***前略***
「クライアントに見せながら、『いま、誰が来ている』『次は誰が来ますよ』などとプッシュするわけです。二世タレントの場合、まったくの新人タレントと違って、子どものころからテレビに出ていたりするので、クライアントの認知度が高い。仮に知らなかったとしても、親の名前を出せばピンとくる。説明が楽なうえに、トークが盛り上がるんです」(大手広告代理店キャスティング部A氏)
では、A氏が提供してくれた「二世タレントの実力ランキング」の中身を見てみよう。なお、ランキングは本人の「知名度」、「親のパワー」、「安定感」、「伸びしろ」の4つを点数化し、総合点の高い順に並べたもの。なお、同点の場合はCMギャラ(年間契約料の相場)の高低で順位づけをしている。
堂々の首位に立ったのは小泉純一郎元首相の長男、小泉孝太郎(40)。
「説明不要の知名度、そして元総理の御曹司という育ちの良さ。老若男女問わず、幅広い支持を集めています。演技力も評価が高い」(前出・A氏)
再ブレイク中の一茂は2位につけた。
「リストを見て、ブームの一因に気づいた」と言うのは中堅放送作家だ。
「ギャラを下げていますね。以前ならゴールデン番組1本あたり3ケタだったはずが75万円になっている。実は一茂のコメントの面白さは、深夜の格闘技番組『SRS』などですでに発揮されていました。
ところが、ギャラの高さがネックとなって、出演番組が限られていたのです。ギャラの見直しによって、露出が急増。忖度知らずのド天然コメントの面白さが世間の知るところとなった。それがまた新たな需要を呼んだのでしょう」
A氏によれば一茂の潜在視聴率(タレント単体で獲得できると見込まれる視聴率)は驚異の3.85%。コスパの良さでしばらくブームは続くだろう。
二世タレントを使う最大のメリットは知名度。とくにテレビ業界では「デメリットはなかなか見当たらない」と先の民放編成担当は言う。
「親のファンなら、子にも期待するし、好感度も引き継がれる。テレビ局がターゲットとしている高年齢層と若年層を取り込めるのです。そして、実はプロデューサーにもメリットがある。例えば、IMALUさんを使うことで、明石家さんまさんに会ったときに、『先日、IMALUさんに番組に出てもらいまして……』と恩を売ることができるんです」
3位は「父は歌舞伎役者・松本幸四郎、兄は市川染五郎」という強力な七光りが話題となった松たか子(41)。
基本的に世襲で、子役時代からファンの視線にさらされる歌舞伎一家の子は究極の二世タレントと言っていいだろう。なかでも抜群の知名度を誇る市川海老蔵(40)が松の後塵を拝している理由は彼の人柄にある。
キー局ディレクターが嘆く。
「海老蔵は収録が少し長引いただけで急に帰ると言い出すんです。実際、プロデューサーが土下座している横を通り過ぎて帰っていく場面を目撃して声を失いましたよ。しかも、その後に彼のブログを見たら『競馬なう。』って。この人とは二度と仕事しないと誓いました」
お笑い芸人『ますだおかだ』岡田圭右(けいすけ)の長女、岡田結実(ゆい)(18)はブレイクに際して、両親が離婚するというスキャンダルに見舞われたが9位と健闘。
制作会社ディレクターは「彼女のポテンシャルが被害を最小限にした」と見ている。
「父の『芸能界で本気でやりたいと思うなら、安易に親の名前を出すな』という方針にのっとり、当初は親の名前を伏せていたんです。ところが事務所を移籍するタイミングで、出たがりの母親が岡田の娘押しを勝手に解禁。
バラエティ番組に出まくった。父は激怒し、両親は離婚することになった。ただ、彼女自身はとてもスタッフ受けが良く、人気がある」
親の存在抜きでも起用したい。制作側にそう思わせる異色の二世タレントが11位の安藤サクラ(32)だ。
「デビューは父・奥田瑛二の監督作品ながら、注目を集めたきっかけは園子温監督作品『愛のむきだし』でした。彼女自身の演技力が高く評価されてのブレイクです。10月スタートのNHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』でさらに知名度を上げるでしょう」(前出・放送作家)
前出・民放編成担当もサクラ派だ。
「実は行きつけの居酒屋が一緒なんですが、店が本気でサクラのことを応援しているんですよ。で、サクラ自身もフラッと店に顔を出して普通に飲んでいく。気さくで、『応援したい』と思わせる魅力が彼女自身にはある」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181002-00010002-friday-ent
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