準優勝で終わったAFCアジアカップUAE大会。決勝・カタール戦では日本代表史上初の「スタメン全員海外組」という出来事があった。メンバー23人の中で国内組は7人。彼らは現在クラブに戻り2月22日の明治安田生命J1リーグ開幕に備えている。
選手たちの国際経験が森保ジャパンの力
「多くの選手が欧州でプレーするようになり、その精神的成長はプラスだと考えている」
キャプテン・吉田麻也(サウサンプトン)はそう強調した。豊富な国際経験が森保ジャパンの大きな力になっているのは紛れもない事実だ。
1月9日のグループステージ初戦・トルクメニスタン戦から2月1日の決勝・カタール戦まで計7試合。海外組が主となる傍らで、国内組はベンチを温める機会が多かった。
その中で5試合に出場した22歳のFW北川航也(清水エスパルス)は時間を追うごとに力を発揮するようになり、準決勝・イラン戦で73分からピッチに立った室屋成(FC東京)もクローザーとして的確な働きを見せた。
決勝トーナメント進出を決め、先発メンバーが大幅入れ替えとなったGS第3節・ウズベキスタン戦では7名のJリーグ組が躍動。
この試合には、大会後海外移籍が決まった伊東純也(柏レイソル→ゲンク)も先発に名を連ね、グループ1位通過に貢献している。
結果として、腰の負傷で出番に恵まれなかった東口順昭(ガンバ大阪)を除く国内組全員が戦力としてピッチに立ち、持てる力を注いだからこそ日本は頂点にあと一歩まで迫ることができたとも言える。
海外組ももともとはJリーグで育ってきた。日本代表はやはりJに支えられているのだ。そこであらためて今大会の国内組を個々に振り返ってみたい。
「サコくんのように…」。大きな刺激を受けて
■FW北川航也(清水エスパルス)5試合出場
初戦は交代出場。その後、絶対的1トップ・大迫勇也(ブレーメン)の右でん部負傷の影響もあり、第2節・オマーン戦、第3節・ウズベキスタン戦、準々決勝・ベトナム戦と3試合も先発に名を連ねた。それは森保監督の「大きく成長してほしい」という期待に他ならなかった。
当初は重圧からか動きが硬かったが、「若手が伸び伸びプレーできないのはベテランの責任」という長友らのサポートを受けて、次第にスムーズにプレーできるようになった。ゴール前への侵入回数や決定機の数も目に見えて増えてきた。
が、残念ながらノーゴールでUAEを去ることになった。準決勝・イラン戦からスタメン復帰した大迫のプレーを見て「自分がこの先、ストライカーとして大きくなるためには、サコくんのようにボールを収めたり時間を作る仕事が必要」だとしみじみ語っている。
その課題に取り組む場所はJリーグしかない。
槙野はチームに一体感をもたらす
■DF槙野智章(浦和レッズ)アジアカップ出場2試合
初戦・トルクメニスタン戦に先発出場したが、冨安健洋(シント=トロイデン)の急成長によってベンチに回った。ウズベキスタン戦ではスピード対応のミスから失点を招いている。2試合出場にとどまった本大会ではあるが、
長友佑都(ガラタサライ)や乾貴士(アラべス)らとともに、つねに声を出してチームを盛り上げ、明るい雰囲気を作っていた。槙野がいたからこそチームは強固な一体感を持てたと言っても過言ではない。
代表では、冨安のみならず、欧州組の昌子源(トゥールーズ)や植田直通(セルクル=ブルージュ)らもいるだけに競争は厳しいが、ベテランの意地を浦和で示すしかない。
A代表としての経験は自信になる
■GKシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台) アジアカップ1試合出場
「活躍すればヒーローだし、変なことをしたら叩かれる。それだけ注目される大会」と12月の国内合宿時に語っていたシュミット・ダニエル。今大会の出場はGS第3節・ウズベキスタン戦1試合にとどまったが、
反応の良さやハイボールへの強さを見せ、勝利に大きく貢献した。本人にとっても、A代表として初の国際大会に参戦したことは大きな自信にもなっただろう。
2月3日に27歳を迎えたばかり。197 cmという高さは稀有な特長であり、代表での序列を上げるためにも、仙台の失点減はもちろん、元ボランチの経験を活かし、攻撃の起点となるビルドアップにも磨きをかけたい。
2/8(金) 21:12配信 GOAL 全文
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