森保ジャパンが大きなジレンマを抱えたまま、元号が令和になって初めて迎える国際Aマッチシリーズへ臨もうとしている。
コロンビア、ボリビア両代表と対峙した平成最後の国際Aマッチシリーズを1勝1敗で終えた森保ジャパンの次なる照準は、少なくとも5試合を戦う6月シリーズへすえられている。
まずは6月5日に豊田スタジアムで、9日にはひとめぼれスタジアム宮城で開催されるキリンチャレンジカップ2019に臨む。ともに対戦相手が未定だったが、前者はトリニダード・トバゴ代表となることが5日に発表された。その後は招待国として20年ぶりに参加する南米選手権(コパ・アメリカ)で、日本時間18日にチリ、同21日にウルグアイ、同25日にエクアドル各代表とグループリーグを戦う。
国際Aマッチウイークに開催される国内の2戦に関しては、日本サッカー協会(JFA)が選手を拘束する権利をもつ。おそらくは3月の2試合を戦ったメンバーと、休養の意味もあって選外としたキャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)、DF長友佑都(ガラタサライ)らを融合させ、9月から始まる予定のワールドカップ・アジア予選へ向けてチームを作り上げていく。
問題はコパ・アメリカとなる。国際Aマッチウイーク以外での開催で、なおかつ日本が所属するアジアサッカー連盟(AFC)以外の大陸選手権という位置づけから、海外だけでなく国内のクラブも所属選手を派遣する義務を負わない。
加えて、今年1月には森保ジャパンが準優勝に終わり、覇権奪回の目標を果たせなかったアジアカップがUAE(アラブ首長国連邦)で開催されている。国際サッカー連盟(FIFA)は大陸選手権で選手を招集する際に各国協会がもつ拘束力を、1年で1大会のみと規定している。
これに照らし合わせれば、アジアカップに出場した吉田や長友、DF冨安健洋(シントトロイデンVV)、MF柴崎岳(ヘタフェCF)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(FCフローニンゲン)らをコパ・アメリカへ招集することは極めて難しくなる。
アジアカップで背中を故障し、所属するベルダー・ブレーメンへ復帰してからも戦線離脱を強いられてきたFW大迫勇也に関しても、クラブ側が早々にコパ・アメリカへ派遣しないと明言している。アジアカップに出場していない海外組の交渉も、一筋縄ではいかないだろう。
これまでもコパ・アメリカには2011年大会、2015年大会で招待されてきた。しかし、前者は東日本大震災の発生に伴って国内日程の都合がつかず、後者は改正されたばかりの前出の規定に触れるため、ベストメンバーを派遣できないという理由でともに辞退している。
ひるがえって今回は、森保一監督の強い希望を受けて招待を受諾。参戦が正式に発表された昨年末の段階で、JFAの関塚隆技術委員長は「しっかりとしたA代表で臨む」とコパ・アメリカへ向けたビジョンを描き、FIFAの規定に関してはこう言及していた。
「両方の大会に出てはいけない、という規定ではないので。そこはご理解いただければ」
もっとも、コパ・アメリカが近づいてくるにつれて、森保監督の発言もややトーンダウンしている。昨年末の「幅広い年代で代表を組むことは考えられる」から、最近では若手を積極的に起用する方針を示し、監督を兼任する東京五輪世代となるU-22代表についても「フル代表に呼べるような選手がいれば、選考の土台にあがる」と言及した。
これが所属するFC東京でポジションを確立させ、飛び級で招集されたU-22代表でも結果を出している17歳のMF久保建英を大抜擢するのでは、という報道につながった。しかし、ここではコパ・アメリカへ向けたチーム編成が後退している背景に、目を向ける必要があるだろう。
昨年末の段階で自信を見せていた関塚技術委員長だが、国内外のクラブとの交渉は予想通り難航し、青写真を練り直す状況に追い込まれたことがうかがえる。当然ながら海外クラブはシーズンオフにあたる6月を休養にあてさせ、新シーズンへ万全のコンディションで臨ませたいと望む。
一方で国内の日程を見れば、コパ・アメリカの開催に伴う中断期間は設けられていない。リーグ戦だけでなく、YBCルヴァンカップのプレーオフ、そしてACL決勝トーナメント1回戦と重複する。
たとえば1チームにつき一人と人数の上限を設けられたとしても、Jクラブ側としては主力をコパ・アメリカへ派遣することに難色を示すだろう。ゆえに若手の積極的な起用となったわけだが、ここでも「嬉しい悲鳴」とも言うべき活況が指揮官を悩ませる。
4/6(土) 5:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190406-00010000-wordleafs-socc&p=1
コロンビア、ボリビア両代表と対峙した平成最後の国際Aマッチシリーズを1勝1敗で終えた森保ジャパンの次なる照準は、少なくとも5試合を戦う6月シリーズへすえられている。
まずは6月5日に豊田スタジアムで、9日にはひとめぼれスタジアム宮城で開催されるキリンチャレンジカップ2019に臨む。ともに対戦相手が未定だったが、前者はトリニダード・トバゴ代表となることが5日に発表された。その後は招待国として20年ぶりに参加する南米選手権(コパ・アメリカ)で、日本時間18日にチリ、同21日にウルグアイ、同25日にエクアドル各代表とグループリーグを戦う。
国際Aマッチウイークに開催される国内の2戦に関しては、日本サッカー協会(JFA)が選手を拘束する権利をもつ。おそらくは3月の2試合を戦ったメンバーと、休養の意味もあって選外としたキャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)、DF長友佑都(ガラタサライ)らを融合させ、9月から始まる予定のワールドカップ・アジア予選へ向けてチームを作り上げていく。
問題はコパ・アメリカとなる。国際Aマッチウイーク以外での開催で、なおかつ日本が所属するアジアサッカー連盟(AFC)以外の大陸選手権という位置づけから、海外だけでなく国内のクラブも所属選手を派遣する義務を負わない。
加えて、今年1月には森保ジャパンが準優勝に終わり、覇権奪回の目標を果たせなかったアジアカップがUAE(アラブ首長国連邦)で開催されている。国際サッカー連盟(FIFA)は大陸選手権で選手を招集する際に各国協会がもつ拘束力を、1年で1大会のみと規定している。
これに照らし合わせれば、アジアカップに出場した吉田や長友、DF冨安健洋(シントトロイデンVV)、MF柴崎岳(ヘタフェCF)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(FCフローニンゲン)らをコパ・アメリカへ招集することは極めて難しくなる。
アジアカップで背中を故障し、所属するベルダー・ブレーメンへ復帰してからも戦線離脱を強いられてきたFW大迫勇也に関しても、クラブ側が早々にコパ・アメリカへ派遣しないと明言している。アジアカップに出場していない海外組の交渉も、一筋縄ではいかないだろう。
これまでもコパ・アメリカには2011年大会、2015年大会で招待されてきた。しかし、前者は東日本大震災の発生に伴って国内日程の都合がつかず、後者は改正されたばかりの前出の規定に触れるため、ベストメンバーを派遣できないという理由でともに辞退している。
ひるがえって今回は、森保一監督の強い希望を受けて招待を受諾。参戦が正式に発表された昨年末の段階で、JFAの関塚隆技術委員長は「しっかりとしたA代表で臨む」とコパ・アメリカへ向けたビジョンを描き、FIFAの規定に関してはこう言及していた。
「両方の大会に出てはいけない、という規定ではないので。そこはご理解いただければ」
もっとも、コパ・アメリカが近づいてくるにつれて、森保監督の発言もややトーンダウンしている。昨年末の「幅広い年代で代表を組むことは考えられる」から、最近では若手を積極的に起用する方針を示し、監督を兼任する東京五輪世代となるU-22代表についても「フル代表に呼べるような選手がいれば、選考の土台にあがる」と言及した。
これが所属するFC東京でポジションを確立させ、飛び級で招集されたU-22代表でも結果を出している17歳のMF久保建英を大抜擢するのでは、という報道につながった。しかし、ここではコパ・アメリカへ向けたチーム編成が後退している背景に、目を向ける必要があるだろう。
昨年末の段階で自信を見せていた関塚技術委員長だが、国内外のクラブとの交渉は予想通り難航し、青写真を練り直す状況に追い込まれたことがうかがえる。当然ながら海外クラブはシーズンオフにあたる6月を休養にあてさせ、新シーズンへ万全のコンディションで臨ませたいと望む。
一方で国内の日程を見れば、コパ・アメリカの開催に伴う中断期間は設けられていない。リーグ戦だけでなく、YBCルヴァンカップのプレーオフ、そしてACL決勝トーナメント1回戦と重複する。
たとえば1チームにつき一人と人数の上限を設けられたとしても、Jクラブ側としては主力をコパ・アメリカへ派遣することに難色を示すだろう。ゆえに若手の積極的な起用となったわけだが、ここでも「嬉しい悲鳴」とも言うべき活況が指揮官を悩ませる。
4/6(土) 5:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190406-00010000-wordleafs-socc&p=1