「なぜですか?」
ある部員がこう漏らしたという。
日刊ゲンダイ2月20日付で報じた新潟県の日本文理高等学校野球部員の金銭紛失事件。
学校側が、事実解明を阻止するがごとく、「被害届を出すと出場停止になるかもしれないが、どうしますか?」と、
半ば父兄を脅すかのような発言をするなど、いくつかの隠蔽工作の事実は学校内外に大きな衝撃を与えた。
同校野球部は夏の甲子園大会出場9回、2009年には準優勝し、5月の北信越新潟県大会では春秋の大会で6季連続26回目の優勝を飾った名門校だが、
昨年11月には野球部寮内での飲酒、喫煙が発覚。野球部寮における部員の金銭紛失は17年秋から昨年12月まで頻繁に起きていた。
さらにそれを隠す学校……不祥事が続く同校野球部で「新たな動きがあったのです」と、ある関係者がこう語る。
「17年から続いていた部内における窃盗事件について2月にゲンダイの記事が出た。
学校は慌てて部員たちに、前年6月には把握していた複数部員の金銭紛失の届けを提出させた。あれには呆れました。
その流れで新潟西警察署が動きだし、下級生部員を恐喝した疑いで現3年生が事情聴取され、事実を認めました。
問題はその後です。恐喝部員は学校から何の処分もされず、野球部の練習に参加。
春季大会にはベンチにも入っている。事件を知る部員たちから『なぜだ?』という声が漏れてくるのは当然ですよ」
■「解決した問題」
日刊ゲンダイは日本文理高等学校の上野順治校長に電話取材を申し込んだところ田中利夫副校長が対応した。
――野球部内で恐喝事件がありましたね。
「事件は解決した問題です。終わっています。詳細については個人情報の問題もあるのでお答えできません」
――恐喝した部員は停学にもならず、試合にも出ている。恐喝が見つかったからお金を返した、謝罪した。だから罪は問われないというのは世間では通用しませんが。
「それは認識が違う。健全に無事解決していますから」
――事件は高野連には報告していますか。
「報告しています」
――これまでの事件は外部にも知られており、進路に影響しないか心配している父兄もいます。
「それは初めて聞きました」
日刊ゲンダイは新潟県高野連に、日本文理高から「野球部で恐喝事件があった」との報告を受けたか問い合わせたところ、「あったともなかったとも外部に話す必要はありません」との返答だった。
別の関係者がこう言う。
「窃盗事件のもみ消し工作や今回の恐喝事件への対応で、学校は経営優先ということがわかりました。
警察沙汰になっているので学校はもちろん、野球部の監督も恐喝事件の全容は知っています。
全てをウヤムヤにしていることは教育上もよくないし、部員同士も甲子園出場に向かって一丸にはなれません。
学校は不祥事が公になることを恐れているのでしょうが、結果的に学校全体の信頼を失うことになる。それがわかっているのか」
ちなみに、今回の恐喝事件について父兄や部員には何の説明もないのは「解決した問題」だからか。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190531-00000014-nkgendai-base
5/31(金) 9:26配信