3/26(月) 8:00配信
◇脚本家・北川悦吏子氏インタビュー(中)
フジテレビ「素顔のままで」「ロングバケーション」「空から降る一億の星」やTBS「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など数々の名作を生み“ラブストーリーの神様”と呼ばれるヒットメーカー・北川悦吏子氏(56)がNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(4月2日スタート、月〜土曜前8・00)を担当。初の朝ドラ脚本に挑む。フジとTBSの連ドラに加え、もう1つの代表作「世にも奇妙な物語」の一編「ズンドコベロンチョ」など「すべてのノウハウが全部積み重なって『半分、青い。』の第1週になったのかなと、興奮しました」とキャリアを振り返りながら語り、自身の集大成と位置付ける作品。朝ドラの15分は好きに書きながら「どう見せ切るか」というクリエイターとして刺激的な作業だと“執筆秘話”を明かした。ヒロインの幼なじみを演じる俳優の佐藤健(29)は「もう北川さんの代表作は『ロンバケ』とは言わせませんよ」。キャストの熱演も加わり、新たな代表作が生まれる予感が漂っている。
女優の永野芽郁(18)がヒロインを務める朝ドラ通算98作目。岐阜県と東京を舞台に、病気で左耳を失聴した楡野鈴愛(にれの・すずめ)が高度経済成長期の終わりから現代を七転び八起きで駆け抜け、一大発明を成し遂げる姿を描く。
北川氏のオリジナル脚本。難病の「炎症性腸疾患」を患い、大腸全摘出後、聴神経腫瘍により左耳を失聴したことを、2015年5月に週刊誌で告白。今作のテーマを問われると「ずっと同じことを書いているような気もするんですが、やっぱり生きる力、みたいなことを伝えたい。どんなことが起こっても、それでも生きていきようはあるよ、人間って強いよということを知らせたい。というか、そうじゃない?と問い掛けたいということですかね」と自身の体験を基に語った。
執筆への心構えは「好きなように書いています。朝ドラは普通、あまり好きなようには書かせてもらえないのかな、という気はしていますが、そこを堰き止められると、本が狭く、小さく、おもしろくなくなって、誰が書いても一緒になっていくので、そこは自分でも死守したいと思っています」。とはいえ、15分×156話の長丁場は初体験。「たいていの人がおかしくなるんじゃないかなというぐらいの仕事量なんですが、私は全然1週ごとに区切っていないんですね。予定調和でつまらなくなるんじゃないかという懸念があって、もうちょっと勢いに任せて、その瞬間瞬間の判断を大事に書いています。四六時中緊張状態です」と明かした。
朝ドラの15分の難しさは?と聞くと「民放の連ドラの1時間とは全然違うノウハウなんですよ。まず本を書く前に、今までの朝ドラをいっぱい読んだり見たりして自分なりに分析から始めたんですが、どう分析して、どうアプローチしたらいいのか、その時が精神的には一番怖かったと思います。自分で書き出してからですかね、初めて自転車に乗るのと同じですね、とにかく乗ってみるのが一番よくて。やってみるうちに『あ、こういう手があるのか』と、どんどん手数が増えていくんですよ。朝ドラって、15分をどう見せ切るか?それに尽きるわけで。そして、明日へとつないでいく。長いロープと短いロープ。どう編むか。ギリギリまで頭を使います。ここまで自分を試したことがあるかって感じです。苦しいですが、クリエイターとして最高の体験をさせていただいています」と新鮮な様子。
そして、話は自身のキャリアに及ぶ。これが実に興味深い。
北川氏の代表作は「素顔のままで」「あすなろ白書」「ロングバケーション」など軽やかな会話劇を軸にしたフジテレビの明るくポップなドラマ、「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など障害を題材にしたTBSのシックなドラマに二分されるが、もう1つの原点がフジ「世にも奇妙な物語」の一編「ズンドコベロンチョ」(1991年)。己の博識に絶対の自信を持つエリートサラリーマン・三上修二(草刈正雄)が「ズンドコベロンチョ」なる謎の言葉に翻弄される姿を描き、15年11月にはリメークもされた傑作。当時大きな反響を呼び、北川氏が注目されるきっかけになった。
「『ズンドコベロンチョ』は何かと言うと、全くのアイデア勝負なんですよ。アイデア勝負で、そしてオチまで見せ切る。『世にも奇妙な物語』はたくさん企画を出して、たくさん通していました。
続きはこちらで↓
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180326-00000073-spnannex-ent
◇脚本家・北川悦吏子氏インタビュー(中)
フジテレビ「素顔のままで」「ロングバケーション」「空から降る一億の星」やTBS「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など数々の名作を生み“ラブストーリーの神様”と呼ばれるヒットメーカー・北川悦吏子氏(56)がNHK連続テレビ小説「半分、青い。」(4月2日スタート、月〜土曜前8・00)を担当。初の朝ドラ脚本に挑む。フジとTBSの連ドラに加え、もう1つの代表作「世にも奇妙な物語」の一編「ズンドコベロンチョ」など「すべてのノウハウが全部積み重なって『半分、青い。』の第1週になったのかなと、興奮しました」とキャリアを振り返りながら語り、自身の集大成と位置付ける作品。朝ドラの15分は好きに書きながら「どう見せ切るか」というクリエイターとして刺激的な作業だと“執筆秘話”を明かした。ヒロインの幼なじみを演じる俳優の佐藤健(29)は「もう北川さんの代表作は『ロンバケ』とは言わせませんよ」。キャストの熱演も加わり、新たな代表作が生まれる予感が漂っている。
女優の永野芽郁(18)がヒロインを務める朝ドラ通算98作目。岐阜県と東京を舞台に、病気で左耳を失聴した楡野鈴愛(にれの・すずめ)が高度経済成長期の終わりから現代を七転び八起きで駆け抜け、一大発明を成し遂げる姿を描く。
北川氏のオリジナル脚本。難病の「炎症性腸疾患」を患い、大腸全摘出後、聴神経腫瘍により左耳を失聴したことを、2015年5月に週刊誌で告白。今作のテーマを問われると「ずっと同じことを書いているような気もするんですが、やっぱり生きる力、みたいなことを伝えたい。どんなことが起こっても、それでも生きていきようはあるよ、人間って強いよということを知らせたい。というか、そうじゃない?と問い掛けたいということですかね」と自身の体験を基に語った。
執筆への心構えは「好きなように書いています。朝ドラは普通、あまり好きなようには書かせてもらえないのかな、という気はしていますが、そこを堰き止められると、本が狭く、小さく、おもしろくなくなって、誰が書いても一緒になっていくので、そこは自分でも死守したいと思っています」。とはいえ、15分×156話の長丁場は初体験。「たいていの人がおかしくなるんじゃないかなというぐらいの仕事量なんですが、私は全然1週ごとに区切っていないんですね。予定調和でつまらなくなるんじゃないかという懸念があって、もうちょっと勢いに任せて、その瞬間瞬間の判断を大事に書いています。四六時中緊張状態です」と明かした。
朝ドラの15分の難しさは?と聞くと「民放の連ドラの1時間とは全然違うノウハウなんですよ。まず本を書く前に、今までの朝ドラをいっぱい読んだり見たりして自分なりに分析から始めたんですが、どう分析して、どうアプローチしたらいいのか、その時が精神的には一番怖かったと思います。自分で書き出してからですかね、初めて自転車に乗るのと同じですね、とにかく乗ってみるのが一番よくて。やってみるうちに『あ、こういう手があるのか』と、どんどん手数が増えていくんですよ。朝ドラって、15分をどう見せ切るか?それに尽きるわけで。そして、明日へとつないでいく。長いロープと短いロープ。どう編むか。ギリギリまで頭を使います。ここまで自分を試したことがあるかって感じです。苦しいですが、クリエイターとして最高の体験をさせていただいています」と新鮮な様子。
そして、話は自身のキャリアに及ぶ。これが実に興味深い。
北川氏の代表作は「素顔のままで」「あすなろ白書」「ロングバケーション」など軽やかな会話劇を軸にしたフジテレビの明るくポップなドラマ、「愛していると言ってくれ」「ビューティフルライフ」「オレンジデイズ」など障害を題材にしたTBSのシックなドラマに二分されるが、もう1つの原点がフジ「世にも奇妙な物語」の一編「ズンドコベロンチョ」(1991年)。己の博識に絶対の自信を持つエリートサラリーマン・三上修二(草刈正雄)が「ズンドコベロンチョ」なる謎の言葉に翻弄される姿を描き、15年11月にはリメークもされた傑作。当時大きな反響を呼び、北川氏が注目されるきっかけになった。
「『ズンドコベロンチョ』は何かと言うと、全くのアイデア勝負なんですよ。アイデア勝負で、そしてオチまで見せ切る。『世にも奇妙な物語』はたくさん企画を出して、たくさん通していました。
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