ていたプライドもネックになるのではないか。
「きれいに『辞めようや』と(勧告して)引退試合をつくってもいい。あれだけ『松坂世代』と騒がれ、みんなが憧れたスーパースター。(西武OBとして)メジャーに行こうが
ソフトバンクに行こうがOKだったんだが、最後は引退試合をしてやった方がいいんじゃないか。(年俸は)あれだけ稼いだんだから、いまさらカネじゃないだろ。一応、
契約書は作るが、(極端に例えれば)ゼロか、それともマイナス1000万か。純粋に野球がやりたいんであれば、あとは本人が決めることだ」
昨季は中日が球団ワーストを更新する5年連続Bクラスの5位。宿敵・巨人も4位に終わった。常に優勝争いを演じてきた2球団がともにBクラスだったのは1997年
(中日6位、巨人4位)以来、20年ぶりの“事件”だった。
「ジャイアンツがそういうところ(Aクラス)にいなくなったことがおかしいだろ。やってて面白くないし、由伸(監督)になって、たまたまそうなったのも同じ千葉県出身として
寂しい。立場は同じ。『監督が悪い』で終わりだよ。それを何とかしなくちゃ。巨人戦はお客さんが入るのが普通だったが、そうじゃなくなった(7月18日に観衆2万人割れの
1万9953人)のも寂しい。巨人戦はいつでもいっぱいになってくれないと」
複数年契約結ばず生え抜き首脳陣に 監督として2年目。一昨年秋の就任会見で「私はつなぎの監督」と表明した。低迷期の中、わざわざ火中のクリを拾ったように映った。
「そんなカッコいいもんじゃないよ。(最下位の一昨年はシーズン途中から)代行をやらされて、そこで普通は終わりだよ。自分が責任を取って(ユニホームを)脱ぐつもりでいた。
娘の名前を出したかないが、(長女・麗華さん=昨年8月に逝去=が当時は乳がんで闘病中だったが)『引き受けたらいいじゃない』と言ってくれた。投手の連中からも『やってくださいよ』
という声を聞いた。だったら、次の人のために俺が犠牲になってもいいだろうと。つなぎでいいですよと。(複数年契約とアナウンスされているが)一度も複数年契約なんか結んでません」
単年契約の積み重ねでチーム再建へ。まずは、名古屋という土地柄に則した戦略が必要になる。
「戦力を整えるのも仕事だし、選手を育てるのも必要。でも何年後を見据えている人がいなきゃ、立て直しは絶対無理だ。十何年と名古屋にいて分かったが、ここの人たちは
東の東京を見て、西の大阪も見る。名古屋、愛知っていうものを、もう少し大事にしていかないと」
スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180103-00000279-sph-base
昨季はともに下位に沈んだ巨人にも“共闘”を呼びかけ、近未来の竜再建に向けたビジョンも披露した。(取材・構成 田中 昌宏)
松坂がルーキーイヤーの1999年、森監督は西武の2軍投手コーチだった。平成の怪物は高卒1年目から3年連続最多勝に輝くなど日米通算164勝を挙げた。だが、
昨季まで3年間在籍したソフトバンクでは右肩の不調もあり未勝利。それでも旧知の指揮官は「入団テスト」というチャンスを与えた。
「そういう(どん底からはい上がろうとする)ヤツが男として好きなんだ。前にもいただろ(07年に育成選手として獲得した中村紀洋のこと)。投げられるんであればだが、
ウチだったらチャンスはある。ずっと出ろって言ってる訳じゃない。10日に1回投げて(登録と抹消を繰り返して)1勝でも2勝でもしてくれればいい。お客さんを100人でも
200人でも呼んでくれるかも分からない」
一方で、やはりダメだった…という可能性もある。Rソックスでは6年総額5200万ドル(当時のレートで約62億円)など、高年俸を得ていたプライドもネックになるのではないか。
「きれいに『辞めようや』と(勧告して)引退試合をつくってもいい。あれだけ『松坂世代』と騒がれ、みんなが憧れたスーパースター。(西武OBとして)メジャーに行こうが
ソフトバンクに行こうがOKだったんだが、最後は引退試合をしてやった方がいいんじゃないか。(年俸は)あれだけ稼いだんだから、いまさらカネじゃないだろ。一応、
契約書は作るが、(極端に例えれば)ゼロか、それともマイナス1000万か。純粋に野球がやりたいんであれば、あとは本人が決めることだ」
昨季は中日が球団ワーストを更新する5年連続Bクラスの5位。宿敵・巨人も4位に終わった。常に優勝争いを演じてきた2球団がともにBクラスだったのは1997年
(中日6位、巨人4位)以来、20年ぶりの“事件”だった。
「ジャイアンツがそういうところ(Aクラス)にいなくなったことがおかしいだろ。やってて面白くないし、由伸(監督)になって、たまたまそうなったのも同じ千葉県出身として
寂しい。立場は同じ。『監督が悪い』で終わりだよ。それを何とかしなくちゃ。巨人戦はお客さんが入るのが普通だったが、そうじゃなくなった(7月18日に観衆2万人割れの
1万9953人)のも寂しい。巨人戦はいつでもいっぱいになってくれないと」
複数年契約結ばず生え抜き首脳陣に 監督として2年目。一昨年秋の就任会見で「私はつなぎの監督」と表明した。低迷期の中、わざわざ火中のクリを拾ったように映った。
「そんなカッコいいもんじゃないよ。(最下位の一昨年はシーズン途中から)代行をやらされて、そこで普通は終わりだよ。自分が責任を取って(ユニホームを)脱ぐつもりでいた。
娘の名前を出したかないが、(長女・麗華さん=昨年8月に逝去=が当時は乳がんで闘病中だったが)『引き受けたらいいじゃない』と言ってくれた。投手の連中からも『やってくださいよ』
という声を聞いた。だったら、次の人のために俺が犠牲になってもいいだろうと。つなぎでいいですよと。(複数年契約とアナウンスされているが)一度も複数年契約なんか結んでません」
単年契約の積み重ねでチーム再建へ。まずは、名古屋という土地柄に則した戦略が必要になる。
「戦力を整えるのも仕事だし、選手を育てるのも必要。でも何年後を見据えている人がいなきゃ、立て直しは絶対無理だ。十何年と名古屋にいて分かったが、ここの人たちは
東の東京を見て、西の大阪も見る。名古屋、愛知っていうものを、もう少し大事にしていかないと」
スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180103-00000279-sph-base