巨人の村田修一ファーム打撃コーチ(37)が、広島から巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(29)に7年前の自身の境遇を重ね合わせ、実践的な助言を送った。
前日の入団会見から一夜明けた12日、丸は川崎市のジャイアンツ球場を訪問。移籍交渉の席でも真っ先にトレーニング環境を尋ねた“練習の虫”は、
施設見学を終えて「心置きなく練習できる環境。早くここで動きたい」と目を輝かせた。
見学中には最年長の阿部、同い年の小林ら新しいチームメートに挨拶。さらに、今後頼りにするべき貴重な先達と握手を交わした。横浜(現DeNA)から
2011年オフにFAで巨人にやってきた村田コーチだ。
球界を代表する強打者として同僚やファンの信望を集めながら、FAで同一リーグのライバル球団へ移籍。自身のキャリアと重なる丸に「わからないことがあったら
何でも聞いてくれ」と声をかけた村田コーチ。「巨人はよそ者に優しいチーム」と声を大にする。
伝統球団の巨人は独特の規律が多く、堅苦しいイメージもあるが、「外から見た感じと違った。もっとガチッとしてるのかなと思ったが、選手たちは
柔らかい。そんなに構えている感じはなかった」。
その理由は“寄せ集め軍団”ならでは。「移籍してくる選手が多い分、それに慣れている選手もたくさんいる。(丸も)上手に溶け込んでくれると思う。
僕も上手に輪をつくってもらった」と請け合った。
自身の経験を振り返ると、移籍1年目の春季キャンプ開始前の3日間が、極めて重要な意味を持っていたという。巨人は1軍メンバーの大半がキャンプ地に先乗りし、
選手だけで合同自主トレを行うのが恒例。「自主トレ中に歓迎会をしてもらったり、助走をつけられたのは大きかった。よーいドンでキャンプインから
ユニホームを着てやるよりも、わけわからない話をしながら3日間くらいジャージーで練習して、徐々に慣れていきながらスタートというのはいい」
そして新しいシーズンが開幕すれば、同じリーグの古巣球団との対戦が続く。しかも丸は来季開幕戦が敵地での広島戦。「それはもう、意識せざるを得ない。
僕も意識した。(古巣ファンから)ブーイングももらうと思うが、そこは腹をくくってここに来ているわけだし、将来いい選択だったといえるように
頑張ってほしい」
新天地でも同僚らに愛され、外様では巨人初の選手会長まで任された“男村田”の言葉には、説得力と懐の広い優しさに満ちている。(笹森倫)
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