コパ・アメリカに向けて“最悪のシナリオ”を想定すれば…
アジアカップでの準優勝を受けて、森保ジャパンが再始動する。3月の2連戦(コロンビア戦とボリビア戦)に臨む招集メンバーが近々発表されるが、はたしてどんな構成になるのだろうか。興味は尽きない。
理想を言えば、今回は新しいメンバーを推薦するより、アジアカップを欠場した中島翔哉、三竿健斗、浅野拓磨、守田英正、山中亮輔らをまずは再合流させて状態をチェックすべきだろう。アジアカップは決勝でカタールに完敗を喫したものの、結果としてはまずまずで、チーム全体の底上げもある程度は達成できたように感じている。そこに彼らを戻すことでどんな化学反応が起こるかを見てみたい。
とはいえ、最悪のシナリオも想定しておかなければならない。6〜7月にブラジルで開催されるコパ・アメリカに日本は招待されているが、国外組の大半を招集できない可能性が高まっているからだ。所属クラブとの兼ね合いで、下手をしたらすべてJリーグ組で大会に臨むことだってあり得る。誰が抜けて、誰が参戦できるのか。現時点で予測するのは難しいだろう。
では、将来的な投資の意味合いを含めて、若手を抜擢招集してはどうか。しかしながらこちらは、U-20代表やU-22代表の活動とバッティングしてしまう。3月はU-22がアジア選手権予選に、U-20も夏のU-20ワールドカップに備えて海外遠征が組まれていると聞く。たとえ橋岡大樹や安部裕葵、久保建英、板倉滉らをA代表に呼びたくても、いまこのタイミングでは厳しいだろうか。
23歳以上の選手でなら、鈴木優磨は図抜けた実力を持っており、中村憲剛はいまだJリーグ最強フットボーラーのひとり。個人的には強く推したいのだが、前者は怪我に見舞われ、後者は年齢を考えれば、やはり現実的な選択肢ではないか。
それでも、森保ジャパンの未招集組で期待を寄せたい選手は少なくない。今回はあえて5人の名を挙げさせてもらおう。
まず懸案のポジションは、センターフォワードだ。万が一にもコパ・アメリカで大迫勇也、南野拓実、武藤嘉紀のいずれもが不在となるなら、北川航也がひとりですべてをこなさなければならない。かなりシビアな状況である。そこではわたしは、ひとり目として川崎フロンターレの知念慶を薦めたい。チームメイトの小林悠も復帰してくればベターで、彼らは互いのプレーをよく理解し合っているので相乗効果が望めるだろう。知念の存在感とシュート力は特筆に値する。
ふたり目は、2018年のJリーグMVPである家長昭博だ。なぜか。最悪のケースを考えた場合、チーム自慢のサイドアタックを担う堂安律、中島、原口元気らが軒並みコパ・アメリカを欠場するかもしれない。サイドに創造性をもたらす選手が必要で、百戦錬磨の家長ならこの責務を難なくこなせるはずだ。
Jリーグ組を中心に人選していくと、やはりリーグ2連覇中のフロンターレの主軸が真っ先に浮かぶ。
守田に大島僚太、車屋紳太郎らも代表スカッドに戻るかもしれないが、さらに3人目として挙げたいのが、センターバックとしての安定感が際立つ谷口彰悟である。しかしフロンターレにはアジア・チャンピオンズリーグもあるし、こんなにたくさん同時招集されたらタマったものではないだろう!
では、4人目は他クラブから選ぼう。2シーズン連続でJリーグ・ベスト11に名を連ねている西大伍が旬だ。今季からヴィッセル神戸で活躍中で、その経験値は疑いようがなく、右サイドバックに酒井宏樹がいないとなれば、重要な貢献を果たせるはずだ。鹿島アントラーズの安西幸輝も視野に入れたいが、まずは西の経験とリーダーシップがニーズに合致する。
5人目はゴールキーパーから。柏レイソルの中村航輔はコンディションが良さそうだし、可能ならばなるだけ早く代表に復帰させたいタレントだ。能力的にはJリーグ随一で、コパ・アメリカに向けても特大の補強となるはずだ。
長期的な理想として言えば、もっともっと新たな戦力が台頭してシャッフルしてほしい。わたしの想像を超える選手が次から次へと飛び出し、サプライズをもたらしてほしいのが本音だ。それだけ今季のJリーグは魅力的で、伸び盛りの若手・中堅がごまんといる。
新しい発見を提供してくれるのではないかと、いつもワクワクして観戦しているのは、わたしだけではないはずだ。
3/8(金) 18:14 サッカーダイジェスト
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