先週末の映画動員ランキングは、『映画ドラえもん のび太の月面探査記』が土日2日間で動員26万人2000人、興収3億1100万円をあげて4週連続の1位。続いて、土日2日間で動員12万7000人、興収1億7500万円をあげた『翔んで埼玉』が動員ランキング2位に再浮上。
興収では、土日2日間で1億8100万円をあげた『キャプテン・マーベル』が2週連続で2位をキープしている。2019年の春休み興行前半戦を総括するならば、『ドラえもん』と『翔んで埼玉』の2強、ちょっと離れて『キャプテン・マーベル』といった状況。
注目すべきは、アメリカとの同日公開ということでギリギリ日本の春休み興行に滑り込んだ今週末公開の『ダンボ』がどれほどの爆発力があるかだ。
先週末に初登場した作品で最高位につけたのは、動員ランキング4位の『バンブルビー』。土日2日間で動員12万人、興収1億7300万円。初日から3日間の累計では動員18万6000人、興収2億6400万円。初動の週末興収比は17年8月に公開されたシリーズ前作の『トランスフォーマー/最後の騎士王』の52.7%。
ちなみに、累計興収17.5億円で終わった『トランスフォーマー/最後の騎士王』の時点で、その3年前の前作『トランスフォーマー/ロストエイジ』から40%近く興収を落としている。もともと原案が日本の玩具であることもあり、同シリーズは日本でも長年比較的安定した人気を保ってきたが、ここにきて凋落傾向がはっきりとしてきた。
実はアメリカ本国でもその傾向は出ていて、それらを補って余りある興行収入を稼いでいるのが、中国をはじめとする新興国という構図になっている。
そもそも今回の『バンブルビー』は、日本国内の宣伝でも「『トランスフォーマー』シリーズ最新作」と銘打たれてはいるものの、これまでのシリーズとの関係が少々わかりにくい作品だ。そして、それは製作サイドの方針が二転三転してきたことにも起因している。
2016年に『バンブルビー』の製作が正式に発表された時点では、本作は『トランスフォーマー』シリーズのスピンオフであり、2007年に公開されたシリーズ第1作以前の時代を描いたプリクエル(前日譚)になるとアナウンスされていた。つまり、『スター・ウォーズ』シリーズでいうところの『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のような位置付けだ。
プリクエル・ブームは1999年から2005年にかけて作られた『スター・ウォーズ』新三部作が火付け役で、その後も『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前日譚『ホビット』3部作などが作られ、現在も『ハリー・ポッター』シリーズの前日譚『ファンタスティック・ビースト』が作られているが、それらのシリーズはもはやスピンオフとは呼ばれていない。
スピンオフ作品には、スピンオフと自ら名乗った時点でスケールダウンした作品と見られてしまうというジレンマがあるのだ。
そんなジレンマから脱するためだろう、『バンブルビー』も製作過程で企画そのものが変化していった。最終的に本作は『トランスフォーマー』シリーズの「プリクエル」でも「スピンオフ」でもなく、『トランスフォーマー』第1作よりも前の時代を描いた「新シリーズ」であり、過去のシリーズとは直接関係のない「リブート作品」として世に送り出された。
本作の世界的な成功を受けて、『バンブルビー』はシリーズ化が検討されていて、それと同時に本家『トランスフォーマー』シリーズも本作『バンブルビー』の陽気で若々しいトーンとマナーを反映した上での新作(完全なリブートになるかどうかについてはまだ明らかにされていない)が予定されているという。
80年代ハリウッドを代表する売れっ子スティーヴン・スピルバーグと、90年代ハリウッドを代表する売れっ子マイケル・ベイの大型タッグによって、00年代にスタートした『トランスフォーマー』シリーズ。
2人の名前は今回の『バンブルビー』にもプロデューサーとして残っているが、製作に中国の大資本テンセント・ホールディングスが入り、シリーズ当初の「ドリームワークスとパラマウント映画の大型プロジェクト」という座組からは大きな変化を遂げている。
第1作の公開から12年を経て、2020年代以降もヒットシリーズであり続ける上での観測気球的な作品、それが本作『バンブルビー』の役割なのだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190327-00010023-realsound-ent
興収では、土日2日間で1億8100万円をあげた『キャプテン・マーベル』が2週連続で2位をキープしている。2019年の春休み興行前半戦を総括するならば、『ドラえもん』と『翔んで埼玉』の2強、ちょっと離れて『キャプテン・マーベル』といった状況。
注目すべきは、アメリカとの同日公開ということでギリギリ日本の春休み興行に滑り込んだ今週末公開の『ダンボ』がどれほどの爆発力があるかだ。
先週末に初登場した作品で最高位につけたのは、動員ランキング4位の『バンブルビー』。土日2日間で動員12万人、興収1億7300万円。初日から3日間の累計では動員18万6000人、興収2億6400万円。初動の週末興収比は17年8月に公開されたシリーズ前作の『トランスフォーマー/最後の騎士王』の52.7%。
ちなみに、累計興収17.5億円で終わった『トランスフォーマー/最後の騎士王』の時点で、その3年前の前作『トランスフォーマー/ロストエイジ』から40%近く興収を落としている。もともと原案が日本の玩具であることもあり、同シリーズは日本でも長年比較的安定した人気を保ってきたが、ここにきて凋落傾向がはっきりとしてきた。
実はアメリカ本国でもその傾向は出ていて、それらを補って余りある興行収入を稼いでいるのが、中国をはじめとする新興国という構図になっている。
そもそも今回の『バンブルビー』は、日本国内の宣伝でも「『トランスフォーマー』シリーズ最新作」と銘打たれてはいるものの、これまでのシリーズとの関係が少々わかりにくい作品だ。そして、それは製作サイドの方針が二転三転してきたことにも起因している。
2016年に『バンブルビー』の製作が正式に発表された時点では、本作は『トランスフォーマー』シリーズのスピンオフであり、2007年に公開されたシリーズ第1作以前の時代を描いたプリクエル(前日譚)になるとアナウンスされていた。つまり、『スター・ウォーズ』シリーズでいうところの『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』のような位置付けだ。
プリクエル・ブームは1999年から2005年にかけて作られた『スター・ウォーズ』新三部作が火付け役で、その後も『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前日譚『ホビット』3部作などが作られ、現在も『ハリー・ポッター』シリーズの前日譚『ファンタスティック・ビースト』が作られているが、それらのシリーズはもはやスピンオフとは呼ばれていない。
スピンオフ作品には、スピンオフと自ら名乗った時点でスケールダウンした作品と見られてしまうというジレンマがあるのだ。
そんなジレンマから脱するためだろう、『バンブルビー』も製作過程で企画そのものが変化していった。最終的に本作は『トランスフォーマー』シリーズの「プリクエル」でも「スピンオフ」でもなく、『トランスフォーマー』第1作よりも前の時代を描いた「新シリーズ」であり、過去のシリーズとは直接関係のない「リブート作品」として世に送り出された。
本作の世界的な成功を受けて、『バンブルビー』はシリーズ化が検討されていて、それと同時に本家『トランスフォーマー』シリーズも本作『バンブルビー』の陽気で若々しいトーンとマナーを反映した上での新作(完全なリブートになるかどうかについてはまだ明らかにされていない)が予定されているという。
80年代ハリウッドを代表する売れっ子スティーヴン・スピルバーグと、90年代ハリウッドを代表する売れっ子マイケル・ベイの大型タッグによって、00年代にスタートした『トランスフォーマー』シリーズ。
2人の名前は今回の『バンブルビー』にもプロデューサーとして残っているが、製作に中国の大資本テンセント・ホールディングスが入り、シリーズ当初の「ドリームワークスとパラマウント映画の大型プロジェクト」という座組からは大きな変化を遂げている。
第1作の公開から12年を経て、2020年代以降もヒットシリーズであり続ける上での観測気球的な作品、それが本作『バンブルビー』の役割なのだ。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190327-00010023-realsound-ent